Parallel Ordinary   作:Qsxtn

2 / 2
ちょっと時間が開いてしまいましたが、投稿します。
この後描くおまけでこのcaseは終了です。



case no.1 「教える側」Part.2

「わたしは、人の人生って1種の物語だと思っているの。この世に2つと同じものは無い、かけがえのない物語。」そして、目線を前に居る緑髪の女性に戻した。

「その物語を記録して、記憶していたいの。・・・あなたにとっての「知識や技術」は、わたしにとっての「物語」だから。」

 

「…そして、同じ人の物語ばかりじゃなくて、違う人の物語も記憶したいの。だから、なるべく違う場所で休憩したりしてるのよ」

そう言って、わたしはノートと筆記具を取り出し、名前などは伏せつつ、今あった出来事を書き込んでいく。

「それに…わたしの書いた物語を、期待して待ってくれている娘もいるから。」

「…その待っている娘、というのは?」

「今年入学した娘でね。お兄さんが絵描きをしているのだけど、『わたしが文を、兄さんが絵を。いつか世界中を二人で旅をして、その事を詰め込んだ本を作るのが夢なのです!』って。

…それで、表現の幅を広げたいからってお願いされて、その娘と綴った物語を交換して読み合っているの。その後、お互いに感想や意見を、ね。」

「…なるほど、互いに教え合う、と。」

「…ふふ、そんな感じね。」と、筆を止めた。

「わたしも少しサヤ先生に聞いてみたい事があるの。」

「…なんでしょうか?」

「サヤ先生は、知識や技術等を積極的に身に付けていらっしゃるみたいだけど…どうして、教師という職に就いたのかなって。

勝手な想像だけど、そういう事は研究室の方が、時間も手段も多く取れると思って。」

それを聞くと、サヤは、ふっと笑った。

「確かに、ただ叡智を得る為であれば、その道もあったでしょう。…ですが、得るだけでは駄目なのです。それを正しく伝え、遺すのも、知識を得た者が果すべき役割だと思ってますので。」

「…それは、どうして…?」

「今の世の中では、昔から受け継がれた大切な技術や情報であっても、膨大な情報量に押し流されれば、人々から忘却され、そして記録、記憶も途絶えてしまいます。そうなれば、完全な形に戻すには多くの時間が費される…もしくは元に戻らない事だってあるでしょう。」

「…まるで御伽噺や伝承のようね。」とわたしは少し悲しくなり、そう呟いた。

「…ですが、私達がそれを止める事も出来ますよ。」

そこでチャイムがなった。授業開始10分前を告げる予鈴だった。

「…また、あなたと話し合いたいものですね。時間を取れる時に。」

「…ふふっ。それなら、今度の土曜日、町外れの灯台はどう?わたしのお気に入りの場所なの。」

「…えぇ、良いでしょう。日時はまた後日に。」

 

(後日、おまけ掲載予定)




おまけ…お互いの先生としての様子を描写予定
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。