リコリス・ディフェンダー ~リコリスを守る者~ 作:RA-MSR
日本の警察の警備部に編成されている特殊部隊。対テロ作戦を担当しており、ハイジャックや重要施設占拠等の重大テロ事件、組織的な犯行や強力な武器が使用されている事件において、被害者等の安全を確保しつつ事態を鎮圧し、被疑者を検挙することをその主たる任務としている。また、刑事部の特殊事件捜査係だけでは対処できない凶悪事件にも出動する。
部隊訓練評価隊 富士訓練センター
その一室に、20名の後方支援部隊が大画面に表示されている各チームの状況が表示されていた
L1が千束、L2がたきな
S1~10が今回の敵役になるSATの精鋭たちだ
テーブルに置いてあるマイクのPTTを押す査子
「L1及びS1、状況開始」
千束のヘッドセットから査子の声が聞こえる
『L1及びS1、状況開始』
「よし、たきな行くよ」
「了解」
1階の入り口を覗き込むたきな
ハンドサインで中に入る千束
中は、薄暗く一部の蛍光灯は垂れ下がっている状態になっていた
まるで、ホラー映画でゾンビでも出てきそうな雰囲気である
「うっわ。…再現度がヤバいんですけど」
壁には銃痕の跡、床には血液跡もある。
人の死体を模した人形も壁に立てかけてあった
「これは、予想以上ですね」
警戒心マックスのたきな
ブラインドテクニックで前進を続けるたきなと千束
その時、たきなが止まれのハンドサインを出す
【敵発見 人数2 ライフル所持】
【了解 たきな陽動 私が決めに行く】
【了解 合図は3】
3・2・1
パスパス
左肩に一発当たるが軽傷判定
「ゥッ!くそっ!コンタクト!…なにっ?!」
身を隠し直ぐに相手へ視線を向けると千束がダッシュで向かってくる
千束の素早い移動に対応できずに、小銃を乱射する隊員
もう一人は、たきなの銃撃で頭を上げられないでいた
10mの距離を4mまで近づく千束
それに対して射撃するが、当たる寸前で避けられてしまう
「あ、当たらねぇ!ぐはっ!!」
肩と、腹部に2発当たり、ヘルメットについていたLEDが赤く点灯する
もう一人の隊員に近寄る千束
「なっ!」
距離は1m、手を伸ばせば触れられそうな距離に居ることに驚愕する隊員
小銃を向けようとするが
「はーい、ライフルは近距離戦闘には不向きですよ~」
銃口を左手で反らし、ハンドガンの銃口を隊員に向けようとするが、隊員も小銃から手を放し、ハンドガンに切り替えようとしたとき千束が、隊員に蹴りを一発、胸に2発撃ちこむ。
撃たれた隊員のヘルメットも赤く点灯する
隊員に銃口を向ける
「千束、死体撃ちは厳禁です」
いつもの行動を止める たきな
「え?あぁ、ついつい癖で」
死体になった隊員
両手を上げながら。情けない姿である。
マガジンをいつも通り捨て、新しいものに変える
「あと、マガジンは捨てないでください。ベルトにあるダンプポーチに」
「あぁ~これ、そのためにあったんだね」
「説明あったでしょう」
諦めたような表情で千束を見る
「あはは」
いそいそと、投げ捨てたマガジンをダンプポーチに入れる千束
「気づかれたよね」
天井を見上げる千束がボソッと呟く
「間違いなく。相手は、残り8人です」
たきなもリロードをし、マガジンをダンプポーチに入れる
