異世界おくてっと   作:仮面大佐

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第2期
第1話 参戦!てんこうせい


 チャイムが鳴る、八つの異世界が混じった学園。

 その学校のクラスの一つである二組教室の出入り口前には、1人の男が立っていた。
 その男が教室を見渡してたのと同時に、教室にいた面々もその男を見ていた。

 

尚文「…………………チッ!!」

 

 そう舌打ちして、盾の勇者である岩谷尚文は、扉を閉じた。

 

カズマ「………今の、誰だよ?」

零士「確かに…………。」

ターニャ「何も言わずに出て行ったな?」

スバル「まぁいきなりこのクラスを見たら逃げ出すわな?」

アインズ「どうして私の方を見ながら言うのだ?」

 

 尚文が去って行ったのを見てカズマと零士とターニャが言った後、アインズを見ながら呟いたスバルにツッコむアインズ。

 

カルム「まぁそりゃ見るよな?スバルも初見はビビってたし。」

ケロロ「あの反応でビビってたのでありますかスバル殿?何じゃこの状況はぁああああ!? ってノリノリだったでありますのに?」

リムル「そうだな。遅れて来るわ騒がしいわ……。」

スバル「アレ!?俺が叩かれる流れ!?」

 

 その話を聞いてカルムが呟いた事にケロロとリムルも反応し、二人の言葉を聞いて驚くスバル。

 

アーク「まぁ、スバルに比べたら、さっきの人は、常識があるって事か。」

キリト「…………なるほどな。」

レイト「確かにな。」

スバル「フォロー入る気配無いって言うか、あんたにだけは言われたくないわ!?キリトもレイトも納得しないで!?」

 

 その後にアークが呟いたのを聞いてキリトとレイトも頷き、それを聞いたスバルはまたツッコんだ。

 一方、エミリアは。

 

エミリア「ロズワール先生。」

ロズワール「んぅ~?」

エミリア「あの人が、新しい転校生ですか?」

 

 そんな中、さっきの尚文がロズワールが言っていた転校生なのか気になったエミリアは手を挙げた後、席を立ちながらロズワールに聞いた。

 

ロズワール「いやぁ~、彼らは多分一組の転校生じゃないかぁ~な?」

アスナ「一組の?」

ユナ「誰なんだろう?」

ノーチラス「さぁ…………?」

ロズワール「あぁ~、確か…………盾って呼ばれてる子だぁ~ね。」

 

 ロズワールの言葉に、アスナ、ユナ、ノーチラスが首を傾げる。

 そして、ロズワールがそう言うと。

 

『盾?』

ターニャ(盾…………盾とは一体…………?)

 

 ターニャは、そんな感じに首を傾げる。

 

カズマ「それより、ウチの二組の転校生は誰なんだよ?」

零士「確かに。さっきの奴じゃないんだろ?」

スバル「そうだぁ~、ウチのクラスの転校生が気になる。」

レイト「ロズワール先生。転校生はいつ来るんですか?」

 

 その後、二組の転校生が気になるのか、スバルとカズマと零士とレイトの四人がロズワールに聞く。

 

ロズワール「そうだ〜ねぇ。…………お、丁度来たみたいだぁ〜よ。」

 

 ロズワールがそう言うと、再び扉が開く。

 そこには、大きな剣を背負った猫耳の女の子と、狼、そして、リムルに似ているが、髪がピンク色の人、黒い体に青いマスクを付けた人が入ってくる。

 

リムル「あっ…………!」

レイト「エミルス!」

キリト「知り合いか?」

カルム「なんか、リムルと似てね?」

リムル「知り合いっていうか…………。」

レイト「リムルの悪魔だ。」

ターニャ「何だと…………!?」

 

 それを見て、リムルとレイトが驚く中、キリトが質問して、二人がそう答えたのに、ターニャは驚く。

 

ロズワール「あと、転校生は彼らだけじゃな〜いよ。」

 

 そう言って、一匹の猫を出す。

 その猫は、めぐみんが飼っているちょむすけだった。

 

ロズワール「それで〜は、自己紹介をどう〜ぞ?」

師匠「ああ。俺は、インテリジェンスウェポンの師匠だ。」

フラン「黒猫族の冒険者、フラン。師匠の弟子。」

師匠「で、この狼がウルシだ。」

エミルス「俺はエミルス。そこの魔王リムルの悪魔だ。」

バイス「やっほ〜!俺っちバイス!イカした悪魔のバイスだぜ!」

ロズワール「そして、ちょむすけ君だぁ〜よ。」

ちょむすけ「な〜う。」

 

 そんな風に自己紹介をした。

 それを聞いていた一部の人は。

 

アインズ(嫌……ツッコんではダメだ!?ツッコんでは!?)

