家庭教師ヒットマンREBORN!×僕のヒーローアカデミア   作:Minadukiyuuka

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標的.4

イタリアに着いた俺たちは散り散りになってしまった元ボンゴレファミリーを集め始めた。

リボーンの情報で9代目とXANXUS、そして父さんが生きているらしいと言うことだけわかっていた。

俺とリボーンはそちらを当たる。

他のみんなにもそれぞれ見つけてほしい人物を伝える。

一から作るボンゴレに必要な人材たちを……

 

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————

——

 

俺とリボーンが歩いているのはイタリアの都市部から離れた、いわゆるスラム街の様な所だった。

いや、リボーンに言わせればここはもともとボンゴレが治めていた土地で、それなりに栄えていたらしい。アイツなら、今でもここにいるはずなんだ。俺の超直感がそう告げている。

そんな俺たちを周りの人たちは好奇な目で見てくる。でも、その格好は誰も豊かな暮らしができているようには見えなかった。

そして、感じるのは好奇だけじゃない⋯⋯これは、殺気?でも……

 

「リボーン、少しおかしくないか?」

 

「あぁ、この独特の殺気⋯⋯ヴァリアーだな、でも…」

 

不完全だ。

後方から来るナイフを避け、Xグローブに灯った炎で溶かす。

そして、ナイフについたピアノ線を引っ張る。

 

「!?……シシッ、マジかよ。降参でーす」

 

首元に手刀を近づけるとそいつは呆気なく敗北を認めた。

何だこれ……諦め慣れている?

リング戦の時はこんな奴じゃなかった。

自分が死ぬかもしれない状況でもリングを優先するような男が、こんな……

 

「……ベルフェゴール、ボスの…XANXUSのところまで連れていけ」

 

そう言うとベルフェゴールの口元から笑みが消えた。

そして問う。

 

「お前たちは……敵か?」

 

敵、か……ボンゴレが無くなってから、どんな風に生きてきたんだろうか?

俺は首を横に振り、彼の言葉を否定した。

 

「俺は…ボンゴレを継ぐ者だ」

 

そう言って手刀を収めた。

 

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ベルに連れて来られたのは廃工場だった。

そこに鎮座しているのは俺の知っているアイツの変わらぬ姿だった。

 

「…XANXUS」

 

「コイツは、どう言うことだドカス?」

 

俺の一歩前を歩くベルに対して投げかけられた言葉を、代わりにリボーンが答える。

 

「こいつはツナ、沢田綱吉……ボンゴレの正当な後継者だ。XANXUS、お前はこいつの下につけ。ボンゴレを守りたかったらな。」

 

そう言うとリボーンは銃口をXANXUSに向けた。

銃口を向けられたXANXUSは懐から銃を抜き取ろうとする。

そう。普通の銃を、だ。

 

「ふざけるな!!ボンゴレは……ジジイのモノだ!!」

 

……そうか、そこまで追い詰められていたのか。

XANXUSの発言でボンゴレの現状が垣間見えた。

きっと色々あったのだろう。

今の俺には、そんな考えしかできない。

みんなが味わった辛さを、俺は知らない。

XANXUSだってボンゴレが好きなんだ。

それはこの世界でも変わらなかった。

そんなXANXUSとなら、理想のボンゴレが作れる。

 

抜き放たれた銃は俺を捉えるよりも前にあらぬ方向に飛んでいった。

Xグローブを使った瞬間的な高速移動でXANXUSの懐に入り込んだ俺は、腕を掴み銃を払い落とした。

 

「……XANXUS、ボンゴレの意志は俺が継ぐよ。だからさ……もういいんだよ。」

 

「!?ふ、ふざけんじゃねぇ!!」

 

XANXUSは掴まれた反対の拳を振りかざす。

それでも、前ほどの鋭さを感じない。

その拳を見切った俺はそれを躱す。

 

「ボンゴレはこのままじゃなくなるんだぞ……それでも良いのか?……お前だって、ボンゴレが好きなんだろ?」

 

XANXUSの表情が固まる。

 

「お願いだXANXUS。九代目のところに連れて行ってくれ」

 

———————

————

——

 

