リコリス・ディフェンダー ~リコリスを守る者~   作:RA-MSR

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日本の行政機関とは
日本の行政事務を担当する機関のことであり、府、省、委員会、庁などが挙げられる。地方公共団体と対比されて、中央省庁、中央官庁などと呼ばれることが多い。

なお、この小説はアニメ5話を見てから、読むことを推奨する。


くそっ!そこだと見えない!

ここはDA関東支部リコリス訓練施設 山奥にある人里離れた場所

そこに、査子がとある人物に呼ばれていた

「あんた…だれだ?」

ふてぶてしい態度をとり、15歳の少女とは思えない格好で言い放つ

目の前には、SPのピンパッチを胸に付けた者に守られている人物

「はは。結構有名人だと自負していたのだがな。」

おぃおぃ、こいつって…まさか

「に…日本国総理大臣 田辺義一…か?」

ニヤリと笑い、ご名答という男

日本国総理大臣 田辺義一 52歳 自由民権党党首であり、旧電波塔事件の時、防衛大臣を務めていた経緯のある人物である。それが、なんでDA何ぞにいる?

「楠木司令からの紹介でね。この組織については、旧電波塔事件から協力関係にあるが…」

おもむろに、手元にあったタブレット端末を手にし

「これを見てくれ」

放り投げる。

ぉぃ、電子機器は丁寧に扱え!丁寧に!ん?リコリスの任務報告書?

「総理大臣の私には、DAの活動に対して協力をする代わりに、必ず報告をするよう指示している。が、数か月前、その報告書に違和感を持った。それで、部下に指示を出し詳細に調べ上げた」

外の景色を見る田辺首相

「最初の報告書はリコリスのスタンドプレーとあった。自衛隊と同じ若しくはそれ以上の規律が厳しいDAの中で、スタンドプレー?笑わすな。そう思って、調べ上げたらラジアータが停止したとあった。そこから、各部署に対してDAからの報告書は違和感があったら必ず調べ上げるよう指示した。」

スタンドプレー、たきなのことか。

「なるほどな。回りくどい話はいいんだが、聞かなきゃダメか?」

軽く苦笑しながら、査子の正面に座る田辺首相

「ははっ、そういうな。職業病のようなものさ。で、次のページを見てほしい」

そこには、爆発物があるかもしれない。という情報があったものの、ラジアータが危険度を下げた可能性があると書かれていた。

「問題は、爆発物の危険性を下げたことにある。爆発は5つ。柱に2つ、天井に3つだ。危険度は、重火器より高くてよかったはずだが、それを無視し、リコリスだけを乗せた列車を走らせた。これは、どう考えてもおかしい。せめて、防護策があってもよかったが、渡されたのは個人の防御設備だけだ」

「あの事件以降か?」

あの事件とは、私が爆発物の取引だと思っていた人物が持っていたのが、改造銃で、その時、司令部との連絡が取れなくなった事件。確か、たきなもその時、リコリスの一人が人質になっていた時か

「そうだ。あれ以降、ラジアータが何かしらの意志を受けて、動いている節がある」

「で?私に、どうしろと?ラジアータなんて専門外だぞ」

「次のページをめくれ」

「ん?独立治安警備組織SD(Security Defender)設立認可書?!なんだこれ!」

タブレット端末を机にたたきつける査子

 

「北押上駅での脱線事故、いや、事件か。その時、任務にあたっていた者たちを救出していたグループがいることを知った。私は、今回のことを受け、完全な独立機関として設立することにした。但し、DAとは一切関与しない完全な独自組織になる」

「馬鹿か!1から構築するとなると何年かかるか」

「だが、その代わり、日本の行政機関すべてを使用できる権限を持つ。この機関は、日本政府と同等の位置にあり、1府11省3庁その他にも、国立病院・国立大学・国立研究機関・都庁や県庁、場合によっては民間組織すべての使用権を持つ」

フンッと腕を組み

「DAもそうだろ?」

「DAはあくまでも、協力しているだけで権限はない。だが、このSDは日本に迫る危機に対して、日本の持つ組織すべてで対処するために組織するものになる。たとえ、DAが消滅してもSDが残る」

なっ、それはまるでDAが全滅…リコリス達が消滅することを意味する

「おい!それはどういうことだ!」

「例えの話だ。万が一に備えるのも政府の務めでもある」

くそっ!いったい何が起きている!千束の件も、ミカの件も訳が分からん!

