転生したけど祖父が怪奇現象起こしてる   作:ちゃっぱ

14 / 20

心配かけて申し訳ないの気持ちを込めて今日は多めに書きました。掲示板もあります。
皆さんたくさんの反応をありがとうございます! やる気が出てきたので頑張ります!







第2章 原作は少しずつズレる
第十三話 常識とは?


 

 

 

 

 

 あれから小学校に入学して気ままに楽しんでいる真っ最中。

 修業はちゃんとやっているが、数年経ってもなお鯉伴さんの時のように生きている妖怪や人間の中に入り込んで怪我を二つに分けるという行為は成功できていない。

 

 あれだ、悪霊が憑依して人間に悪さするような感じ。力のある妖怪だったら数秒も経たずに体内から俺を追い出すだろうなと思う程度の弱い力しか使えない。

 

 

 多分この力は本来のそれではないような気がする。

 俺が使う力────通称名として《異物混入》と呼んでいるが、それはある意味ちょっとした身代わり人形というべき存在へ成り果てるようなものなんだろうと思っている。

 

 鯉伴さんを救うことが出来たのはジジイが俺の中で手助けしてくれたから。でもって俺はあの時幼い身体だったから致命傷に耐えきることができず鯉伴さんに怪我を半分背負わせてしまっただけのこと。

 

 ならば。

 成長し強くなったら俺は全ての怪我を受け入れ背負うことができるのではないだろうか。

 例えばだが、リクオが死ぬほどの怪我を負ったとしても俺の力でもってそれを自分の身体へ移し、身代わりのような感じで力を行使する。そうすればリクオは死なないし、生きることができる。

 原作知識についてはジジイが知っているし、夢で唐突に見せてくることがあるからそれを頼りに動かざるを得ない。つまりジジイの気まぐれ次第によっては突然大変な事件に巻き込まれる可能性だってあるのだ。

 

 だから俺は、リクオに鯉伴さんの時のような腕を使いきれないような怪我を負わせず、裏でサポートすることを決めた。いわば縁の下の力持ち。烏天狗のように、雪女のように後ろから支えて生きて行けばいい。

 

 そんな怪我無く無理なく総大将への道に進むための最強プランを考えた俺は、ジジイの力を借りずに自分だけの力でリクオをサポートできたらいいと思っている。可愛い弟分のためならこの身体が身代わり人形として何度だって致命傷を負うことも構わないと思ってるんだぜ。

 

 

『身代わり人形か。ふむ、それは……まあワシが言うべきではないと思うがな。あの小僧にいつか説教されそうじゃなぁとジジイは孫を心配してしまうなぁ。これは怒られること間違いなしじゃぞ?』

 

 

 頭の中でジジイの声が聞こえてきたが聞き流す。俺の思考を読んでツッコミを入れたり楽しそうに笑うのもいつもの事だ。それに反応してばかりだと周りから「あれ、カナちゃんって独り言が多い変な子なんだね」とか誤解されてしまうからだ。

 

 まあそれはどうでもいい。

 今やるべきことは俺がどれだけ《異物混入》を会得できるのか。それが一番の問題点なのだから。

 

 

 意思も何もない付喪神でもないただの人形に入り込み動かすことは出来た。とはいっても体力をかなり使う。腕を動かすだけで長距離マラソンを走り続けているような感覚になってしまうようなもの。ぬいぐるみか何かを持ち歩いていざという時にそれの中に入って戦闘し自分の身体は無傷というのが理想なんだがまだまだ無理そうだ。

 

 あと生き物の中に《異物混入》出来るかどうかも試してみた。

 納豆小僧に頼み込んでその身体へ向かって一時的に《異物混入》させてみたがやっぱりすぐ追い出される。納豆小僧が悪意を持って追い出したわけじゃない。自分の身体に異物が混じるのだからそりゃあ反射的にでも追い出したくなる気持ちは分かる。だからこれは体力がない俺が悪い。

 

 もっと体力を付けた方がいいのか。筋トレでもするか。

 うぅ……やはり筋肉。筋肉がすべてを解決するんだ……!!

 

 

『妖怪相手に筋肉で太刀打ちできるわけがなかろう。落ち着かんかいカナ。ほれ、リクオが何か喚いておるぞ?』

 

(へっ?)

