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林間学校最終日
紫水は右足に負荷をかけないようゲレンデを回っていた。
「これは珍しい光景だな」
ゲレンデで四葉が上杉と三玖にスキーを教えていた。
「紫水さん~~!この2人、全然言った事覚えてくれないんですよ〜!」
「それは俺がいつもお前に思っている事だよ!」
紫水を見つけた四葉が言うと、すかさず上杉がツッコミ、四葉は「あはははは」と明るく笑ってごまかす四葉。
「ハロー!」
そこにピンク色のスキーウェアがスイーッと紫水達の前に停まった。
「てか、ホントに誰だ!?」
頭からフードをかぶり、ゴーグルとマスクで完全に顔が隠れているので、五つ子という以外まるっきり誰かわからない。
「あっはは。ほら、一花だよ」
そう言いながら、ゴーグルとマスクをずらして顔を見せる。
「追いかけっこしよ!上手な四葉が鬼ね~~!」
言うが早いか、なめらかなパラレルターンで滑って行く。
「はーーーーい!」
「二乃と五月は?」
三玖が聞くと、四葉は獲物を狙う虎のようにキラーンと目を光らせた。
「トーゼン見つけたら捕まえるよ!いーち、にーい、さーん・・・」
四葉がカウントを数え始めて上杉は慌てて滑りだした。
「おかしい・・・ここに五月がいないとは・・・。しかも今日は東雲の料理が食えるのに・・・」
「失礼・・・。けど、シスイの料理なら仕方ない・・・」
「お前達・・・」
上杉は一花に言われ一人でいる五月を探していた。
上杉はロッジ内のフードコートに来て、五月がいなくって首をかしげた。隣で三玖が突っ込むが、納得すよう頷いた。
そうロッジのフードコートで働いている責任者が、紫水を見かけダメもとで料理依頼をして、紫水が了承した為最終日のみ紫水が実演と指導した。もっとも右足の捻りがあるため1時間の実演だったが、刺激を受けた料理人達はテンションを上げ一心不乱に料理をし、紫水が助言する事で更にテンションがあがり、一時フードコートは凄い熱気に包まれた。
「三玖と上杉さん、見ーーーーっけ!」
ロッジを出た3人の背後から四葉が駆け寄ってきて三玖の背中に飛びつき、容赦なく雪の上に押し倒す。
「へへーん!こんなところで油断してちゃダメですよ!」
「忘れてた・・・」
三玖が雪まみれの顔を上げる。
「一花と二乃も捕まえたし、残るは五月だけですね!」
「お前も見つけてないのか・・・」
「はい!残念ながら」
ぴょんと起き上がって、四葉が上杉に敬礼する。
「不味いな・・・一花、二乃。五月を見たか?」
「ううん」
「いいえ。見て無いわ」
四葉についてきた一花と二乃に紫水は五月を見たか聞くが、2人共見て無いと言った。
「四葉・・・五月には逃げられたのか?」
「いえ、探しましたが、みかけもしませんでした」
「どうかした?」
「上杉これは・・・」
「・・・ああ、事態は思ったより深刻かもしれない」
雪まじりの強風が吹きつけ、フードコートの旗が激しくはためく。
ついさっきまで快晴だったのに、吹雪にでもなりそうな気配だ。
ゲレンデマップを広げて各々行った所に印をつけていく。
「誰も行っていないのはプロフェッショナルコースのみか・・・」
「宿泊棟見に行く!」
「私、先生に」
きびすを返した二乃に四葉が続こうとしたが・・・
「ちょっと待って!もう少し探してみようよ」
と一花が2人を止めた。
「なんでよ?場合によってはレスキューも必要になるかもしれないのよ?」
「えっと、五月ちゃんも、あんまり大事にしたくないんじゃないかなーって・・・」
「大事って・・・呆れた!五月の命がかかってんの!気楽になんてしてられないわ!!」
二乃がキッとなって声を荒げる。
「・・・ごめんね」
一花は自分を責めるように俯いてしまった。
そんな一花に紫水は違和感を感じたが、はっきりせずモヤモヤする。
一向に話が進まないので、遂に二乃の堪忍袋の緒が切れた。
「もういい!」
「待ってくれ。俺に心当たりがある」
「心当たりって・・・」
「大丈夫だ・・・おそらく見つかる」
「・・・信じていいのよね?」
二乃は半信半疑だ。