「それで、このSDのトップに君がついてほしい」

「はぁ?!15歳の私にか?!気が狂ったか!」

「ははっ年は関係ない。評価されるのは年齢ではない。一人一人が持つ才能だ。そして君が適任だと、私が思った。それがすべてだ」

国家権力は嫌いだ。嫌いだが…

「私は、秘密組織も国家権力も嫌いだ」

少し悲しい顔をする田辺首相を査子が見上げ

「だが、人のために、何かをしないといけないとき、すぐに決断し、それを実行する人間は嫌いにはならない」

その言葉にハッとし、査子をみる田辺首相

「いいじゃないか。日本国民のための、日本の組織。旧電波塔事件から10年、やっと重い腰を上げたか日本は!」

その言葉に、どういった顔をすればいいか、現首相の田辺でも迷う

「分かった。その職務を引き受けよう。だが、いいのかこんな話をDA内で話して」

「ここが、一番防犯がよかったからさ。このSDは君が承認した日から施行される。ここにサインを」

「わかった」

後ろにいた秘書の一人が20ページほどあるだろうか、ハード本のように刺繍された1冊の設立同意書

そこには、日本国首相・防衛大臣・警察庁長官・消防庁長官・厚生労働大臣・文部科学大臣・総務大臣など、数十の署名。そして、そのトップには現天皇陛下の名前もあった

「おぃおぃ、冗談かと思ったが、本気なんだな。これ、国会通してないだろ」

「ははっ、DAも似たようなものだよ。常磐君」

「査子でいい。私も、田辺と呼んでも」

「あぁ、構わないさ。君とは立場も対等となる」

一つだけ空欄になっている部分。SD設立代表

そこに、常盤査子と名前を記載した

「これで、SDが設立された。で、早速なのだが」

その時、査子のスマホが鳴る

「ちょっといいか 査子だ」

『ミカだ。すぐ来てくれ』

「ん?なんだ?約束の時間はまだあるが?」

『トラブル発生だ。現在、千束・たきなが暗殺者に狙われいる』

「おぃ!ここは、リコリス島だぞ!」

『何とかして、来てくれ』

「…分かった。なんとかする」

そういうと、スマホを切る

「どうやら、設立早々役に立つようだね」

「はぁ。田辺さんよ。狙ってたか?」

「いいや。神の思し召しかもしれないな。ハハッ」

「はぁ、さっき話そうとしたことは急ぎか?」

「いや、設立したのだから、どこに施設を建てるかどうかの話だ。急ぎではない」

「分かった。後程連絡する。名刺貰っても?」

「いや、LinEにしよう。今登録した」

ニヤリと笑い、

「OK,早速なんだが…航空自衛隊中央救難調整所の連絡先は知っているか?」

「佐久間君」

秘書の女性が、タブレット端末で調べ私に番号を伝える

それを見ながら、電話をかける私

『はい、航空自衛隊です』

秘匿された電話番号の場合、電話を受ける自衛官は基本どの部隊かを言わない

「こちら、SDの常盤だ。責任者を出してほしい」

『SD?なにをいっっているのかな?いたず…』

最後まで聞かず、田辺にスマホを渡す私

両手を広げ、仕方がないという体でスマホを受け取る

「もしもし、首相の田辺だ。責任者を出してほしい」

『?!…!!』

「…田辺だ。今変わる人物は、日本政府の命令として受けてほしい。以上だ」

そういって、返してくる田辺。要点のみ、さすがだ。

「SDの常磐だ。名前は?」

『航空自衛隊中央救難調整所 指揮官 三浦一等空佐です』

「UH-60Jを一機、スクランブル発進してほしい。場所は、36.8393N, 139.6116E」

『了解。百里から向かわせます。ETA25分』

「了解。近づいたら、誘導員に従ってくれ」

到着する間、田辺と今後の話をできる限り済ませる。

 