 

 

 聞こえてきた声に顔をあげると至近距離でリクオがこちらを見ているのが見えてギョッとした。

 

 

「カナちゃん! カナちゃんは妖怪がいるって分かるよね!? ちゃんと分かってるよね?」

 

「ふぇ? 妖怪ならいると思うけど……」

 

「だよね!」

 

 

 俺の声に「えっ、カナちゃんって妖怪とか信じるタイプなんだ!?」と驚いたような女子の声が聞こえてきた。ちょっと思考停止してたし幼馴染の強い問いかけに反射的に肯定してしまったけれど、これってどういう授業だったっけ?

 

 これからの未来について考え込んでいたせいだろうか。何が起きているのか理解できない状況に首を傾けた。

 

 よく見ればリクオは焦ったような顔で清継に向かって「妖怪はちゃんといるし、良い奴等ばかりだよ!!」と叫んでいるのが見えた。

 黒板には「郷土の妖怪伝説を調べる」という文字が書かれた紙が貼られている。そういえば発表会やってたな。つまり清継達が発表しているのが妖怪がいないと否定派で、リクオがそれに違うと叫んだ肯定派に分かれた討論みたいなことが行われていると。まあ子供同士の喧嘩ともいえるが。

 

 

「妖怪とかいるわけないじゃん!」

 

「そうだよ奴良君。妖怪はこの世にいるわけがないんだ!」

 

「そ、そんなことないよ!!」

 

 

 

 ピリピリとした空気に俺は眉をひそめた。

 なんというか、否定派の意見が強い。清継がリーダーとなって妖怪はいないと断言しているせいだろうか。

 

 リクオがそれにショックを受けたような顔で周りを見ている。

 まあ、それは当然だろう。なんせ幼い頃からずっと妖怪と共に生きてきたようなもの。それをクラスメイトは真っ向から否定した。自分の常識を壊してくるようなものだ。しかも清継が悪い方に言ってしまうせいも含まれているかもしれない。

 

 

『放置してよいのか? あのままじゃとリクオが悲しむぞ』

 

 

 ああ、流石にこれは放置できない。

 

 

「ちょっといいかな?」

 

 

 手を上げて立ち上がった俺にクラスメイトがこちらを見つめてくる。

 微笑みながらも安心させるようにリクオの方を見て、清継を真っ向から見た。

 

 

「私はね。妖怪はいると思ってるよ。でもそれは私が《いる》と思っているだけで、皆はちゃんと実物を見てないから《いない》って否定してるだけでしょう? 断言はしなくても、妖怪はいるかもしれないし、いないかもしれないって気楽に考えようよ。過去の人だって《地球は丸かった》って真実を信じてなかったぐらいだし、そういう意見は人の考え方次第。他人に押し付けるのはちょっと違う気がするよ?」

 

「うっ、そう言われると何も言えなくなってしまうね。……ああ、すまなかったね奴良君! 君の意見は受け入れられないし、僕は妖怪がいないと思っているけれど、君は君なりの考え方でもって動けばいいと思うよ!」

 

「う、うん……」

 

 

 リクオは納得してないような顔で清継を見つめていた。

 とりあえず妖怪を否定することをリクオに押し付けるようなことはもうしないだろう。もうちょっとやり方はあったかもしれないが、穏便に進ませるにはこうするしかない。

 

 

「気にしないでよ、リクオ。人間にだって良い奴と悪い奴がいるし、考え方も十人十色といろいろあるんだから……それにリクオの家にいる妖怪たちは皆良い奴らだろ?」

 

「……うん」

 

 

 元気がなかったリクオだが、返事だけは返してくれた。

 だから多分、これで大丈夫なはず。

 

 発表会は次のグループに移ったらしく、子供たちのざわめきが教室内に響いてくる。

 机に突っ伏したままのリクオ。やっぱり清継ショックに耐え切れなかったのか。それとも俺のフォローが足りなかったのが原因か。一応俺とリクオの席は隣同士。グループ発表をしているがちょっとだけリクオと話をしてもみんなは発表に耳を傾けてるし誤魔化すことは出来るだろう。

 

 落ち込んだ様子のリクオにどう言えばいいのか迷っていると、彼が顔をちょっとだけ上げて視線をこちらに向け、眉を顰めながら口を開く。

 

 

「カナちゃんが人間のままだったら……妖怪は怖いって思う?」

 

 

