仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第二十一話です。
よろしくお願いします。

小吉と中吉の能力は、ほとんどカメンライドと同じだと考えていただければと思います。
(厳密には違うので、また改めて詳細を書こうと思います。)



【イメージED】
米津玄師 - 恥ずかしくってしょうがねえ

【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question021 What is that card’s greatest function?

2021.12.11 09:05 東京都 千代田区 皇居前広場

「面白そうだね。楽しめそうだ」

「だろ」

 

 ディスペルクラッシャー ガンモードを取り出すアクト。

 ゲンムも2つの鎌を1つの弓──ガシャコンスパロー 弓モードに合体させ、身構えた。

 

『OKAY. "DECADE" CONNECTION SHOT!』

『マイティクリティカルフィニッシュ!』

 

 マゼンタの弾丸と紫色の矢が激突。爆煙が上がり、二人の姿が全く見えなくなる。

 

 その煙の中から二人が飛び出して来た。

 それぞれ剣と鎌を持ち、互いに攻撃を繰り出す。

 鎌を避けると剣の持っていない左手で胸部にパンチ。ゲンムを後退させた。

 

 ゲンムは戸惑いながらも興奮していた。

 先程とは打って変わり、自分と同等、いやそれ以上の力で自分に向かって来てくれる。

 まさに至福の時だ。

 

 

 

「さて、ちょっと()()()だ」

 

 するとアクトはカードケースから「SWITCHING FOURZE」のカードを取り出した。

 そのカードを「DESTROY DECADE」のスロットに装填した。

 

『"FOURZE" LOADING』

 

 付いているレバーを下に下げた。

 下げた瞬間、アクトの周りに長方形の虚像が何枚か現れ、周りをぐるぐると回り始める。

 

『What's coming? What's coming? What's coming?』

 

 いつもよりテンションの高い声が、テンポ良く繰り返されていく。

 ここぞというタイミングで、アクトは再度レバーを下げた。

 

末吉(SUE-KICHI)

 

 目の前に現れた残像に書かれていた文字は「末吉」。その残像から何かが現れた。

 オレンジ色のロケットは右腕に、ドリルのような部品は左脚に装着される。

 

『You got a future lack.』

 

 ロケット、ドリル、剣。3つの武器を持ったアクトは、ロケットを使って上空に飛び立つ。

 ゲンムは弓を作り出し、何発もの矢を標的に向けて発射する。

 だが左脚のドリルで全て討ち落とされてしまう。

 そしてロケットとドリルを仕舞うと、落ちる勢いを利用して、ゲンムの体に強烈な斬撃を繰り出した。

 

「ハァッ!」

「……ッ!」

 

 続けてアクトはカードを挿し込む。

 

『"BLADE" LOADING』

 

 レバーを押した。

 周りに何枚かの虚像が現れる。

 

『What's coming? What's coming? What's coming?』

 

 ゲンムは弓矢で攻撃を仕掛けるが、虚像がバリアとなって防ぐ。

 その隙にアクトは再度レバーを下げた。

 

小吉(SHO-KICHI)

 

 虚像に表示される文字は「小吉」。

 そこから青いプレートのようなものが出現。それがアクトの体を通り抜けると、アクトの姿は全く別のものとなった。

 

『You got a small luck.』

 

 仮面ライダーアクト ディケイドシェープ 小吉ブレイド。

 銀色の鎧を身に纏った、兜虫を模した戦士と同じ姿をした戦士が参上した。

 

 再び矢を射るゲンム。

 アクトはゲンムの元に走って行きながら、自身の剣で一本ずつ折っていく。

 そして前に立つと、剣先で腹部を突いた。

 

 後退するゲンム。

 想像以上の強さに、さすがにイラついてきた。

 恐らく彼は、強い敵と戦えるのは嬉しいが、あまりに強すぎるのは駄目という(たち)なのだろう。

 

『"DOUBLE" LOADING』

 

 そんなゲンムの様子などいざ知らず、さらに1枚カードを装填。レバーを下ろした。

 

『What's coming? What's coming? What's coming?』

 

 レバーを押し込んだ。

 

中吉(CHU-KICHI)

 

 「中吉」と書かれた虚像が無くなると、熱風がアクトの周りを吹き荒れる。

 塵のような部品が次々とアクトの体に着き、赤色と銀色の体に変化させた。

 

『You got a good luck.』

 

 仮面ライダーアクト ディケイドシェープ 中吉ヒートメタル。

 熱と闘志の記録を宿した戦士と同じ姿をした戦士が誕生した。

 

 背中にある棍棒──メタルシャフトを取り出すと、それを振り回しながらゲンムの元へ走る。

 ゲンムは弓を2本の鎌に分離させ、応戦する。

 

 鎌を振り下ろすが、刃がアクトに当たる前に、棍棒によって1本ずつ振り落とされてしまう。

 その隙を突い一突き。後ろに吹き飛ばされた。

 

 それを確認すると、アクトは元の姿へと戻っていった。

 

 

 

「流石にイライラしてくるなぁ……」

 

 奇怪な動きをしながら体を起こすゲンム。

 語気が荒く、溜まっていた何かがもう吹き出してしまったようだ。

 

「確かに強いのと戦えるのは楽しいけど、負けるのだけは嫌なんだよ……!」

 

