家庭教師ヒットマンREBORN!×僕のヒーローアカデミア   作:Minadukiyuuka

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……書きたい話は一杯あるのに、なかなか進まない……


標的.6

彼女(ねじれ)と話していると隼人から連絡が入った。

全員集まったからそろそろ帰ろう、というものだった。

俺は彼女に帰ることを告げる。

彼女は少し寂しそうに、でも笑顔で「またね」と言ってくれた。

 

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一週間後、雄英からの通知が来た。

封筒を開けると、そこには投影装置と合否通知書が入っていた。

投影されたのは雄英の校長、根津先生だった。

 

「やあっ!ボクは雄英高校校長の根津サっ!……唐突で悪いけど今回の試験、君は最も多くの仮想敵を倒し「敵ポイント」を手に入れた。しかし、我々が見ていたのはそれだけじゃあ無い。どれだけの人間を助けたか、審査式の加点「救助ポイント」。君は合計得点で我が校始まって以来の高得点を叩き出したのサっ!……正直なところ、ウチでなくても君はトップヒーローになれるし、君を導ける者が我が校にはいなかった。……しかし、だからこそ、君にはウチに来てほしい!他の生徒を導いてほしい!それだけの「個性」を君は持っている!……ここが、君の「ヒーローアカデミア」サっ!」

 

それだけ言うと、投影は終わった。

合否通知書には「特別合格」と、それに伴う説明が書かれていた。

他を導く者を一まとめにするために取られた特別措置。

例年、雄英高校ヒーロー科は推薦含め40人しか合格しない。

しかし、俺たちはその枠組みから外れた状態で入学する。

ヒーロー科特別教室『V組』。それが春から俺たちが使用するクラスの名前だった。

 

——最後に小さい文字で、「担任 REBORN」と書かれていた——

 

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その日の晩、俺はリボーンへ電話をした。

雄英高校に合格したこと。

イタリアに残してきた者への言葉。

そして、担任について……

 

「……リボーン、この担任なんだが」

 

「悪いツナ、急用が入っちまった。」

 

……それから何日か電話をしたが「忙しい」の一点張りだった。

 

そんなことをしているうちに、入学式が着実に迫って来ていた。

 

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——あれから、丁度一年。

——元の世界に帰る手立てはないけれど、守らなければいけないものは変わらない。

ネクタイを締める手に力が入る。

——この世界にきた時には考えもしなかった。

靴紐を結び、荷物を持ってドアノブに手をかける。

 

「ツナ〜!」

 

ランボが後方から猛突進してきて体制を崩しかける。

 

「ほらほら、ランボちゃん。ツっ君が困ってるから放してあげて」

 

母さんがランボを引き剥がしてくれる。

イーピンも寝ぼけ眼を擦りながら歩いてきた。

 

「ツっ君も!黙って出て行こうとしないの!」

 

……怒られてしまった。

 

「ご、ごめん……母さん」

 

俺は頬を掻きながら謝った。

 

「……行ってらっしゃい、ツナ。制服、似合ってるわよ」

 

「ありがとう……行ってきます。ランボも、イーピンも良い子にしてろよ」

 

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——少し歩いたところで、隼人、武と合流した。

この三人で登校するのも、久しぶりだな……

たわいない話で盛り上がる。

それができることこそ、学生の特権だろう。

 

——もう少し歩いたところで、京子、ハル、凪、バジル、了平、スパナとも合流した。

女性陣はこれから始まる高校生活を楽しみにしているようだった。

特にハルは中学が別だったからか、同じ学校へ通えることに終始ウキウキしていた。

バジルも、イタリアではまともに学校に行ったことがないらしくソワソワしていた。

実力から言えば、彼だってヒーロー科には入れるだろう。

しかし、彼にはやってもらっていることがある。

それは『京子とハルの護衛』だ。

同じ雄英生と言えど、ヒーロー科と普通科は離れている。

科が違う以上、いつでも守れるわけじゃない。

「もしものとき」が起きてしまった時の保険だ。

 

——最後に合流……遭遇したのは恭弥だった。

その格好は、相変わらずの学ランだった。

雄英から制服はもらったらしいのだが、脅……話し合った結果「学ランでも可」ということになったらしい。

学校が始まるまでの間、この町のチンピラは全員漏れなく恭弥の餌食になったらしい。

早急に頑丈な訓練場を作らないと恭弥が暴れ出してしまいそうだ……

 