ターニャ(我々がツッコまなくても、今までのパターンで奴が、奴がツッコんでくれる!?)

 

 アインズとターニャは、そう考えていた。

 すると。

 

スバル「おいおいロズっち先生!?」

((来たぁあああああああああああ!!))

 

 スバルがそう言ったのに対して、アインズとターニャは、心中で叫ぶ。

 

スバル「え~と、そいつなんて言ったっけ?」

めぐみん「ちょむすけです!!」

スバル「そのちょむすけ?が生徒扱いになるんだったらさ…………パックも生徒扱いじゃないと可笑しくねぇか!?」

パック「ニャ〜。」

 

 スバルは、猫や剣が転校生なのを突っ込むのかと思ったら、そう突っ込んだ。

 

((………ツッコむ所はそこではない。))

 

 それを聞いたアインズとターニャは、そう心の中で呟く。

 すると。

 

アーク「ロズワール先生。少し待って欲しい。」

アインズ(おお!まさかのアークが!?)

ターニャ(そうだツッコめ!この際、思いっきり!!)

 

 アークがそう言いながら立ち上がったのを見て、アインズとターニャは、そう思う。

 

アーク「そのちょむすけとパックが生徒扱いになるのなら……………ポンタも生徒扱いでないとおかしいではないか!!」

ポンタ「キュ?」

((だから、そこじゃない!!))

 

 アークは、ポンタも生徒扱いにして欲しいと言って、アインズとターニャは、再び心の中で絶叫する。

 一方。

 

アリス「剣が喋りましたよ…………!?」

ユージオ「どうなってるの…………!?」

ミト「……………零士達は、思いの外冷静ね。」

カルム「確かにな。」

零士「いやなぁ……………。」

カズマ「喋る剣なんて、何度か見た事あるから、今更なぁ……………。」

イーディス「あるの!?」

ダイジ「零士達の住んでいる世界は、一体どんな世界なんだ……………?」

 

 アリスとユージオが驚く中、ミトとカルムが、零士達が大して驚いていないのに気付き、そう話す。

 零士達は、ユーリという前例があるだけに、驚いていなかった。

 それを聞いたイーディスは驚愕して、ダイジは呆然としていた。

 

ヴィーシャ「でもまさか、転校生が猫ちゃんに喋る剣に悪魔とは……。」

ターニャ「…………まぁ悪魔やアンデットが生徒として存在する世界だ。猫や喋る剣くらいで騒いでも仕方あるまい。」

アクア「そうよ!女神だっているぐらいだからね!!」

 

 その後、さっきちょむすけ相手に手を振っていたヴィーシャが呟いた中、心の中でもう諦めたのか、ターニャがそう言ったのを聞いて、アクアが立ち上がりながら言った。

 だが……………。

 

ターニャ「貴様、まだそんな戯れ言を言っているのか?」

アクア「え?」

ターニャ「人の信心にまで口出しはしないが、妄言は人を不快にすると心得た方が良いぞ?」

ダクネス「そうだぞ、流石に女神を名乗ると言うのは…………。」

アクア「ダクネスまで!?」

カズマ「プゥクスクス………。」

零士「……………フッ。」

 

 アクアの事を本当の女神だと信じていないのか、ターニャにそう言われた後、仲間であるダクネスにまで言われたアクアは思わず涙目になり、それを聞いてカズマは笑みを浮かべ、零士は鼻で笑う。

 

アクア「嘘つきみたいに言わないで!私結構頑張ってるのに!?」

アインズ(本当に女神なんだけどな………。)

リムル(信じて貰えてないな…………。)

レイト(まあ、当然の反応か。)

 

 アクアがそう言う中、アインズ、リムル、レイトはそう思う。

 