「ああ。一花、ついてきてくれ」
上杉に名指しされた一花の肩が、ぴくんと震えた。
(この反応・・・成程だから体力がある四葉を指名しなかったのか)
上杉の言葉を聞いて紫水の頭にある可能性が浮かんだ。
「本当にみつかるのかしら?」
上杉達を見送った後二乃がぼつりと言った。
「上杉は既に見つけてると思うぞ」
「どういうことですか紫水さん?」
もう見つけていると言う紫水の言葉に疑問を持つ四葉。二乃と三玖も同様に紫水に視線を向ける。
「心当たりがあるって言ってついて来てと言われるのは、普通は体力がある俺か四葉だと思う。まあ俺は右足を捻ってるから除外されるが、四葉を誘わないということは、あの一花は五月の変装の可能性が高い。それに二乃に謝った時自分を責めている様に感じた。その時の違和感がわかった。あの時五月が言ったようにこんな大事になるとは思わなかったんだろ。そして五月が一花に変装しているということは・・・」
「一花もグルって事ね?」
「その通り。一花に電話してみろ」
「うん」
紫水の考えを聞いて三玖が一花電話をかける。
『どうしたの三玖?』
三玖はスピーカーにして全員に聞こえるようにした。
「今回の五月の件、一花も一枚嚙んでいるな?」
『・・・流石だねシスイ君。2人だけで話したいから私の部屋に来てくれない?』
「・・・わかった」
そう言い電話を切って三玖に携帯を返す。
「一花に話を聞いてくる。二乃達はどうする?」
「アタシ達は2人を待つわ」
「わかった」
紫水は一花の部屋に向かった。
コンコンコン
「一花俺だ」
一花の部屋のドアをノックして言う。
ガチャ
「いらっしゃい。入って」
紫水は一花から話を聞く。
「シスイ君は別だけど五月ちゃんは男の人はもっと見極めないといけないって言うんだよ」
「男・・・過去に男になにかされたのか?」
「直接じゃないけどね。・・・私達のお父さんはお母さんが妊娠した時五つ子と知って失踪したんだ」
「なん・・・だと・・・?」
聞かされた内容に紫水は絶句した。
「じゃあ中野さんは・・・」
「お母さんの再婚相手だから継父だね」
「そっか。だから娘あいてに君づけだったんだな」
「うん。そういうことだから今回の事はフータロー君を見極める為の行動だったんだ。皆に迷惑かけてゴメンね」
「・・・ふう。そういう事情ならしかたないか」
そう言い紫水は立ち上がった。
「ありがとうな話してくれて」
その一言を言って紫水は部屋をでた。
すると携帯にメッセージが来た。
「二乃から?」
メッセージの内容は、紫水が言った通り五月が一花に変装していた事、上杉が高熱で部屋で休んでいるという事だ。
「お粥でも作って持って行ってやるか」
そう言い紫水はお粥を作りに向かった。
紫水が上杉が休んでいる部屋に行くと五つ子達が勢揃いしていた。
「なんだお前達も来ていたのか」
「全員同じ事考えてたみたいでね」
「そういう紫水は?」
「俺はお粥を作って来た。誰かいないと上杉1人は寂しいと思ったが・・・」
「私達がいる。それにシスイも」
「はい!」
「皆上杉君が元気になってほしいと思っています」
五つ子達は上杉のベットに歩み寄って上杉の左手の五本の指をそれぞれ握りしめる。それがキャンプファイヤーの結びの瞬間だった。
「あの時もずっと耐えてたんだね。私も周りが見えて無かったな」
「早くいつもの調子に戻りなさい。こっちも調子が狂うんだから」
「私達五人がついてるよ」
「私のパワーで元気になって下さい!」
「この林間学校、貴方は何を感じましたか?」
一花、二乃、三玖、四葉、五月が順番に言い、五月が問いかけた時上杉がむっくり起き上がった。
「・・・うるせぇ~~~!寝られないだろう~~~!」
上杉のブチ切れに五つ子は慌てて逃げだしていく。
「上杉悪化するから大人しく寝ていろ。起きたらそこのお粥食って体力の回復に専念しろ」
「東雲か・・・悪い」
紫水の言葉を聞いて上杉は気を失ったように寝った。
「バタバタしたが楽しかった林間学校だったな」
そう言い紫水は微笑んだ。
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