五等分の料理人   作:マスターM

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林間学校2

「まさか皆同じ旅館に泊まっていたとは・・・」

「それは此方のセリフよ。昨日の夕食なんだか食べた事がある味付けだったのは東雲君が調理したからだったのね」

雪の山道を大型バスが連なって走ってる。そのバスの中で紫水と担任の木村は話していた。

 

「やっぱり東雲君だったんだ」

「私初めて東雲君の料理食べたけど、凄く美味しかった」

「分かる!俺なんておかわりしたし!」

「今日の飯盒炊爨、東雲が見本とアドバイザーなら味は間違いないな!」

紫水と同じクラスメイト達は昨日の夕食と今日の飯盒炊爨の事で盛り上がっている。

他のクラスも紫水の料理を食べた者達が初めて食べた者達と盛り上がっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄大な山並みを背景に、数棟の宿泊棟が連なっている。

外の炊事棟では、一つの調理台の周りに多数の生徒達が集まっていた。

 

「それでは、今から東雲君のカレー実演をしてもらいます。皆東雲君の動きを見て、美味しいカレーを作って下さいね」

『『『はい!』』』

主に女子達が多いが、男子も見学している。勿論五つ子達と上杉もいる。

 

「今回見本とアドバイザーを務めさせていただく、東雲紫水です。よろしくお願いいたします」

そう言い一礼した。

 

「さて先に飯盒による米の炊き方を説明します。大きなポイントは主に5つで、

1、飯盒の蓋で分量を計る

2、お米1合あたり200グラムの水を入れる

3、米を水に浸す

4、火をつけて、飯盒を炊く

5、火から離してもすぐに蓋は取らず、10〜15分ほど蒸らすです。

この飯盒の蓋や本体は計量カップとしても使えます。目安は外蓋一杯で3合、中蓋なら2合、本体なら約1升1合となります。お米1合あたり200グラムの水を入れます。今回は無洗米を使うのでとぐ必要はありません。因みにお米はといでから飯盒に入れても、飯盒の中でといでも、どちらでも大丈夫ですがとぎ汁のまま炊かないように注意してくださいね。美味しい炊き方のポイントは、水を入れたらしばらくお米を浸すこと。夏は30分、冬は60分が目安ですが、時間がない時は水を多めに入れて炊きます。その場合浸すのは15〜20分。ここまでは大丈夫ですか?」

最初に飯盒の説明で米の準備まで聞くと、皆問題ないのか頷いた。

 

「次に火をつけて飯盒を炊きます。最初は弱火にかけて吹きこぼれてきたら強火にかけます。吹きこぼれが落ち着いてきたら弱火にする。この時、慌てて蓋を取らないことが大事です。そしてかすかに焦げるような匂いと『チリチリ』という音がしてきたら、火から離します。火から離した後、すぐに蓋を開けないで、しっかり蒸らしましょう。目安は10〜15分ほど蒸らします。蒸らしが不十分だとお米の芯が残るので、固いごはんになってしまいます。大丈夫ですか?」

再び聞くと全員が頷いた。

 

「では次にカレーの作り方を教えます」

待ってましたと言わんばかりに目を輝かすアホ毛がいた。

 

「たまねぎは薄くスライス、じゃがいもは縦半分に切り、さらに半分に切ったものを2等分にします。1個を6~8等分に切り分けるのが目安です。にんじんは縦半分に切り、平らな面を下にして3cmくらいの大きさの乱切りにします。肉は食べやすい大きさに切ります」

各材料を説明しながら切っていく。

 

「次に鍋に油を入れ、鍋が熱くなったら、肉を先に炒めます。そして野菜を入れます。肉に焼き目がつき、玉ねぎがしんなりするまで炒めます。そして野菜が浸るくらいの水を入れます。沸騰したら灰汁を取りますが、うまみの油や水分を取りすぎないよう注意しましょう。ある程度灰汁を取った後にルウを入れ弱火で時々混ぜて下さい。約10分煮込んだら完成です」

『『『おお~~~!!』』』

紫水の説明しながらのカレーの完成に歓喜の声が出る見学者達。

 

「あ~木村先生ちょとお願いがあるんですが・・・」

「なに東雲君?」

「実は前々から考えていたカレー料理が閃いて、今作ってもいいですか?」

紫水は木村先生に前から考えていた料理を作っても良いか聞く。

 

「東雲君30分以内には終わる?」

「十分です」

木村先生が聞くと、紫水は自信満々に言った。

 