アクア「カズマさんも零士さんもほら、皆に言ってあげて!私はれっきとした…………!」

カズマ「ターニャすまない!アクアは妄想を口に出してしまう癖がある、残念な子なんだ。」

アクア「待ってぇえええええええええ!?」

ターニャ「…………カズマと零士も苦労するな。」

シノン「こんなのと一緒にいるからね。」

エターナル「同情するな。」

アリアン「確かに、そうね。」

ディアブロ「少しは、この様な下賎な女と一緒にいる事を同情しますよ。」

アクア「皆酷っ!?」

 

 アクアは、カズマと零士に対して、そう言うが、カズマはそう言い放つ。

 それを聞いたターニャ、シノン、エターナル、アリアン、ディアブロはそう言って、アクアは叫び、机に突っ伏して泣く。

 

アクア「うぅ……えぐっ……うぅう………うぅうううううううう!!」

アインズ(ここまで信じてもらえない女神も凄いな…………。)

 

 アインズは、そう思っていた。

 すると、師匠は零士に話しかけていた。

 

師匠「あの…………あのアクアという人は、女神なんですか?」

零士「……………を自称してるだけだ。気にすんな。」

 

 師匠の質問に、零士はそう答える。

 すると、ロズワールが手を叩く。

 

ロズワール「はいはぁ~い、それじゃあ転校生も入って来た事だし、席替えでもしようじゃな~いの?」

 

 そんなロズワールが提案したのは、今ある席の席替えだった。

 

スバル「姉様、残念だったなぁ。」

ラム「何がかしら?」

スバル「コキュートスの後ろに隠れて、授業中にサボれなくなるからな。」

ラム「………ラムはどんな席だろうと、サボる時はサボるわ。」

レム「流石は姉様です!!」

スバル「流石は流石だけど違くない!?」

アーロン「ていうより、そんな事を堂々と言うなんてね……………。」

アリアン「やれやれ……………。」

 

 席替えの事を聞いたスバルはラムに対して言ったが、それにラムが言い返したのを聞いてレムは笑みを浮かべ、スバルはツッコんだ。

 それを聞いたアーロンは苦笑を浮かべ、アリアンは呆れたように首を振る。

 

ロズワール「確かに、一部の生徒達が見えにくいと言う問題はあるだろうねぇ~?マーレ君とか?」

マーレ「っ!?も、問題無いです!ずっとアインズ様の後ろ姿を眺め続けられるなんて……こ、光栄ですから。」

アインズ「…………。」

 

 スバル達の話を聞いたロズワールは顎に手を添えながらマーレに対して言い、その事に対してマーレが返答した答えを聞き、反応に少し困るアインズだった。

 

アルベド「それを言うなら、私はアインズ様の右横側を眺め続けてますわ!!」

アインズ「え?!」

シャルティア「妾は左横側を!?」

アインズ「え!?」

アウラ「私だって、右後ろ姿をずっと!?」

アインズ「……………。」

 

 そんなマーレに反応したのか、アルベドとシャルティアとアウラが張り合うように言いあったのを見て、アインズは思わずため息を付いた。

 

デミウルゴス「皆さん……きちんと授業を受けると言う規則があると言う事を、忘れては行けませんよ?」

アルベド「でも…………。」

デミウルゴス「その点、私はアインズ様の後ろ姿を拝見しながら授業を受けられると言う、まさにベストポジションにいる訳ですが。」

シャルティア「ずるいでありんす!!」

 

 そんな三人を見てデミウルゴスが注意した後、そう少し自慢げに言ったのを見てシャルティアは思わずツッコんだ。

 すると。

 

ヴェルドラ「ならば!リムルとレイトの席は、我の近くが相応しいわ!」

リムル「えっ!?」

ディアブロ「いえ、この私が…………!」

レイト「お前ら…………!?」

ミリム「おぉい!リムルとレイトは、私のマブダチなのだぞ!私の近くに決まっているであろう!」

 

 そう言って、ヴェルドラ、ディアブロ、ミリムが言い争う。

 リムルとレイトがどうしようかと思っている中。

 

ロズワール「はいは~い、一先ず席を決めようじゃなぁ~いか? 方法は勿論……。」

『くじ引き!!』

ロズワール「正解。」

 

