リコリス・ディフェンダー ~リコリスを守る者~ 作:RA-MSR
赤よりも空や山の色に紛れにくいとされ航空分野では広く用いられている。レスキュー隊員の制服、ハンターのベスト、更には宇宙服にも使われている色であり、昼間障害標識の色として指定されている。
たきなが私の方を興味深く見ている
喫茶リコリコ この前の事故(事件)で制服の色が変わった。
今までベージュ色だったのが、今日来たらオレンジになってた。
店長よ。これはなんのマネだ?
「どうした?たきなよ」
じぃーと、何かを探るような目線を査子に向けてくる
「査子も謎が多いですよね」
ハハッと笑い
「何だ、藪から棒に」
パクりと、草だんごを口にする
「千束に一撃を与えたって本当ですか?」
その言葉に店内の天井を見る
「千束から聞いたんか?」
「はい」
その言葉を聞き、俯く査子
「そうか、、、事実だ」
「どうやって?」
隣の椅子に座ってくるたきな。これは長期戦覚悟の姿勢か?
「千束の銃弾回避能力は、射撃タイミングと、卓越した洞察力で銃身がどういうふうに向いているかを見極めて初めて成立する。アマチュア連中は、どういうふうに弾丸が飛んでいくかなんて考えない」
掌を銃の格好に見せながらたきなに向ける
「たきな、もしこれが銃だとすると弾はどういうふうに飛ぶ?」
「私の額に向けて飛びます」
当たり前に答えるたきな
「普通はそうだ。が、ここで外的要因、例えば店長特性の弾丸だったらどうだ。額に飛ぶか?」
想像するたきなが、眉毛を曲げて答える
「それは、分かりません」
「そう、千束の弱点はこれにある。何度もいうが、千束は、射撃タイミングと、洞察力による銃身からの直線上に飛ぶラインしか解らない」
ウォールナット(くるみ)の護衛時に、千束が銃弾の嵐の中敵に向かって歩くシーンを想像するたきな
査子は、銃の形を解き、手元にあった抹茶オレを手にする
「模擬戦のとき、違和感があった。何で、あんなギリギリで避けるのかと。で、試しに空気抵抗によって曲がるように、射線上から外れるように撃った」
「そうしたら、当たったと」
「そうだ。極至近距離なら弾は曲がらないが、遠距離の場合必ずしも真っ直ぐに飛ばない。2km先になれば、弾が音より先に着弾する。私は、DAが近距離戦闘しか訓練していないことに危惧していた。」
グラスに入っていた氷がカランと音とともに崩れる
「だが、楠木の野郎が、否定した。『日本に狙撃銃なんて言うものは存在しない』とか言いやがった」
「それでディフェンダーですか」
「ご明察。DAの上層部に直談判した。任務以外のリコリスが無断外出なんてするなんぞ、考えもしなかったんだろうな」
抹茶オレを飲み干す
「どうやって、納得させたんですか?」
「最初は、鼻で笑われたさ。こんなガキに、何が解るってな」
空になったグラスにある氷を回す査子
「その後、DAが銃取引で押収した7.62mmライフルを掻払って、リコリスが護衛していた要護衛対象に対して狙撃した」
「なっ」
「もちろん、対象には怪我はさせてない。ハリウッド映画のようにしてやったがな」
ふふっと、悪人顔で笑う査子
その顔に冷や汗が止まらない、たきな
「その後、護衛対象が戻って来る場所を特定していた私は、その足で護衛対象に向かい合って銃を構えた。その時、20人のリコリスに銃を向けられたがな。あんときは、死を覚悟した」
半扇状上に構えている、サードリコリス。向けられている者は、オレンジ色の服を着た少女という異様な雰囲気の中、護衛対象に銃を向けながら
『お前は、私の警告を無視した。もし私が敵なら、お前は「この世にはいない。」近距離戦闘のみのリコリスだけで安全が買えないことを理解したか?』
そう言って、銃を投棄し両手を上げ、リコリスたちに拘束された。
「その後、懲罰房に半年間入れられ、永遠のサードってことさ。まぁ、その上層部も危機を知ったのか、秘密の部隊ってことで、私筆頭に立ち上げられた部隊ってことさ。」
「な、なるほど。それは最近のことなんですか?」
「いや、11年前だ」
「は?!」
「私が4歳の時になる。古い話さ。姉のように慕っていた女性達が物のように使い捨てられる。それが気に喰わなかった。『人の時間をなんだと思ってる』と、思ったのさ」
「...千束も、そのようなことを言っていました」
「はは。そうか。姉も感じたんだな」
暗くなる査子を不器用にも話を変えようと模索するたきな
「オレンジ色の制服も?」
「たきなよ。24時間、常に鍵が掛かってなく、扉も開いている場所って知ってるか?」
「...警察署ですか?」
ふふっと笑い
「惜しいな。消防署だよ。あそこの服を拝借した。その時に着たのがレスキュー服だった。知ってるか?レスキュー隊員の服の色は、世界で一番目立つ色なんだってさ。リコリスが、目立つなんて笑えるだろ?」
たきなの方を向き
「たきな。今、自分の時間を満喫してるか?」
「…解りません」
「そうか」
「でも…前よりは、楽しいと感じている気がします」
ニコッと笑い
「そうかそうか。それは重々。」
満面の笑みを浮かべながら、空になったグラスを持ってキッチンへと行く査子を、何か考えながら目を追うたきなの姿があった。
ちょっとした番外編を作りました。
4話で千束の過去が出たので、査子の過去も公開
これも勢いで作りました。
大丈夫か?作者。まだ4話だぞ。
誤字とか有ったら報告ください。
文面一部修正