家庭教師ヒットマンREBORN!×僕のヒーローアカデミア 作:Minadukiyuuka
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——この世界では総人口の約八割が何らかの能力を持っている——
そう聞いたら人はどう思うだろう?
八割もの人々が能力を持っているこの現状で、犯罪が起きないはずがない。
己の正義を掲げ他者を屠る「正義の敵」が現れ、大衆の正義を掲げ他者を守る「正義の味方」が現れる。
そして、どうしても大多数は正義の味方になる。
人々がどんな行動をとるのか。
答えは明白、敵の排除だ。
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みんなと別れた後、人々が行き交う道を俺は歩いていた。
ふと、電気屋の前で足を止める。
展示用のテレビの一場面が目に止まった。そこには『日本の犯罪件数が年々減少している。これも「平和の象徴」のおかげ』と書いてあった。
俺はその単語に、言い知れぬ何かを感じた。
『超直感』が訴えかけてくる。
関われば、退路はなく、あるのは茨の道だけだと。
そんな時だった。彼に出会ったのは。……出会ってしまったのは。
「!?…大丈夫?」
俯きながら歩き、当たって来たのに尻餅をついてしまった少年に手を伸ばす。
その少年はどこか自信がなさそうな表情をした、そばかすの少年だった。
「あ、ありがとうござい……あ、『個性』……」
彼は俺の顔を見てそう言った。
厳密には、俺の額を見て、だ。
…死ぬ気の炎が、消えないのだ。
まるでずっと薪でも焚べているように炎は燃えていた。
彼は俺の手を掴むと萎縮してしまった。
「このグローブって……もしかして、ヒーロー、なんですか?」
「いや……違うけど」
「そ、そうですか……」
ドンッ!!!
次の瞬間、車線を挟んだ反対側の商店街で大きな音と地響きがした。
すでに多くの野次馬で埋め尽くされているそこに彼は血相を変えて駆け出していった。
その光景を見た誰もが思った。自殺行為だと。
でも、俺はそれを冷静に捉えていた。
慌てる場面、慌てるべき場面に立って俺は冷静だった。
冷静に「彼を助けるべき」だと思った。
俺は
彼は今にも瓦礫の下敷きになりそうだった。
彼と瓦礫の間に滑り込む。
「…零地点突破・
周囲が凍っていく。しかし、全ての火が消えた訳ではない。
それでも、彼が進むだけの道は作る。
彼はこちらを振り返ることなくただひたすらに駆けていく。
そして、たどり着いた。
ヘドロを掻き分けて、一人の少年を助け出そうとしている。
……それなら
俺は左手を後ろに構えた。
スパナが作ってくれたコンタクトとヘッドフォンはない。
それでも感覚でわかる。
ヘドロだけを吹き飛ばす。
柔の炎で支えを作り、右手には剛の炎を貯める。
「……
しかし、それよりも早く彼の英雄はその場に現れた。
筋骨隆々なその身体は、山のようにデカかった。
触覚のような逆立て髪はそのヒーローのシンボルだ。
全てを救い、全てを守る。そんな言葉が、俺の中には浮かんだ。
先ほどテレビに映っていた「平和の象徴」……オールマイト。
「君を諭しておいて…己が実践しないなんて!!!プロはいつだって命懸け!!!!!!
DETROIT SMASH!!!」
振り下ろしたその拳はヘドロを吹き飛ばし、二人の少年を助け出した。
それだけじゃない。その拳圧で巻き起こった上昇気流は天候をも変えた。
降り注ぐ雨はまだ燃え広がっていた火災を鎮めてみせた。
…すごい。
その呆気に囚われた感想は、もはや声にすらならなかった。
しかし、そんな時間も長くは続かない。
遠巻きに見ていたヒーロー達がこちらにやってきた。
俺は彼等が着くよりも早くその場を離れた。
誰かに見られている気がして振り返るとオールマイトが遠ざかる俺を見ていた。
俺は会釈をしてその場から離れた。
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予想はしていたし、確証めいたものもあった。
でもどこかで期待していた。
ここは俺たちの世界で、ごく限られた一部地域だけの出来事なのだと。
歩きさえすれば並盛に……母さんの居るあの家に帰れるのだと。
しかし、違った。
ここは俺たちがいた過去ではない。
全く知らない世界に、俺たちは紛れ込んでしまった。
それがみんなの意見を合わせてたどり着いた答えだった。
「……」
俺たちは黙ることしかできなかった。
当たり前だ。
未来での戦いがやっと終わったんだ。
死ぬ思いまでして、ユニやγ、いろんな人を犠牲にしてしまった。
アルコバレーノの力でマーレリングが関わったことが全てなかったことになると言っていたが、俺はもう目の前で誰も失いたくない。
「……そう言えば、リボーンくんは?」
「はひ、まだ来てませんでしたか?」
京子ちゃんとハルが辺りをキョロキョロするがそこにリボーンの姿はなかった。
リボーンの存在が霞むほど、この世界が俺たちに与える印象が強かったようだ。
ボンゴレと連絡を取ると言って別れたきり、あいつは戻ってきていなかった。
そんな噂話をしたからだろうか?