 そうこうしている内に席替えの席を決める時間になり、ロズワールは言おうとしたのを聞いて皆は指を差しながらそれを先読みし、それに頷きながらくじ引き箱を取り出すロズワールだった。

 そうして、くじ引きの結果、席の順番はかなり変わっており、見事なまでに同じ世界のメンバーはバラバラに設置されたのだった。

 

アルベド「あぁ、アインズ様が遠くに……。」

ミリム「くっ……………!リムルとレイトと離れているではないか…………!」

ロズワール「君達はしばらくこの席で勉強してもらうよぉ~。」

 

 ロズワールはそう言う。

 すると。

 

アルベド「先生!席替えのやり直しを要求します!!」

ミリム「私もなのだ!!」

 

 その後、アルベドはロズワールに席替えのやり直しを要求し、それに続くようにミリムも要求したが。

 

ロズワール「それじゃあ、142ページの粉塵爆発かぁ~ら。」

「「なぁ!?」」

ケロロ「というより、粉塵爆発って………。」

冬樹「なんでそんな事を習うの?」

 

 あっさり無視された。

 ちなみに、恋人がいる人は、比較的近くに配置されていたので、文句はないようだ。

 そして、粉塵爆発を習う事に突っ込む、ケロロと冬樹だった。

 一方、外には、岩谷尚文が居た。

 

尚文「(………どうなってるんだ? 波の影響、ではないのか?)ラフタリアとフィーロは………。」

 

 尚文は、そう考えていた。

 仲間の動向を心配する中、視線を感じて振り向くと、そこには、スバルの世界のヴィルヘルム・ヴァン・アストレアが立っており、そのヴィルヘルムが尚文を見つめていた。

 尚文は、ヴィルヘルムを警戒して、睨む。

 その後、用務員専用の部屋に招かれた。

 

ヴィルヘルム「そうですか、あなたもこの世界に呼び出されたのですね。」

尚文「あぁ、モンスターと戦っていたら、この盾が急に形を変えて…………。」

 

 尚文曰く、ラフタリアとフィーロと共にモンスターと戦っていた最中に、唯一の武器である盾が突然、二組や一組の面子がこの世界に転移した時に押されたスイッチと同じ形になり、そのスイッチのボタンにモンスターが触れたのが原因で、今に至るらしい。

 

尚文「………俺と一緒にいた、ラフタリアとフィーロは何処に?」

ヴィルヘルム「…………尚文さんとおっしゃいましたね?」

尚文「あぁ…………。」

 

 尚文は、ラフタリアとフィーロを心配する。

 そんな中、ヴィルヘルムは尚文に話しかける。

 

ヴィルヘルム「あなたがここに呼ばれたと言う事は、何か意味があるのでしょう?それを知るまでは、前に進んでみてはいかがでしょうか?何か得られるかもしれません。」

尚文「何故そんな事を………?」

 

 ヴィルヘルムの言葉に、尚文は少し警戒して聞く。

 

ヴィルヘルム「あなたの目が…………昔の私そっくりだからですよ。」

尚文「……………?」

ヴィルヘルム「お茶、飲まれないのですね?」

尚文「あぁ……。」

セバス「失礼します。そろそろお昼でも………。」

 

 ヴィルヘルムの言葉に、尚文は少し困惑して、質問に答える。

 すると、ヴィルヘルムと同じく用務員としてこの世界に居る、アインズの仲間であるセバス・チャンがやって来て、そのセバスは尚文の姿をすぐに見つめた。

 

セバス「おや?お客様がいらっしゃいましたか?」

尚文「今、出て行く所だ。」

 

 セバスがそう聞くと、尚文は出て行こうとする。

 そんな尚文に、ヴィルヘルムが話しかける。

 

ヴィルヘルム「またお会いする事になるでしょう。」

尚文「…………。」

 

 ヴィルヘルムがそう言う中、尚文は黙ったまま、外へと出る。

 

セバス「………ヴィルヘルムさん、楽しそうですね。」

ヴィルヘルム「若者の成長は、いつ見ても楽しいものです。」

セバス「そうですね、その通りです。」

 

 そんな二人を見て笑みを浮かべていたヴィルヘルムにセバスが聞くと、それに答えたヴィルヘルムの返答に納得しながら向かい側に座った。

 

