転生したけど祖父が怪奇現象起こしてる   作:ちゃっぱ

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まだ原作前で話の展開がちょっと駆け足になってるのは申し訳ないです。やる気がある今のうちに書ききってやろうと思って書いてます。
さて、このスピードについてこれるか……?



第八話 ジジイと孫は話し合う

 

 

 

 

 

「あれ、おれは……」

 

 

 綺麗な花々が咲き乱れた花畑。それら全てが真っ赤に染まったような場所。

 花の強烈な香りとその光景。そして月夜のコントラストが特徴的なその場所に連れてこられたらしい。

 

 先ほどまで何をしていたのかを思い出そうとしたが、何故か自分の身体から血が噴き出した場面が頭から離れてくれない。思わず身体をチェックしたが怪我はしていない。

 

 

『なんじゃ、忘れたのか?』

 

「ジジイ……そうか、おれは……」

 

 

 そういえばと思い出した部分があった。

 自分の力はゴリラみたいに人外並みの握力があるだけじゃない。たぶんそれ以外にも何かあるはずだと探っている最中だった。

 

 鯉伴さんには、人に戻るために力の使い方を教えてほしいと言ったつもりだった。

 泊まりについてはお母さんたちにうまく伝えたのか変に思われてはいない。リクオも楽しそうに「かなちゃんあそぼー!」と言ってくれるしな。

 

 そんな時に遭遇したんだ。

 あの悪夢で見た光景と同じく、黒髪の少女が微笑みながら「遊びましょう」といったあの光景。

 

 正直言えばあのまま鯉伴さん達を引き離したかった。

 でもそうしたら最悪の事が起きてしまうかもしれない。原作とは違う方法で羽衣狐を目覚めさせるというやり方。

 長い時間をかけて奴良組本家にもぐりこんできたような執念深い奴らだ。この一日を耐えただけで終わるはずはない。

 

 

「りはんさんのからだにだきつこうとして……それで……?」

 

『無意識のうちに力に目覚めたんじゃろうな。鯉伴の怪我を半分肩代わりしたんじゃよ』

 

「かたがわり?」

 

『そうじゃ。ワシらのような異物を奴良鯉伴の身体に混入させたんじゃよ。それによってたった一人が受けた致命傷の傷を二人分に分けることが出来た』

 

「はっ?」

 

 

 異物混入とはどういうことか。

 いや確かに俺らってある意味異物そのものだ。俺は前世の記憶があるし、ジジイは原作に出てない妖怪もどき。平安時代に生まれたよくわからない存在。

 

 

「ジジイ……おまえっていったいなんなんだ?」

 

『さてな。カナと同化した今。たった一人じゃったあの頃とは違い人間のカナと混ざり合った身。それが何を意味するのかはワシにも分からぬ。ワシが言うのは簡単じゃが、これは自分で探った方が身のためじゃぞ』

 

「ど、ういうことだ?」

 

『ほーれ、最初に言ったじゃろう。知らない方が良かったこともあるとな』

 

 

 にっこりと歪んだように笑ったジジイは真っ赤な髪を風になびかせさせている。

 幻想的な光景のはずなのにどこか違和感があった。

 

 

『そうじゃな。カナが使えた力については教えてやろう』

 

「ちから?」

 

『同化じゃよ。ワシがカナに入ったのと同じ……それよりはちと《浅い方》じゃがな。鬼纏にも似たそれは誰にでも発動させることのできる必殺技じゃ』

 

「ひっさつわざ……だれかにこうげきできるのか?」

 

『まあそうじゃな。《誰にでも》じゃからな。力の使い方次第では攻撃にも転じるであろうよ』

 

 

 怪我の肩代わりだけではない。きっとうまくやれば幅広い技として使えるだろうとジジイは話す。

 急に目覚めたそれは、なんとも都合のいいモノだった。だって鯉伴さんが死ぬかもしれない間際での覚醒だぞ。ジジイの意志でもってやったことだと疑うのは仕方ないだろう。

 

 

『ワシはカナの半身みたいなもんじゃ。ジジイじゃがカナの中に常にいる力の塊みたいなもんじゃよ。おぬしがそう疑うのは仕方あるまい。しかしな、カナはもう少し自分の才能を理解した方が良いぞ?』

 

「さいのう?」

 

『ここぞというときに力に目覚めるご都合展開というのもな、ある意味幸運の一つじゃからな。あああそういうのをあのクソ陰陽師はよう持っとったわ! はぁー今思い出しても腹立つあのクソ外道め!!』

 

「おいジジイ。きゅうにどうした」

 

『おう、昔を思い出してちと血が滾っただけじゃ。気にするな』

 

 

 それよりも、と。

 ジジイは上を見上げた。

 

 空は満天の星と月が浮かぶ幻想的なものが広がっていた。

 

 

『そろそろ目覚めた方が良いぞ。怪我は治療してもらったようじゃが、あのままでは面倒なことになる』

 

「はい?」

 

『鯉伴の怪我を背負った身じゃ。命を助けたという意味では救済成功じゃが、このまま奴良鯉伴を悲しませて良いのか? リクオを泣かせて良いのか?』

 

「それはいやだ」

 

『なら早く目覚めよ。気を付けて行ってくるんじゃぞ』

 

 

 そう言ったジジイは手を振りながら俺を見送ろうとする。

 赤い花々が舞っていて、とても綺麗だった。

 

 

 

 

 

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