家庭教師ヒットマンREBORN!×僕のヒーローアカデミア   作:Minadukiyuuka

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色々迷いました。
でも、読んでもらえたら嬉しいです!


雄英、来る!
標的.5


日本での生活を開始して、数日が経過した。

そこにあるのは何事もない光景。

しかし、だからこそ忘れていた。

この国は事件発生率こそ低いが、決して“0”ではないことに。

 

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その日、母さんはチビたちと買い物に出掛けていた。

俺は日本に滞在することをリボーンに伝えるためにテレビ電話を行っていた。

リボーンは二つ返事で了承してくれた。

どうやら向こうは向こうでやりたいことがあるようだ。

テレビ電話を終え、リボーンに習ったコーヒーを淹れていた時に一本の電話がかかってきた。

それは、警察からだった。

内容は、敵事件に巻き込まれて三人が負傷したと言うものだった。

俺はすぐに病院へと向かった。

 

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「ランボさんね!ランボさんね!ママンを守ったんだぞ!」

 

「イーピンも、頑張りました!」

 

病室に着くとランボとイーピンが我先に詰め寄って来た。

顔に絆創膏を貼ってはいるが、二人とも元気そうだ。

数人組の敵に占拠されてしまい、敵に傷つけられそうになった母さんを二人が守ってくれたらしい。無傷とは行かなかったのか母さんも腕に軽い切り傷を作っていた。

 

「ごめんね、ツっ君に迎えに来てもらっちゃって」

 

母さんの買い物カゴを持って家路についていた俺は、前を歩くチビ二人を見ながらこの国の在り方に疑問を浮かべていた。

平和の象徴に依存した国は、その栄光にあやかり、欺瞞の英雄が跋扈する。

敵《ヴィラン》が発生する環境をよしとしたまま放置する社会。

……俺も、日本という国は好きだ。だからこそ、この現状を許すことができなかった。

そして何より、母さんの言ったことが俺には納得できなかった。

 

『ヒーローの人たちのおかげで、このくらいの怪我で済んだのよ。お礼言わなきゃね』

 

その言葉に、俺は思った。

ヒーローならば、被害を出すなと。

被害を出すくらいなら、それはヒーローじゃない。

 

「……どうかしたのツっ君?」

 

その場に立ち尽くした俺を振り返り、母さんが問いかける。

母さんを守るために、俺がやることは……

 

「母さん……ヒーローって、どうやったら成れるの?」

 

俺が、この忌まわしい社会体制を壊す。

 

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その日のうちに俺は守護者たちのいるホテルへと赴き、今後の方針について話し合った。

 

「…ヒーロー、ですか?十代目」

 

隼人の言葉に俺は肯定した。

そして、今日の出来事についても話した。

 

「でもさ、俺たちがヒーローになる必要ってあるのかツナ?」

 

武の言葉ももっともだ。

俺たちは既に自警団としての活動で成功している。

今更ヒーローになる必要自体はない。

ただ、今のままではこの国は近いうちに崩壊する。

それがここ数日で抱いた「日本」という国の印象だ。

それだけ伝えると、みんなは何も言わずに承諾してくれた。

彼らもわかっていたのだ。

だからこそ、わかってくれた。

 

「…それで、高校ですか?」

 

そう。

ヒーローになるには高校のヒーロー科を出ていなければいけない。

それに根幹を変えるならまずはトップになるところからだ。

国立雄英高等学校(こくりつゆうえいこうとうがっこう)』、日本屈指の学校で、最も入るのが難しい学校。

ここが、一番の近道だ。

あとは……まぁ、オマケみたいなものだ。

 

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「そうなると……勉強、ですね!」

 

「…………」

 

隼人の言葉に、少なからず絶望した人間がいる。

それからの日々は、勉強漬けの毎日だった。

でも、それが少し懐かしく感じた。

あの頃の、並盛にいた頃の、あの感じに……

 

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———

 

——雄英高校・入試日——

 

