ついに春樹の秘密が暴かれます。シーズン1も今回を含めて残り4話です。最後までお楽しみください。
(最後とは言っても、シーズン2以降も続きます。)
そうそう。端末の名称を「
何はともあれ、宜しくお願いいたします。
【イメージED】
米津玄師 - 恥ずかしくってしょうがねえ
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
2021.12.24 14:32 東京都 目黒区 目黒グランドプレイス
「ようやく……。ようやく見つけた……!」
狂気的な表情でディエンドを見つめる春樹。
その表情を見た全員から血の気が引いていき、手に力が入らなくなってしまう。
「君か。私の娘の婿とかいうのは。挨拶も無しにいきなり結婚するとは、随分と
「挨拶しようと思ったけど、その時お前は棺の中だっただろ。そんなこと言われてもこっちが困る」
端末にカードをかざしてドライバーを出現させる。
そしてマゼンタのパーツの付いたカードを装填した。
『"DECADE" LOADING』
電源ボタンを押した。
巨大なゲートから蝿が飛び出し、煩わしい羽音を響かせながら春樹の後ろで浮いている。
「変身」
ポーズをとること無く、静かな声を出しながら淡々と端末をドライバーに挿し込んだ。
『Here we go!』
緑色の素体に変身した彼に、蝿が分解して出来た鎧が装着されていく。
『Mimicry, Control, Destruction! I understood most of it! DESTROY DECADE! Destroy all and connect all.』
剣を取り出したアクト。
固く握り締めた彼はゆっくりと足を動かし、徐々にスピードを上げて走って行く。
そして剣を縦に振り、ディエンドに襲いかかった。
それを後退されることで避けられたが、左手でパンチを食らわせる。右手で受け止められたとしてもすぐに弾き飛ばし、剣と銃身をぶつけ合った。
「どうだった? 自分が化け物になって! 俺と碧たちも化け物に変えてっ!」
「最高の気分だった……。身体が分解されて異形のものに変わっていく。あの瞬間を見て、実際に肌でその感触を味わった時にはもう……! これ以上の快楽は存在しないね……!」
「……!」
「分かっているさ。自分がまるでイカれていることは。だが、怒りで自身がイカれてしまっては何も起こらないっ!」
怪物と戦う者は、自らが怪物と化さぬよう心せよ。
ドイツの哲学者、ニーチェの言葉の体を成した言葉で軽い説教をして、アクトの腹部を左足で蹴飛ばすディエンド。
するとディエンドはスロットに2枚のカードを挿れ、銃身を伸ばし引き金を引いた。
『カメンライド。カイザ! イクサ!』
現れたのは、黒い体に黄色のラインが入った戦士──仮面ライダーカイザと、十字架のような仮面と太陽のマークを持った戦士──仮面ライダーイクサだ。
二人とも剣を使ってアクトと戦闘を繰り広げ始める。
「何が……どうなってるの……!?」
ようやく立ち上がった碧は、今目の前で繰り広げられている光景を頭の中でどうにか整理しようとするが、どうにもこうにも出来ない。
とにかくトランスフォンを取り出してカードをかざした。
だがいつものように音声がなってドライバーが出現することが無い。何度やっても結果は変わらない。
画面を確認するとそこには──
「え!? どう言うこと!? グアルダっ!」
画面に表示された文字の群に動揺を隠せない碧。
すると文字が消えて代わりにグアルダがひょっこりと姿を現した。
『すまない。全て春樹に頼まれたことだ』
「! 春樹が……?」
『ああ。今、お前に出来るのはこの状況をただ見守るだけだ』
「どうして碧さん、変身出来ないんですか……?」
当然のように遊撃車の中も動揺していた。ただでさえ相手が強敵にも関わらず、手持ちの戦力の片方しか使うことが出来ないのだから。
薫の質問に森田が答える。
「二人の使うトランスフォンを使用するためには2つの条件をクリアしなければならない。
一つは『カードで認証をすること』。もう一つは『グアルダの許可を貰うこと』。いくらカードを使ったとしてもグアルダが許可しなければ使用することは出来ない」
「じゃあ、つまりは……」
「ああ。
『アタックライド。クロスアタック!』
ディエンドがカードを使った瞬間、
『EXCEED CHARGE』
『イ・ク・サ・ジャ・ッ・ジ・メ・ン・ト』
二人の剣にそれぞれエネルギーが溜まっていく。
対抗するかのように、アクトもカードケースから1枚のカードを取り出し、ドライバーに取り付けられているトランスフォンの裏側にかざした。
『ATTACK RIDE, "SLASH"』
アクトのディスペルクラッシャーの刃にマゼンタのエネルギーが溜まっていく。
そして三人同時に斬撃を放った。
3つのエネルギーがぶつかり合い、炎の煙を巻き上がらせる。
「グァァッ……!」
カイザとイクサの姿が消え、変身の解除された春樹が転がっていく。
その様子を横から静かに見つめていたディエンドが口を開いた。
「君と碧はフォルクローの中でも、零号の養分になることの無いイレギュラーな存在。倒した時にどんなカードを形成するのかすごく興味がある。
……だが、私は今日忙しいんだ。