「2対10って、ハンデ多すぎない?相手プロよ?機転速いし。やりずらい」
そこに、死体になった隊員が一言
「弾避けるなんて。マックストリックの世界かここ」
「ハンドガンで、ここまで正確に撃てるもんなのか?」
「「死体は黙ってる!」」
「「すみません…」」
死体に徹する隊員 哀れである。
「こうなるとCQBにもっていくの、大変なんだよねぇ」
どうしたもんか
「確か、死体の装備を使っていいんでしたよね」
死体に徹している隊員を見下ろすたきな
「たぶん。どうなの?」
しゃがみながら、ツンツンする千束
…コクコク
「OKみたい」
「では、これを拝借しましょう」
隊員の胸についている物を拝借するたきな
「ぉぉ~これかぁ」
「アルファからの連絡が途絶えた。すでに1階は制圧されただろう」
SATのチームリーダーである渡辺が言う
「そんなことがあり得るんですか?」
「司令が言っていただろ。少女だと思うなと。ここにいてもじり貧だな。3・5でチームを分け、スリーマンセルで索敵を行う。もし、索敵班が全滅した場合残りのチームでここを死守する」
SATブラボーチーム
スリーマンセルでオフィスフロアを進む隊員たち
通路上にはキャスター付きの椅子が進路を妨害する
隊員の一人が静かに椅子を動かしたとき
ピンッ
何かが抜ける音がする
「!?手榴弾!」
その声に、3人が地面に伏せる
パン
轟音と眩い光が周囲を照らす
「くそっ!」
フラッシュバンで、一瞬視界が暗くなる隊員たち
「全周警戒!がはっ」
いち早く回復した隊員が頭を上げた瞬間
ペイント弾がヘルメットに命中しLEDが点灯する
「敵襲!障害物を盾に!」
「正面11時!」
「後方5時方向!高速移動中!!と、止められない!」
「くそ!後退!後退!」
低姿勢でオフィスデスクの迷路を進んでいく千束
「あ、当たらねー!うぐっ」
2人目のLEDが赤くともる
撤退をしようとする隊員たちに追い打ちをかけるたきな
「こちらブ。げはっ!」
最後の一人が千束の凶弾に倒れる。ブラボーチームがこれで消滅した
「はい、残念。フービートラップも気をつけましょう」
「こういうのも、なかなか使えますね」
紐が付いたグレネードの安全ピンをプラプラと持つたきな
「たきなー、残り何人?」
ダンプポーチから、空になったマガジンを取り出し、弾の補給をし始める千束
「残り5人です」
「終わるかなぁ~」
「まぁ、何とかなるんじゃないですか?」
「フムっ、フキ程ではないな」
弾の補給が終わり、鞄へと戻しながら次の部屋へと進んでいく
富士訓練センター内戦闘評価室
訓練が始まってから10分で半分の隊員が死亡判定になる光景を20名の後方支援隊の隊員達が呆然と見ていた。
「こんなことって、あり得るのか」
「あれは、CARシステムか!」
「それより、ハンドガンで、この命中力はおかしい…」
一人デスクに頬杖をつきながら
「よく見ておけ。これがDAの歴代最強タッグだ」
と、その時訓練施設の外側に張り巡らされた警戒センサが反応した
「エマージェンシー、訓練施設警戒センサB4に反応」
「監視カメラをモニターに出します!」
そこには背広姿の二人
その顔に見覚えがあり頭を抱える
なんで、阿部さんが居るのよ
Curiosity killed the cat.
