五等分の料理人   作:マスターM

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今回はアンケートの結果を受け、和食回になります!


和食

日曜の営業を終えた紫水はまだ店である人物を待っていた。その人物とは・・・

 

「失礼。遅くなってすまないね」

「いいえ。ようこそ中野さん」

そう一花達の継父の中野マルオだった。

中間試験の時から時間はたったが、マルオはどうにか時間をつくったが、Le lien(ル・リヤン)の営業時間外だったが、紫水の厚意でマルオを店に招いた。

 

「ご注文は?」

「そうだね・・・」

マルオはメニューを一通り見てから紫水の方を向いた。

 

「メニューにはないけど、親子丼は作れるかな?」

「大丈夫ですよ。少々お待ちください」

マルオはメニューにない、親子丼を作れるかと聞くと、紫水は頷き一礼し厨房に入って行った。

 

 

 

 

 

まず鶏肉を一口サイズのそぎ切りにし、味がしみ込みやすくする。

鶏肉に塩をふり軽く揉み、酒をふりかけ冷蔵庫に入れやすませる。

その間に、玉ねぎを薄くスライスし、三つ葉をざく切りする。

冷たい鍋にかつお出汁、みりんそして鶏肉を入れ中火にかける。出汁が沸いたところではなく、冷たい状態で鶏肉を加えることで、低温からじっくり旨みを引き出しことが出来る。

煮立ったら弱火にし、鶏肉を裏返し玉ねぎスライスを入れる。

醤油を加え5分ほど煮る。この時強火だと鶏肉が固くなり煮汁が煮詰まりすぎるため沸いたタイミングでふつふつするくらいの弱火に調節する。

卵を溶き2回に分けてまわし入れる。

三つ葉を加えて火を止め1〜2分そのままおく。三つ葉は加熱することで香りが立つため最後に余熱で火を入る。親子丼の具は、火を止めてからすぐに盛り付けると煮汁がごはんに必要以上に流れてしまう。余熱を使って少し落ち着かせることで、卵にだしが含まれると同時に、ごはんがべちゃっと汁っぽくなるのを防げる。その間に丼にご飯を盛りつける。

ご飯に具を入れたら完成。

 

 

 

 

 

「お待たせいたしました。親子丼です」

完成した親子丼をマルオにサーブした。

 

「ではいただこう」

マルオは箸でご飯と鶏肉を一緒に口に含んだ。

 

「ああ・・・懐かしい味だ。慎吾の味はしっかり受け継がれているのだな」

懐かしい味にマルオの目尻には涙が浮かぶ。

 

「料理をしない父が唯一作ったのがこの親子丼です。自分は試行錯誤して父が亡くなる1週間前に父から太鼓判をいただきました」

「どうして親子丼はメニューに入ってないのかな?」

「父からは特別な時だけ作って欲しいとお願いされました。なのでメニューには入ってません」

紫水が慎吾の親子丼は特別だと言い、通常メニューには入ってないと言った。

 

「成程」

マルオは親子丼をじっくり味わいながら箸を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

「慎吾とは学生時代に知り合ってね。何かと気が合って共に切磋琢磨した仲さ。私や勇也の誕生日や祝い事があった時にはよく慎吾が親子丼を作ってくれたよ」

「そうなんですね。自分や母の誕生日も父が親子丼を作ってくれました」

「他には生徒副会長で生徒会長の私を支えてくれたよ」

「へー副会長してたんですね父は」

「とても優秀でね、頼んだ事は次の日には終えていたよ」

「そう言えば偶に晴彦さんに仕事頼まれて、次の日には終えてましたね」

「慎吾はそう言う性格の持ち主だったという事だ」

「家庭内ではとことん母に弱かったですね」

「尻に敷かれていたという事かね?」

「そうですね・・・」

「学生時代を知っている分、想像しづらいな」

「ははは・・・しっかりしてる時はしっかりしてますが、抜けている時はとことん抜けてましたよ」

「ふむ。家庭を持って変わったという事かな?」

「恐らくは・・・母の影響の強さが出た感じですね」

「慎吾の妻はどんな人だったんだい?」

「教師をしていたようで、一時期父を教えていたようです」

マルオと紫水は慎吾の学生時代や家庭ので様子を話し、盛り上がる。そんな中マルオが紫水の母親・凛が教師をしていたと言うと眉が少し動いた。

 

「慎吾の妻も教師だったのか・・・」

「‶も〟って事は一花達の母親は教師だったんですか?」

「ああ。君は知っているのかね?」

「林間学校時に一花から聞きました。本当の父親は五つ子だとしり失踪したと」

今度は紫水が反応し聞くと、マルオは普通なら意味深な事を聞いてきたが、紫水は林間学校の時に一花から聞いた事を話した。

 

