リコリス・ディフェンダー ~リコリスを守る者~ 作:RA-MSR
反省はしているが後悔はしていない。
インスピレーションとは
神の啓示に導かれたかのようにひらめいて高まる、精神の働き。
スマホをいじりながら、眉間に皺を寄せている一人の少女
ここは、【喫茶リコリコ】数名の従業員が運営する小さな喫茶店
「千束、どうしたんですか?眉間に皺寄せて」
何かあったのかと心配になる井上たきな
眉間に皺を寄せながらうむぅーとうなっている娘こそ
DAの歴代最強と称されるリコリスこと錦木千束である。
「それがさぁー、友人からメールが全然帰ってこなくってさー」
「千束にも友達いたんですね」
世界が終わったような驚きの顔をしながらたきなに振り向く
「な゛!なんだとぅ!」
「で、だれなんです?」
「うぁ、スルーされた…サードのリコリスなんだけど、私が唯一模擬戦で死亡判定させられた子」
「ぇ?」
「え?」
見つめあう二人
「千束が?」
「私が」
「被弾した?」
「そう、被弾した」
「模擬戦で?」
「そう!模擬戦で!あれはすごかったなぁ!」
壁に指をさして、カーブを描くように自分に向ける
「ペイント弾が、自分に向かってくるんだもん。真っすぐ飛んで来なければ避けれません!」
「誘導弾ですか?」
その指をたきなに当てながら
「あー、疑ってるだろ~」
「そりゃぁ、ペイント弾なんて誘導弾にはなりません。映画の見過ぎです。DARPAのEXACTOシステムでさえ50口径です。9mmで誘導弾なんて作れませんし、使ってるのはペイント弾です。曲がりません」
呆れた顔になりながら
「ファーストがサードにやられたなんて、噂になってもおかしくありませんし」
「本当なのになぁ…もうね、あの時、物凄く感動しちゃって、もうね、根掘り葉掘り質問しまくったのよ」
「引きますね…」
「いいじゃん!初めて、ペイント弾というものにあったの、それ以降一度もないんだから」
「偶然ですね」
「いや、偶然じゃないから。本人曰く、ペイント弾が割れないギリギリの射線を導いて、私が来るであろう予測ルートを考えて撃ったらしいよ。壁じゃなくて、角だって言ってたけど。もうね、弾がクィッって曲がるの!弾は!まっすく進むものなの!ホーミングミサイルじゃねー!自分で何言っているのか解らね~」
自分で自分を突っ込む千束
「眉唾物ですね」
「だからぁ~ほんとうなんだってば~。通路曲がろうとしたら、銃声が聞こえて、出る前に止まれたのに緑のペイント弾が当たってたんだって!」
冷たい目線を刺すたきな
「普段から油断しすぎです」
「むぅ~」
ムスッとした顔で、たきなを見る千束
「で、その子と連絡が取れないと」
「そうなのよ~何かあったのかなぁ」
天井を見ながら、心配そうな顔をする千束
その時、元DAの情報部にいたとされる中原ミヅキの手元にあるPCからメールを受信した音がする
「ん?」
「で、そのサードの子との連絡は、DAの支給スマホですよね?」
「そうだけど?…いや、そんなことない!」
最悪なパターンを想像してしまう千束
「DAの支給されたスマホが使えなくなる理由の一つとして
この世の終わりの顔をする千束を後目に、ミヅキがボソッと一人の名前を言う。
「常磐査子」
バッと千束がミヅキに振り向く。
「千束が言ってた子ってこの子よね?」
「そうですけど。なんで、ミヅキが知ってんのよ?」
「知ってるわよ。リコリスの1人。ただ、秘匿された情報があるってことは知ってる」
「どこかで聞いた名前だと思ったら。ディフェンダーか」
茶菓子を取りに来た一人の少女。
名は【くるみ】世界一の凄腕ハッカーと呼ばれていた人間である。しかし、アラン機関の手引きにより暗殺されそうになるが、これを逃れ、ここリコリコで匿われている。
「なんで!DAの一部の情報しか知らないことをあんたが知ってんのよ!」
勝ち誇ったように、腕を腰に立てながら
「私は凄腕ハッカーだぞ。何でも知っている。リコリス・ディフェンダー。近接戦闘をメインに訓練を行うリコリス、確かに市街地戦闘をメインとしているのであれば、それでいい。が、高難易度任務の場合には遠くからリコリスを密かに守る別部隊がある。それが、リコリス・ディフェンダー。聞いたことがないか?囁く声ってやつを」
驚く顔をしながら
「都市伝説だと思っていました」
「実在するぞ。といっても、片手程度しかいないが」
「セカンドのメンバーに?」
「いや、サードだ」
「リコリスでないあんたが!でなんで!しってんのよ!」
「くるみは 知っている。何でも 知っている。」
「くるみ怖えー」
「リコリス・ディフェンダーは、近接戦闘が主ではない。遠距離狙撃が主だ。リコリスのランクは基本CQBやCQCでランク付けされる。で、本題だが、常磐査子は死んでないぞ」
「「は?」」
「私が言おうと思ったのに!それは、私が言う!発言権よこせ!」
「はいはい。どうぞ」
「名前は『常磐査子』15歳。司令部の指示なしに独断専行でターゲットに発砲、その弾が味方に当たり、被弾。フレンドリーファイアとして処分。どこかで聞いたような内容ね」
拳を作る、たきな
「殴られたんですね。殴り返しましょう。殴ったのは誰ですか?」
「あんたみたいに、指令を無視したら殴られるという常識を外しなさい」
しょぼんとしながら
「殴られてないのですか」
「ぉぃ」
突っ込む千束
そして、小さな体を大きくそらすくるみ
「正確には、一緒に任務中だったリコリスが、ターゲットが持っていた改造銃により負傷、救護を実施。司令部の指示を仰ごうとするが、突然通信途絶、任務失敗と判断。その為ターゲットの排除に失敗、ターゲットはそのまま病院へ。負傷したリコリスの命は助かったらしい」
「その情報は知らないわよ!どこのソースよ!」
「さぁ~、で千束この子がそうか?」
「そう!さっちゃん!生きてたかぁ~良かったぁ~…あれ?なんで連絡付かない?私のこと嫌いになっちゃった?!」
「うちに来る」
「「は?」」
「いや、転属先 うち」
「「はぁ?!」」
また騒がしくなりそうだと、予想するたきなであった。
※EXACTO 【Extreme Accuracy Tasked Ordnance】システム
米国防総省高等研究計画局(DARPA)がテストしている弾丸システム
飛行中に方向を修正して、正確に狙いをつけられていない標的に命中する
機能を備えている。なお、開発途中であり口径は50口径と大きい。
※ホーミングミサイル
ミサイルのほとんどがホーミング機能を有している。ホーミングを有していない
推進弾のことを、ロケット弾などと呼ぶことが多い。
誘導方式としては、赤外線やレーダーなど多種多様である。