丁度25分後に、UH-60J救難ヘリコプターがDAの施設へと着陸する

「田辺。後で連絡する」

「あぁ、待っている。気をつけて」

親指を立て、ローターが回っているヘリコプターへと向かう査子を見送る田辺

入ると、すぐにヘッドセットをつける

『航空自衛隊百里救難隊 機長の大西 二等空佐です。司令より、あなたの指示に従えと聞いています』

「急に呼び出して申し訳ない。査子という。超特急で、35.7059N, 139.8182Eにあるレスキューヘリポートまで行ってくれ」

『了解。FMC入力中』

「副機長、ROCに繋げてくれ」

『…繋げました。 こちらROC』

手元にあるPTTボタンを押してROCとコンタクトを取る

「そっちで、電話回線に接続できるか?」

『できますが、完全秘匿になりませんが大丈夫ですか?』

「構わない。繋げてくれ。電話番号は03-XXXX-YYYY」

『了解。  はい、喫茶リコリコ』

出たのはくるみだった。

「査子だ。私の荷物を、35.7059N, 139.8182Eにあるヘリポートまで持ってきてくれ」

『ヘリポートだ?!ハハッDAのヘリでも掻っ攫ったか?…そこは、普通のマンションだろう。この親父が、ヘリポートまで上がれるかわからんぞ』

確かに、ほかに開けた場所は、あそこか…

「なら、横戸川を挟んで反対側にある、墓地でいい」

くるみからリカに変わると

『わかった。で、この回線はどこからだ』

心の中で判明したらビックリするだろうな。と思いながら

「調べればわかる。大体20分程度で着く以上だ。 機長!あと何分だ」

会話中に、離陸し巡航速度になっているヘリ

『到着まで25分です!』

「最大速度で飛ばすといくつだ!」

『2・3分変わるだけです!』

「わかった!そのままの速度を維持してくれ!」

 

変わって喫茶リコリコ

査子の銃をロッカーから取りに戻ってくるミカ

「査子の回線、どこからかわかったか?」

「ははっ聞いて驚け。日本国航空自衛隊だ」

「なにっ!」

「航空自衛隊中央救難調整所の直通回線だと。査子のやつ、何と手を組んだ」

「査子の銃を渡してくる」

「了解」

 

ミカが墓地で待っていると、ヘリの音が近づいてくる

墓地の真上、10m程度にホバリングするとホイストが下りてきた

そのフックに査子の銃を取り付けると、そのまま上昇しつつ銃を回収していく

ミカは昔の杵柄か、そのヘリを懐かしく思った顔をして、急いで戻るのだった

 