……周りが、少し騒々しい。

……前を歩く人たちが、その道を譲っていく。

この服を着るのも、久しぶりな気がする。

俺たちに着ていく制服はない。

そもそも中学も途中から行っていない。

そんな俺たちの“制服”。

……黒いスーツに身を包んだ集団が、その門をくぐる。

この何かに挑む感じ、『チョイス』の時に似てるな……

 

「なんだよアイツら!?」

 

「どこの学校だよ!?」

 

「あ、あの女子かわいくね!?」

 

通り過ぎた後から聞こえてくる声。

でも、そんなことよりも目の前にいるあの少年が俺の注意を引いた。

あの時、この世界に来た時に敵へと駆け出した少年がそこにはいた。

向こうも気づいたようで俺を見て何か声をかけようとしたが、俺は何も言わずに通り過ぎた。

 

「……いくぞ、みんな」

 

「おお!」

 

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筆記試験が終わったが、不安はなかった。

隼人にハル、電話越しではあったがリボーンも勉強を見てくれた。

これで落ちていたら洒落にならない。

そして、非戦闘員とはここから別行動になる。

俺と、ランボ以外の守護者はヒーロー科へ、京子とハル、バジルは普通科へ、スパナはサポート科に入学するつもりでいる。

サポート科ならあの男もきっといる。そしてスパナとなら……

ファミリーの力になってくれる。

そう思いながら俺は実技試験説明会場の空いていた席に着いた。

俺を中心に左右に守護者たちが座っていくが、近くに座ろうとする他の受験生はいなかった。

そして、しばらくすると一人の男が登壇した。

 

今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!

 

……沈黙が会場を支配する。

調査してもらったおかげでこの男の情報は頭に入っている。

男の名前は「プレゼントマイク」、プロヒーローだ。

沈黙が我慢できなかったのか、プレゼントマイクはさらに声を上げる。

 

こいつぁシヴィ——!!!受験者のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼントするぜ!!アーユーレディ!?

 

また沈黙するかと思ったが、なんだ?小言?

俺が声のする方を見ると……あの少年だった。

そんな彼を置いて、説明は続いていく。

……掻い摘んで言えば、ポイントが振り分けられた仮想敵を時間内にどれだけ多く倒せたか、と言うものだった。持ち込みは自由、協力行為をさせないために連番でも別の会場に振り分けられる。

 

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一通りプレゼントマイクが説明を終えると、一人の受験生が挙手をした。

それは、配布された資料とプレゼントマイクの説明の差異を指摘したものだった。

そう、四種類目の仮想敵。0ポイントの障害物。

プレゼントマイクはそれを避けるべき「お邪魔虫」と表現した。

そして、その説明に納得した受験生は後方を向き一人の受験生を指差した。

あの少年だ。

指差した受験生は厳しい口調であったが、彼の意見も正論だったので何も言うまい。

 

俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校“校訓”をプレゼントしよう!かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者」と!!“Plus Ultra”!!それでは皆 良い受難を!!

 

そう言って、説明会は終了した。

 

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実技試験会場C

 

俺が案内された会場は「町」と表現していいものだった。

そしてその入り口には大勢の受験者がたむろしていた。

そんな中、俺は浮いていた。

たった一人のスーツ。

他の受験者は己の個性を最も発揮できる服装、つまり運動着が多い。

そんな中で、あまり動きやすいとは言えないスーツでの受験。

俺は己の手に嵌められた「Xグローブ」に炎を灯す。

……人間を傷つける心配はない。なら、最速でポイントを獲りにいく……

 

ハイスタートー!

 

周りの人間が浮き足立っている中、ただ俺一人だけがその場で動いた。

遅れて数人が走り出した時にはもうゲートを超えた後だった。

七属性随一の推進力は後続との間を広げる。

そして接触した、最初の仮想敵。

姿、形は違うが…その本質は、『モスカ』に近かいように感じた。

そして、その対処法をも「超直感」で感じとる。

炎の灯った手刀で仮想敵を行動不能にした。

それが今入試において、最速の仮想敵撃破だった。

 

——————————————

 

後続は俺とは別のゾーンを選びポイントを獲っていく。

しかし、その記録は俺にとって微々たるものだった。

俺は付近の仮想敵を殲滅した後一度上空に上昇し、上から仮想敵を索敵した。

その時、ここにいないと思っていた人物が目に入った。

眼鏡をかけた、掻いたのか少しボサボサな頭髪。

間違いない、彼だ!