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「なぁ、聞いたか?例の特別クラスの話」

 

「今年の一年だろ?入試で高得点叩き出した」

 

「そいつらの得点が高すぎて、『特別待遇』で新クラス増設だってさ」

 

「あぁ、ヤダヤダ。ヒーロー科ばっかり贔屓だよな」

 

「でもさ、入試の時にチラッと見たんだけど先頭のヤツ、エンデヴァーの個性そっくりだったんだよな!」

 

「そう言えば聞いたな。エンデヴァーの息子が入学してくるって……まさかソイツなのか?」

 

「No.2の息子が特別クラス……ヒーロー科がそんなに偉いのかよ」

 

学校中に今年度の大ニュースが走るのに、そう時間は掛からなかった。

もちろん、それが彼の耳に入るのにも……

 

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京子、ハル、バジル、スパナとは校舎に入ってから別れた。

俺たちも指示された教室へと向かう。

すれ違う生徒は皆一様に道を譲っていく。

入試の時は気にしなかったけど……あまり、いい気持ちはしないな……

リボーンが来るまで、俺は譲る側の人間だったから。

彼らはきっと怖いんだ。

力で及ばない相手に、目をつけられるのが。

 

「……凪、頼む」

 

「うん……わかった」

 

俺は凪に頼んで「死ぬ気の炎」を見えなくしてもらった。

……これで少しは緩和するだろう。

しばらくして、「1ーV」と書かれた教室が目に入った。

しかし、その扉の前には彼が立っていた。

 

「退いてくれ。そこは俺たちの教室だ」

 

一年前に起きた、「ヘドロ事件」の被害者。

 

爆豪 勝己。個性『爆破』

 

その個性故、受けているとは思っていたが……まさか受かっているとは。

 

「あ゛あ゛!テメェだろ!!入試1位っつーのは!!俺と戦えや!!!」

 

そう言うが早いか、彼は掌で爆破を起こしこちらに襲い掛かってきた。

咄嗟のことすぎて、俺も反応が遅れた。

しかし、その爆破が俺たちに届くことななかった。

 

「ご無事ですか、十代目?」

 

俺たちは隼人の「匣兵器」に守られていた。

それだけじゃない。

一瞬の隙を見て、駆け出した男が一人いた。

 

「君、面白いモノ持ってるね」

 

恭弥だ。

恭弥は仕込みトンファーで爆豪との交戦に出た。

爆豪も恭弥の攻撃を器用に避けていくが、そんな戦いも長くは続かない。

強い個性を持っただけの少年が勝てるほど、恭弥は甘くない。

地力が違いすぎるのだ。

しかし、このままでは噛み殺してしまう。

入学初日からそう言うのは勘弁してほしい。

 

「……初代(ファースト)・エディション」

 

突如として現れた氷に二人とも囚われてしまう。

俺はため息をつきながら二人の元に向かった。

 

「沢田綱吉……後で噛み殺す」

 

「お゛い!!邪魔するくらいなら俺と戦え!!!」

 

……劣勢だったのは間違いなく彼だ。

後もう少し遅ければ彼は倒されていた。

それが分からないほどに、彼は張り詰めていた。

少しでも恭弥と戦えたのだ。

俺たちが居なければ、入試1位は彼だっただろう。

それが蓋を開けてみれば全然違う順位だった。

 

——その事実が、彼を追い詰めた。——

 

思考しながら俺は恭弥の周りにあった氷から溶かし始める。

……正直、噛み殺されたくはないのだが……背に腹はかえられない。

俺は彼に向き直り、言った。

 

「お前……本当にヒーローになりたいのか?」

 

その言葉が彼に止めを刺した様だった。

怒りで体を震わせていた。

 

……戦意だけは消えた、か……

 

彼の周りの氷も溶かし、俺たちは教室へと入った。

 

——その後、廊下から叫び声が聞こえてきたのは言うまでもないだろう。




読んでいただきありがとうございました!
読み返してみて思った。
「本ッ当に牛歩!!」
それでも、感想、評価、お気に入りに登録してくださるとモチベーションになります。
感想は質問でも全然構いません。
むしろ設定の深掘りができてありがたいです!

ツナのヒロインは誰?

  • 笹川京子
  • 三浦ハル
  • 凪(クローム髑髏)
  • 波動ねじれ
  • 未登場ヒロイン(期待してくれる方)

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