XANXUSに連れてこられたのは廃工場の近くにあった河原だった。

そして一人の老人を見つけた。

老人は釣り竿を垂らし、傍には酒瓶と松葉杖を置いていた。

 

「ジジイ、客人だ。」

 

XANXUSに呼ばれた老人はゆっくりとこちらに目を向ける。

そこにいたのは以前に会ったあの優しそうなお爺さんではなかった。

その瞳に映るものなどないと言うような生気がない目。

そして何より目を惹かれたのは、その失ってしまった足だった。

 

「九代目……」

 

俺はかける言葉がなかった。

15年前に何があったのか、詳しいことまでは知らない。

マフィア界の中心だったはずのボンゴレが、今は影も形もない。

しかし、九代目は困ったような笑みを浮かべた。

 

「…私のことを、まだそんな風に呼んでくれる人が居るとはね……」

 

そして、黙ってしまった。

いや、何を言えば良いのかわからないのだろう。

口をワナワナさせてしまっている。

生気がなかったはずの瞳が俺を捉える。

 

「これは……まさか死ぬ気の炎、なのか?しかし……」

 

俺の額にともる炎。死ぬ気の炎はボンゴレの象徴と言ってもいい。

しかし、居ないのだ。

もうこの世界に死ぬ気の炎を出せる人間なんて。

何となく気づいてはいた。

XANXUSのあの武器、そして俺を見ても反応しなかった。

知っているはずなのだ。

XANXUSなら。

なのに、知らなかった。

そこから導き出される現状は、『死ぬ気の炎の消失』。

俺は九代目の近くに行き、膝をついた。

 

「九代目、俺は別の世界でボンゴレの後継者だった男です。」

 

そう言うと、目の前のシワだらけの顔に涙が伝った。

 

「…そうか、そうだったのか…初代の予言が、ついに来てくれたのか……」

 

そう言って九代目は崩れるように眠ってしまった。

 

——————————————

 

九代目をベッドに連れて行った後、みんなが続々と廃工場に集まってきた。

そしてみんなに集めてもらっていた人物たちが目の前に並ぶ。

ヴァリアーの面々、ビアンキとお腹を抑えた隼人、お互い切り傷だらけのバジルと武、了平の脇に抱えられたジャンニーニ、京子とハルの後ろに隠れてしまったフゥ太、縛り上げられて気絶したディーノを連れてきた恭弥、凪の幻覚でここまで導かれたスパナ。

俺はみんなの前で話し始める。

 

「…みんな、集まってくれてありがとう。ここに集まってもらったのは他でもない、ボンゴレファミリーを再建するためにみんなの力が必要なんだ。」

 

そう言うと、大多数が「意味がわからない」という表情を浮かべる。

……当然か。ボンゴレが無い今、彼らは一般人に極めて近い存在だろう。

でも、賛成してくれた者もいた。

 

「……俺は、乗ってもいい」

 

XANXUSだ。

現ボンゴレにおいて実質的トップの賛同で少なくともヴァリアーが仲間になってくれた。

そしてそれを皮切りに一人一人話し合っていく。

すると彼らの酷い現状が露わになった。

どうやらここにいる人間は全員が裏の世界に入り込んでいるらしい。

義賊、武器職人、不良少年、情報屋、暴力団の息子。

形は様々だが、今の社会への不満がそこにはあった。

だから俺たちの話にも耳を傾けてくれた。

守りたいもののために自警団を作りたい。

綺麗事だけで片付くものばかりじゃ無い。

それでも、みんなわかってくれた。

ボンゴレファミリーは、自警団としての活動を開始した。

 

———————

————

——

 

——目まぐるしく月日は流れていった。

この街からはスラム街が無くなり、風紀を乱していた連中がいなくなった。

敵事件発生数が“0”になり、『ヒーローのいらない街』として一部のメディアに報道された。

街からの信頼も厚く、ボンゴレは屋敷が建つほどまでの存在になった。

 

そして年も暮れるそんな時期になって、探していた人物が現れた。

現れてしまった。

 