 

入江 正一。

 

10年後の未来でメカニック兼指揮官として共に戦ってくれた仲間。

そして、探していた人物。

そんな彼が、今にも仮想敵の餌食になりそうだった。

俺は急降下すると共に、間に合わないことを悟る。

だから、腰に下げていた小箱を手に取る。

 

「…ボンゴレ(ボックス)、開匣!!」

 

未来で手に入れた俺たちの力。

その姿は、ライオン…

天空ライオンVer.V.である「ナッツ」は形こそ小さく、猫に見られることが多いが、その力……

 

「ナッツ形態変化 防衛モード(カンビオ・フォルマ モード・ディフェーザ)!」

 

——すべてに染まりつつ すべてを飲み込み 包容する大空——

 

I世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)!」

 

俺は正一の前に降り立ち、その攻撃の一切を受けた。

しかし、その攻撃を“調和”の力で無効化した。

 

「サンキュー ナッツ」

 

正一は尻餅をついていたので、手を伸ばす。

彼は手をとってくれたが、その表情は暗い。

 

「…た、助けてくれて……ありがとう、ございます。」

 

彼は立ち上がり、俯きながら俺に言った。

 

「……やっぱり、僕みたいな人間が「雄英」(ヒーロー科)を受けるなんて、間違いだったんだ!

 

僕は、ヒーローにはなれないんだ!!!」

 

その言葉には自棄も入っていただろう。

俺は、打算なしに彼に言葉を放つ。

 

「……君は、ヒーローには成れないかもしれない。でも、」

 

THOOM!!!

 

その時、目と鼻の先に四種類目の仮想敵が現れた。

近くにいた受験生は我先にと逃げて行く。

無理もない。

この大きさ。戦っても意味のない仮想敵。疲労した体。

この条件が揃えば、受験生の思考回路は皆同じだった。

それは彼も同じだった。

せっかく立ったのに、彼はまた腰を抜かしていた。

 

「俺がヒーローになる」

 

俺はそう言って、仮想敵へと向かって行く。

この大きさだ。いくら壊してもいい会場だからと言って倒れた拍子に、逃げ遅れた人を傷つけてしまうかもしれない。なら、

 

「一発で決める」

 

左手で後方に「柔の炎」を出す。

そして、右手には「剛の炎」の炎圧を上げていく。

狙うは一点。こんなウスノロ、外しはしない!

 

X BURNER(イクス バーナー)

 

前方に範囲を狭めた「剛の炎」が噴出され、仮想敵を的確に捉えた。

その瞬間、ほんの数秒前まで動いていた仮想敵はその機能を停止した。

 

終了〜!!!!

 

そして、プレゼントマイクの合図で実技試験は終わった。

幸い、仮想敵を倒したことによる二次被害には至っていないようだ。

俺はもう一度正一の前に降り立つ。

彼の目には、俺はどう写っただろう?

ちゃんとヒーローに見えただろうか?

……彼の顔が見れなかった。

俺は背をむけ、彼に言葉の続きを言う。

 

「ヒーローに成れないかもしれない。でも、俺がヒーローになる。だから、俺を助けるヒーローになってくれないか?」

 

この言葉を、彼はどう言う風に解釈するだろう?

罵詈雑言だろうか?

それとも……彼を変える一言になっただろうか?

 

「……はい、ありがとうございました!」

 

その声は、どこか吹っ切れたような口調だった。

 

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———

 

その頃、審査室では不協和音が流れていた。

 

「沢田綱吉、VILLAINポイント97、RESCUEポイント75、トータルポイント172。他5名も軒並み150ポイントオーバー。なんなんだ、あの連中は!?」

 

一人の審査員が嘆きのように現実を口にした。

雄英の門を通った黒いスーツの少年少女。

明らかに普通ではなかった。

用意された書類にはイタリアの中学校が書かれていた。

……もちろんこれはリボーンが偽造した書類だ。

しかし、問題はそこじゃない。

出来過ぎている。

プロ顔負けの成績、技術、個性がその集団には備わっていた。

 

