遊戯王GX―厄災の魔女―(更新停止)   作:黒蒼嵐華

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万花と十代の2人にタイタンとデュエルして欲しかったので、ちょっとずるい書き方かもしれないです。


VSタイタン その1

十代くんがイエロー寮に昇格すると思っていたわたしは、その誘いを断ったと聞いて驚いた。だって寮のランクが上がると待遇も改善されて学園からも近くなるし、ご馳走もエビフライじゃなくなるのにどうしてだろう。理由は赤が好きだから、って言ってたけど……

 

万花は十代の取った行動に驚いていた。万花だけではなく、学園中の生徒や教師までも驚愕を隠せなかった。クロノスは前代未聞ナノーネと言って憤慨していたそうだが、少し考えた後、にやりとした表情に変わったらしい。

 

「まあでも、フフッ、十代くんらしいよね……」

 

万花は十代の行動を思い出し頬を緩ませていた。どうやら万花は十代のキテレツな行動や発想が大好きであるようだった。

 

授業が終わり、食事を終えた万花は気分転換に、と夜の散歩に出かけた。明日香の話の中に出てきた夜の灯台が気になったので、その灯台のあたりまで来ると2つの人影をあった。

 

あれって……クロノス先生? ともう1人は誰? あんな人アカデミアの先生にいたかなぁ……何話しているのか気になるけど、先生同士の会話なら聞いちゃダメだよね。門限まで少しあるけど寮に戻ろうかな。うん、戻ろう。

 

万花が寮に戻ろうとしたら、偶然花を持って森に向かっている明日香を見つけた。暗くて普通はわからないのだが、万花の視力が良すぎるため発見することができたのだ。

 

明日香ちゃん……一体どうしたんだろう? でも、花持ってたんだよね。ということは誰かに告白するのかな? 明日香ちゃんが告白するとしたら……この学校で有名なカイザーこと丸藤先輩かなぁ。仲がいいって聞いたことあるし……明日香ちゃんには悪いけど、着いていこう。

 

万花はしばらく門限について考え、それに葛藤しているうちに明日香はどんどん進んでいく。万花は好奇心に負けて明日香を尾行し始めた。

 

明日香は見るからにもう使われていない寮の前に花を置いた。花を手向けたと言った方がしっくり来るような表情だった。

 

しまった。こんなことになるなんて思わなかったよ。覗き見しちゃってゴメンね。後でしっかり謝ろう。

 

明日香が立ち去ろうとした時、やけに明るい声が聞こえてきた。声の主は十代と翔、それと前田隼人だった。万花は隼人と面識がなかったので、思わず誰? と言ってしまった。さすがに呟き程度のその声は周りの人には聞こえなかった。十代たちは明日香が手向けた花を見つけると余計に面白がっていた。肝試し感覚で来たらしい十代たちに明日香が忠告している。十代たちは明日香の忠告を聞くことなく、廃寮に入っていった。それを明日香は心配そうに見つめ、姿が見えなくなると、万花が隠れていた茂みに近寄ってきた。どうやら万花が見ていたことは気付いていたらしい。

 

「それで? 万花はどうしてここにいるのかしら?」

「うぅ……それは明日香ちゃんが花を持ってこんな時間に出かけて行くのを偶然見かけたから告白するのかなぁって思ったから後をつけてきたんだけど……」

「残念ね、勘違いよ」

「あはは、ゴメンね、明日香ちゃん」

 

万花は苦笑いしていた。自分の勘違いだったので、少し恥ずかしかったのだ。明日香はそんな万花を見てはぁ、と溜息をついてまあいいわ、と言って許した。

 

「十代くんたちを追いかけなくていいの?」

「必要ないわよ。それに廃寮に入ったことがバレたら倫理委員会が飛んできて大変なことになるわよ」

「大変なことって……停学とか?」

「停学で済めばいいんだけどね、退学になる確率の方が高いわよ」

「なら、なおさら止めないと!」

「もう遅いわよ」

「あっ、で、でも今からでも遅くはないよ。わたし行ってくる」

 

万花が駆け出そうとした時、目の前に大男が立っていた。万花はそれに驚愕した。

 

「いつの間に……」

 

大男は音もなく万花と明日香の前に立ちふさがっていたのだ。万花は走り出そうとした時に、巨大な壁があったように錯覚した。

 

「フハハハハ、貴様らは餌になってもらうぞ!」

「餌?」

「そうだぁ! あるデュエリストが逃げられないようにするためになぁ!」

「あるデュエリスト……?」

 

万花がこの大男が誰とデュエルしようとしているのかを聞き出そうとしたが、それは大男の行動によって阻止されてしまった。男がマントをバサっと広げると、霧のようなモノが立ち込めてきたのだ。万花は咄嗟に後ろに下がったが、霧からは逃げることはできなかった。しかし、万花は直感でこれを吸ってはいけないと思い、息を止めた。

 

この霧を吸うとどうなるかわからない以上、吸うわけにはいかない……明日香ちゃんは……?

