祝賀会から2日後二乃と五月は
「こうしてお店側から入るのはいつ以来かしら?」
「期末試験前に四葉の陸上部問題の時では?」
「もうそんな前なのね」
二乃と五月は感情深く言う。
「そろそろだと思ったが、ビンゴだったな」
店から紫水がそう言い出てきた。
「おはよう紫水」
「おはようございます紫水君」
「おはよう二乃、五月。ようこそ
「ええ、こちらこそ」
「よろしくお願いします」
挨拶を終え2人を店に入れる。
「今日は初回という事で、勉強はなしで従業員が来るまで簡単に店の説明をするが問題は?」
「ないわ。と言うか、アタシ達は雇われる側だから紫水に従うだけよ」
「そうです。あ、仕事中は紫水君のことをどう呼べばいいですか?」
紫水が最初にする事を言えば、二乃は紫水に従いと言い、五月は何と呼べばいいか聞く。
「キッチンではシェフ、ホールではオーナーと呼ばれている」
「ならアタシはシェフね」
「私はオーナーですね」
「ああ、さて店の説明に入るぞ」
呼び方の確認が終われば、店の説明に入った。
「本日から2名、新しい人が入ります。1人は何人かは既に知っていますが、改めて紹介します。キッチン採用の中野二乃さんと、ホール採用の中野五月さんです」
開店前のミーティングで従業員達の前に立つ紫水の後ろに二乃と五月は並んでおり、紫水の紹介が終わると一歩前に出て、二乃から自己紹介を始めた。
「キッチン採用の中野二乃です。以前一時的に働かせていただきましたが、本日から正式採用されました。よろしくお願いします」
「ホール採用の中野五月です。ご指導のほどよろしくお願いします」
「中野二乃さんにはジューンさんが、中野五月さんには川島さんがついて指導のほどよろしくお願いいたします」
「
「畏まりました」
二乃にはジューンが、五月には川島が指導につくように言うと2人はそう返した。
「まだ開店まで時間がありますので、この時間に交流を深めて下さい」
『『『はい!』』』
キッチン担当達は紫水の後ろに続くように移動を始め、ホール担当達は五月を囲む。
「君が中野二乃君か、シェフやマチェスから話は聞いてるよ。私が熱で寝込んでいる時に助っ人として活躍したと聞いているよ」
「そんな恐縮です。アタシは出来ることをしただけです」
「謙遜はしなくっていいよ。シェフからは三ツ星レベルの腕前だと聞いて、共に働きたいと思っていた所さ」
紫水の後ろを歩く二乃にジューンが話しかけてきた。
ジューンは自身が熱を出して寝込んでいた時に、ヘルプで入った二乃の事を紫水とマチェスから聞いており、共に働きたいと思っていた所に正式採用が決まり嬉しく思っていた。
「私もこの前共に働いて驚愕しましたよ。逸材だと」
「ワシもだ。若大将の目に狂いはないな」
更に中華班班長の劉に和食班班長の関も二乃に期待している。
「中野さん凄いですね班長達から期待されてます」
「そうね。この前の事覚えてる?」
「勿論ですよ」
「最後の方とかマチェスさんとほぼ同じスピードで動いていたものね」
「あれには驚きましたね」
倉内と丸井は班長達から期待されている二乃に尊敬の目を向ける。
「よろしくお願いします中野さん。私が中野さんの教育担当の川島です」
「よろしくお願いします。川島さん私は何から始めたらいいですか?」
「そうですね・・・」
自己紹介をした川島は五月を囲んでいるホール担当達を見渡し・・・
「まずはホール担当達と交流を深めて下さい。基本的に私が教えますが、状況によっては教えることが出来なくなる可能性がありますので、その時は誰かが教える事になります。中野さんの教育状況はホール担当達全員が共有するので、全く違う事を教えないと思います」
「わかりました」
川島の言葉に五月が頷いた瞬間他の者達が五月に殺到した。
「中野さんよろしく、私は長野!」
「僕は川畑です」
「玉置です。この中では一番の新人ですので、一緒に頑張りましょう」
「はい!皆さんよろしくお願いします!」
そういい頭を下げる五月。
(これはこれは、想像以上だ)
「カプレーゼ、デミハンバーグ、ペペロンチーノ、チェックお願いします」
「大丈夫ですサーブお願いします」
「はい」
(これほどまで同時作業が出来るとは・・・シェフだけではなく劉さんや関さんも太鼓判を押すのも頷ける)
ジューンは初めて二乃の動きを見て紫水達が期待しているのを理解した。
「私も班長としてのプライドがある」
そう言ったジューンは覇気を高め作業の効率が上がった。
(凄いジューンさんの動きが、紫水に迫る勢いだわ・・・アタシも負けてられないわ)
二乃の覇気がジューンに迫るように高まる。
(ジューンさんが今していることはビーフシチュー・・・確かこの席は付け合わせでカリカリベーコンとほうれん草のサラダを一緒に頼んでいたわね。それに前の伝票にビーフシチューの口直しに白身魚のエスカベッシュを頼んでいたから、そろそろ準備しないと)
二乃はジューンの動きを見て何をするべきか判断し動く。
(ほう?私の動きを読み、何がいるか瞬時に理解した。どれ少しギアを上げるか)
ジューンは二乃の動きから更にギアを上げる。
(!?また勢いが増したッ!でも・・・)
ギアが上がったジューンに食らいつく二乃
(今日の洋食班は大変だな)
ジューンのギアが上がれば二乃が食らいつくを繰り返し、洋食班は正に戦場となっていた。
「中野さんお店の構造と卓番は覚えれましたか?」
「あ、川島さん構造は大丈夫ですが卓番は3番台の席がまだ不安です」
「3番台の席はℤの形で考えれば、すぐに覚えれますよ」
「あ確かに」
五月は店の構造と卓番を覚える為に、ホールではなく更衣室で覚えていた。
「お店の構造はもしもの時に必須ですし、卓番は料理を運ぶ際に必要な事なので、しっかり暗記してください」
「はい!」
21時になり、二乃と五月の初出勤が終わりを告げた。
「さてまずは二乃は前と比べても格段にいい動きだった」
「それはジューンさんに影響されたからだわ」
「ジューンさんも二乃の動きに感化されたからな。今日の洋食班はまさに戦場だったぞ」
「それで、上がる時に皆疲れ切っていたのね」
最初に二乃の講評をする紫水。
「五月はまだホールの仕事の前準備だが大事なことだからな」
「はい。基礎なくて応用はありませんから、頑張ります」
その後に五月に前準備は大事だと言うと五月は頷いた。
「また明日以降も頼むぞ」
「ええ」
「はい」
こうして二乃と五月の初日は終わった。
五月をLe lienで働かせるか
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