「校長、この受験生達をどう扱いましょうか?」

 

学校に入れたところで「何も教えられない」と言うのが審査員の評価だった。

校長はある決断を迫られていた。

強大すぎる力を入れるか、生徒を除外するか……そんなもの、決まっている。

 

「……彼らを、合格としよう。」

 

「し、しかし!」

 

反対するのには、理由があった。

これでは、「推薦入学者」の立つ瀬がないからだ。

今年の推薦入学者には、「エンデヴァーの息子」に「財閥の令嬢」までいるのだ。

そんな彼らが陰ってしまってはいけないと言う配慮からだった。

 

「もちろん、普通に入学させるわけにもいかない。彼らは良い意味でも、悪い意味でも力を持ちすぎている。下手にばら撒くより、一箇所にまとめておいた方が良いだろうネ!……だから、彼らのために新しくクラスを作ることに決めんたんだよネ!」

 

反対意見もあったが校長が説得したおかげで新クラスの設立は叶った。

そして、問題は次の段階へ……

 

「……誰が見るんですか?」

 

担任の問題。

もうすでに、1-Aの担任に“イレイザーヘッド”、1-Bの担任に“ブラドキング”が決まっていた。

新しい『ヒーロー科』クラスを作って、担任をさせる余裕がなかったのだ。

力を持った彼らを導ける者が、いなかったのだ。

……その時だった。

 

「CHAOSだな」

 

審査室の扉を開けたのはボルサリーノを被った、もみあげがチャームポイントの男だった。

 

「何者だ!?」

 

プロヒーローの巣窟とも言える雄英高校に侵入者が出たかもしれない。その事実が彼らを焦らせた。

しかし、その焦りは目の前に出された教師免許と通行許可証で振り払われた。

 

「俺の名は、REBORN。そいつらの教師になるために来た男だ」

 

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———————

———

 

試験後は各自解散だった。

帰る前に少し学校の中を散策することにした。

試験が筆記と実技だけなら、受かるのは間違い無いだろう。

春からは、高校生だ。

一通り散策が終了したので手近にあったベンチに腰を下ろした。

吐く息はまだ白く、空模様も悪くなってきた……この分だと、雪が降りそうだな。

 

「ねえねえ君の個性、何で頭燃えてるの?不思議!」

 

目を閉じていたら、声をかけられた。

……目の前の少女は炎に触れるか触れないかの距離に手をかざしていた。

 

「あの……何か?」

 

俺が聞くと、彼女は姿勢を正し先ほどまでの笑顔もどこか不自然だ。

 

「私はね、波動ねじれ。……さっきの実技試験見てたんだ。すごいね、君は……」

 

その表情はとても悲しそうだった。

今になって気づいたが、彼女は雄英の生徒だった。

今生徒なら、俺が入った時には2年生か、3年生の先輩か……

 

「貴女も、ヒーロー科ですか?」

 

「……そうだね。確かに、私はヒーロー科の人間だよ……でもね、私はすごくないよ」

 

彼女には自信がないと言った方が良いかもしれない。

力にじゃない。

きっと、人間関係で何かあったんだ。

 

「……クラスの人にも嫌われてるし、インターンで失敗しちゃってね。……私ヒーロー失格かな?」

 

……不思議だ。

彼女にはきっと力がある。

それなのに嫌われているなんて……

 

「……失格になんか、させませんよ」

 

俺は彼女の前に立ち、その頬に手を触れる。

そして、両の頬を軽く引っ張る。

彼女は呆けた顔をした後、笑ってくれた。

 

「その方が……その笑顔の方が貴女には似合う。」

 

——それが彼女との出会いだった。

 




読んで頂きありがとうございます!
少し駆け足気味で書いていきますが、バトルシーン本当に苦手……
もっと上手く書きたい!
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ツナのヒロインは誰?

  • 笹川京子
  • 三浦ハル
  • 凪(クローム髑髏)
  • 波動ねじれ
  • 未登場ヒロイン(期待してくれる方)
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