するとディエンドはディエンドライバーにカードを装填。銃身を操作して引き金を引いた。
『アタックライド。インビジブル!』
ディエンドは己の体を透明にして、その場から立ち去った。
なんとかして立ち上がろうとする春樹。
と、そこに遊撃車にいた筈の井川が春樹の前に現れ、右手を差し伸べる。それを握って春樹は立ち上がった。
「どう言うこと……? 説明して!」
碧が春樹に対して大きな声を放つ。鋭い眼光が自身の亭主を睨む中、それ以上に春樹が睨みを効かせていたため、碧はそれ以上に何も言えなくなってしまう。
「分かった。後ほど説明しよう。碧。いや、
妻である碧のことを捨てた苗字で呼ぶ春樹は、これまでに見たことの無い冷たい表情を見せる。
飲み込めない事態の連続に、碧は息を吸うタイミングを見失っていた。
────────────
「本日付けで、君は警視庁公安部に異動してもらう」
「……はい?」
室長、いや、岩田さんが俺にそう言ってきたのは俺が19歳、警察学校を卒業してから1年も経っていない頃だった。
そもそも警察学校を卒業してからは殆どが各都道府県の交番に勤務することになる。実際、俺も目黒区のとある交番で勤務をしていた。
休日を使って都内のお洒落なカフェの中で、五月蝿い雑踏の中から岩田さんの話すことに耳を傾けるが、良く聞こえてもさっぱり意味が解らない。
「いや、ただの交番勤務の俺をどうして」
「ああ。言いたいことは分かっている。こんなことを頼むのは私も初めてだ。
ただ、君の洞察力に身体能力は在学中から飛び抜けていた。まぁ、テストの成績はまずまずだったが。
そんな君の力を借りて、捜査しなければならないことがある」
岩田さんは紺色のブリーフケースからタブレット端末を取り出し、画面を操作すると俺に見せてきた。
表示されているのは海外の論文のようで、題名は日本語にすると「低刺激性犬」。
「常田海斗。アレルギーを持つ人でも触れるよう改良した犬を遺伝子操作で開発した、その手の界隈の言わば奇才だ」
「ほう……」
すると岩田さんはやや前屈みになり、周りを気にしながら小さな声で話を続けた。
「実は、この常田博士が違法な研究に手を染めている可能性がある。我々としてはその研究内容の把握と、一刻も早い逮捕を望んでいる。そのために彼の周辺人物に接触して、情報を集めて欲しい」
「だとしたら他の人たちに頼んで研究仲間から情報を集めれば
「いや。研究者と言う者は同業者に手の内を明かすことを殆どしない。だから
「誰です? その人は」
再びタブレットを操作する岩田さん。
そして再度画面を俺に見せた。
そこに映っていた人物の名前は──。
その2ヶ月後。俺は碧に接触した。
互いに本の好きだった俺たちはすぐに意気投合し、定期的に会うようになった。
親しくなったとは言え彼女は母親を亡くしている。無闇矢鱈に父親のことを訊くことは野暮だと思った俺は、なるべく訊かないようにしていた。
得られた情報は、今は研究に没頭しており中々家に帰って来ないこと。兄が失踪して実質的に彼女が独りぼっちになってしまったことだけ。
月に1度の定期報告で何も書くことが無く何とも言えなくなってしまったが、まぁそれは無礼講と言うことで。
彼女に押されて半ば強引に付き合うことになってから暫くして、岩田さんに呼び出された俺と碧は零号に関する全てを聞いた。
そうして碧による壁画の解析が始まったわけで、それを支えることも俺の職務の一つとなった。
多忙な合間を練って解析を進める彼女の横顔を眺めることしか出来ない俺は、あまりにも無力だ。
いや、ただの捜査対象にそんなことを思う必要が無い。
ただ──。
そしてアールたちが来て、あまねを守ることを目的も
だが肝心の常田教授の手がかりは一向に掴めないまま。本来の目的も達成出来ないまま、新たな課題が次々とのしかかってくる感覚に嫌気をさしながら、ついに「人間」と言うものを捨てる時がきた。
フォルクローになれば、何事も無い限りは半永久的に生き続けることが出来る一方で、生殖機能の一切を失う。
要は人間と言う道から外れるため、人間として種を残すことが出来ないと言うわけだ。
そんなことを良くもまあ了承してくれたなと思い碧の顔を見る。
拳を握って大きく呼吸をする彼女は俺の視線に気がつくと、ニッコリと微笑んで少し離れた俺に手を振って白い棺の中に入っていった。
続けて俺も棺の中に入ろうとしたその時、フロワが横に来て話しかけてきた。
「出血大サービスで教えてあげようか?」
「? 何をだ?」
耳元で色気のある声で囁かれたことが、俺の脳裏にびっしりとへばりついてしまった。
「この実験を指示したの、
────────────
2021.12.24 16:28 東京都 新宿区 SOUP
「じゃあ、春樹さんが碧さんに近づいたのって……」
「ああ。全て捜査のためだ」
春樹がドアの前で全てを話した後、室内は沈黙が流れ空気が下へと沈んでいった。
それ以上に何を言えば良いのか、誰も正解が解らないのだ。
「たまたま同年代で、たまたま同じ過去を背負った俺が彼女に接近するしかなかった。それだけの話だ。……ただ」
春樹が言葉を紡ごうとしたその時、碧が突如立ち上がり、無言で胸ぐらを掴んだ。
そしてドアを開いて春樹を左の方に投げ飛ばす。
「何だ? ……怒っているのか? 俺がずっとお前を騙していたから」
「違う!」
