新キャラの初登場回です。
宜しくお願い致します。
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
2022.01.10 14:05 東京都 杉並区 杉並区民ホール
「一気に3人も上級のフォルクローか……。面倒なことになったなぁ……」
リベードが面倒くさそうに呟く。
その間にデュークたちは赤い弓──ソニックアローを手に取って身構えた。
するといきなり、シグルドが矢の形をしたエネルギーを発射してきた。
それを剣で弾き落とす。
デュークとマリカが接近して襲いかかってきた。
弓に付いた刃でデュークが斬りかかるが、リベードが剣で防いでその勢いのままに左脚で蹴りを入れようとする。
だがマリカが左脚を左手で掴み、振り下げて二人が胸部を斬った。
「グッ……!」
後退するリベード。
だがその間にも標的たちは迫って来る。
走って来る間に、リベードはカードを取り出して、ドライバーから取り外したトランスフォンに装填した。
『"WIZARD" LOADING』
すぐさま電源ボタンを押して、ドライバーに挿し込んだ。
『Here we go!』
再度デュークとマリカが弓で斬りかかってくる。
後ろに宙返りをして避けた瞬間、銀色の鎧は解け、代わりに赤い鎧が装着されていく。
『Witchcraft, Activate, Bibi de bob de boo! I’ll be your last hope. MYSTERIOUS WIZARD! It’s showtime.』
ウィザードシェープに変身を遂げたリベードに対し、デュークの左足とマリカの右足が正面から襲いかかる。
だがリベードはそれらを蹴飛ばし一回転、宙空にてカードをかざした。
『"COPY" please』
するとリベードの着地地点のすぐ横と、シグルドの隣に赤い魔法陣が出現。そこからリベードと全く同じ姿をした分身たちが飛び出して来た。
これで3対3。互角の勝負と言えよう。
リベードとデュークは同等の剣舞を魅せる。互いの剣が弾かれてはぶつかり合うのを繰り返して、いくつも火花が舞っていく。
マリカは主に脚技を得意としていた。なんとか強烈な攻撃たちを両腕で防いで反撃を繰り出していく。
シグルドは左利きだ。右利きのリベードとの戦いではやや不利になってしまう。それでもリベードは上手く食らいついていた。
そしてそれぞれの個体が行き着いた先は、ホールの駐車場の方にある森の中だった。夏になれば樹木は緑で溢れるのだが、1月の今は一切の葉っぱが付いておらず、寂しく思えてくる。
戦闘の結果、リベードたちは3人の標的たちによって囲まれた。高い戦力を持った相手が束になってかかって来たのだ。無理も無い。
囲んだ張本人たちはソニックアローに、ドライバーに付けられたロックシードを取り付けた。
『『『ロックオン!』』』
弓を引いて焦点をリベードたちに合わせる。次々に色とりどりのエネルギーが溜まっていった。
『レモンエナジー!』
『ピーチエナジー!』
『チェリーエナジー!』
矢が放たれた。
黄色、ピンク、赤色の矢が的に向かっていく。
するとリベードたちは1枚ずつカードを取り出して、端末にかざした。
『『『"CONNECT" please』』』
矢の前に1つずつ赤い魔法陣が現れて、その中へと矢が吸い込まれていった。
「「「?」」」
と、次の瞬間。
「「「!」」」
デューク、マリカ、シグルドの背中に強い衝撃が走った。
倒れる衝撃で後ろが見えた三人が見たのは、同じような赤い魔法陣だった。
「まさか……!」
そう。
先程の矢は魔法陣を通して彼らの背中に移動したのだ。
これで不利な状態は完全に打破出来た。
そしてリベードたちは、トランスフォンを取り出してディスペルクラッシャーにかざした。
『『『Are you ready?』』』
端末をドライバーに再度挿し込む。
『『『OKAY. "WIZARD" CONNECTION SLASH!』』』
「「「テリャァァァッ!」」」
炎を纏った斬撃を三人にそれぞれ食らわせるリベードたち。
ダメージを負ったのか、後退した三人は変身を解除されてしまう。
それを確認したリベードは再び一人に戻った。
「ねぇ、ボスって誰? ……まさか!」
一人、思い当たる節があった。
自身の最愛の人を襲った人物……。
「所謂『零号』だろ? 残念だけどそれは違うな」
シドがリベードの中で組み立てられた仮説を否定した。
「言っておくけど、別人だから。あとボスって呼び方は正直嫌」
ヨーコもそれに乗っかる。
「私の趣味だ。良い呼び方だろ?」
リョーマが笑顔でヨーコに軽く反論をする。