「まあ、こっちを使わせてもらいますが」

そう言い紫水は自身の包丁が入った包丁ケースから包丁を取り出す。素人目からみても手入れが行き届き光沢を放っていた。

 

「皆はどうする?」

木村先生が見学者達に聞くと、全員が見学すると言い、視線を紫水に向けた。

紫水は使う材料を用意し玉ねぎをみじん切りにする。

 

「おい、今の見えたか?」

「いや、見えなかった。気が付けばみじん切りになっていた」

「早すぎる包丁捌きだ」

玉ねぎをアッと言う間にみじん切りにしたことに見ていた者達は驚いた。

 

次に鍋にバターを熱し、すりおろしニンニク・玉ねぎを入れて、玉ねぎが透き通るまで炒め、 牛挽肉・カレー粉を入れて香りが出るまで炒める。

 

「カレーライスじゃないよね?」

「うん」

作っているのはカレーではないと分かり、何のカレー料理かワクワクしている見学者達。

 

そこに米を加えて炒め、そこにペースト状の調味料と顆粒コンソメと湯の合わせた物をひたひたに加えた。

 

「今のペースト状の物はなに・・・?」

二乃がペースト状の物を考えていると、二乃の前にそれが置かれた。二乃はスプーンでよそって口に入れた。

 

「これはマンゴチャツネね」

「二乃、マンゴチャツネって?」

「チャツネとはアジア各地で見られるペースト状の調味料のことよ。スパイスを果物や野菜と合わせすり潰したり、煮込んで作るの。組み合わせによって、甘い物~辛い物。ミントを使った物まで、多種にわたるわ」

二乃がマンゴチャツネと言うと、二乃の友達が何か聞いて来て、それを二乃が説明した。

 

「へ~そんなのがあるんだ」

その言葉にほぼ全員が頷いた。

 

その説明の間、沸騰している状態を保ちながら、水分が足りなくなり残り顆粒コンソメと湯の合わせたのを入れ、弱火で煮る。

煮ている間にボウルに卵をときほぐし、牛乳・生クリーム・塩・胡椒を加えて混ぜあわせた卵液を作った。そして鍋にピザ用チーズを入れて混ぜ合わせ、塩・胡椒で味を調えた。

 

「あの鍋はリゾットね」

「って事はカレーリゾット?」

「でも卵をといてたけど?」

見学者達は完成の形が見えず困惑する。

 

紫水はフライパンにバターを熱し、卵液の1/4を流し入れて、箸を使って 素早くかき混ぜる。鍋の物を1/4をのせ、奥側を箸で端から折り返す。 フライパンを手前に返し皿にとり、形を整える。これを4回繰り返す。

 

「これってオムライス?」

ここまで行けば完成の形が見え、オムライスだとアタリをつけた。

 

「その使ったフライパンにオイスターソース・酒・醤油・砂糖を入れて、沸騰したら火を止め、 オムライスにかけ、パセリを添えた。

 

「完成。題してカレーリゾットオムライス!食べてみたい人?」

「はい!はい!はーい!!」

紫水が試食を言うと五月が元気よく挙手した。

 

「じゃあ五月その真ん中を割ってみろ」

「?わかりました」

どう言う事か分からないが五月がオムライスの真ん中を割ると・・・

 

「おおおーーー!?」

「閉じ込められていた香りが・・・」

「爆発的に広がる!!」

「おい凄いいい匂いがあっちからするぞ!!」

見学者達だけでなく、離れて飯盒炊爨の準備をしていた者達の所まで香りが行き、全員がそのオムライスに視線をむけた。

 

「んん~♪強烈ですっ!!味の怒涛の打撃のようです!!ああ腰砕け寸前です!!」

五月からスプーンを奪い姉妹達も一口口に入れ堪能している。

 

「このソースと中身のリゾットで二段階の風味!」

「香りの誘爆だ!!」

「中と外の香りが、断続的に混じり合い、誘爆してくる!!」

他の見学者達も一口食べ感想を言う。

気が付けば先生を含む全員が一口食べていた。

 

「さて、今満足していないで、皆で最高のカレーを作ろう」

『『『おお~~~!!!』』』

締めに紫水がそう言うと、全員が気合の入った雄たけびをあげた。




折角のカレーなので、食戟のソーマの秋の選抜の予選でソーマが作った、カレーリゾットオムライスを出させていただきました!!

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