五等分の料理人   作:マスターM

44 / 51
ごとぱずのフレンド募集してます。

ID 47748359


バレンタインデー

2月14日の早朝。五月は霊園に足を運び、母の眠る墓に手を合わせていた。

 

「本当に毎月いるんだな」

「俺も五月を見習って、月命日も来るようにしたしな」

五月が顔をあげると、いつの間にか紫水と上杉が傍にいた。

 

「紫水君はともかく、何故あなたが・・・」

紫水も上杉も線香を手向け、五月と肩を並べて墓前に立つ。

 

「全員家庭教師案ですが、いい傾向にあります。教わる以上に、教える事で咀嚼できることもあると実感できました」

遊園地に行った日、観覧車のゴンドラで上杉と四葉のマンツーマン授業をしている時に思いついたのが全員家庭教師案だ。

 

「紫水君。上杉君。教えた相手にお礼を言われるのは、どんな気持ちですか?」

「なんだよ・・・恩着せがましいな」

「シンプルに嬉しいな」

五月の問いかけに上杉と紫水が答えた。

五月は四葉に料理を教えた時の事を思い出していた。

 

━わっ!凄い分かりやすいよ!五月ありがとう!

嬉しそうな四葉の笑顔を見た瞬間、五月の胸に沸き上がった喜びと感動!

 

「私は・・・あの時の気持ちを大切にしたい」

五月はもう一度、母の墓に手を合わせた。

 

「(お母さん、私は・・・)先生を目指します」

「決めたなら後は突き進めばいい」

「その前に今度の試験で赤点回避だ」

「はい・・・」

五月の決意に紫水は背中を押すが、上杉は現実を叩きつけた。

五月は意気消沈した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一度家に帰り、身支度を終えた紫水は学校に向かおうとドアを開けると、一花が立っていた。

 

「おはようシスイ君」

「おはよう。どうしたんだ?」

「ちょっとね。通学路や学校じゃ渡しづらいし。はい、バレンタインデーの贈り物!」

一花が紫水にラッピングされた包みを渡す。

 

「ありがとうな。開けてもいいか?」

「いいよ」

礼を言って開けてもいいか聞いて、一花から許可をもらい包みを開けた。

 

「これは名刺入れか?」

「そうだよ。シスイ君に合うの選んだんだ」

「ありがたく使わせてもらう」

そう言い紫水は今使っている名刺入れから名刺を取り出し、一花からもらった名刺入れにいれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後一花が先に学校に向かい、少し時間をおいてから紫水は学校に向かった。

紫水が下駄箱を開けるといくつかの包みや箱が置かれていた。

 

「バレンタインデーの贈り物か。ん?手紙?」

手紙を開くと、『チョコ作りのお礼』と書かれていた。他にも『ありがとう』や『自信作』などと書かれていた。

 

「ふっ。皆律儀だな」

微笑んで言う紫水。

 

「おはようございます!紫水さん!」

紫水が贈り物を鞄に入れていると四葉が来た。

 

「おはよう四葉」

「紫水さん、これバレンタインデーの贈り物です!」

四葉が紫水は箱を差しだす。

 

「ありがとうな。開けてもいいか?」

「はい!」

紫水が箱を開けると、キーケースが入っていた。

 

「キーケースか・・・丁度買い替えようとしていた所だったから、ありがたいな」

「喜んでいただけたようで、なによりです」

贈った物が喜ばれて嬉しそうに笑う四葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、シスイ」

「おはよう三玖」

階段を昇ると三玖が駆け寄ってきた。

 

「おはよう。これバレンタインデーのチョコ」

「ありがとう」

「自信作だから、食べてみて」

「ああ」

三玖が自信作のチョコを食べてほしいと言われ、紫水は一口食べる。

 

「美味いな。この一口で三玖の努力がわかる」

「シスイにそう言ってもらえるともっと頑張れる」

紫水の言葉に三玖はさらに料理を頑張ろうと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫水が教室に入ると、女子達が紫水に迫る。

 

「東雲君これバレンタインデーのチョコ!」

「一生懸命作ったよ!」

「皆ありがとうな」

紫水は一人一人丁寧に礼を言って、受け取る。

 

「おはよう紫水。朝からモテモテね」

「おはよう。初めてあんなにもらったから緊張した」

「そうなの?意外ね」

「まあ、年に数回引っ越しを繰り返していたからな。親しい女子どころか男子もいなかったからな」

「そうなのね」

二乃は表面上は冷静に話しているが、内心はソワソワしていた。

 