 リクオは俺が妖怪に変異できると分かっている。幼稚園児だった頃はちゃんとした人間だったことも理解しているからこその質問だろうか。

 それに俺は首を横に振った。リクオはショックを受けるかもしれないが、嘘をつきたくはなかったから。

 

 

「人間のままだったら……その頃の私だったら多分、妖怪は怖いって思うかな」

 

「えっ」

 

 

 まさか怖いというとは思わなかったというようにギョッとした顔のリクオに慌てて弁明した。

 

 

「違うんだリクオ! 俺……いや、私はさ。今は妖怪の事をちゃんと分かってるから怖いだなんて思わない。……でもね、妖怪を知らない人間は違う。人間にとっては未知の存在で、怖いと思っちゃうものなんだよ」

 

「未知の存在が怖い……?」

 

「リクオにとっては家族でも、清継達にとっては何も知らない未知の存在。恐怖の対象だ」

 

「……そっか」

 

 

 まるで酸っぱい梅干を食べたかのようにシワシワの顔になりますます落ち込む様子のリクオ。そんな彼に苦笑しながら俺は言う。

 

 

「だからさ。そういう認識をリクオが変えていったらどうかな?」

 

「……僕が?」

 

「妖怪をちゃんと知ってるリクオが伝えるんだよ。妖怪は人間によって《良き隣人》になれるってこと。理解すれば共存できると思うよ。私やリクオみたいに」

 

 

 まあ、人間を襲う悪い妖怪たちを見たら意見を変えるかもしれないけれど。

 そこはまだリクオが知らなくてもいいような気がする。だって奴良組にいる妖怪は良い奴らばかりだからな。人間と妖怪が本当の意味で共存できる可能性を秘めているのは次期総大将たる三代目のリクオぐらいだろう。

 

 そんな俺の考えが予想できなかったのか。机から顔を上げ、目を輝かせたリクオが笑う。

 

 

「う、ん。うんっ! そうだよね。今はまだ知らないだけで、ちゃんと理解すればきっと……カナちゃんありがとう!!」

 

「ふはっ、何で礼なんか言うんだよ。そういうのは行動を示してこそだろ? 私はただ言っただけ。後はお前が決めることだぜ。奴良組三代目?」

 

「……分かってる」

 

 

 リクオがしっかりとこちらを見て頷いた。……うん、よし。元気は取り戻したらしい。それに満足した俺はリクオの頭をぐしゃぐしゃになるまで撫でてやった。

 素直でいい子の弟分にはちゃんと褒めてやらなきゃな。あと迷ったら助けるのが姉貴分たる俺の役目だもんな。

 

 

 

『あーあー。やらかしおったわ』

 

 

 何が?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【成長した赤色幼女ちゃんを観察するスレ】

 

 

 

 

 

340:怪異遭遇の名無し ID:wgwWKxewl6

最近妖怪に気づかない人が怪異に遭遇しないで、そういう怪異に遭遇したか幽霊が確実に『いる』って知ってる俺らが怪異に遭遇しやすいことに気づいたんだが……

 

 

 

 

341:怪異遭遇の名無し ID:UoJ37kZvcN

そりゃあ当然だろ。

幽霊共の存在に気づいた時点で「いる」って分かってるんだから。

無意識にでも妖怪とかそういう人外共が何処にいるのか見ちまうし、目線が合いやすくなるから奴らも「おっ? 今こいつと目が合ったな? つまり見えるんだな?」って感じで付きまとうようになる。

 

 

 

 

それに怪異に遭遇しているって気づいた時点で縁が結ばれちまったらしい。だから縁切りか存在そのものを妖怪にするかまあ後は生き残るぐらいしか手はないっていう話を幼女ちゃんから聞いたぞ。

 

 

 

 

342:怪異遭遇の名無し ID:LlZrUE4dR7

手遅れじゃないですかやだー!!!!!

