皆さんのおかげです!ありがとうございます!
感想、高評価ありがとう!!これからもよろしくお願いします!!
という訳で第二話目になります。お陰様で続きましたよ、えぇ。
楽しんでいただければ幸いです。どうぞ。
帝国魔法学院の講義棟。
一人の魔法詠唱者が、カツカツと靴音を鳴らせ教室へと歩みを進めていた。
自分が講義を行う教室の前に見える人集り。
前に歩を進めるに連れ、群衆が道を譲るべく2つの塊に裂けた。
教室の中には人、人、人。
全ての席に余すことなく座っている、人の群れ。
今日は何を見せてくれるのかと、教室はおろか廊下からも期待の眼差しが向けられる。
いつも以上にいつも通りの光景だ。少なくとも、この学院の講師となって一年と経たぬ内からの。
教壇の上から見える視界の隅に弟子の姿を捉え、呼吸を一つ整える。
「それでは」
一流講師の仮面を被り、それに相応しいよく通るように心掛けた声で告げる。
「本日の講義を始める」
今日一日の、戦いの始まりを。
ーーどうして、こうなったんだっけ。
アインズ・ウールゴウンは転生者である。
前世の、それも大昔にそういったジャンルの物語が一大ジャンルとなったと、かつての仲間の一人が口にしていた。
自分の前世における最後の記憶は、己の青春の全てを捧げたと言っても過言ではなかったゲーム「ユグドラシル」の、そのサービスが終了する時のこと。
最盛期には栄華を極めたそのタイトルも、時の荒波には勝てず、10年以上の歴史に幕を閉じることとなった。
そのユグドラシルにおいて、自分がメンバーでありギルド長を務めていたのが、ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」である。
悪を標榜としPKKを行う、ヘルヘイムの悪の華とも呼ばれ、一時期ギルドランクトップ10にも昇り詰めた異形種で構成されていた。
メンバーは全員で41人。
その拠点であったナザリック地下大墳墓の玉座の間にて、自分は最後の瞬間を迎えたはずだったがーー
ーー気がつけば全く見知らぬ場所で、見知らぬ天井を見ていた。
どうやら自分は転生したらしい、と気づいたのは暫くしてからだった。
最初は何かヤバい電脳犯罪にでも巻き込まれたのではと戦々恐々としていたが、異世界に転生というもっととんでもないことになっていた。
二度目の誕生を迎えたのはバハルス帝国なる国の首都のようだった。
別に国の名前に関して詳しいわけでもなかったが、まず間違いなく聞いたこともない国。
今世の父母から「アインズ・ウールゴウン」と名付けられ、流石に驚いた。
自分の名前がほとんど前世のゲームのギルド名のまんまとは、一体どんな因縁なのか。
幸いこちらにおける両親に恵まれ、何不自由なく大事に育ててもらっていた。
前世では小学校を最後に学生生活を終えたが、こちらでは両親が魔法組合の職員だったからか魔法詠唱者の道を勧められ、帝国魔法学院に入学することに。
生まれついての異能の存在とその能力のお陰で入学前から魔法が使えたことから、飛び級で卒業。
知り合いはできたものの、友達と呼べるような関係には至らなかった。
本当はもっとゆっくりと通いたかったが、両親の喜びようと、とある老人の差金でそれは叶わず。
彼と老人の関係については、いずれまた語られるだろう。
卒業後は帝国魔法省に勤めたが、周囲の魔法に対する(熱すぎる)姿勢についていけず、結局母校となった魔法学院の講師となった。
冒険者として未知を求めるような旅に出ることも考えたが、魔法詠唱者の一人旅は危険だったことと、前世では碌に出来なかった親孝行とを比べた結果だ。
講師としてその評判が何故か徐々に学院中に広がり始めた頃、師である老人が自分の元に訪ねてきた。
また魔法談義か、と思ったが違った。
曰く、直接指導している生徒の一人が最近魔導の鍛錬に集中していない。
曰く、講師として、また先達として自分にその生徒を預けるので、魔法詠唱者の何たるかを教え、導いてやって欲しい。
当時新任の自分には重い依頼だが、結局師匠の(無駄に厚い信頼からくる)期待に応えることに。
そもそも自分も人に教える程魔法詠唱者の何たるかなんて知らなかったというのに・・・・・・
件の生徒に関しては幸い講義で見かけたことはあったので、全くの初対面ということはなかった。
名前はーー
「アルシェ・イーブ・リイル・フルトです。あの、フールーダ様から、先生に相談するといいと聞いてきました。話も通しておいたと」
聞いた。確かに依頼は受けた、が。
(これ、ひょっとして魔法関係ないヤツじゃない??)
