リコリス・ディフェンダー ~リコリスを守る者~ 作:RA-MSR
懸垂下降(けんすいかこう)とも言い、ロープ(ザイル)を使って高所から下降する方法のことである。登山では、主に急峻な斜面や岩壁、軍事活動のヘリボーンや救助においては、ヘリコプターが着陸できない状況下にてホバリング中のヘリコプターなどから降りる際、またはCQBにおいて、建物屋上から内部に進入する際にも用いられる。
「た…隊長、先ほどの無線…」
分厚い防弾フェイスシールド越しに、冷や汗を垂らす
「ブラボーも全滅か…」
「どうしますか?」
一人冷静に問いかける女性隊員
「あと、45分間ここを死守するしかないな。2班に分かれバリケードを構築する。5分で終わらせろ」
「「「「了解」」」」
千束たちは、一部屋一部屋クリアリングをしながら最上階まで到達するが
「あーー、たきなさん。あれは何でしょう?」
机を倒し、廊下を塞いている物体が目の前にある
「バリケードですね…」
その時、千束がたきなの腕を掴み引き寄せる
「なn」キュィーン
その瞬間、非殺傷弾がたきなの首筋を通り過ぎた
即座に、撃たれた先に撃ち返しながら、たきなを開いていた部屋に引きずり込む千束
この時、たきなは人生初めて、首元を銃弾が通るという経験をする
「あ、ありがとうございます」
たきなが千束を見ると、普段見たことのないほどお怒りモードの顔になっていた
「千束?」
「ん?なに?たきな」
あ~この声は、私服で銃を持ってきたときに言われた、あの声だ…
「あまり、本気にしなくても」
「何を言っているのかな?かな?たきなに向けて、銃ぶっ放すとはいい度胸だと思わないかい?かい?」
笑顔…いや、これは笑っているのか…
「ですが、あのバリケードは突破できませんよ?」
ふむぅ、と悩む姿勢で…本気で悩む千束
「そうなのよねぇ~、たきなのために懲らしめてやりたいのだけど…どうすっかなぁ~」
「あれしか…ありませんね」
真剣な顔をしながら
「あれ?」
おもむろに、たきなのバックからベルト状のものを取り出す
そして…自分の着ていた制服のベルトを外そうとする
「ちょちょちょい、たきなさん。何で、ここで制服を脱ぎだしているのですか?」
少し顔を赤くしながら否定するたきな
「脱いでません、ラペリングハーネスを取り付けてるんです。この制服のベルト付近に穴があるでしょ?そこに、ハーネスベルトを通してるんです」
「あ~、それ…その為にあったんだ」
「千束…その訓練受けてますよね?」
「あはは、もうね、10年以上前のことだから忘れてた」
「はぁ…」
てきぱきと、ラペリングハーネスを取り付けていくたきな
「ということは…」
「えぇ、奇襲攻撃といきましょう」
ニヤリと笑う
たきなに狙撃した女性隊員と、そのバディ
「すみません、外しました」
「いや、お前の狙撃は正確だった。もう一人の方が異常だ。あれに反応できるとは」
「非殺傷弾といっても、首元に行ったのはヒヤッとしました」
「あとで、再訓練だな。しかし…あれから、何も来ないな」
「はい…何か嫌な予感がします。何でしょう…虫の知らせというか」
「あぁ、俺もだ。嵐の前の静けさってやつか…」
ぬるっと会話に入ってくる隊長
「怖いな…全隊員に次ぐ、全周囲警戒態勢」
富士訓練センター内戦闘評価室
阿部さんとのお話が終わり、部屋に戻ってきた時見た光景に査子は驚く
「おぉ~たきな 本気モードだな」
上条技官もたきなが何をしているかを即時判断した
「ラペリング技術も持っているんですか?」
査子専用席に座りながら答える
「あぁ、DA訓練の一つにある。15mの高さで5mずつ、3回に分けて降りないと不合格だ。しかも、誤差1m以内、途中で止まっても不合格。結構厳しいんだぞ。あの訓練。千束は感覚だけでやってたみたいだが」
ハハと笑う査子
「結構きれいな姿勢ですね、他の隊員にも見せてあげたいほどです」
「あとで、指導を受ければいい。お、そろそろだな」