その日、俺は「たまには休め」と言うリボーンの言葉で休日だった。

しかし、休日だからと言ってすることは変わらない。

一通り身支度をして見回りに出かけようとする。

見回りなんかと思うかもしれないが、街の人に直接話を聞いて、悩みがあればすぐに解決する。

そうやって街は回っていく。

そんな風に考えていた俺より、リボーンは上手だった。

門を出たところで待ち伏せしていたのは京子とハル、凪だった。

要するに、「ガス抜きをして来い。無理はするな」と言うことか。

 

——————————————

 

あんまり「おしゃれ」に頓着しない凪を、ここぞとばかりに着せ替え人形にする京子とハル。

色々買い込んだ三人の荷物持ちを買って出た俺は、前を歩く三人を見て少し微笑んだ。

この世界に迷い込んでしまってから、早いもので半年以上が経っていた。

元の世界に戻る手立ては一向に立っていない。

メカニックからジャンニーニとスパナに、調査の名目で新設された風紀財団にも動いてもらってはいるが、ボンゴレがいくら大きくなったからと言って、未だに人材不足は課題に上がっている。

そんなことを考えていたとき、その男は街の害として現れた。

酔った客が乱闘を起こしている、という通信が入った。

三人に断ってから、俺はすぐに現場へと向かった。

そこにいたのは、父さんだった。

無精髭を生やして、酒を浴びてだらしのない姿。

俺たちの間に、感動の再会なんてものはない。

いつも家を留守にして、帰ってくれば寝ている姿しか見たことがなかった。

そんな男が、押さえ込もうとする街の住人を傷つけていた。

見逃すことはできなかった。

俺は周りを囲っていた住人たちに離れるように言った。

俺と父さんを中心にして人が離れていくと、父さんは俺に目を止めた。

酔いが回っているのか、俺を捉える瞳は据わっていなかった。

酒を飲んでいて、だらしがないのに、そこにいる父さんは別人のようだった。

そして、その直感は当たっていた。

父さんはフラフラしながら口を開いた。

 

「オメェ、どこのどいつだ?」

 

その言葉は、この半年触れてこなかった考えの蓋を開けた。

ボンゴレ消滅の事件が起きたのは15年前。

俺が生まれるよりも前の出来事。

かろうじて生き残った父さんは日本に帰ることはなかった。

つまり、この世界は「俺が生まれることのなかった世界」の一つなのだ。

 

「シカトすんじゃねぇ!」

 

問いに答えず、黙り切っていた俺に手を伸ばす。

でも、それよりも早く俺は動いた。

伸ばされた手を払い、胸ぐらを掴む。

勢いよく投げ、俺は驚いた。

軽かったのだ。

母さんに「石油を掘っている」と言うだけあって、父さんの体はとても筋肉質だった。

しかしその腕は細く、とても筋肉質とは言えなかった。

俺は父さんの問いには答えることなく、こちらの質問を投げかける。

 

「この15年間、どこで何してたんだ?」

 

地面に叩きつけられたせいで咳き込んでいた父さんは、その質問に我に返ったのか酔いが覚めたようだった。

続け様に言葉を投げかける。

 

「……奈々さんは、お前の帰りをずっと待っているんだぞ」

 

その言葉に父さんは驚いた表情を浮かべ、目を背けた。

触れて欲しくない部分。

リボーンに調べてもらったから間違い無い。

母さんは、父さんがいなくなったあとも必死に生きていた。

明るく、天真爛漫の笑顔で周りを照らすような人だった。

でも、そこにも影はある。

泣いているのだ。

一人になったとき、声を押し殺して。

 

俺は目の前の男を、許すことができなかった。

胸ぐらを引っ張って、その頬を思い切り殴ろうとした。

しかし、それよりも前に俺を止める声がかかった。

 

「ツナくん!」

 

「ツナさん!」

 

「ボス!」

 

振り返ればそこには息を切らした三人がいた。

俺は振りあげた拳を収めた。

そして、男を振り返ることなく三人の元に向かう。

酔いも覚めただろう。

そして、男にだけ聞こえる声で言った。

 

「……お前を許すことはできない。だから、こんなところにいないで日本に行け。それが……産まれるはずだったアンタの息子からの言葉だよ」

 

