垢BANされたらVとピース 作:TEAM-POCO/CHIN
出来は……ウンツィ
ある日の暮れ方のことである。コラボのお誘いが来た。やったー!
お相手はヨウツベ登録者数3万人超えの歌うま個人Vtuber──
そんな彼女から直々にTwitterのDMから一緒にコラボがしたいときた。
接点はおそらく夜道灯ちゃんとbeatboxかな? 夜道ちゃんと心音ちゃんは異母姉妹だったはずだから。
というわけで早速返信。了承したところすぐさま返事がきたのでさっそく打ち合わせだ。
──あれから一週間経て、コラボ当日。
画面や立ち絵の調整などは既に完了し、あとはカウントダウンが終わり次第開始である。ちなみに今回の配信枠は心音ちゃんのチャンネルだ。
と、そんなこんなで開始だ。
「はいみんな、こんレコォ〜。心音だよ。今日も来てくれてありがと」
心音ちゃんの挨拶からコメント欄が”こんレコ!“で埋め尽くされ、相当な速度で流れていく。目で追えそうにない。
配信開始からして同時接続者数は既に1400人以上。コラボということもあるだろうがそれでも中々な数字だ。凄い(小並感)
「今日はTwitterでも告知してた通り、久々のコラボだよ。お相手はこの方」
「はいどうも、こんBAN茶。ナナシノ・バンです。今日はお呼びいただいてありがとうございます」
メガトン鯉:誰?
十銭πヤーマン:おかしい…俺らの知ってるBANちゃんじゃない…
指紋菌:BANちゃんはこんなに綺麗じゃない
新潟の米:誰だてめぇ
ロバロバ:汚いBANちゃんをかえ……さなくてもいいです
アギト:媚びを売るな
時の社友者:(本人とは)不一致!
ポップコーン:さては偽物だなオメー
パクチーのローマ:ナナシノ・バンの欺瞞が、あらゆる汚物を隠している。蔓延る淫らな夢も。ひどいことだ。頭の震えがとまらない
泡沫:BAN族みんな辛辣で草
グルグルグルーヴ:BAN族は草
「ほ、本物だし私はいつもこんな感じですよ!」
「え、別人? もしかして偽物?」
「ヘ、ヘイトスピーチ……!」
ブルータスお前もか……!
たった一言挨拶しただけでこれって……こんなに言われる謂れはないだろいい加減にしろ!(迫真)
「ごめんごめんって」
「私は普段から清楚です。これだけははっきりと真実を伝えたかった」
「そういうの出てくるところがもうダウトだよね」
「ぴえん」
首領のパッチ:嘘つき
新潟の米:清楚()
指紋菌:そういうところやぞ
「人様のチャンネルであんなことやこんなことしたら放送事故になるから……今日の私は一段と清楚。私が清楚と言ったら清楚なんです」
「おかしいな、清楚とは無縁の存在だったのでは?」
「ひでぇ」
ナーロッパ:私、人気Vtuberとコラボするので清楚を演じます!〜ホモロリが、今更すぎてもう遅い〜
駅のコックリさん:草
ロバロバ:無理矢理五七五にした感があるので減点
指紋菌:そういうところやぞ
「みんな何かいつにも増して辛辣じゃない?」
「いつものことじゃない?」
「そうかな……そうかも……」
「ってことで茶番はここまでにして、早速やることやっていこー!」
「わー!」
なんだか開幕ぐだぐだしてしまったが心音ちゃんに軌道修正してもらったところで早速本題。
今日のコラボでは最初に視聴者からの質問に答えながら軽く雑談し、その後に数曲、心音ちゃんの歌に合わせて俺がbeatboxしたり歌ったりするという流れだ。まあセッションだな。
──ということで早速だ。
「はい早速質問みっけ。え〜と? “お二人がコラボに至った経緯、理由が知りたいです”だって」
「のっけから真面目な質問だぁ」
ヘンテコな質問じゃない……! 感動!
