EVOLの摘み取る花 作:わんわんわんだほーい
ピロリロリン…なんて、耳に嫌に残るアラーム音が携帯から響く。その音を聞いた瞬間、少女は心底嫌そうに顔を顰めた後、大社…もっと言えば神樹がいる方に向けて苛立ちのこもった瞳を向ける。
「大社…ッ!」
苛立ちを超えて、憎悪すら込めた瞳が神樹の方を射抜いた途端、彼女の周囲全ての物質が完全に停止する。
「これは…」
『樹海化ってやつだ。周囲の人間に戦闘の影響が出ないようにする心優し~い配慮だよォ』
「スターク…!」
少女の背後に無音でするりと現れたのは、赤い怪人・ブラッドスターク。スタークの言葉に気を取られている隙に、周囲の景色は文字通りの樹海へと変わっていた。世界の異変に見渡す少女に向けて、クツクツと人を馬鹿にした笑いを上げながらスタークは黒と銀の銃を少女に投げ渡す。
『ほぉら、さっさと用意しないとバーテックスに喰い殺されるぜェ?』
「うるさい!お前に言われなくたって…ッ!」
【バット!】
「蒸血…」
【ミスト・マッチ…!】
黒と銀の銃・トランスチームガンに紫の素体に銀色のコウモリのディテールが刻まれたバットロストボトルを装填、トリガーを引くことで少女の全身が霧のような蒸気に包まれる。
【バット…バ・バット…!ファイヤー!】
霧の奥手で黄金の複眼が一際輝いた瞬間、バチバチと火花が飛び散り、同時に周囲を覆っていた霧も払われて全貌が明らかとなる。黒いアンダースーツに銀色のパイプらしき物が露出した装甲。真っ赤で派手なブラッドスタークとは真逆の目立たない見た目をした怪人、ナイトローグが姿を現した。
『ヒュ~!良いねェ!イカしてるゥ!』
『黙れ…!さっさと行くぞ』
茶化すように手を叩くスタークの言葉にナイトローグが苛立っちを噛み殺すように言い返す。しかし、スタークはその言葉に肩を軽く竦めて笑う。
『っと、悪いが俺は別行動だ。俺なりにやることがあってねェ…ちゃんと、そのボトル渡しといてくれよ!チャオ♪』
『待て!…チッ、相変わらず何を考えてるのか分からない奴だ…!』
そんな投げやりな言葉を残して身体中から蒸気を発生させて姿を消したスタークに溜息をつきながらローグは背中からコウモリの羽を生やしてシステムが探し当てた
『あれが、勇者…』
ナイトローグの見える範囲に勇者は5人。刀を持った凛々しい少女、ボウガンを持った気弱そうな少女、盾らしきものを持った快活そうな少女、篭手を付けた心優しい少女、そして鎌を持ったクールな少女。
『あんなに幼い子が戦わされるこんな世界間違ってる…!』
ナイトローグは怒りを抑えきれず、勇者らに襲いかかろうとしていたバーテックスの一体に向けて無言で銃撃を放つ。トランスチームガンから放たれた光弾は容易くバーテックスを貫き、吹き飛ばす。
『…スタークの言っていることは正しかったようだな』
勇者たちが困惑したように銃撃をしたナイトローグを見つめていた。ナイトローグは、勇者らの前に無音で降り立つと、バルブのようなものが着いたブレードを取り出して周りのバーテックスを切り裂く。
【スチームブレード】
「貴様、何者だ!」
『…私の名は、ナイトローグ。お前たちの味方でも、敵でもない』
加工された声で刀を持った勇者に向かって話す。そして、篭手を付けた少女に向かって、赤と青のボトルを投げ渡す。
『高嶋友奈…お前ならばそれを使えるはずだ』
「へ?あ、ありがとうございます…?」
「その武器にその見た目…ねぇ、コブラ男を知ってる?」
困惑している様子の高嶋友奈の方を見ようともしないナイトローグ。何かを言おうとした瞬間、鎌を持った勇者、郡千景の言葉に一瞬黙り込む。その瞬間、襲いかかっていたバーテックスに向けてトランスチームガンの光弾を放つ。
『話している暇があるとでも?』
そうナイトローグは軽く鼻で笑った後、軽く飛び上がって木の上に飛び乗る。そして、数体のバーテックスをトランスチームガンで撃ったあと霧と共に消える。勇者たちは、突如乱入してきた怪人に気を取られている暇もなく、バーテックスたちを迎え撃った。
『おいおい、手伝ってやらなくて良かったのかァ?』
『黙れ。この程度の敵、手伝うまでも無い』
『ま、この程度の敵は何とかして貰わねぇとなァ?』
楽しげに笑うスタークの言葉を無視するように踵を返すナイトローグ。そして、数歩進んだところで立ち止まり、スタークに向けてトランスチームガンを向ける。
『ボクはまだ、お前のしたことを許したわけじゃない』
『全く、必要な措置だって言ったろォ?高嶋友奈と郡千景は勇者としての最高傑作だァ!それを利用しない手は無い。そうだろ?』
『だとしてもお前の非道なやり方を認める気は無い!』
そう言って消えたナイトローグに対して軽く頭を抱えるような仕草をするスターク。だが、数秒後にはケタケタと笑い声をあげるスターク。
『やれやれ、いつまでヒーロー気取りでいるつもりなのかねェ...。結局、アイツも共犯者だってのに』
ゴロリとスタークが寝っ転がった瞬間、世界が光り輝き、樹海が消え始める。スタークはぴょんっと飛び上がって立ち上がると、首を軽く回しながら笑う。
『楽しくなって来たなァ...!』
蛇は静かに微笑む。全ては、彼の計画通りだ。
ナイトローグ
これから死ぬほど酷い目に合いそうな予感。あんまりキャラが掴めてない()
ブラッドスターク
これから死ぬほど酷い目に合わせそうな予感。まさに外道。
勇者ーズ
突然でてきた怪人に新種のバーテックスなのでは?とか思ってる。安心して欲しい、もうひとり増えるから。
なお、次から描写がめんどくさいので普通に名前で書きます。