 

 

 

つまり縁切りしてくれる神社に頼んで神頼みか死ぬか人外になるかしないと一生この体質から逃れられないと……(白目)

 

 

 

 

343:怪異遭遇の名無し ID:LERb9WJMEo

赤色幼女ちゃんそういうのに詳しいし専門家かよってぐらい対処法を教えてくれるから俺としても助かる。生き残り方を知りたかったら赤色幼女ちゃんに相談してみろ。ちゃんと答えてくれるぞ。

俺の聞いた対処法を教えてもいいけど、人によっては体質が様々だから相談した方が早いと思う。赤色幼女ちゃんがその人に合ったベストな対処法を教えてくれる。

 

 

 

あーでもほんと、そういう話を聞くとやっぱり生前は寺生まれの幼女ちゃんだった可能性が高いよな。

 

 

 

 

344:怪異遭遇の名無し ID:TEF9wOotng

物理的に『ハァ!』してくるタイプの幼女だけどな。ぶん殴るのなんて当たり前だからこの前メリケンサックプレゼントしたわ

 

 

 

 

 

345:怪異遭遇の名無し ID:4u8qNeiLnO

なんて????

 

 

 

 

346:怪異遭遇の名無し ID:ip3ljzn6xX

幼女ちゃんに武器渡すとかお前何考えてんの?????

 

 

 

 

347:怪異遭遇の名無し ID:vVJhYB26Wn

そういえば幼女ちゃんまた異物混入したの???

 

 

 

 

348:怪異遭遇の名無し ID:cNcjcC0tke

一応スレにいる怪異遭遇者かつ赤色幼女に助けられた人は全員異物混入的なあの物理的に火を食われる方法をしてるのは見てるぜ。

 

 

 

それで怪異がちっこい幼女ちゃん(赤色幼女ちゃんとは別人枠)になってる

 

 

 

 

349:怪異遭遇の名無し ID:S5yOgPaBBr

えっ、これで何人目? もう数えきれないほどだよね??

 

 

 

 

何で増やすの可愛いけど……。

 

 

 

350:怪異遭遇の名無し ID:WvtzzoURHY

シスターズ計画(赤色幼女ちゃん)かな?

 

 

 

351:怪異遭遇の名無し ID:hNfVl9cwY0

『お前さんはここらを拠点に管理していろ。分かったな?』

「あい、わかりまちた!」

『……舌っ足らずを治すことは出来ぬのじゃな?』

「むりでしゅ!」

『そうじゃよなぁ~!!』

 

 

 

 

352:怪異遭遇の名無し ID:GQAWhkwx2a

 

 

 

 

353:怪異遭遇の名無し ID:xpesEq0fIX

幼女ちゃんまだチビ幼女ちゃんの舌っ足らずを治すことを諦めてないみたいで微笑ましいですね(にっこり)

 

 

 

354:怪異遭遇の名無し ID:SaDsKLaHE8

管理って何を?

 

 

 

 

355:怪異遭遇の名無し ID:qJNdcEoOfO

悪さする妖怪を叩きのめすって意味での管理じゃね?

 

 

 

 

前にやべえ妖怪に出会った時にチビ幼女ちゃんに「こっちでちゅ!」って舌っ足らずで言われつつ誘導されたからな。あの赤色幼女ちゃん(ご本家)がいる場所まで。

やべえ怪異? いつもの『異物混入の時間じゃよ!』ってことでチビ幼女ちゃんになりましたよ

 

 

 

356:怪異遭遇の名無し ID:EtbboUY8Oi

そういえばチビ幼女ちゃんってあの某町からちょっと離れたとこにいない?

 

 

 

某町の外れとかそういうとこでしか見たことない気がするんだけど……。

 

 

 

 

357:怪異遭遇の名無し ID:1iUZPHp0OH

町の外れにチビ幼女ちゃんなら確かにいたなぁ……空見上げながらどっからか入手してきた折り紙で鶴折ってたよ。可愛かったから折り紙あげて来たら「ありあとぉございまちゅ!」って頭下げてお礼言われたし、可愛かったぜ!

 

 

あそこらへん折り鶴に関する神社があったようなないような……いやでもチビ幼女ちゃん神社にいたわけじゃないし、誰もいないような裏路地でのんびりしてたみたいだからなぁ。

 

 

 

 

358:怪異遭遇の名無し ID:kphZfrlm8m

ぬわあああああああああああチビ幼女ちゃんと密会とかうらやましいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!

 

 

 

 

359:怪異遭遇の名無し ID:LdNS9jp9E2

マスコット(赤色幼女ちゃん)がマスコット(チビ幼女ちゃん)を連れてきたようなもんだもんな。現状。

 

 

 

 

360:怪異遭遇の名無し ID:GKsOrNNj7T

可愛いは増えるってことか。これが現実とか生きる意味がある。生きててよかった……!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。