彼ら三人の言っている意味が解らず、戸惑うリベード。
「じゃあ、一体誰?」
その時だった。
『CREATE MY FAV ZONE』
「ようやく
中性的な女性の音声と同時に、突如としてリベードたちの周りの風景が変化を始めた。
巨大な樹木が数多くあったこの場所は、いつの間にか真っ暗になり、樹木は全て消えていた。
「え? 何だこれ!?」
遊撃車の中にいた深月が突如として声を上げた。
全員がパソコンの画面を見て混乱している。
本来、彼らのパソコンには各々様々なものが表示されている。その中で共通しているのは、アクトやリベードの仮面に取り付けられているカメラから、リアルタイムで映像が転送されている。そこから送られてくる映像は、例え地下数十メートルであろうが、宇宙空間であろうが、理論上は途切れることが無い。
だが、今表示されているのは赤い文字でこうとだけ書かれている。
なんとか圭吾が対応をする。
だが何ともならず、音声も入ってこない。
目の前で繰り広げられている光景に、全員が唖然とするしかなかった。
突然、音と共に少しばかり明かりが見えた。
どうやら壁の一面は巨大なスクリーンになっているらしく、そこに文字が映し出される。
何が何だか全く解らない。
ここは何処なのか。
何故自分が歓迎されているのか。
「ようこそ! 俺のプレゼンテーションへ、碧」
耳馴染みのある声が耳の中に入ってきた。
まさか……!
前を向くと、そこに立っていたのは1人の男だ。
襟の部分に毛皮の付いたオレンジ色のコートにジーパンを履いた、茶髪の男だ。
リベードの息が先程よりも荒くなり、震え始めている。
何とか声を絞り出して、言葉を発した。
「お兄ちゃん……!?」
変身を解除するリベード。
次に見えたのは、碧の言葉に微笑みを向ける男──常田
「久しぶりだね。ざっと8年ぶりくらいか」
「う、うん……。そんなことより! どうしてここにいるの? ていうか、ここは何処なの!?」
碧に向けて左の掌を見せる八雲。
どうやら、やんわりと「私語を慎め」と言っているようだ。
「まぁまぁ。
八雲は説明を始めた。
「ここは『ファブゾーン』。自分の好きな空間を創造することが出来る。そして、どうして俺がここに来たかと言うと、
「
すると、八雲の隣に突如としてモニターが現れた。そこに表示された文字は
「『Purification To Perfection』、通称『P-2-P』システム。新世代のライダーシステムで、
「? ちょっと待って。『俺の作品』ってどう言う意味……?」
「あれ? 知らなかったっけ?」
「ライダーシステムを作ったのは、俺だよ」
父親に似たニッコリとした笑みを浮かべる八雲。
頭の中を行ったり来たりする言葉を理解することは出来るが、信じたく無いのか何処かで拒否している。
「作った……? これを?」
手元のトランスフォンを見つめる碧。
「そう。言わば一連のものは全て
ようやく頭が追いついてきた。
自身の父が
「まさか、米国のメモリアルカードの研究に加担した研究者って!」
「そう。俺だ。まぁ、作った本人が参加したんだから、質は良い筈だよね」
「嘘……」
「……。話を続けよう」
八雲の隣にあるモニターの画面が変化し、別の文字群が姿を見せる。
1. Can be used for mankind
2. Separation
3. Summoning
4. Adhesion
「これら三つが、このP-2-Pシステムの特徴さ。まぁ、お前の場合は口頭で説明するよりもボディランゲージで説明した方が早い。出血大サービスだ」
改めて八雲の全体像を見ると、左腰にアクトやリベードが使っているのと同じカードケースが着けられている。
その後方のスロットから八雲は1枚のカードを取り出した。
白い円の中に「KAMEN RIDER NEX-SPY」とポップなオレンジ色の文字で書かれており、下部には白く「YAKUMO TOKITA」と印字されている。
カードを自らの左手首に着けられている黒い腕輪の丸い部分にかざした。
『NEX CHANGER』
先程と同じような女性の声と同時に、腕輪の上に銀色のパーツが設置された。
手首の方にはカードが入る程のスロットがあり、もしもスロットにカードを装填すればカードの全体像が見えるようになっている。更に腕輪とパーツの間に若干の隙間、と言うよりスロットがある。
パーツの手首の方の側面には、ピンポン玉と同じくらいの大きさの黒いダイヤルがあり、その側面は上から時計回りに黒色、赤色、青色、オレンジ色に色分けされている。尚、現在スロットの方に合っているのは黒い面だ。
「これが、要となる『ネクスチェンジャー』だ」