その言葉が頭によぎる
大きく息を吸い込み
「はぁーーーどうすっかなぁ」
「C4が現場に到着」
C4は、特戦群のチームか
査子が手元にあるマイクのPTTを押す
「千束聞こえる?」
『どうしたの?』
いい感じに銃声が聞こえる
「阿部さんが来てる」
『ちょーいちょいちょいちょぃい??!何で?』
「千束が選べる選択肢は2つ、排除or抹殺」
『ちょちょ、元気にお帰り願うのは?』
「刑事って奴はしつこいぞ。生粋の刑事は」
『私達の事は内密に』
無線に割って入るたきな
「解った」
暗く言い放つ査子
『ちょーちょちょちょ、常連さん何だからね!解ってるよね』
「解ってる。私が対応するしかないだろう。ちょっと行ってくる。上条技官、C4使って丁重にここまで案内して。尋問室はあるか?」
「C4に連絡します。尋問室はありませんが、会議室ならあります」
警視庁押上警察署所属の刑事2名は、藪の中を歩いていた
「三谷、こんなところに何があるんだ?」
「うちの友人が非公開で訓練すると聞いたんです。しかも、警察庁長官命令で。なんかあると思いませんか?」
阿部と三谷が草むらの中を進む
と、その時
「動くな」
20式小銃を2人に向ける自衛官
両手を上げる二人
「ここは演習エリアだ。民間人が入る場所ではない」
気づくと、5人の自衛官に囲まれていた
「なぁに、ここに知り合いが訓練に来てると聞いてな。様子を見に来たんだ。胸ポケットに身分証がある。取っていいか?」
一人の自衛官が頷き、阿部さんが警察手帳を見せる
「刑事か、全員銃を降ろせ。失礼した。現在、非公開演習中のため、お帰り願いたいのだが」
「帰ると思うか?」
沈黙が続くと、突然背後にいた自衛官が二人を後手で拘束する。
「オィ!何をする!」
「申し訳ないが、一時拘束させてもらう。我々の司令官がお会いになるそうだ」
そう言うと、結束バンドで拘束される二人
その後、黒い布製の袋を被せられ連行されていく。
その後、どこに連れて行かれたかわからない状態で覆面を取られると、二人に向けられたライトで正面に誰かが居るのは解るが輪郭さえ把握できない
『はじめまして、でいいかな。阿部刑事、三谷刑事』
変声器を使っているため性別も把握できない
「どうも。あんたのことはなんと呼べばいいかな」
『そうだな。「サー」と呼んでくれ。で、ここには何用で来たのかな』
「確認したいが、サーさんがここの司令官で間違いないか?」
『間違いない。私がここの訓練指揮官になる。』
「そうか」
『そんなことを聞きにここまで来たのかね?』
「いや、旧電波塔事件以降、事件が事故として処理されてきたのは、貴方が指示したことか?」
『…それを聞くと後戻りが出来なくなるぞ。何なら、その質問は聞かなかったことにするが』
「じゃー聞かない」
「阿部さん!」
「言っただろうが!でかい組織何だぞ!危なくて手が出せるわけ無いだろうが!」
『フフ。いいコンビだな』
「へっ、それはどうも」
『少しだけ、独り言を聞いてもらってもいいだろうか』
「あぁ、構わんよ」
『ありがとう。さて、数百年以上前にとある集団が組織され、暗い仕事をしていた。それは孤児を集め、とある仕事が出来るように訓練をさせ、それを使うというものだった』
「おぃ。何を言って」
阿部刑事の問いかけを無視し話を続けるサー
『10年前に、とある事件が発端により、その国は組織と手を組んだ。それから、その組織はある装置を手に入れる。それは、犯罪者となる可能性が高い人物を見つけるというものだった』
「おぃおぃおぃ、まてまて」
『組織はそれを使い、犯罪者を見つけては居なかったことにする、そう言った仕事をしている。そのお陰で、8年ものの間、世界で一番の治安のいい国になった』
「ちょっとまて。それって」
『私が言えるのはここまでだ。もし、これ以上のことを知ってしまえば、引き返すことができない』
サーは手を挙げると、阿部刑事の背広に名刺サイズのものを入れる
『もし、この世の真実を聞きたくなった場合は、そこに電話するといい。それが、あなたの平凡の終わりとなる。以上だ』
「ちょっとまってくれ!そnモゴモゴ」
「あ、阿部さん!」
再度連れて行かれる二人を見送るサー
「良かったんですか?」
その隣には先程会議室を用意してほしいとお願いした上条技官がいた
「フッ私の独り言さ。」
サーこと、査子は寂しさが残る表情をしながら部屋を出ていった。
とりあえず、SATと戦わせてみました!
こんな感じかなぁ~と思いながら書いております。
ちなみに、SATの最終戦闘の物語が見たい人は
高めの評価を頂ければと思います。
なければ、次の部隊に( ´∀` )
評価高ければ、SATの結末を書かせてもらいます。(*´Д`)
(結構奮闘していたようなので)
6話でどういう展開になるかによって、繋げられレばなぁ~と思ってます。
では次回でお会いましょう!