五等分の料理人   作:マスターM

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〔〕は英語となっています。


提案

急遽2日に店を開けることになった紫水。

晴彦からは晴彦を含め3人と聞いていた為、各班長に川島、スタッフには4日は休みで5日からオープンすると連絡をした。

 

「取引先はライブキッチンを希望。品物は天麩羅と。一応色々と準備しているから大丈夫だと思うが・・・そうだ確か相手はアメリカ人で抹茶が好きだと聞いたから抹茶塩も用意しておこう」

紫水は必要な物の準備を始めた。

 

 

 

「お~い紫水!」

1時間後晴彦が来店した。

 

「お待ちしておりました。さあこちらにどうぞ」

「ああ、〔さあどうぞヘリーさん、ディデックさん〕」

〔楽しみですね〕

〔ええ。東雲紫水の手並み拝見しましょう〕

紫水の案内に晴彦、ヘリー、ディデックが続く。

 

 

 

 

「紫水こちらはヘリーさんとディデックさんだ」

〔はじめまして。東雲紫水です〕

〔合えて光栄ですミスター東雲〕

〔君の料理を食べれるのを楽しみにしてたよ〕

席に着いた晴彦から紹介され紫水は一礼した。

 

〔それでは何から召し上がりますか?〕

〔私は海老を〕

〔僕はさつまいもを〕

「俺は盛り合わせを頼む」

〔畏まりました〕

紫水はオーダーを聞き早速作業にかかる。

手際よく行われる調理にヘリーもディデックも目を輝かす。

 

〔素晴らしい手際だ〕

〔もう最初の天麩羅が出来上がるぞ〕

油を切った揚げ物を天紙を敷いた皿に盛りつけ、晴彦達にサーブする。

 

「〔お待たせしました海老とさつまいもです〕晴彦さんの盛り合わせは、海老、イカ、タマネギ、ししとう、カボチャ、大葉となっています。〔お好みで天つゆ、塩、抹茶塩で召し上がって下さい〕」

「流石紫水だな〔ヘリーさん、ディデックさん。いただきましょう〕」

〔〔ええ〕〕

晴彦が言うと、晴彦、ヘリーは塩で、ディデックは天つゆで一口食べる。

 

「うん。美味い!」

〔外はサクサク、中はプリプリ〕

〔素材その物の美味さ〕

「紫水これに合う日本酒はあるか?」

「そうですね・・・あまみずとかどうですか?」

「お!いいじゃないか!〔お二人とも日本酒はいかがですか?〕」

〔日本酒ですか?いいですね〕

〔一度飲んでみたかったんですよ〕

「紫水あまみずを3つ頼む」

「畏まりました」

紫水の提案で日本酒を頼み、それを振舞うとヘリーもディデック喜んだ。

その後もヘリーもディデックも追加を頼み、紫水の料理を堪能した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の3日

紫水は勉強会が開かれている中野家に来た。

 

「これは晴彦さんからのお詫びの品だ」

紫水がとりだしたのは晴彦から預かっていた、お詫びの品だった。

晴彦が紫水に電話した時、新年会をしていると聞き晴彦は上杉家と中野家宛にお詫びの品を昨日紫水に渡していた。

 

「わざわざありがとうねシスイ君」

「悪いな」

それぞれの代表で一花と上杉が受け取った。

 

「開けてもいい?」

「ああ」

一花が開けていいかと紫水に聞くと、紫水は頷いた。

 

「ええ!?これって帝国ホテルのクッキー詰め合わせ!!!」

「「「「えええ!!!!」」」」

一花が中身を見て見ると帝国ホテルのクッキー詰め合わせで驚き、それを聞いた姉妹達も驚いた。

 

「?なに驚いてるんだお前達?」

「ア、アンタねぇ、帝国ホテルのクッキー詰め合わせよ!帝国ホテルは日本を代表する格式高いホテルなのよ!」

「何ぃ!?って事はこれは超高級クッキーって事か!!?」

「最初からそう言ってんでしょうが!」

驚いている姉妹達に上杉は何に驚いているのか分からなかったが、二乃に説明され理解した。理解した瞬間箱を持つ腕が震え始めた。

 

 

 

 

 

落ち着きを取り戻した姉妹達と上杉は勉強会を再開した。

 

