素晴らしい世界へ鬼島津   作:syunin

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おかしい……二年もたっているのにドリフの七巻が出ない…………


一巻相当
一話:バトルオブセキガハラ


 

___豊久、豊久!!

___初陣で侍首か

___良か!!良かにせじゃ!!

___すごかな武者振り、ただ上帯んきびり方はこうすっとじゃ

___よう聞け。もし軍に勝って討死せんな、こん上帯は我が解こう。だが今日ん軍で屍を戦場に晒す時は、切った上帯を見て、島津が家に生まれた者ん思い切ったっ所作と敵も知り、我もそん死を喜ぼう

 

 

 

 

 

___ょひさっ!とよひさっ!

 

「豊久っ!」

 

「退くのじゃッ!豊久ぁッ」

 

 征野に猛将の声が響き渡る。

 慶長5年、関ヶ原鳥頭坂。

 天下分け目の戦いは西軍の敗北という結果に終わり、最後まで残り続けた島津軍も敗走。

 そこで島津軍は東軍へ突撃を敢行、徳川本隊の横をすり抜け伊勢路方面へ撤退していた。

 自身の伯父でもあり、島津軍の大将でもある島津義弘にかけられた声に、【島津中務少輔豊久(しまづなかつかさのしょうほとよひさ)】は振り向かずに返す。

 

 「天運は既に窮まっ!戦うちゅうも負けは明らわっぜ!我もこけ戦死しよう。義弘公は兵を率いて薩摩に帰られじゃ。国家ん存亡は公ん一身にかかれり」

 

 「おいも兵子もここで皆死んでも、こん戦島津(おいたち)の勝ちなんでごわす」

 

 「お退きあれ!!ここは、お豊におまかせあれ!!」

 

 「なにをっ、お前も帰るのじゃ、薩摩へぇ!豊久ぁ!」

 

 「帰りたかです。死ぬなら、薩摩で死にたか」

 

 そう言い、豊久は今度は振り返った。

 

 「おじうえ一人薩摩に戻られたなら、おいも兵子も、ここで皆死んでも。こん戦、おいたちの勝ちでごわす!」

 

 そう言いながら前を向く豊久。

 

 「さあ兵子ども!!射ち方構えぃ!!」

 

 「敵は徳川最強赤備え、相手にとって不足なし!」

 

____命捨てがまるは、今ぞ!!

 

 号 ッ ! ! 

 

 太刀を抜き放ちながら上げた豊久の声に、薩摩隼人が応える。

 そこに、徳川最強と名高い『井伊の赤備え』が追撃にかかる。

 

 「奴らを生かして薩州に帰さば、井伊徳川の恥ぞ!!」

 

 迫りくる追撃を前に、島津軍は座禅陣、「捨て(がまり)」にて挑む。

 その中、義弘はたまらず叫んだ。

 

 「待っておるぞ豊久!!」

 

 「待っておるぞ薩摩で!!」

 

 「死んだら許さぬぞ!!豊久ぁ!!」

 

 その声に、思わず豊久は破顔する。

 

___良か御養父(おやじ)どのじゃあ

___豊久は幸せもんだぁ

___よぅし!ここは一番武者働きせねば

 

 そして、両軍が激突した。

 

 

 

 「狙えぇい……」

 

 「放てぇ!!」

 

 豊久の号令とともに、鳥頭坂に轟音が鳴り響く。

 その一瞬後に、豊久は土煙をあげながら走り出した。

 火縄銃に倒れる徳川軍の間を駆け抜け、その勢いで騎兵を馬ごと両断する。

 

 「島津中務少輔豊久、推参!!」

 

 堪らぬ口上に、直政は漏らした。

 

 「おお、美事也」

 

 そのまま、豊久は馬上の兵の首を切り捨てた。

 そして直政の目の前までたどり着くと、直政が馬上から吐き捨てる。

 

 「死兵め、井伊侍従直政(いいじじゅうなおまさ)、見参……!貴様らはもう負けたのだぞ」

 

 そう言い、井伊直政が槍を構える。

 

 「その首、俺の手柄になれい」

 

 豊久が中段に構えながら返す。

 

 「何言いやがるクソボケが」

 

 「首になるのは(おい)じゃない、貴様よ!!」

 

 須臾にも満たぬ時間ののち、両者は激突した。

 

 「阿呆が!!」

 

 一合、二合三合。

 

 直政の槍と、豊久の太刀がぶつかる。

 

 「直政様!!」

 

 「殿を!!守れ!!」

 

 「応!!」

 

 ___応!!

 

 大将の危険を感じた徳川軍が直政の前に槍衾を敷く。

 それを前に、豊久は頬を伝ってきた自分の血をぺろりと舐め、笑みを浮かべる。

 

 「応、良か兵子じゃ」

 

 そして、槍衾へ自ら飛び込んだ。

 

 「こ……こやつ……ッ!」

 

 圧倒的な跳躍力にて槍衾に飛び込む豊久。

 当然のように豊久は槍で貫かれ、あやされる赤子のように突き上げられた。

 

 「……阿呆が!」

 

 何本も槍が突き刺さり、三度宙を舞う豊久を前に直政が吐き捨てる。

 しかし、豊久の動きは止まらず。

 

 「阿呆はお前(うぬ)じゃ、井伊侍従直政ぁッ!!」

 

 そう叫び、腰に差していた火縄銃を抜き放った。

 

 「!?……おぉオ!!」

 

 「はッはァー!!やったど!!」

 

 弾は直政の左肩に中り、思わず直政は落馬する。

 それにより槍衾の手もゆるみ、豊久も地面に落ちた。

 大将の負傷、徳川軍に動揺が走る。

 

 「直政様!!」

 

 「殿!」

 

 「殿ぉ!!」

 

 徳川軍の兵たちが直政に駆け寄る。

 

 「退け!!退くのだ!!」

 

 直政を担いだ兵らは、来た道を引き返し徳川本軍の元へ引き返していった。

 たまらず豊久は叫ぶ。

 

 「待てぇ!!直政!!」

 

 「ふざけるな、ふざけるなよ手前!!」

 

 

 

 

 

 「首、首おいてけ!直政ぁ!!」

 

 

 

 

 

 日が落ち、雨が降り出す

 豊久は一人歩いていた。

 周りにいた薩摩隼人は皆倒れ、ただ一人薩摩を目指し歩いていた。

 

___ここは…ここはどこだ……

___おいは帰るのだ……ッ!!薩州へ!!

 

 しかし、その思いは叶わず。

 島津中務少輔豊久は、関ヶ原、島津の退き口にて討ち死となった。

 

 

 

 

 

 「死後の世界へようこそ。島津豊久さん」

 

 「不幸にもあなたは亡くなりました」

 

 「な、なんじゃあ……ッここは……ッ」

 

 そして、駄女神と対面する。

 

 





 こんどはちゃんとおわらす

 なんてったって無敵の九州住まいの友人がいるからな!

 薩摩弁全部投げるわガハハ
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