「いやそらそうでしょ」
「いやね、私のとこの視聴者もいるからてっきり変なの来るかなってね……」
「私はBANちゃんとは違って変なのは拾わないからね。BANちゃんとは違って」
「何故2回も言った」
「大事なことなので以下略」
「クーン……」
十銭πヤーマン:申し訳ないが他所様のチャンネルでクソ米投げるのはNG
響鬼:もう既にカナちゃんのコメ欄でBAN族が好き放題してる件
新潟の米:本当に申し訳ない
指紋菌:BANちゃん相手だから許される行為であってぇ…
ロリータ姫:愛じゃよ
オチンコナー:私たちはマナーに定評のあるBAN族です
新潟の米:欺瞞!
指紋菌:…例のアレ羅患者の獣先輩達を導いた、目も眩む欺瞞の意図さ
「愛されてるねぇ〜」
「これが愛だって……? こ、こんなに……こんなに悲しいのなら苦しいのなら……愛などいらぬ!!」
愛されてるって言うより玩具として見られてる感じだよこれは。俺の人権はどうなってんだ人権は!
「えーと、それでコラボに至った経緯だっけ? えっとねぇ……まぁ灯姉ちゃんからBANちゃんを布教されてね。そこでbeatboxの腕前に惚れて一緒にセッションしたくて勢いで私の方からコラボ申し込んだって感じ」
「私は心音ちゃんからコラボのお誘いをいただきまして、推しに弱い私は誘われるままホイホイとここに来ちゃったのだってな感じですね」
「隙を見せるとネタ挟んでくるなこの子は。清楚はどこいった清楚は」
「清楚はネタで死にました」
清楚? ねぇよそんなもん。
俺はもとよりネタを挟んで喋りまくるV。隙があればどんどんネタを捻り込んでいくゾ! 隙を見せる方が悪いのだ。
まあ最低限の節度は守るけどな。
指紋菌:清楚など最初から存在しないだろがい!!
新潟の米:はぇ〜
La_Ra:BANちゃんビートボックスできるんか
泡沫:お下品モンスターモナリザが何故カナちゃんとコラボ?って思ってたけどそーゆーことね完全に理解した
ゆんゆん:この子beatboxの腕前だけは確かだから……
馬ヘッド:※なお真剣な時に限る
「なんかやっぱり私への風当たり強くないかい?」
「気のせいでしょ、気のせい気のせい」
響鬼:今日は……風が騒がしいな…
轟鬼:でも少し…この風…笑てます
雛形:全米が鼻で笑った
「終いには泣くぞこの野郎ぉ」
「草。っと次の質問行くよー」
「読み上げますね。えぇと? “お互いの印象"とな?」
「印象、ねぇ」
これは超答えやすい質問だな。心音ちゃんの印象なんてこれ一択やろ。
「オタクに優しいギャル」
「え?」
時の社友者:解釈一致
泡沫:然り
La_Ra:満場一致で
3T-I-Scream:然り然り
No_Chill:シスコンも追加で
「歌姫系オタクに優しいシスコンギャルか……属性盛り過ぎでは?」
「それはBANちゃんとレコ友の皆の錯覚だから。シスコンじゃないから、私」
オタクに優しいギャルは否定しないのか……ちなみに“レコ友”とは心音ちゃんの視聴者の愛称である。
「というかそれを言うならBANちゃんの方が属性過多でしょ」
「そんなことないでしょ。私は清楚一筋です」
「BANちゃんはここに建てた病院が逃げた系フリースタイルホモロリでしょ」
時の社友者:解釈一致
新潟の米:然り
指紋菌:満場一致で
ロバロバ:然り然り
ホモ・サーッ!・ピエン・スゥゥ:チョロインも追加で
「はっ? 違うが?」
「事実なんだよなぁ」
百歩譲ってフリースタイルホモロリなのはわかる。自分の配信スタイルはちゃんと自覚しているから。だけどチョロインは解せない。そんなそぶり見せたことないし今後見せるつもりも一切ない。
いくらネタ盛りスタイルでも萌え方向の演技は俺自身の心に深刻なダメージを与える。男が萌え萌えキュンなんてしたら……ヴォエッ!
──と、その後暫くもコメントから質問をいくつか拾い回答する時間が続いた。好きな食べ物やら趣味やらのごく普通なものから性癖やら一発芸やら変なものまで盛りだくさんだった。もうこれだけであたしゃお腹一杯だよ……
まあしかしこれらは前哨戦。本番はこれからだ。今回のコラボ配信の目玉である心音ちゃんと俺とでのセッションである。
「んじゃ質疑応答はこれくらいにして……さっそくお歌の時間始めますかね」
「ん、おかのした」
哥欲神:やったぜ
重力子剣:きた!歌きた!