「ね、ねぇ。ちょっと待って。もしかして……お兄ちゃんも、
なんとか声を絞り出す碧。
ライダーシステムを使えると言うことは、彼も異形のものに変わってしまったと言うことになる。
「いや。俺は
「え? どう言うこと?」
「それがP-2-Pシステムの第一の特徴さ。フォルクローだけでは無く人間も使用出来る。使用する権利を持つ者に、種族も
すると八雲はカードケースの前方のスロットから、もう1枚カードを取り出した。
左を向いた橙色の戦士が銃を構える姿が描かれており、下部には「KAMEN RIDER NEX-SPY」と書かれている。
「まぁ、いいから黙って見ててよ」
上の方のスロットに、裏返したカードを装填する。
『"NEX-SPY" LOADING』
更に親指、人差し指、中指の三本でダイヤルを90度回し、オレンジ色の面に合わせた。
『CHANGE』
金属がぶつかり合うような重苦しい待機音が流れる。
同時にオレンジ色の四角い枠が八雲を覆った。
八雲が両腕を大きく回し、3本の指が伸びたままの右腕が縦になると、その外側に腕輪を着けた左腕が横に付き、十字が出来上がった。
そして八雲は叫んだ。
己の成果を妹に見せつけるための四文字を。
「変身」
右の掌でダイヤルを押し込んだ。
『Let's go!』
両腕を下げると、枠の中に白い煙が発生。八雲の姿が見えなくなる。見えるのは、人と宙空に浮かぶ鎧らしき幾つかのパーツの黒い影だけだ。
パーツが人の形をした黒い影に合わさった瞬間、突如として枠が破裂。白い煙は辺り一面に撒き散らされ、戦士の姿が初めて見えた。
橙色の体に銀色の鎧が両腕両脚、胸部や両肩に着けられている。同じ色の三角形の2つの複眼が光る頭部には、ヘッドフォンのような形の耳や、2本の鋭い角が着けられており、口元は銀色のパーツでマスクのように隠されている。そして腹部には銀色のベルトが着けられており、アクトやリベードと同じようにカードケースが取り付けられている。
『This is RIDER SYSTEM of next generation. I’m KAMEN RIDER NEX-SPY! I hate grind and future.』
「仮面ライダーネクスパイ。それが今現時点での俺の名前だ」
ネクスパイに変身した八雲は自身の両腕を挙げてじっと見つめる。
どうやらかなり満足している様子だ。
「始めようか。
P-2-P
(イメージCV:ermhoi)
正式名称は「Purification To Perfection system」。
次世代型のライダーシステムであり、それまでのものとは比べ物にならないような性能である。
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(イメージCV:宮野真守)
生年月日:1993年5月21日
出生地:長野県
所属:不明
好きなもの:焼肉、研究、モーニング娘。
嫌いなもの:不明
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「P-2-Pシステム」の語源は言わずもがな、金子勇氏が発展させた「Peer to Peer」システムです。
これでP-2-Pシステムがどのようなものだか、ざっと予想出来るかと思います。
【参考】
幻想世界13ヵ国語ネーミング辞典
(コズミック出版, ネーミング委員会編, 2019年)
https://rider.b-boys.jp/gaim/pdf/dx_07.pdf
米津玄師 Kenshi Yonezu - KICK BACK - YouTube
(https://www.youtube.com/watch?v=M2cckDmNLMI)
Peer to Peer - Wikipedia
(https://ja.wikipedia.org/wiki/Peer_to_Peer)
そう言えば、椎名夫妻とSOUPのメンバーの出会いを書いていなかったのですが、読んでみたいですか?
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本編で読みたい。
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スピンオフ形式で読みたい。
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どっちでも読んでみたい。
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そんなに読みたくない。