セバス「さて、今日は何の話をしましょうか?」

ヴィルヘルム「やはり、今日もアレでしょうか?」

セバス「今日もするとしますか………。」

「「恋バナ!!」」

 

 その後、セバスとヴィルヘルムは恋バナをしながら、お昼休憩を取ったのだった。

 一方、外では。

 

めぐみん『お昼の放送です。ランチの彩るはこの曲!!』

ダクネス「………来い!!」

ヴィーシャ「ダクネスさぁーん!!頑張ってくださぁい!!」

グランツ「ヴァイス大尉!後ろは任せてくださぁい!!」

レム「はい!後ろには抜かせません!!」

 

 めぐみんの放送が流れる中、ダクネス、コキュートス、デミウルゴス、シャルティア、マーレ、ヴァイス、グランツ、ヴィーシャ、レム、リーファ、アーロン、ユウキ、夏美達が野球をしていた。

 現在、ダクネスがバッター、デミウルゴスがキャッチャー、コキュートスが審判として立っており、ベンチにはヴィーシャとシャルティアとリーファ、アーロン、ユウキ、夏美が順番を待っており、ピッチャーであるヴァイスの後ろでグランツとレムとマーレが守備を担当していた。

 

ヴァイス「ダクネスさん、容赦しないですよ……フン!!」

ダクネス「っ!当たらん!!」

コキュートス「ストライーク。」

 

 ヴァイスが第一球を思い切り投げると、当然の様にダクネスはバットを振ったが当たらず、デミウルゴスが持っているキャッチャーグローブに球が入った。

 

ダクネス「当たらん!!」

コキュートス「ストライーク。」

 

 続く第二球も当たらず、審判であるコキュートスの判定はストライクのみだった。

 

ダクネス「クソォ!まるで当たらない………!」

リーファ「ボールとバットの距離が離れすぎなんじゃ…………?」

ダクネス「私は…………攻撃が当たらないのだ!!」

夏美「それ……堂々と言う事なの?」

アーロン「開き直りましたね…………。」

ユウキ「というより、剣では当てられるのに、バットはダメなの…………?」

 

 全然バットにボールが当たらない事に悔しがるダクネスに次の出番街をしていたリーファはアドバイスする。

 ダクネスはそう堂々と言い返し、夏美とアーロンとユウキは、困惑するしかなかった。

 

ヴァイス「よぉーし、これで……終わりです!!」

ダクネス「くぅ……かくなる上は!!」

 

 そうこうしている内にヴァイスが最後の一球を投げると、ダクネスは何かを決意したのか、目を見開いた。

 

ダクネス「とぉおおおおおおおおおおお!!あぁああん!!」

ヴィーシャ「ダ、ダクネスさんがボールに当たりに行ったぁああああああ!!」

 

 ダクネスは、性癖を発揮して、バットを捨てて自分からボールに当たりに行き、それを見てヴィーシャは驚いた。

 

ダクネス「……こ、これは良い……ではなく、デッドボールだな…………。」

コキュートス「ストライクバッターアウト!!」

 

 ボールがお腹に直撃したダクネスは、当然と言うべきか笑みを浮かべながら言ったのだが、コキュートスが出した判定はストライクバッターアウトだった。

 

ダクネス「何故だ!?ボールに当たったでは無いか!?」

コキュートス「ストライクノボールニ当タリニ行クノハルール違反だ!!」

ダクネス「そうなのか!?」

リーファ「そうなのかじゃないでしょ…………。」

アーロン「ダクネスさんは、平常運転でしたね…………。」

ユウキ「そうだね。」

 

 その事についてダクネスは抗議を申し出たのだが、コキュートスの返答を聞いて驚き、そんなダクネスに呆れながらツッコむリーファに、呆れるアーロンだった。

 一方、飼育小屋では。

 

スバル「………ウチってさ、飼育されてるのはさっき加わったウルシも含めて、四匹だよな。」

アウラ「そうだね。」

 

 飼育委員の面々は、飼育小屋に居るハムスケ達を見つめており、スバルの質問に対してアウラは答える。

 どういう事かと言うと。

 