「おい、一花起きろ」

「あ・・・いやー、ごめん。寝て・・・ない・・・」

寝落ちしそうになっている一花に気付いた上杉が声をかけるが、一花は一度目を覚ましたものの、「よぉ・・・」でガクンと頭が後ろに倒れた。

 

「寝てるだろ!おい・・・」

「少しは寝かせてあげなさい」

二乃が上杉を止め、上を向いたまま眠っている一花に目を向けた。

 

「一花・・・前より仕事増やしてるみたいなの」

「生活費払ってくれてますもんね・・・」

「紫水さんの口利きで、安くしてもらってますが・・・」

「こうやってフータローやシスイに教えてもらえるのも、全て一花のおかげ」

二乃に続き、五月、四葉、三玖が一花の寝顔を見つめて言う。

 

「だからって、無理して勉強が身につかなきゃ本末転倒だ。おい、起き・・・」

「あの!」

立ち上がった上杉の機先を制するよう五月が手を挙げた。

 

「私達も働きませんか?」

「「「え?」」」

唐突な発言に驚く姉妹達。しかし五月は大真面目だ。

上杉は「ほう・・・」と目をギラつかせた。紫水は黙って見守っている。

 

「今まで働いた経験は?」

「あ、ありません・・・」

上杉の脳内会議室。面接を受けに来た五月に、面接官の上杉が質問し五月が答える。

 

「勉強と両立できるのか?赤点回避で必死なお前等が」

「うっ・・・それなら・・・私も家庭教師をします!」

五月の想像する自分は。参考書を小脇に抱えたスーツ姿のデキる家庭教師だ。

 

「教えながら学ぶ!これなら自分の学力も向上し、一石二鳥です!」

「やめてくれ・・・お前に教えられる生徒がかわいそうだ・・・」

おろおろあたふたして生徒に見下されるのがオチだろうと上杉は思う。

 

「それならスーパーの店員はどうでしょう?」

「即クビだな」

力仕事ならお任せとばかり、頭の中で三角巾とエプロンをつけて胸を張る四葉だが、上杉にはレジに大行列ができてパニック状態になっている四葉しか思い浮かばない。

 

「私、メイド喫茶やってみたい」

三玖がボソリと言う。歴女という地味な属性で、ひそかにメイド服への憧れを抱いていた三玖。

 

「意外と人気出そう!」

「却下却下!」

四葉と二乃から賛否両論が出る。

 

「二乃はやっぱり女王様?」

「やっぱりって何!?」

三玖の目にボンテージ姿で鞭をふるう二乃が極めてナチュラルに浮かび、二乃が突っ込んだ。

 

「その事なんだが・・・」

今まで沈黙を貫いていた紫水が口を開く。

 

「二乃今度の期末試験で全教科赤点回避したらLe lien(ウチ)で働かないか?」

「え?」

「それって・・・」

「「スカウトですか?」」

紫水の言葉に二乃は硬直し、三玖、四葉、五月が言う。

 

「2学期の期末試験の時働いただろ?あの時俺はお前に光る物を感じた。ちゃんとした環境で学べは・・・ミシュランの星3の域に到達すると思ったんだ」

「「「「ッ!!?」」」」

紫水から星が取れると聞き姉妹達は今までで一番驚いた。

 

「ア、アタシがミシュランの星3つを・・・」

言われた二乃が自分が星を獲れると、驚愕が混じった声を漏らす。

 

「どうだ?」

「・・・分かったわ。期末試験で全教科赤点回避してみせるわ」

「楽しみにしておく。ああ、三玖達も全教科赤点回避したら希望する働き口を紹介しよう」

「本当?」

「よし!やります!」

「これは何としても全教科赤点回避しないとですね」

二乃がやる気を出し、更には紫水の言葉で三玖も四葉も五月もやる気を出した。

 

(東雲はやる気にさせるのが上手いな)

上杉は紫水の手腕に感心した。

 

「ん・・・ん~~」

熟睡していた一花がもぞもぞと動き、突然トレーナーをまくり上げた。

紫水はトレーナーに手をかけた時点で後ろを向いたが、上杉はギョッとした。

 

「フータロー!」

上杉の顔を、首が折れんばかりの勢いで強引に背けさせる三玖。

 

「一花!寝ながら服を脱ぐのはやめてください!」

「見るな変態っ!!」

五月が怒鳴り、二乃が上杉をギロリと睨む。

 

(・・・この仕事・・・舐めてたぜ・・・)

思わず上杉はそう思った。




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