リコリス・ディフェンダー ~リコリスを守る者~ 作:RA-MSR
大事故・災害などで同時に多数の患者が出た時に、手当ての緊急度に従って優先順をつけること。
千束とたきながヘリで移動している間、SDの指令室はあわただしくなっていた
リリベルが動いたからだ
「リリベルの乗せたヘリが4機、延空木へ向け移動中。ETA50分」
「ん?延空木のエレベータが動いています」
査子が、エレベータに取り付けられているカメラから、怪我をしたリコリスが下におろさせるところを見ていた。
指示は、待機のはずだが…フキか…
「ふっ…、延空木で待機中の救助隊へ連絡、最上階への移動は中止、中層階へ戻り中央広場にてリコリスの救護に当たれ」
「了解」
「もう少しだから」
怪我をしていたセカンドリコリスを抱えながら移動していると
目の前の広場に入った瞬間
「来たぞ!」
え?という顔をするリコリス達
いつもであれば、かばんに入っている銃を取り出すのだが、広がっていた風景に唖然としていた
そこには、緑・黄色・赤に色分けされた区画に、簡易ベッドが並べられている。そして、数十名の人たちが私たちを待っていたように待機していた
これは…トリアージ?
「君!大丈夫か!」
医師と書かれている赤いベストを着た人が走ってくる
他にも、看護師・DMAT・○○病院などなど、総勢数十名の人たちが、怪我をして動けないリコリス達を診始める姿があった
そして、黒い服にサブマシンガンを持った【POLICE】と書かれた戦闘服を着た人たちが出入り口をカバーしていた
「あ、アナタたちは」
「君たちを助けに来たものだ。さぁ、抱えている娘をこちらに」
手首にトリアージタッグをつけ、名前・生年月日・症状を聞き、問診する医師たち
DA関係者ではないようだ。司令部からもそのような内容は来ていない
奥の方には、簡易手術室もあるようだった
「こ、これはいったい」
呆けるセカンドリコリス
預けたリコリスは、赤色のブースへ連れていかれるところを見ていた
「君、きみ!」
声をかけられ、呆けた意識が戻る
そこには、別の医師がいた
「あ?はい」
「君は、怪我は大丈夫か?痛いところや、違和感はないか?」
「いえ、私は大丈夫です」
「そうか。なら手伝ってくれ。人手が足りない」
そういって、見返すとケガをしたリコリス達が、各ブースへ入っていく姿が多く見えた
(これなら…仲間が…助かる…)
そう思い
「何をすればいいですか」
絶望的な雰囲気から、光が差し伸べられた気がした
「応急処置はできるね?」
片手に持っていた赤十字マークの救急セットをリコリスに渡してくる
「一通り習っています」
それを受け取り立ち上がると
「なら、黄色のブースにいる人たちに対して、応急処置をしてくれ。赤いのは重傷の人たちだ。それらは、私たち医師にに任せてほしい。いいね」
「わかりました…、先生」
「どうした?」
「皆を、よろしくお願いいたします」
その話を聞いていた他のリコリス達も頭を下げると
「任された」
他の医療関係者達も頷き、又、親指を上げたり、腕を上げたりと様々な反応を示す
ホッとしたのか他のリコリス達が崩れるように尻餅をつく
「おい!大丈夫か!看護師!」
「救助隊から通信!第一陣リコリス20名ほどが医療処置を受けているとのこと。救急搬送が必要な人数が半数以上、第二陣まもなく到着」
「リコリスの人数は約100名近く投入されている。そのつもりで救助を行え、なお救急車の搬送はまだできない!できる限りの処置を行うよう通達」
「了解」
「DAアルファ1が、送信制御室への制圧に向かった模様」
「リリベル、延空木へ突入開始」
「延空木の防火設備が何者かに操作されています。これは…リコリスを誘導している?」
オペレーターからの情報を整理しながら査子が叫ぶ
「防火設備については無視していい!とにかく、医療の方を優先しろ。これは災害医療と同じだと思え!」
「エンジェルとガーディアン、延空木ヘリポートに到着エレベータで上層階に移動しています。目標はアルファー1と同じ送信制御室の模様」
AチームのSAT隊12名がリコリスの行末を見守っていた
痛々しい姿の少女達を見守るしかなかった
「助けに行かなくていいんですか?」
「謎の組織が来ている。それが排除できない限り出るべきではない」
と、その時
「止まれ!」
同じ服装のライフルを持った男達がリコリスへと、銃を向ける
来たっ
「盾密集横隊ニ列!」
【おう】
リリベルに対して防弾盾を構えるSAT
「お前こそ動くな!こちらは、警察だ!銃刀法違反でしょっぴくぞ!」
リコリスに向けていた銃が、SATへと向けられる
中の指揮官であろう青い服の者が、誰かと通信しているようにも取れる
「隊長」
「焦るな。時を待て」
にらみ合いが、2・3分続いただろうか。体感的にはその十倍近い感覚があり、他の隊員も汗が滴り落ちる
「後退しろ」
訓練された軍隊のように、下がっていくリリベル達
『こちら司令部、リリベルが撤退。警備体制をレッドからイエローに変更。空いている隊員は、リコリスの救助に当たれ。これより、救急隊並びに救助隊が応援に向かう』
「…よっし!総員救助に当たれ!」
「DAのオペレート再開」
「延空木の放送止まりました」
「匿名からの情報、今回の首謀者宅を特定」
「外の初動捜査班に向かわせろ。既に逮捕状はあるとな」
ロボ太も見納めか
さて
スマホを取り出し
「常磐です」
『なんだ。慰めの電話か?』
楠木に掛けていた
「軽傷のリコリスについてはお渡ししますが、重傷の者はこちらで対処します」
『貸を作ったつもりか』
「いえ、救えるものを救いたいだけです」
『好きにしろ』
「分かりました」
『常磐』
「何か」
『…感謝する…』
「私は何も。やりたいことをしているだけですので。では」
ふぅ とため息をつく
あの人はいつもやり辛い
「ラジアータ機能回復」
「司令、先程からクリーナーからの連絡がありません」
またかぁ
それは千束に任せるしかあるまい
それより
「旧電波塔に居る吉松のトレースはちゃんと出来てるな?」
「追跡継続中」
ヨシ。千束…お前の選択を反故するかもしれないが、許せ。
次回で、この小説が終わる予定です
脇役があまり出せませんでした。
どこかで出そうかなと思っていますので、どうぞよろしく