リボーンは空から降ってきた。
「リボーン!」
「……ツナ、最悪の事態だ」
向き直ったリボーンの顔はとても張り詰めたものだった。
そして、リボーンは他のみんなに少しの間席を外すように言った。
それだけ悪い状況なのか……
「……リボーン、ボンゴレはどうだったんだ?」
「それより前に、お前いつまで
結局、いつまで経っても死ぬ気の炎が消えることはなかった。
そのことをリボーンに相談するとリボーンは少し考える素振りをする。
「(死ぬ気の炎もこの世界に来て変質しちまったってことか……?個性へ昇華したってことなのか?まだまだわかんないことだらけだな……)」
リボーンが黙ってしまったので催促する。
「黙ってないで何か言ってくれ、リボーン」
知らない世界に来て、最悪な状況と聞いて、少し焦っていた。
それは未来に行ったばかりの頃の心情に似ているかもしれない。
リボーンはもう一度こちらを向き直り、そして目を逸らした。
「……ボンゴレは、もう無い。……大きくなり過ぎたボンゴレは15年前、あるヒーローとマフィアが裏取引をして潰された。9代目や
歯切れの悪い言葉は、リボーンにしては珍しい。
ことがことだけに、それもしょうがないと思う。
でも……何故だろう。リボーンがそう言ったとき、焦っていたのがどこかへ行ったように酷く穏やかだった。
いつもいつも、無理矢理継がせようとしていたボンゴレファミリーはもう無いんだと思ったからだろうか?
よかったじゃないか。
これでもう俺はマフィアなんかにならなくて済むんだ。
よかったじゃないか。
山本もこれで気兼ねなく野球ができるし、お兄さんもボクシングだけに専念できる。
よかったじゃないか。
京子ちゃんやハル、クローム、チビ達にも危ない世界を見せなくて済む。
よかったじゃないか。
よかったじゃないか。
よかったじゃないか。
…………全然良くない!
その瞬間、路地裏には死ぬ気の炎が業火のように燃え上がった。
これは狼煙だ。
「……リボーン、イタリアに行こう。…ボンゴレを、再建する。これ以上みんなは巻き込まないために。そのために、ボンゴレが必要だ。」
「……それは、アイツらに聞いてからじゃないか?」
後ろを振り返ると、みんながいた。
ネオンの光が逆光で表情が読み取れない。
でも、何を言いたいのかはわかった。
そうか……あの時、俺が覚悟を決めた時にはもうみんなも覚悟していたんだ。
まだ未来での戦いの傷も癒えていないくせに、無理して……
「……そうか、そうだな。言うべき言葉が違ったな。」
俺はみんなに向き直る。
死ぬ気の炎が一度消える。
「みんな、もう一度力を貸してくれ!」
みんなに頭を下げる。
今度は何も隠さない。
京子ちゃんとハルにも全て話す。
だって、答えはわかっている。
少し狡いとも思う。
だからこそ、言葉にしなきゃいけない。
今までのような曖昧な立ち位置ではいられない。
これから俺はみんなを裏の世界に引っ張り込む。
だからこれは覚悟だ。
「はい!この獄寺隼人、10代目の右腕としてどこまでもお供します‼︎」
「当たり前だろ、ツナ‼︎俺の力も使ってくれ!!」
「沢田‼︎極限に力を貸すぞ‼︎だから心配するな!!!!」
「…私の力も使ってください、ボス!」
「……群れるのは嫌だけど並盛に帰るまでだよ、小動物」
「ランボさんも!ランボさんも!ツナに力貸してあげるんだもんね‼︎」
「ツナくん!私たちも力貸すよ!」
「そうです!ハルたちにも何かお手伝いさせてください!」
「イーピンも!」
巨大マフィアになってしまったボンゴレはもうない。
それなら、彼らの意志を継ごう。
愛する人たちを守るために自警団を作った
そうして、俺たちは日本を飛び出した。
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——
日本に帰ってくるのは、それから一年の後。
ヒーロー志望の学生が誰しも憧れる、日本最高峰の高等学校。
『雄英高校』の入学試験。倍率300倍、選ばれし者のみがその門をくぐれる。
俺はリボーンの言う通り、誰もを救うヒーローにはなれない。
それでも、ここにいるみんなと最高のファミリーを作るために……
正直、年齢どうしようかすごい悩みましたが面倒なので全員同じタイミングで雄英に入学させます。
次回はイタリアに向かう上空1万メートルを飛ぶ旅客機が舞台のつもりです。
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