「君は娘達から信用されているみたいだね。そう零奈は元担任教師にして元同僚と結婚し一花君達を授かったが、五つ子と知り失踪した。私が零奈と再会したのは彼女が疲労で倒れて私の病院に運ばれて来た時だ。それからは彼女を支え続けて再婚したが、今までの無理が祟って5年前に亡くなった」

「5年前。自分の両親と一緒ですね」

「ああ。妻と親友の死の間際に立ち会えなく無念だった」

マルオは後悔してるように言う。

 

「・・・もうこんな時間か。そろそろお暇させてもらうよ」

マルオが腕時計で時間を確認して言う。

 

「本日はお越しいただきありがとうございました。今度は家族でお越しください」

「ああ。そうされてもらおう」

紫水にそう返して、迎えに来た車に乗り込み去って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月に一回教師達のお願いもあり、紫水が一品作る時がある。数量限定であるが、通常の仕込みも手伝うのでその日の午前中の授業は公欠扱いとなっている。

 

「紫水ちゃん今日は何を作るの?」

食堂のおばちゃんが紫水に今日の献立を聞いてきた。

 

「今日は肉じゃがにしようと思います」

そう言い紫水はじゃがいも、にんじんの皮を剥き、2~3cmの乱切りにし、じゃがいもを水に10分間さらす。たまねぎはくし形に切りしらたきはサッとゆでて食べやすい長さに切る。きぬさやを茹でて一口サイズに切る。じゃがいもの水気をきる。牛バラ肉を4~5cmの大きさに切る。

鍋にサラダ油を強火で熱し、じゃがいも、にんじんを炒める。全体がしんなりし、じゃがいもの周りが透き通ってきたら、たまねぎを加えてさらに炒める。

野菜に軽く火が通ったら牛肉を加えて混ぜる。

しらたきとだし汁、みりん、うす口しょうゆ、砂糖を加えて落としぶたをする。煮立ったらアクを除き、中火にして25~30分間煮る。煮汁が1/3量程度になったら火を止める。

最後に器に盛りつけ、きぬさやを散らせば完成である。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼休みになると・・・

 

ドドドドドドドドド

地ならしの様な音が段々と大きくなって食堂に迫る。その正体は・・・

 

「今日こそ東雲の飯を食うんだ!」

「今月も東雲君の料理を!」

「生徒達には悪いが、譲るつもりは一切ない!」

「もし食えなかったら校長室に殴りこんでやる!」

地ならしの正体は、紫水の料理を食べる為に食堂を目指し走っている、生徒・教師達だった。なお校長は許可を出す代わりに、絶対自分に提供している為、教師達で食べれなっかた者は校長室に雪崩れ込み一口もらうのが定例となっている。

なお今先頭で走っているのは・・・

 

「い、五月早い・・・」

「紫水君のご飯ですからね!」

そう運動神経のいい四葉の前を、肝試しの時以上のスピードで走る五月。

一方最後尾側は・・・

 

「はあはあはあはあ・・・皆早い」

「くそっ!焼肉定食肉無しと同じ値段で東雲の飯が食えるのに・・・」

息も絶え絶えの三玖と上杉がいた。上杉にとっては幸運なんだが、この前の林間学校で紫水の料理の味が広まり、今月からはほぼ全校生徒が一斉に食堂に向かう事になっている。

 

 

 

 

「紫水君の一品を!」

食堂に一番乗りした五月が注文をする。

 

「早いな五月。今日は肉じゃがだ」

「美味しそうです!紫水君いただきます!」

紫水から肉じゃがを受け取り席に着き、早速一口食べる。

 

「んん~しっかり味が染み込んでいます!流石紫水君いい仕事をします♪」

五月が肉じゃがを堪能していると、四葉も肉じゃがを持って五月の隣に座った。

 

「五月ってこんなに走るの速かったけ?」

「紫水君のご飯がかかっているのです。妥協できません」

四葉と五月が話していると、二乃と一花もやってきたが肉じゃがは持っていなかった。

 

「はぁ~私達の前で完売になるなんて・・・」

「仕方ないよ。この前の林間学校でシスイ君の味を知ってしまったらねぇ」

目の前で完売し二乃と一花は落ち込む。

 

「・・・皆速いよ」

そこに息を整えた三玖が合流し五つ子が揃った。

 

「五月、四葉一口でいいからもらえない?」

「私も」

「同じく」

二乃が言うと一花と三玖も同調する。

 

「いいですよ」

「はい」

五月も四葉も独り占めするつもりはなく3人に分けた。

 

「しかしシスイ君の料理は相変わらず美味しいね」

「この出汁は・・・」

「ホッとする家庭の味」

一花は素直な感想を言い、二乃は何を使われているのか考察し、三玖は家庭の味にホッとしている。

 

「次の土曜日シスイ君の店にランチ行かない?」

「賛成!」

「異議なし」

「いいですね!」

「何を食べましょう・・・迷います」

一花が次の土曜日にLe lien(ル・リヤン)に行かないかと聞くと、全員が同意し、次の土曜日に行く事が決定した。




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