「!?……ま、待ってくれ!」

 

その言葉にも、俺は答えなかった。

 

——————————————

 

三人のところまで行くと、京子とハルが胸に飛び込んできた。

それを拒むことはしなかった。

なぜなら、その瞳には涙があったから。

 

「ごめん、もっと…上手くできると思ったんだけど、ダメだった」

 

もっと冷静に接するつもりだった。

でも、怒りに振り回された。

それを見て悲しんでくれる人がいるのにも気づかずに……

 

泣いている二人を慰めて、屋敷に戻って……それから……

 

——————————————

 

「リボーン」

 

俺は執務室の中でリボーンに今日のことを話した。

リボーンはエスプレッソを飲みながら聞いてくれた。

 

「……ツナ、お前はこれまでよく頑張ったと思うぞ」

 

その言葉に、俺は息を呑んだ。

リボーンが今まで俺を褒めたことんなてなかった。

そして、リボーンは話を続ける。

 

「見慣れない世界で、頼れる者も少ない世界で、守らなきゃいけないモノを多く抱えたまま。……だから、そろそろ良いんじゃねぇか?わがまま言っても。心配なんだろママンが」

 

……やっぱり、見透かされてたか。

母さんの生存を確認してもらって、バレないはずもないか……

でも、ボンゴレはまだ……

 

「俺が見ておいてやる。ボンゴレのことは心配すんじゃねぇ」

 

リボーン……

 

「……それに、ファミリーのメンタルコントロールもボスの仕事だからな」

 

ドンッ!

 

執務室の扉が勢いよく開かれた。

そして、そこには人垣ができていた。

この世界に一緒に来たみんな、この世界で集めた仲間たち。

そう言うことか……

 

「俺は、日本に行きたい。付いてきてくれるか?」

 

———————

————

——

 

年が明けてすぐ、俺たちは日本に戻って来た。

ボンゴレ本部はリボーンとXANXUSたちに任せた。

日本に着いてすぐ、リボーンから教えてもらった住所に向かう。

そこには「沢田」の表札がかかった一軒家があった。

インターホンを押す手が少し震えた。

しかし、母さんは家にはいなかった。

みんなと合流するために背を向けた時、声がかけられた。

 

「ウチに何かご用ですか?」

 

振り返ると、そこには俺が知っているよりも髪の長い母さんが買い物カゴを持って立っていた。

 

「か…」

 

「ママ〜ン!!」

 

「ママンッ!!」

 

俺が声をかけるよりも先にランボとイーピンが母さんへと駆け出した。

……半年以上も我慢させたからな。

ランボもイーピンも、イタリアに行ったあの日からわがままを言わなくなった。

特にランボには守護者としての役割もあったから、今だけは、今だけは……

伸ばしかけた手を引く。

母さんはランボとイーピンの突撃に驚きながらも二人を抱えて、ゆっくりとこちらに歩いてきた。

俺は姿勢を正して、少し緩んでしまったネクタイを締める。

 

「突然、申し訳ありません。……母に、とても似ていたものですから……」

 

そう言って、俺はランボとイーピンを母さんから受け取る。

その重さに、時間が経ったことを実感させられる。

大きくなったんだなぁ。

二人を抱えて挨拶をしていると、母さんの手が頬に触れた。

 

「もしかして……家光さんの、親戚の方ですか?」

 

「……はい」

 

「…そう、ですか…」

 

笑っているのに、その表情はどこか暗かった。

そうか、これがリボーンの言っていた……

 

「実は俺たち、行くあてがなくて……」

 

嘘だ。

日本に滞在するにあたって、場所は確保してある。

でも、それよりも……

 

「一緒に、住まわせてくれませんか?」

 

「!?……はい!」

 

その笑顔は、紛れもない母さんの笑顔だった。




次回、「雄英高校編」に突入する予定です!
速くヒロアカ側と接触させたい
ヒロインも出せると思う…思いたい…
モチベーションになるのでお気に入り登録、評価、感想、よろしくお願いします!

ツナのヒロインは誰?※BL抜きでお願いします

  • 笹川京子
  • 三浦ハル
  • クローム髑髏
  • ヒロアカキャラ
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