ユージオ「でも…………今は五匹だよね?」

ドロロ「どうやら、この鳥が増えた様でござるな。」

 

 そう。

 本来四匹しかいない、デスナイトとハムスケと嵐牙とウルシしかいないはずの飼育小屋に、大きな鳥が追加されていたからだ。

 

アクア「じゃあ減らせば良いだけよ。」

ハムスケ「あぁあああ!デスナイト君が消えてしまったでござる!!」

 

 するとアクアはそう言いながらデスナイトに触れると、デスナイトは青白い光を放ちながら消滅してしまい、それを見たハムスケは驚きを隠せなかった。

 

ユージオ「確かに、一匹減ったね。」

スバル「うんうん、これで一匹減って一件落着…………。」

ユージオ「って!なる訳ないでしょ!?」

スバル「って!なる訳ないだろ!?」

 

 それを見ていたユージオとスバルは、アクアに突っ込み、アクアは黒い笑みを浮かべる。

 

チヨメ「そもそも、この鳥はなんなのでしょうか?」

フィーロ「フィーロ?フィーロの名前はフィーロだよ?ご主人様知らない?」

 

 その鳥は、フィーロと名乗った。

 それを見た面子は。

 

小雪「喋れるんだ!」

ユージオ「ご主人様?君のご主人様の名前は、何ていう名前なんだい?」

 

 小雪が目を輝かせながらフィーロを見て、ユージオはフィーロに質問をする。

 

フィーロ「ご主人様はね、尚文って名前だよ。」

アウラ「尚文?誰だろう?」

ドロロ「もしや、ホームルームの時に入ってきたあの者が、その尚文殿かもしれないでござるな。」

チヨメ「そうかもしれませんね!」

 

 フィーロは、尚文の名前を言うが、アウラは首を傾げる。

 ドロロは、ホームルームに入ってきた男が尚文なのではと伝える。

 そんな中、アクアはデスナイトを元に戻す。

 

ハムスケ「あぁ!デスナイト君が戻って来たでござる!!」

嵐牙「良かったな、ハムスケ殿!」

 

 ハムスケは、デスナイトが戻ってきた事に喜ぶ。

 一方、校舎内では。

 

ラフタリア「尚文様!尚文様!尚文様はどこに…………?」

 

 尚文の仲間の一人であるラフタリアが、尚文の事を探していた。

 歩いていると、廊下の角から、アインズ、カズマ、零士、キリト、アスナ、カルム、ミト、リムル、レイト、師匠、フランが出てくる。

 どうやら、師匠とフランを、学校案内していた様だ。

 

零士「ん?」

ラフタリア「ハッ…………魔物!」

 

 零士達が、ラフタリアに気付いた途端、ラフタリアは剣を抜刀する。

 

カズマ「ちょぉ!?待った待った!?」

零士「ここはお姉さんが元居た世界とは違うから、むやみやたらに争うのは無しで頼む!」

ラフタリア「………………。」

 

 ラフタリアが剣を抜いたのを見て、カズマと零士がそう言うが、ラフタリアは警戒心を解かない。

 それを見ていたフランは。

 

フラン「……………師匠、斬っていい?」

師匠「待った、待った!カズマと零士の言う通りだ。無闇に争うのは無しだ。」

フラン「……………ん。」

 

 フランは、ラフタリアと戦おうとしたが、師匠に止められ、止める。

 

アインズ「私達は君達に危害を加えたりはしない。」

アスナ「安心して。そっちも唐突にこの世界に転移されたんでしょ?」

ミト「実は、私達も違う世界からこの世界に連れて来られたの。」

 

 そんな中、アインズとアスナとミトがそう言うと、ラフタリアは警戒を少し緩めたのか、剣を下げる。

 

ラフタリア「………尚文さまと同じく。」

リムル「尚文…………?」

レイト「そいつも、俺達と同じ立場の人間なのか?」

零士「なあ、その尚文って、何者なんだ?」

 

 ラフタリアの呟きに、リムルとレイトがそう呟いて、零士が質問をする。

 

ラフタリア「尚文さまは盾の………。」

カズマ「え?何?」

ラフタリア「勇者様です!!」

 

 ラフタリアは、そう言う。

 ちなみに、ラフタリア達が居る廊下の外には、当の尚文が居た。

 