下を向いて両手を思いきり握りしめる碧。
そして顔を上げた。
両目からは透明な液体が流れ、唇を塩辛い味が染めていく。
「悲しいのよ……。どれだけ貴方を愛そうと、どれだけ貴方と一緒にいようと、どれだけ貴方に抱かれようと、全部嘘だったんでしょっ!」
「全部が全部嘘じゃない。お前を愛していることに何ら変わりは無い。これだけは事実だ」
「嘘」
「嘘つきはどっちだ。お前だって、『悲しい』と言いながら優先しているのは『怒り』、だろ」
身体を震わせる碧に対し、ほんの少しだけ口角を上げる春樹。
今の二人の間にあるのは、ただの愛情じゃない。
それが裏返った結果の、言わば怨念だ。
「グアルダ、変身を許可して。この感情をどうにか整理したいけど、実力を行使しないとどうにも出来ない」
『……分かった』
二人はカードを端末にかざして、腹部にドライバーを出現させる。
そして各々カードを取り出した。
碧が取り出したカードの絵柄は、実に奇妙なものであった。
左側の舞妓と右側の西洋の騎士が向かい合う構図が、エジプトの遺跡に描かれる壁画のようなタッチで描かれており、下部には「No.025 EARTH ORGA」と印字されている。
一方の春樹のカードには、金色の懐中時計を見つめるライダースーツの男が描かれており、「No.163 BLACK BARLCKXS」と白く書かれている。
それぞれトランスフォンのスロットに挿した。
『"BARLCKXS" LOADING』
『"ORGA" LOADING』
電源ボタンを押した。
春樹のゲートからは大きな黒い飛蝗が跳び出し、碧のゲートからは黒い馬が駆け出して来た。
「「変身」」
ポーズを決めることも、大声を出すことも無く、静かに声を発して端末を装填した。
『『Here we go!』』
素体に変わる二人。そして各々の体に次々と黒い鎧が装着されていく。
アクトの左肩から襷のように金色のパーツがかかり、額には「ライダー」と書かれた金色のパーツが飾られていた。
一方のリベードの腰からローブが伸び、頭部には簪のようなパーツが沢山着けられている。
『Monitoring, Steal, Reset all! I’m an administrator of history! BLACK BARLCKXS! An era which you were living, is unsightly, ain’t it?』
『Chosen, Betrayed, Cheers sound! This is the force of the caesar of the earth! EARTH ORGA! I wish I hadn’t thought that dream and curse are same.』
仮面ライダーアクト バールクスシェープ。
仮面ライダーリベード オーガシェープ。
黒と金の鎧に身を包んだ男女は剣を取り出し、そして走り出して行った。
新型未確認生命体の残り総数
書いている時に「龍騎」の第49話を観たんですよ。あれヤバいですね……!
一応石ノ森章太郎先生が描いた「仮面ライダー」の原作通りにしたいなと思っているんです。
フヘヘ。
【参考】
講談社シリーズ MOOK 仮面ライダー 平成 vol.10 仮面ライダーディケイド
(講談社, 2015年)
「仮面ライダーディケイド」第12話『再開 プロジェクト・アギト』
(脚本:會川昇, 監督:長石多可男, 2009年4月12日放送)
「レッドアイズ 監視捜査班」第1話
(脚本:酒井雅秋, 演出:水野格, 2021年1月23日放送)
「劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」
(脚本:井上敏樹, 監督:田崎竜太, 2003年8月16日公開)
仮面ライダーオーガ|仮面ライダー図鑑|東映
(https://www.kamen-rider-official.com/zukan/kamen_rider_members/133)
木場勇治|仮面ライダー図鑑|東映
(https://www.kamen-rider-official.com/zukan/characters/946)
警察の階級とは?警察官の階級で就ける役職にも違いがある
(https://www.police-ch.jp/keisatsu_kaikyuu.html)
遺伝子組み換えで誕生した最新の生物トップ10|WIRED.jp
(https://wired.jp/2008/04/03/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E7%B5%84%E3%81%BF%E6%8F%9B%E3%81%88%E3%81%A7%E8%AA%95%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%9710/)
今作のキャラクターたちの日常を描いたスピンオフがあったら、読みたいですか?
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読みたい。
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そうでもない。