「紫水放課後時間はある?」

「ん?ああ、今日はオフだから時間はある」

「そう。・・・なら放課後付き合いなさいよ」

「ああいいぞ」

「アタシは少し用事があるから校門で待てて」

「わかった」

放課後の約束をして互いの席についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後紫水は校門で二乃を待っていると、数人の女子から贈り物をもらった。

 

「お待たせ紫水」

数分して二乃が来た。

 

「いや大丈夫だ。用事は終わったのか?」

「ええ。それじゃ行きましょう」

「何処に行くんだ?」

「少し寄りたい所があるの。そこに行きましょう」

「ああ、わかった」

二乃が行きたい所に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここよ」

「へー雰囲気がいいカフェだな」

二乃が行きたかったのは、カフェだった。

 

「前に見つけて気になっていたのよ」

「そうか」

2人はカフェに入った。

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

「2名です」

「2名様ですね?ご案内します」

2人は奥の席に案内された。

 

「ご注文がお決まりになりましたら、お呼び下さい」

一礼して店員が下がる。

 

「紫水何にする?」

「そうだな・・・軽く摘まめるホットケーキにするか」

「アタシはこのオススメケーキセットにするわ」

「よし、店員さんを呼ぶか」

注文する物を決めて、店員を呼ぶ。

 

「お決まりでしょうか?」

「ホットケーキ一つと」

「オススメケーキセットを一つで」

「はい。ホットケーキお1つとオススメケーキセットお1つですね?セットの飲み物はいかがいたしますか?」

「紅茶でお願いします」

「畏まりました」

注文をすると、大きなハートのグラスに、ハート型に交差したストローが入ったジュースが運ばれてきた。

 

「こちらバレンタインデー限定で、カップルのお客様にサービスでお出ししているドリンクです」

「な、な、な・・・」

カップルと言われ二乃の顔が赤く染まる。

 

「ごゆっくりどうぞ」

「・・・飲みづらかったら、俺が全て飲むが?」

「・・・量が多いし、アタシも協力するわよ」

何とも言えない雰囲気になり、紫水が全部飲もうかと提案すると、二乃も協力すると言う。

 

数分もすればホットケーキとオススメケーキセットが運ばれてきた。

 

(このジュースのせいで味がわからないわよ・・・)

なんともいえない雰囲気の中、2人は注文した物を黙々と食べる。

 

 

 

 

 

 

食べ終わった後お会計を済ませてカフェを出て帰路につく。

 

「あ、そういえばさっき渡そうと思ってたんだけど・・・はいこれバレンタインデーの贈り物」

二乃はそう言って鞄から包みと箱を出して、紫水に差しだす。

 

「ありがとうな。2つもいいのか?」

「ええ。前の家出のお礼とお詫びも兼ねてよ」

「気にするな。っと言っても気にするからな。ありがたく貰っておく。開けてもいいか?」

「ええ」

まず箱を開けるとチョコが入っていた。

 

「食べていいか?」

「もう紫水のだから、いちいち聞かなくってもいいわよ」

「それじゃ、いただきます」

一口食べる。

 

「これはビターチョコか」

「ええ。どうかしら?」

「流石二乃だな。完璧な調合でいい苦さだ」

「そう(よかった・・・)」

素っ気ない返事だが、内心では安堵していた。

 

「もう一つは・・・ハンドクリームか」

「そうよ。因みにアタシが愛用してる物だから、効果は保証するわよ」

包みを開くとハンドクリームだった。

二乃も使っているハンドクリームで効果は保証すると言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫水君」

紫水が家に着くところで、家の前で待っていた五月が紫水に駆け寄ってきた。

 

「紫水君遅かったですね?どこか行っていたのですか?」

「ああ。ちょっとカフェに寄っていた」

「・・・二乃とですか?」

「そうだが、どうしてそう思ったんだ?」

「なんとなくです・・・」

何処かに行っていたのかと聞くと、カフェに行ったと言うと五月は二乃と行ったのかと聞くと、紫水は頷き何故そう思ったのか聞くと、なんとなくと五月は答えた。

 

「まあそれは置いておいて、・・・はい、バレンタインデーの贈り物です!」

五月は箱を取り出し紫水に差しだす。

 

「ありがとうな。開けてもいいか?」

「はい!久しぶりに作りましたが、自信はあります!」

「ホワイトチョコか・・・うん美味い」

箱を開けるとホワイトチョコが入っており、五月は自信はあると言い、紫水は一口食べると素直な感想を言った。

 

「では紫水君また」

「ああ。チョコありがとうな」

「はい!」

紫水からの礼に満面の笑みを浮べて帰る五月。

 

「今年のお礼は気合を入れないとな」

紫水はホワイトデーに向けて気合を入れた。

五月をLe lienで働かせるか

  • 塾講師のみ
  • 塾講師と両立
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。