 

万花が明日香を見やると明日香も同じように息を止めているのがわかった。大男は悔しそうな声を漏らし、デュエルしろ、と叫んだ。その叫びと同時に多少霧が晴れた。

 

霧を出すのをやめた……ということは正々堂々デュエルするってことだよね。だったらわたしが!

 

「さあ、どっちがデュエルするのだ? 私は準備万端だぞ」

「私が……!」

「明日香ちゃんわたしにやらせてくれないかな、きっとあるデュエリストって十代くんのことだと思うから、少しでも恩を返さないといけないと思うんだ」

「恩を返す……? 十代があなたに何かしたかしら?」

「あ、ううん。わたしが勝手にそう思っているだけだから気にしないで」

「え、ええ」

「ではそっちのパッとしない小娘が相手ということだなぁ!」

 

パッとしないって……言ってくれるなぁ。絶対に勝つ!

 

「パッとしないは失礼だと思うよ」

「ふっ、パッとしないのだから仕方あるまい」

「もういいや、いくよ!」

「いいだろう、私は闇のデュエリスト、タイタンだぁ! やつの前にまずは貴様を葬ってやろう!」

「「デュエル!!」」

 

お互いにデュエルディスクを展開しデュエルが始まった。

 

「私の先攻。私は手札から万魔殿(パンディモニウム)―悪魔の巣窟―を発動! そして手札からジェネラルデーモンを召喚ン! カードを1枚伏せてターンエンドぉ!」

 

「私のターンドロー! 私は手札から愚かな埋葬を発動! BF-精鋭のゼピュロスを墓地へ送るよ。 そして、モンスターをセットし、ターンエンド」

 

タイタン 手札2 LP/4000

 

フィールド ジェネラルデーモン 万魔殿《パンディモニウム》―悪魔の巣窟― 伏せ1

 

万花 手札4 LP/4000

 

フィールド セットモンスター1

 

万魔殿(パンディモニウム)-悪魔の巣窟-

 

フィールド魔法

「デーモン」という名のついたモンスターはスタンバイフェイズにライフを払わなくてよい。

戦闘以外で「デーモン」という名のついたモンスターカードが破壊されて墓地へ送られた時、

そのカードのレベル未満の「デーモン」という名のついたモンスターカードを

デッキから1枚選択して手札に加える事ができる。

 

 

ジェネラルデーモン

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻2100/守 800

このカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。

デッキから「万魔殿-悪魔の巣窟-」1枚を手札に加える。

また、フィールド上に「万魔殿-悪魔の巣窟-」が存在しない場合、

このカードを破壊する。

 

「私のターンドロー! 私は手札からジェノサイドキングデーモンを召喚ン! そして戦闘だぁ! ジェノサイドキングデーモンでセットモンスターにアタックぅ!」

「破壊されたカードはトリック・デーモン。トリックデーモンの効果によりデーモンの宣告を手札に加えるよ」

「ぬぅ、デーモンを使うとはなぁ。私は運がいいようだなぁ、トリック・デーモンは私が持っていないデーモンの内の一体。貴様が負けたらそのカードは頂いていくぞぉ!」

 

タイタンの言葉に言い分に明日香は激怒した。

 

「あなたはカードをなんだと思っているの! カードはデュエリストの魂と言っても過言ではないわ! それを奪うだなんて……」

 

明日香の言う通り、デッキのカードはデュエリストの魂である。それを奪われるということは死にも等しいことである。しかし、万花はそれを気にした様子はなかった。

 

「別にいいよ」

「万花!? 何言ってるの!」

「大丈夫だよ、明日香ちゃん。わたしは負けないから」

「でも、もし負けたら……」

「わたしはその魂を奪うような人に絶対負けないよ」

「万花……わかったわ。任せるわよ」

「うぬう! あまり私をなめるなよぉ! ジェネラルデーモンでプレイヤーにダイレクトアタックだぁ!」

「ああああああああああッ!」

 

 巨大な剣を持った悪魔が万花を斬りつける。万花は思わずふらついた。ソリッドビジョンシステムであるにも関わらず、だ。

 

「フハハハハハ! もうお前のライフは半分を切ったぁ! サレンダーをするなら今のうちだぞぉ!」

「サレンダー? そんなことしないよ、デュエルはここからだよ!」

「精々足掻くがいい! ターンエンドぉ」

 

