五等分の料理人   作:マスターM

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急接近

「爺さん!いや師匠!お願いがあります!」

五つ子達に挨拶に行った後、厨房で仕込みをしている、紫水と五つ子達の祖父の元に上杉がやって来て、いきなり土下座をして上記の言葉を言った。

 

「あいつらの見分け方を教えて下さい」

「上杉取り敢えず厨房で土下座するな危ないだろ」

「東雲紫水の言う通りじゃ、話は聞いてやるから着いて来い。暫し任せるぞ」

「はい。仕込みを進めておきます」

上杉に注意する紫水に祖父も同意し、紫水に仕込みを任せ、上杉を連れ厨房を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戻った。任せて悪かったな」

「いえ、今終わりました」

「ほう、流石だな。では次は・・・」

30分程で戻って来た祖父は紫水が仕込みを終わらせた事に驚きはせず、感心し次の作業を指示した。

 

「お主は孫達を見分けられるか?」

「さっき中級編をしましたが、ボロを出した四葉以外、二乃と五月だけ当てれました」

作業中に祖父が聞いてきて、先程の五つ子ゲーム・中級編の結果を言った。

 

「ほう?何故分かったんじゃ?」

「なんとなく、としか。自分でも何故あの2人だけ正解できたのか分からなくって・・・」

理由を聞かれた紫水は何となくだったと答えた。

 

「・・・愛」

「え?」

「愛があれば、見分けられる。長い月日を経て、相手の仕草、声、ふとした癖を知る事・・・それは最早、愛とも言える」

哲学めいた言葉に紫水は期末試験後の二乃の言葉とその時の気持ちを思い出した。

 

(咄嗟に誤魔化したが、二乃の告白に嬉しさがあったが、同時に五月の顔が浮かんだ。俺は2人に特別な感情を抱いているのか?)

紫水は祖父の言葉を聞いて深く思想する。

 

「お主自身まだ自分の気持ちに気付いていないのか、それとも自覚して迷っているのかは分からぬが、孫達を泣かせたら、容赦しないぞ」

「・・・肝に銘じておきます」

思考を止め祖父の忠告を肝に銘じた紫水は、作業を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ~」

仕事終わりに昨日と同じ露天風呂に入りに来た紫水。

 

「・・・二乃」

「呼んだかしら?」

「え?」

朝に祖父に言われたことを思い出し、思わず二乃の名を呼ぶと、返事が返ってきた事に間抜けな声が出た紫水は声がした方に思わず振り返った。

 

「あら偶然ね紫水」

振り返るとバスタオルを体に巻いた二乃が立っていた。

 

「に、二乃!?何故此処に!!?」

「何故って、温泉なんだから入りに決まってるじゃない」

紫水の言葉に何当たり前の事聞いてるのよ、と言わんばかりに言い、紫水の隣にしれっと入る二乃。

 

「それで何でアタシを呼んだのよ」

「あ~それはだな~」

二乃に呼ばれた理由を聞かれ、本当の事を話せない紫水は頭をフル回転させ、回答を出そうとする。

 

「実はな新学期から二乃には班長補佐の地位に就いてもらおうと思ってな」

「班長補佐?」

紫水は咄嗟に前々から考えていた案を言った。

 

「前に言ったと思うが、店は俺をトップに、3人の班長と川島さんと続いて下に従業員だと話したな?」

「ええ。聞いたわ」

改めての組織図に頷く二乃。

 

「最近は従業員も増え、やる気向上の為の階級制度を始めようと思ってな。新人、ノーマル、スーパー、ハイパーと言う感じでな。ここまではキッチン・ホール共通で、キッチンは班長補佐。ホールは責任者補佐だな」

「アタシが班長補佐になって大丈夫なの?」

紫水から語られた組織図と自身がその地位に就いていいのか不安そうに聞く二乃。

 

「むしろ今いる人員で二乃以外の適任はいない。関さんと劉さんからの評価はヘルプに入った時から高く、ジューンさんからは直属にしたいと言っていたからな」

紫水は二乃の評価を伝えた。

 

「ちょっと待って。班長補佐ってジューンさんだけの補佐じゃないの?」

「‶班長〟補佐だからな、和・洋・中班長の補佐をしてもらう」

「アタシ洋食班だけど?」

「本来ならこの旅行期間で研修期間をしようと思っていた。だから新学期前にその研修期間を設ける予定だ」

二乃はてっきり洋食班の補佐と思っていたが、班長補佐はその言葉通りの全ての班長の補佐を行うと知り、今は洋食班だと言えば、研修期間があると伝えられた。

 

「二乃お前は、お前自身が思ってるよりも成長の速度が速い。今は洋食班をメインでしているが和と中を1年ずつこなせば後3年、いや2年で班長達を追い越すと俺は思っている」

事実紫水は二乃の成長速度に驚いている。

 

「アタシは・・・」

「ん?」

「アタシは紫水に追いつけるの?」

真剣な表情で紫水の目を見る二乃。

 

「・・・数年以内には並ぶかもな」

目を逸らさずそう言う紫水。

 

「そう・・・(紫水に並ぶ。出来ないと思っていた事が、本人の口から聞けた)紫水アタシ今より頑張るわ!」

「ああ期待している。料理はな」

「え?」

思わず二乃は間抜けな声を出した。

 

「期末試験で赤点回避したから次は、赤点を取らない事が料理をする絶対条件だ」

「ちょ、ちょっと待って!?もし赤点を取ったら?」

「次の試験の時に赤点回避するまで、一切働かせん!」

「理不尽だわ!!」

「俺全教科満点で店する許可もらって、続けているが?」

「そうだった!?アタシよりも厳しい条件で紫水は店をしているのだった・・・」

二乃の抗議は紫水は店をする条件を話すと落ち込んだ。

 

「そう言う事だからしっかり勉強もしろよ?」

そう言い紫水は温泉から出た。

 

「う~う~・・・」

紫水に並べることは嬉しいが、勉強も頑張らないといけない事に唸り声をあげる二乃は暫く温泉に口まで浸かった。

 

 

 

 

 

 

 

「の、のぼせそうだった・・・」

急接近してきた二乃に仕事の話で平穏を装っていたが、二乃のバスタオル姿は目に毒で、危うくのぼせそうになっていた紫水は浴衣に着替え、水が入ったペットボトルを一気に飲み干した。

 

「明日も早いし寝よ」

温泉に入る前より疲れた紫水は、直ぐ布団に入り寝始めた。




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五月をLe lienで働かせるか

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