ミト「勇者って事は、英雄とか、そんな感じなの?」

カズマ「俺TUEEEEE!見たいな奴なのか?」

ラフタリア「そんなんじゃありません!?尚文様は世界を救うために召喚されたのに裏切られて、濡れ衣を着せられ迫害されて………。」

アインズ(ハードモードだな………。)

 

 ミトとカズマがそう聞くと、ラフタリアはそう言って、アインズは、心の中でそう呟く。

 

零士「召喚しておいて、尚文って奴を迫害するとか………。」

カルム「その世界、理不尽すぎるだろ………。」

ラフタリア「でも諦めたりせずに、誰かを護ろうとする方です!!」

師匠「よく迫害されてる中で、守ろうとするな。余程良い奴なんだろうな。」

フラン「尚文、すごい。」

 

 それを聞いた零士とカルムは、尚文を召喚した世界に、あまり好印象は抱かなかった。

 原因は、三勇教と言う宗教が原因だが。

 ラフタリアの話は続く。

 

ラフタリア「ただ………尚文様もちょっと気難しいと言うか、自分を出すのが苦手で…………。」

アインズ(本人もハードモードか…………。)

ラフタリア「でも、本当は優しい人なんです。」

アインズ「……ツンデレ、と言う奴か?」

アスナ「アインズさんの口からツンデレって…………。」

キリト「何か印象変わるな。」

アインズ「自分で言っていてもそう感じたぞ。」

 

 ラフタリアの話を聞いてアインズが呟くと、それを聞いたアスナとキリトがそう反応し、それにアインズはそう答えた。

 すると、ラフタリアは叫ぶ。

 

ラフタリア「とにかく!尚文様を探さなくては行けないのです!!」

零士「分かった。俺たちも、その尚文を探すのに協力するよ。良いよな?」

師匠「構わんさ。」

フラン「ん。」

カズマ「ああ!」

ラフタリア「ほ、本当ですか!?」

アスナ「ええ。ラフタリアさんにとって、尚文さんは、大切な人なんだよね?」

ラフタリア「はい!」

ミト「なら、早く見つけましょう。」

 

 こうして、零士達も、尚文の捜索を手伝う事になった。

 ひとまず、グラウンドに出る事にした。

 

ヴィーシャ「フン!!」

マーレ「ふぅえ!?」

コキュートス「ストライク。」

 

 ヴィーシャがボールを投げ、マーレが空振って、コキュートスがそう言う。

 階段では、アクア、チヨメが座っていた。

 

カズマ「ん?アクアとチヨメさんじゃないか。」

零士「あっちに居るのは…………。」

「「アハハハハハハハハハ!!」」

「「「うわぁああああああああああああああああ!!」」」

リムル「デカい鳥!?」

レイト「デカすぎだろ!?」

 

 フィーロはグラウンドを爆走していて、フィーロの背中には、アウラ、小雪、ドロロ、ユージオ、スバルが乗っていた。

 

ラフタリア「フィーロ!?」

ミト「え?もしかして仲間?」

カルム「あぁ良かった、良かった。」

 

 フィーロの姿を見て驚きながら近づこうとするラフタリアを見て、ミトとカルムは安堵の笑みを浮かべていると、フィーロはラフタリアの声が聞こえると急ブレーキして止まった。

 

「「「「「ん?」」」」」

フィーロ「わぁ!!ラフタリアお姉ちゃん!!」

 

 突然止まった事にアウラと小雪とドロロとユージオとスバルが首を傾げていると、フィーロの身体から煙が出て、煙が晴れるとフィーロは背中に翼の生えた幼女の姿に変わっていた。

 

小雪「姿が変わった!?」

アウラ「凄い!欲しい!」

ユージオ「いてて…………。」

ドロロ「変化の術の類でござるか…………?」

アスナ「良かったぁ…………無事に仲間と合流出来て。」

リムル「後はラフタリア君が探している尚文と言う勇者だけか。」

スバル「それってもしかして……フィーロも探していた、一組に入ったもう一人の転校生?」

アインズ「らしいな。」

 

 フィーロと合流出来たラフタリアを見てホッとしているアスナの隣でリムルが呟き、フィーロが変身した反動で倒れたスバルは立ち上がりながらアインズに聞き、それにアインズも頷いた。