 子供のように幼稚なことを言いながら、ドライバーの2つのボタンを同時に押した。

 流れる待機音。

 Aボタンをもう一度押すと、突如としてゲンムの体が宙に浮いた。

 その右足には黒いエネルギーが次々と溜まっていく。

 

『クリティカル・エンド!』

 

 そしてエネルギーが溜まりに溜まった強烈なキックをお見舞いした。

 その威力はあまりに凄まじく、アクトの体は貫かれ、大きな穴が開く。

 

「春樹っ!」

 

 思わず碧が叫んだ。

 

 仮面の下でニヤリと笑うゲンム。

 怒りは治ったようだ。ハァと吐いた息は、これまでにないほど晴れ晴れとしたものになっている。

 

 これにて、ゲームエンド。

 

 

 

 

 

 とはならなかった。

 

「……え?」

 

 突然、アクトの体が灰色の虚像のようなものになって姿を消した。

 その場にいる一同は、何が起こったのか分からず混乱する。

 

 すると

 

 

 

「おい、何処見てるんだよ」

 

 ゲンムが後ろを振り向くと、そこには自分が確かに貫いたはずのアクトが立っていた。

 

「ど、どういうことだ!?」

「お前、ゲーム好きなら分かるだろ。()()だよ。()()

 

 

 

 そう。ある意味、アクトは()()を使ったとも言っても良いかもしれない。

 

 使ったのは、圭吾の解析の結果作り出された「ILLUSION」というカード。

 このカードの能力は「分身」。

 アクトは、銃撃と矢がぶつかってできた爆煙の中で、分身を1体作り出し、自身とすり替えていたのだ。

 万が一、自分がゲンムにやられた時のために──。

 

 

 

「さて。そろそろゲームセットにしようか」

 

 アクトはドライバーにあるプレートを押し込んだ。

 

『Are you ready?』

 

 宙空に浮いていくアクト。

 端末を押し込むと、上昇は止まり、目の前に灰色の大きなプレートが現れる。

 同じようなものがゲンムの周りにも何枚も現れ、まるで挑発するかのようにくるくると回っている。その後ろにも1枚、静かに現れた。

 

 同時に右足にマゼンタと緑の毒々しいエネルギーが溜まってきた。

 

『OKAY. "DECADE" DISPEL STRIKE!』

「ハァァァァ!」

 

 右足を出して前に突っ込んで行く。

 するとアクトの姿がプレートの中に吸い込まれ、姿が見えなくなった。

 

 と、次の瞬間。

 

「グアアアッ!」

 

 ゲンムの周りを回っていたプレートから、いくつかの強烈なエネルギーが流れ出し、ゲンムを攻撃した。

 後ろのプレートからアクトが姿を現したところで、後ろでゲンムは爆散。爆炎が後ろから上がっていた。

 

 

 

 だが、当然これでは終わらない。

 ゲンムの体の欠けた部分が次々と修復され、何食わぬ顔で復活をしたのだ。

 

 しかし流石に限界がきたようで、ゲンムの身体から白い煙が音を立てて出ている。

 若干苦しそうな様子を見せ、変身を解除した。

 

「やめたやめた。もっと強くなってから出直すよ。じゃあね」

 

 そしてそのまま紫色の粒子となって、その場を立ち去った。

 アールたちもいつの間にか姿を消している。

 

 変身を解除する。

 先程までクロトがいた場所を見つめる春樹。

 その様子を他のメンバーたちは、いつもと変わらないように見つめようとするが、心の奥底では戦々恐々としてしまっていた。

 

 

 

────────────

 

 

 

2021.12.11 09:39 東京都 新宿区 SOUP

 春樹と碧は雑居ビルの中にある自動販売機で、何本かのペットボトル飲料を購入した。

 作戦が成功ある意味成功したので、全員を労おうと購入しているのだ。

 

 エレベーターで下り、暗い道路を通ってドアを開けると、席に着いているメンバーたちの顔は、何故か神妙な面持ちになっていた。

 理由が分からず、少々戸惑う二人。

 

「え……。どうしたの?」

 

「……。()()、何だったんですか?」

「あれ?」

「春樹さんがやった()()ですよ」

 

 ようやく理解出来た。

 春樹がカードに未知のパーツを創り出したことだろう。

 それはそうか。

 いきなり何も無いところから創造を始めたのだから。

 既存の物理法則を十分なほどに学習してきた彼らにとって、それは奇跡以外の何物でもない。

 

 すると春樹と碧は突然、小さな声でじゃんけんを始めた。

 春樹が出したのはパー。碧が出したのはチョキ。春樹の負けだ。

 

 貴方言ってよ、と碧。

 え、俺!?、と春樹。

 

 碧に背中を押されて一歩前に出る春樹。

 負けた者に課されるペナルティは何なのか、全員がひとまず見守ってみる。

 

 そして、春樹は口を開いた。

 

「言い忘れてたんだけどさ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺たち、フォルクローなんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時点で未確認物質解析班が把握している

新型未確認生命体の残り総数

通常113体

B群6体

合計119体

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: What is that card's greatest function?

A: It's a function similar to Omikuji.

今作のキャラクターたちの日常を描いたスピンオフがあったら、読みたいですか?

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