タイタン 手札2 LP/4000

 

フィールド ジェネラルデーモン 万魔殿《パンディモニウム》―悪魔の巣窟― 伏せ1

 

万花 手札5LP/1900

 

フィールドなし

 

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻2000/守1500

自分フィールド上に「デーモン」という名のついた

モンスターカードが存在しなければこのカードは召喚・反転召喚できない。

このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に800ライフポイントを払う。

このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、

その処理を行う時にサイコロを1回振る。

2・5が出た場合、その効果を無効にし破壊する。

このカードが戦闘で破壊した効果モンスターの効果は無効化される。

 

「いくよ! わたしのターン、ドロー! わたしは手札から魔法カードブラック・ホールを発動! あなたのフィールドのモンスターには退場してもらうよ」

「何ィ! だがこの瞬間私のフィールド魔法の効果が発動する。ジェネラルデーモンとジェノサイドキングデーモンが破壊されたことで2枚手札に加えたいところだが、同時に破壊されたので、1枚カードを手札に加えるぅ! 私が手札に加えるのはデスルークデーモン!」

「でも、あなたの場にモンスターはいない! これならッ!?」

 

 万花が驚愕したのは、ブラックホールで倒したはずのジェノサイドキングデーモンが復活していたからである。

 

「どうして……」

 

 タイタンは万花の様子が面白かったらしく声をあげて笑った。

 

「フハハハハ! 貴様がブラックホールを発動し、ジェノサイドキングデーモンが破壊された時に、手札に元々あったデスルークデーモンの効果を発動させていたのだぁ! そして、パンデモニウムの効果でまたデスルークデーモンが手札に加わったぁ! 効果破壊では倒せんぞぉ!」

「でも、戦闘破壊なら問題ないよね! わたしは深海のディーヴァを通常召喚! そして、ディーヴァの効果により、デッキからリチュア・ディバイナーを特殊召喚する……!? ディーヴァが破壊された!?」

「貴様の浅はかな戦術などとっくに見切っておるわァ! カウンター罠、神の警告ぅ! このカードはモンスターの召喚を無効にし、破壊する効果があるのだぁ!」

「でも、あなたはコストとして2000ライフポイント払うはずよ」

 

 明日香は神の警告のライフコストを指摘する。

 

「その通り。あまりにも強力すぎる効果故に半分のライフを払わなければならないというデメリットは存在するぅ。だがぁ! 守るモンスターはいない! このデュエル私の勝ちだぁ!」

「私はカードを2枚伏せてターンエンド」

「万花……」

 

 明日香は万花を心配そうな目で見つめた。しかし、万花の目はまだ死んではいないことを確認すると、安心したように胸をなでおろした。万花もタイタンを自信に満ちた目で見ている。

 

「貴様……そんな態度を取れるのも今のうちだぁ! 私のターンドロー! フフフ、ハハハハハハぁ! 見せてやる! 私のエースを! ゆくぞぉ、私はフィールドのジェノサイドキングデーモンを生贄に捧げぇ、迅雷の魔王―スカル・デーモン!」

 

 万花はニヤリと笑った。

 

「それを待っていたよ! カウンター罠発動! 神の」

「ンなにぃ! 貴様も神の警告を……いや、警告は使えまい! 貴様のライフは残り1900! プレイングミスだなぁ!」

「タイタンさん、何を勘違いしているかは分からないけど、私は神の警告を発動するつもりはないよ」

「なにぃ!? じゃあ何を……ハッ!」

「カウンター罠、神の宣告を発動! ライフを半分支払うことで、相手のモンスターの召喚を無効にするよ!」

「くぅぅ……スカルデーモンが……だが甘いぞぉ! 私は手札から二重召喚(デュアルサモン)を発動ぅ! 私は手札のデスルークデーモンを召喚!」

「万花!」

 

 明日香が悲痛な叫びをあげたが、万花はまだ諦めた様子はない。

 

「デュエルは最後まで何が起こるかわからないんだよ。罠カード、針虫の巣窟を発動! このカードはデッキの上から5枚墓地へ送るカード」

「それがなんだと言うのだぁ! 貴様のライフは残り950だぁ! これで終わりだぁ! デスルークデーモンでダイレクトアタックぅ!」

「わたしはネクロ・ガードナーの効果を発動! 相手モンスターの攻撃を一度だけ無効にする!」

「甘い! デスルークデーモンはサイコロを振って3の目が出たときにぃ、このカードを対象として発動する効果を無効にし、破壊するぅ! 今回はサイコロの代わりにこのルーレットを使用するぅ!」

 