 

ダクネス「あと一球!!」

ヴィーシャ「これで………終わりです!!」

 

 キャッチャーをしているダクネスがそう言う中、ヴィーシャはボールを投げる。

 

マーレ「んぅうぅううううう!?んわぁああああああ!!」

 

 マーレはどういう訳か、自分の杖をバット代わりにしており、マーレが打ち返すと、ボールは凄まじい勢いでケーニッヒの横を通過する。

 そして、そのボールの行先には、ラフタリアとフィーロが。

 

レイト「危ない!」

 

 レイトがそう叫ぶが、ボールの速度から、誰も間に合わない。

 すると。

 

尚文「エアストシールド!」

 

 その声と同時に、ラフタリア達の前に巨大な盾が出現し、ボールからラフタリア達を護った。

 

キリト「あれは…………。」

カルム「盾?」

アインズ「これは……。」

 

 それをアインズ達が見ている中、階段の上を見るとそこには、さっきの盾を出現させた盾の勇者、尚文が立っていた。

 尚文は、階段をジャンプしながら駆け下り、そのままラフタリア達の方に向かって走り出した。

 

アインズ「ほぉ……。」

リムル「おい、盾にヒビが入ってるぞ!」

キリト「もう持たないのか!?」

 

 その光景にアインズが関してる中、先ほど尚文が展開した盾にヒビが入り始め、今にでも壊れようとしていた。

 

尚文「セカンドシールド!!」

 

 それを見ていた尚文は盾の形状を変えて、すぐさま新しい盾を出現させると、最初の盾が割れたものの、すぐに新しく出た盾が防いだ。
 だがその盾もひび割れてしまい、ボールは一直線にラフタリアとフィーロに向かって行ったのだが…………。

 

尚文「んぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 間一髪尚文が前に立ち、自身の右腕に持つ盾で防いだ尚文は、勢いに任せるようにボールを空高くに跳ね飛ばした。

 

ラフタリア「…………っ!?尚文様!!」

フィーロ「ご主人様!!」

尚文「………二人共、無事だったか!?」

ラフタリア「はい!!」

フィーロ「うん!!」

 

 目を瞑っていたラフタリアとフィーロが目を開けると、そこには尚文が立っており、尚文の姿を見たラフタリアとフィーロが声を掛けると、安堵の笑みを浮かべながら尚文が聞いた事に頷いた。

 ちなみに、他の面子はそれを見ていて、マーレは高速で謝っていた。

 

尚文「………この世界には他の勇者たちも居ない。しかも学園生活とやらを続けなくてはいけないルールがあるらしい。」

ラフタリア「はい、そのように聞きました。」

尚文「ハッキリ言って、意味が分からない。………が、幸い俺達は一緒にいる。一先ずこの生活を守りつつ、様子を見て行こう。」

ラフタリア「はい!」

フィーロ「分かった!」

尚文「行くぞ……ラフタリア、フィーロ!!」

「「はい!!」」

 

 尚文の掛け声に、ラフタリアとフィーロはそう答える。

 こうして、八つどころか、十の異世界が混ざった異世界学園生活は、この先、どうなっていくのか。

 それは、ここに居る誰もが、分からない。




今回はここまでです。
あと、一つ謝っておきます。
それは、本来、この小説では、参加している作品の一つが『転生したらスライムだった件』でしたが、こちらの事情………というよりは、私自身の要望により、私が投稿している作品の一つ、『転生したらキメラだった件』に変更しました。
本来なら、二期の第一話で、レイトを追加するべきなのですが、色々と、転スラと展開が変わっている都合上、最初からにしました。
いきなり、知らないキャラが増えて、混乱した事でしょうが、本当に、申し訳ありません。
謝罪はここまでにして、二組に、『転生したら剣でした』の師匠とフランとウルシが追加しました。
あとは、転キメのネタバレになりますが、エミルスとバイスを出しました。
エミルスが、どの様に出るのかは、今後の転キメを見れば、分かると思います。
要は、先行登場です。
感想、リクエストは受け付けています。
少し、目次の方に活動報告へと行けるリンクを貼ってあるので、そこからリクエストをお願いします。

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