LS_MEN.ver:メインきた!
キング便秘苔:これで勝つる!
No_Chill:待ってたぜェ!!この瞬間をよォ!!
首領のパッチ:神に感謝
ちなみに今回のセッションに関しては事前の打ち合わせでもふんわりとした予定しか組んでいない。あえてあまりガチガチにせずその場その場の雰囲気で色々変えていく方向だ。視聴者のリクエストにも応えたいし。
大まかな流れとしては、最初に視聴者へ向けての俺の実力確認を兼ねたbeatboxパフォーマンス。その後は心音ちゃんと二人で、だ。最初の一曲は心音ちゃんが歌、俺がボイパと完全に分かれて。二曲目からは俺もちょくちょく歌声を入れていく感じだ。
「てなわけで早速……とその前に」
「まあまずはいきなりセッションする前に、よ。レコ友たちはBANちゃんの実力知らないだろうし一番最初はBANちゃんのビートボックスソロパフォーマンスよ」
「ん、耳の穴かっぽじって、よく聴くヨロシ」
目を一度閉じて深呼吸。
大きく息をゆっくり吐き出し、一拍おいて姿勢、精神のコンディションを整えマイクを構える。想定時間は1分でいこう。
「はい3、2、1……」
フィルター、ハンドクラップ、ベースから入り高速ビートを打っていく。今回はドラムンベースだ。途中からケノゼンベースを加えたっぷり30秒程かけてビルドアップしドロップに入る。構成としてはインワードリップベースやインワードベースなどの低音とレーザー、ホイッスルなどの高音を交互に組み音の高低差を作るありふれたものだ。ただし高速ビートに乗せるのでコントロール難易度は高いと思う。
今世、小学生時代は親の監視下にあったためあらゆる娯楽が禁止されていた。故にその期間はビートボックスを追求していたが、慣れたルーティンとはいえそれでも難しいものは難しいものだ。何より体力を使う技が入っているため口がかなり疲れる。持久戦に持ち込めるルーティンではないのだ。
さて、残り10秒となったので少しテンポを変えてスピードを落としていく。そして車の急ブレーキのようなイメージで連続高音ジッパーを鳴らし、インワードリップベースで締めておしまいだ。
スマホのタイマーを見ればきっかり1分に収まっていた。やったぜ。
「──はい、おしまい! センキュー! ありがとう、ピース!」
さて、完走した感想ですが……取り敢えずまずまずって感じでできたとは思う。特段ミスもしてないしピッチもずれてない、はず……
「いやすごっ……凄すぎて若干引く」
「なんでやねん」
「いやいや本当に凄かったわよ。うまいのは知ってたけど生……生? で実際に聴くともう、ね?」
「な、なんか凄い褒めてくるじゃーん?」
推しからこうも褒められると照れるぜデュフフフwwwもっと褒めてもええんやで。
さて、心音ちゃんはこんな感じだが肝心の視聴者の反応はどうかな?
泡沫:やばい
No_Chill:すごいぞ!
グルグルグルーヴ:さっきまでネタしか喋らなかったロリの姿か?これが…
指紋菌:真面目にやると凄いんだよなぁ
アスペ空手:ウオォオォオォオォーッ
十銭πヤーマン:オサ! オサ! オサ!
馬ヘッド:族長! 族長! 族長!
メガトン鯉:族長! 族長! 族長!
「BAN族の
「誰がオサだコンチクショー!」
アスペル空手:ウオオオオオン
首領のパッチ:汝! BANちゃんの生命となるか!
3T-I-Scream:いやどす
雛形:それだけはマジ勘弁
哥欲神:汝! 心音ちゃんの生命となるか!
アスペ空手:は! 喜んで!
キング便秘苔:ヨロコンデー!
「なんでだよ!」
「草」
──その後、心音ちゃんとハイテンションなまま一緒に歌いまくり、夜も更けていくのだった。
おまけでデスボイスも披露できて気持ちえがった。またセッションやりたいぜ……