相談者の纏う雰囲気からなんとなく察した。
てっきり魔法関係かとばかり思っていたが、そもそも魔法関係の悩みなら、あの帝国No.1魔法詠唱者の老人に聞けばいいのだから。
依頼者と相談者の間に妙な認識のズレが生じていた。
相変わらず魔法以外はダメな人だと、心の中で
話を聞くと、近々学院を辞めようと考えているそうな。
理由は両親の抱えた借金。貴族の席を無くしたにも関わらず金を使い続け、薄暗い連中からも借り始めたとか。
その借金を返済するために学院を辞め、金を稼ぐために冒険者あたりになろうと考えていると。
酷い親がいたもんだ、と思うと同時に、正直自分には荷が勝ちすぎるとも思った。
自分のような新任の講師ではなくもっとベテランの人か、生徒の悩みを聞く専門の先生にでも頼った方がいい。
申し訳ないが断ろうとしたとき、少女の顔を見た。
今にも泣き出しそうなほど、困り果て、苦悩に満ちた顔。
かつて憧れ、今も憧れている聖騎士に出会った時を思い出した。
『誰かが困っていたら、助けるのは当たり前!』
どれだけ必死に考えても、どうにもならなかったのだろう。
無理もない。いくら才能ある魔法詠唱者と言っても、まだ10代の子供だ。
あの人の恩に報いる為にも、この少女を見捨てるわけにはいかなかった。
これが後に自身の初めての弟子となる、アルシェとの出会い。
結果から語ると、アルシェは学院を去らずに済んだ。
両親は借金を返すべく働き始め、アルシェは妹たちを連れ学生寮にて生活することに。
今でもたまに家族で顔を会わせるらしい。
そういえばフルト姉妹が寮の部屋を借りることが決まった際、できるだけ広めの部屋を貸してやって欲しいと学院の事務室を訪ねたら妙にあっさり承諾してくれた。
なんだかよく分からなかったが、まぁ今更考えてもしょうがない。
ちなみにどうやってフルト夫妻(主に夫)を説得したかというと、実はあまり覚えていない。
何度か説得しに行き門前払いにあったことは覚えている。
が、その頃講師としての仕事が忙しくなり始め、そちらと相まって頭がオーバーヒートしていたのだろう。
やけに大仰な身振り手振りを交えて、夫妻の感情に直接訴えかけるような熱い演説をぶちかました気がする。
完全に制御不能の暴走状態だった。
あとなんか見覚えのある
そうだろう、そうに違いない。
父上とか呼ばれてもいない。ないったら、ない。
これで万事解決ならめでたかったが、そうはならなかった。
なんか知らないうちに、学院一の講師扱いされることになっていた。
全く意味不明だった。
未知のモンスターや新手の精神魔法攻撃かと思ったが、それの方がマシだったかもしれない。
「プロフェッサー」だの「ミスター・M」だの、知らないところで聞き覚えのない異名を勝手に付けられていた。
(後で弟子に聞いたら「ファンクラブ(のようなもの)もある」と言われ、卒倒した)
勘弁してください。
自分は普通に仕事していただけなのに、何故身の丈に合わないような評価を受けているのだろうか。
魔法は解っても、これだけは分かりそうにない。
遠い世界の骸骨が、「王様になるよりはマシ・・・・・・」と囁いてくる幻聴が聞こえた気さえした。
本当に、どうしてこうなったのか。
講義時間の終了を告げる鐘が鳴る。
「本日はここまで」と講義を終え、足早に教室を後にする師匠の背を追いかける。
周りの生徒はキラキラとした眼で見ているが、自分には若干哀愁を漂わせているように見えた。
師匠には悲観的なところはあるが、何かあったのだろうか。
考えていると、何故か違う世界の自分の悲惨な出来事が見えた気がしてうっ、となったのでそこで思考を止めた。
今のはなんだったのだろう・・・?
いくら考えても答えの出なそうな問いを抱えたまま、師弟の日々は続いていく。
「ん?伝言か、これは・・・・・・はい、アインズです」
「また魔法談義ですか?この前やったばかりじゃないですか。忘れたんですか?今朝の朝食とか、ちゃんと覚えてます?」
「え?アンデットを使った極秘のプロジェクト?」
「いや、いきなり参加しろって言われても、こっちも忙しいですし・・・」
「皇帝陛下肝入りの計画?アッ、スーッ・・・・・・ワカリマシタ、ハイ」
(師匠、また使われてる・・・・・・)
行間ってもう少し広げた方がいいですかね?
読みづらくないですか?大丈夫かな・・・
あと、異世界おじさん面白いっすね。
おじさんをよう実の世界にぶち込む話とか浮かんだんで、その内投稿する、かも?