千束と別れたたきなは、ロープバックを足首に取り付けるがスカートが捲れそうになり、四苦八苦しながらもなんとか落ち着いたのか降下準備が整ったようだ
「千束、今から降下します」
『了解!』
スルスルと、最上階の窓ガラス上部の壁までたどり着く
通常、突入時は振り子の勢いでガラスを割り侵入するのだが
今のたきなはリコリス制服のためスカート姿
そのため、事前に割る必要性がある
「千束の合図で入ります」
ハンドガンにサイレンサーを取り付けガラスを割る準備をする
『OK!では、GO!』
「ちょ!」
勢いよく壁を蹴り反動をつけた後、ガラス正面まで降下し
パスッパリン
素早く、銃弾(ペイント弾)を至近距離で発砲することでガラスを割る
そして、室内侵入
外では、銃撃戦の音が響いていた
「千束…なんですか?あの合図は…」
急いで、スリングロープを外す
『え?私の合図でいいって言ったじゃん』
「あれは合図とは言いません!」
スリングロープを取り外し終わり、使用していなかった2本の内もう一方のロープを引っ張り固定していたロープを解く
そして、そのロープを地上へと戻した。これで、ロープを使って侵入したという証拠を消したことになる
『えぇ~、で侵入出来た?』
「成功しました。こちらには気づいていません」
スカートが捲れそうになっていたロープバックを外に放り投げ、物陰に隠れるたきな
『りょうか~い。じゃぁーそっちの陽動よろしくっ』
「了解。始めます」
「急に、撃ってきましたね」
「あぁ、これから何が起きるのか」
その時、女性隊員がふと違和感を持った
何か部屋の雰囲気が今までと違う?
その時、その異変に気づき
「部屋に侵入者!!」
「後方警戒!」
『ちょーい、たきな バレてるんですけどー』
「予想外に勘がいい人がいるようです」
机の影に隠れながら応戦する
その時
「クッ痛ぅ…」
左肩に模擬弾が命中するが軽傷判定
これが初めての被弾となる
『たきな!大丈夫!?』
「左肩に被弾しました。軽傷ですが大丈夫です。ふふっ」
『ど、どした?』
「昔のことを思い出しまして」
『昔?』
話しながらも応戦するたきな、左肩は痛みで使えないため右手で応戦し続ける
「水族館のとき、ゴム弾がメチャクチャ痛いと言ってたじゃないですか」
『あぁ、あのときの』
「今、それを実感しています。痛すぎですね。死んだほうがマシです」
『なっ!』
「冗談です。…千束」
『何々?!』
「早く助けに来てください。そろそろ限界です」
『よしきた!』
「そっちはどうだ!」
「追い詰めています!時間の問題かと。」
「ヨシ勝ったな」
「た、隊長!あ、あれ…」
「ん?何だ?」
そこには、ゆっくりと脚を進める千束の姿があった
そして徐ろにExtendの姿勢になり発砲
隊員の一人が死亡判定になる
「クソっ」
隊長一人になり千束へ銃弾を連射するが、当たらない
「な、なんで当たらない!」
弾を撃ち尽くし、ハンドガンに持ち替えるが
「さすが隊長さん。良い腕してる」
そう、一言 渡辺に聞こえるよう言う頃には、1mまで近づいていた
「でも残念。相手が悪かったね」
Extendからhighに切り替えて4発撃ち、死亡判定になる
崩れるように倒れる隊長の後ろには、たきなを狙撃した女性隊員がMP5を構えていた
タンっ
キュィーン
サッと避ける千束
「何で、当たらないの!」
カチャ
「それは極秘事項です」
女性隊員の頭にはたきなの銃が突きつけられていた
それに気づいた女性隊員は両手を上げ降参する
【状況終了】
査子の声が室内に響いた
たきなーーーっ!
と、叫んでしまうのは私だけでしょうか(笑)
さて、SATの最終決戦 あまり、文字数を稼げませんでしたが
(もう、事前に出しちゃってるし)
次回のEXは「S」が登場予定
お気に入り数200になったら出します!
(結構、設定が大変で…)
200にならなかったらお蔵入りかな(苦笑)
今回も、放送直後に予約投稿です。
さて、7話どうなるやら。