 ルーレットが動き出す。ルーレットは炎のようなモノが数字の上に移動するというものだった。長く思われたそのルーレットも終わりを告げようとしていた。動くスピードが段々遅くなり、そして止まった。その目は3ではなく、5だった。

 

「なぁにぃ!? なぜ私のルーレットが3を示さんのだぁ!」

「それがどういう意味かは聞かないであげるけど、これで攻撃は無効になったよ。さあ、ターンエンドを宣言して」

「くぅ……かくなる上は…………遊城十代だけでも抹殺する! フハハハハハ! さらばだぁ!」

 

 タイタンはコートの中から霧を出し、その霧に紛れて消えた。

 

「デュエルから逃げるなんて……デュエリストの風上にもおけないよ。明日香ちゃん、追おう! 十代くんとデュエルする前にわたしが……! ……ってあれ? 明日香ちゃん?」

 

 どうやらタイタンは霧に紛れて、明日香を連れ去ったようであった。

 

「十代くんがいるのはこの中、ちょっと怖いけど……あんなデュエリスト、許せないよ! クロノス先生は一体どうしてあんな人と一緒にいたんだろう……」

 

万花がタイタンを見つけた時には既に、十代がデュエルしていた。万花を見た翔が駆け寄ってくる。

 

「あ、万花さん。来てたんスね、聞いてくださいよー。アニキの体がなんかどんどん薄くなっちゃってて……」

「そ、そうなんだな。十代の体がどんどん消えていくんだな」

「十代くんの体が!? わたしがあの人とデュエルしたときはそんなことなかったのに……そうだ、えーっとゴメンなさい。わたし、あなたのこと知らないんですけど……」

 

 万花は隼人を見ていった。隼人はハッとして自己紹介をした。

 

「申し訳なかったんだな。俺は前田隼人というんだな。千維のことは十代や翔からよく聞いているんだな。まあ2人から聞かなくても、シンクロとエクシーズ両方を操る千維は学校では有名人なんだけどな」

「えっと、一応わたしも自己紹介しますね。千維万花です。よろしくお願いします、前田先輩。そうだ、明日香ちゃんは!?」

「あ、明日香さんならあそこッス。僕らじゃどうすることも……」

「ひどい……」

 

 翔が指差した先には明日香が棺桶に入れられ、手足を縛られていた。

 

「十代のアニキは明日香さんを助けるためにあいつとデュエルしてるッス」

「ありがとう、翔くん」

 

 万花が翔に微笑んでお礼を言ったあと、十代にタイタンの行動を教えた。

 

「十代くーん! タイタンさんなんだけどねー!」

「うおっ!? 万花!? いつの間にいたんだ? 俺全く気づかなかったぜ」

「それは後でね。とりあえずその人わたしすっごく許せない!」

「ああ! 俺もだ、明日香をあんな目に遭わせやがって!」

「そうだね、わたしもそう思うよ。それだけじゃないの! その人はわたしとデュエルしてたのに逃げたんだよ! デュエリストとして許せないよ!」

「何ッ!? あんた、今の話し本当か?」

 

 十代は怒気を含んだ声で、タイタンに問う。

 

「真実だぁ。だが、あのままデュエルを続けていれば私が勝っていたのだ。それをわざわざ引き分けという形にしてやったのだ。むしろ感謝してほしいくらいだぁ」

「あのままデュエルを続けていれば勝っていたのはわたし!」

 

 万花とタイタンはどちらが勝っていたかで言い争いを始めてしまった。それがようやく収まると、タイタンは十代に向き直りデュエルを再開した。

 




一応タイタンのエンドフェイズに移行されなかったので、その前に使われていたカードの説明を……

ブラック・ホール
通常魔法(制限カード)
(1):フィールドのモンスターを全て破壊する

デスルークデーモン
効果モンスター
星3/光属性/悪魔族/攻1100/守1800
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に500ライフポイントを払う。
このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、
その処理を行う時にサイコロを1回振る。
3が出た場合、その効果を無効にし破壊する。
自分フィールド上の「ジェノサイドキングデーモン」が破壊され墓地に送られた時、
このカードを手札から墓地に送る事で、その「ジェノサイドキングデーモン」1体を特殊召喚する。

迅雷の魔王―スカル・デーモン
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2500/守1200
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に
500ライフポイントを払う。
このカードが相手のコントロールするカードの効果の対象になり、
その処理を行う時にサイコロを1回振る。
1・3・6が出た場合、その効果を無効にし破壊する。

二重召喚(デュアルサモン)
通常魔法
このターン自分は通常召喚を2回まで行う事ができる。

針虫の巣窟
通常罠(制限カード)
自分のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。
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