査子の狙撃銃が入ったバックには、ヘッドセットがついていたが、ヘリの中では使えない。いや、使えるがヘリのヘッドセットを外さないといけない。

面倒だな…

再度、回線をつないでもらい、くるみと接続する

「くるみ、千束たちはどこだ?!」

『千束が、護衛対象を見失った。現在捜索中!たきなは、ターゲットを追跡中』

「了解。どっちをサポートしたらいい?!」

『ヘリなら千束のサポートがいいだろう。捜索対象は、筋萎縮性側索硬化症で電動車椅子に乗っている。年齢は72歳、男性。見失ったのは東京駅』

「査子了解 機長!聞いたな。君たちの力を貸してくれ」

「了解!東京駅を中心にレフトターンサークリングを実施します!」

サークリングとは、捜索起点を中心として旋回し、徐々に旋回半径を広げて捜索する方法のことを言う

ヘリのヘッドセットを外し、受け取ったDA用のヘッドセットを取り付ける

「千束聞こえるか?」

『え?査子?!どこにいるの?というか、雑音ひどいんだけど』

「雑音はあきらめてくれ。そちらの現在地が知りたい」

『今、東京駅周辺を探しているんだけど。どこ行ったの?松下さん。』

駄目だ、動揺して話を聞いてくれない

捜索していた一人の隊員、救難隊の三好二曹の肩をたたく

「三好二曹!赤い服の女子高生を探してくれ!」

「了解しましたっ」

「千束!今そちらを探している。周りに何があるかわかるか!?」

『東京フォーラム西!』

そういうと、捜索に協力してもらっていた三好二曹が私に耳近くまで顔を寄せ

「見つけました!2時方向です!」

「了解! 千束!そちらを発見した。こちらは、お前さんの空にいる!」

『そ。そらぁ?!』

ヘッドセットに手をやってこちらを見る千束

「そのヘリだ!」

『ちょーいちょいちょい待って待って。航空自衛隊?!なんでぇ~』

「はは。対象の特徴は受けている。現在捜索中」

もう一人の自衛官が大きな声で

「捜索対象に似た人物を発見しました!東京駅丸の内駅舎前です!」

査子はその方向を見て間違いないと判断すると

「千束!対象発見。東京駅丸の内駅舎前だ!」

『了解!ありがと!査子!!』

持っていたバックから、狙撃銃を取り出しマガジンを取り付ける

「ぇ?狙撃銃?!」

隣にいた自衛官の一人がつぶやく

「すげーAMAP-MCだ!本物は初めて見た」

目を輝かせている自衛官もいる

それを尻目に

回線をくるみとつながっている無線に切り替える

丁度千束が対象を見つけた

「くるみ、千束が護衛対象を発見」

『千束。たきながまかれた。気をつけろ』

狙撃銃の組み上げが終わり、ヘリのスライドドアのノブに手をかけたとき、機長から緊張した声が聞こえる

「ん?11時方向!丸の内駅舎南側に不審者!銃を持っています!」

既に、射撃体勢になっていた暗殺者に、査子の構えが間に合わない

 

と、その時ターゲットを撃ち、後ろから突っ込むたきな

査子は直ぐにヘリのスライドドアを開け、スコープを覗く

その行動に賺さず、命綱をベルトに就ける三好二曹

もう一人の自衛官は、スライドドアを固定する

「くそっここじゃみえねぇ!機長!3時方向にスライド、0.1マイル進んでホバリング!右30度旋回!高度そのまま!絶対機体を動かすな!」

『了解』

「くるみ!たきながターゲットにタックルし落下、銃を落とした模様!現在ターゲットから逃走中。今なら、奴を撃てるぞ。どうする!」

『待て!ミズキが間に合った。千束が目標を追跡する』

その時黄色いドローンが眼の前を通過する

くるみのドローンか。

ターゲットに照準を合わせつつ待機するが、たきなにピンチが訪れる。

査子が、トリガーに手を当てた瞬間

千束が発砲

その後、千束の戦闘によりターゲットを無力化した。

いつ見ても化物じみてるよな。

「ふぅ…くるみ。任務完了でいいか?」

マガジンを取り出し、薬室に入った弾を抜きながら、くるみに対し質問を問いかける

『査子、後で詳しく話せ』

「了解、ROC任務終了、東京ヘリポート経由でRTB。 機長!東京ヘリポートまで行ってくれ。その後RTB」

『了解!査子さん』

「なんだ?」

『連絡先教えてください!』

「はは…喫茶リコリコに来ればいつでも会える。ほれ、これが店の名刺だ。いつでも来い。あ、酒は出んぞ。いや、ミズキが持ってるか?出るのか?」

『よしっ!』

『『機長!抜け駆けは駄目っすよ!』』

『機長』

副機長が機長に対して一言

『なんだ?』

『最近の女子高生って強いんすね』

女子高生風少女達が演じたハリウッド映画のワンシーンを見た副機長は、現実とフィクションとの境にいた。しかも、銃撃戦込みである。

 

その言葉に苦笑する。あれは例外だと思うが

「ハハッ副機長。女性っていうのは常に強くなくてはならんのだよ」

ニィと笑い、あとのことは地上にいる連中に任せよう

 

査子はそう思い、その場を去るのだった

 

その後、DAの上層部は査子をDAから除籍させるべく、動き始めることになる。

 

千束や たきな、そして査子は、まだこのことを知らない。

 

 




お待たせいたしました。
見直してたら、どんどん文字数増えて逝って…
6000文字越えちゃった( ´∀` )
いやぁ~人工心臓ですかぁ~そうですかぁ~そうだよなぁ~
千束の身体能力で、心臓持つわけないわな~
ふと、思ったのが完全埋め込み式の人工心臓
現代ではまだ、開発段階。しかも、バッテリー式・もっと言うと、長期の動作を目的としておらず、今の技術で十年は持たないとのこと。
アラン機関とんでもない組織だな…

ここからは私の勝手な考察
なんか、アラン機関=吉松の考え ではなさそうな気がする。アラン機関を妄信する吉松の暴走? 実は、従順だったあの秘書が、アラン機関の意志を持っていたという考え?ん~わからんとです。

とにかく!6話楽しみですなぁ~ 今度は真島と絡ませるか…
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