仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第39話です。
ついに、アイツが登場します。
宜しくお願いいたします。



【イメージED】
AI - 最後は必ず正義が勝つ

【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question039 What is new function of her system?

2022.01.18 14:35 東京都 板橋区 板橋みどり公園

 武器を持ったリベードとネクスパイが、スタークとイーティングに向かって行く。

 対するスタークもスチームブレードとトランスチームガンを取り出し、イーティングは両腕に鋭い鉤爪を出現させた。

 

 リベードの剣がイーティングの両手の鉤爪で防がれる。

 剣が弾かれた勢いを利用して逆手持ちに変えると、鉤爪が退いた隙をついて、胸部を刃先で斬りつけて右足で蹴り飛ばした。

 

 一方のネクスパイはスタンガンをスタークの体に当てようとするが、やはりスタークの動きは素早く、なかなか当たらない。

 ようやく当たりそうになったところでも、スタンガンのボディを両腕で固定されて、これ以上動かせなくなってしまう。

 

「ようやく本領発揮してくれるのか?」

「いや。まだ3、40パーセントだ。これだけでも十分なんだよ」

「そうか。それは……舐められたもんだなぁ!」

 

 両腕を急に挙げ、ネクスパイが攻撃を仕掛けられない間に、強烈なパンチを連続で繰り出されてしまった。

 

「ごあっ!」

 

 後退をする。

 だがそれでもネクスパイは立ち向かおうと、カードを取り出してスロットに挿し込む。

 

『"PSYGA" LOADING』

 

 ダイヤルを青い面に合わせる。

 

『WEAPON』

 

 そして押し込んだ。

 

『Summon its!』

 

 するとネクスパイの背中に巨大なユニット──SB-315F フライングアタッカーが出現。

 右手にインディペンデントショッカーを持ったまま、レバーを持って上昇を始めた。

 

 上空にいるネクスパイを撃ち落とそうとするスターク。

 だが標的の動きはかなり素早く、銃弾はなかなか当たらない。

 

 そして地面スレスレのところで飛ぶと、猛スピードでスタークに迫ってスタンガンの電極をぶつけた。

 

「!」

 

 攻撃の勢いで吹き飛ばされてしまうスターク。

 

 同じ頃、リベードもイーティングをもう少しで追い詰めることが出来るところまで来ていた。

 

「さて、仕上げと行こうか」

「うん!」

 

 

 

 

 

 その時だった。

 

 

 

「待ちなさい」

 

 声が聞こえた。

 男性の声と女性の声が混ざったような声だ。

 

 その瞬間、全員の動きが止まった。

 まるでマネキンのように、指一本動かせなくなってしまう。

 

 この圧を、恐怖を、リベードは知っていた。

 

 全員が恐る恐る声のする方を向く。

 

 そこに立っていたのは、摩訶不思議な風貌をした人物だった。

 黒いチノパンツ*1にチャックを閉じた黒いパーカーを羽織り、頭部を完全にフードで覆っている。

 そして、そんな黒ずくめで全身を覆われたその顔に着けられていたのは──

 

「鉄腕……アトム……?」

 

 そう。鉄腕アトムのお面だ。

 一見ユーモラスな格好であるが、全身から出るオーラはそれに似合わない程に、禍々しい。

 

 そして何よりも、この場に似つかわしくない風貌である。

 

「誰だ? お前……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君たちは私のことを、『零号』と言っているんだろう?」

 

 全員が凍りついた。

 

 今目の前にいる相手が、最終的に倒さなければならない者。何れ自分が生贄に捧げられる者。

 そして、自分の夫を傷つけた者──。

 

「じゃあ、春樹をあんな風にしたのは……」

「ああ。その節はすまなかった」

 

 あっさりと認めた。

 本来であれば怒りを露わにしたいが、身体が強張って動かない。

 

「それで……何の用だ……?」

 

 震える声でネクスパイが問う。

 

 すると零号を名乗る黒ずくめの人物は、スタークの方を向いた。

 

スターク(百五十四番)。私は君のやりたいようにやらせている。当然、他の生贄たちにもだ。

 だが、もういい加減早くしてくれ。私は待ち遠しいんだ」

「……分かったよ」

 

 うんざりとした声で受け答えるスターク。

 それを確認すると、零号は後ろを向いて去って行こうとする。

 

「待って!」

 

 リベードが声をかけると、零号は前を向いたまま足を止めた。

 

「貴方……普段何処にいるの……?」

 

「……娘さんは、元気ですか?」

「! どうしてそれを……!?」

 

「いえ。なんとなく……」

 

 それだけ言い残し、零号はまるで霧のように消えていった。

 まるで幻のようだ。夢のようでもあった。

 

「はぁ。めんどくせぇな……」

 

 するとスタークは銃と剣を合体させ、トランスチームライフルを完成させた。

 そしてレバーを上げてボタンを押し込むと、バルブを時計回りに3回回し、銃口をイーティングへと向けた。

 

『デビルスチーム!』

 

 引き金を引いた。

 銃弾はクネクネと動き、行った軌道には煙で跡が出来ている。

 

 その銃弾がイーティングに命中した時、身体に変化が起きた。

 まるでライオンのような形状であり、オレンジ色の右翼と紫色の左翼が付いて、右肩には鷹、左肩には海豚、胸には牛を模したオブジェが付けられている。

 

「じゃあ、俺はアイツに言われた通り急がなくちゃいけないから、もう帰るぜ。チャオー」

 

 するとリベードが突然、逆手持ちにした剣を投げた。

 そしてその刃は、スタークの左腕に突き刺さった。

 

「グッ!」

 

 赤いスーツにより濃い色の赤が染み込んでいく。

 ゆっくりと剣を外して投げ捨てるスターク。

 

「どういうつもりだぁ……?」

「ちょっと、確かめたいことがあって」

 

 鼻を鳴らしてそのままスタークは立ち去った。

 

 スタークを追いかけようとしたリベードだが、巨大化したイーティングの足によって吹き飛ばされてしまった。

 

 なんとか立ち上がって、先程スタークが投げ捨てた剣を持って立ち向かって行く。

 だがイーティングは羽が生えた影響で素早く動けるようになっており、なかなか手をつけられない。

 それにこの巨体だ。そもそも攻撃が通用しない。

 

 すると

 

「碧! 俺が時間を稼ぐ。早くコイツを倒せ!」

「でも、こんなデカいのどうやって!?」

「俺が時間を稼ぐ。そしたらお前のネクスチェンジャーに新しく付けた機能を使え!」

「え? 何それ!?」

 

「あの雨宮とか言う奴に頼まれたんだよ! お前のの機能をもっと拡張してくれ、って。いいからそれ使え!」

 

 ネクスパイは上空でスタンガンを投げ捨てると、1枚のカードを取り出した。

 

 それは先日、倒されたクラッシュトゥから精製したカードだった。

 ピーテル・ブリューゲル*2が描いた「イカロスの堕落のある風景」の右半分が描かれており、大きな船と何故か海中から両脚が見えている。

 そして下部には「No.093 CRASHED ICAROS」と白く印字されている。

 

 そのカードをネクスチェンジャーの上のスロットに装填した。

 

『"ICAROS" LOADING』

 

 ダイヤルを赤い面に合わせる。

 

『Are you ready?』

 

 そして押し込んだ。

 

『OKAY. "ICAROS" BORROWING BREAK!』

 

 するとイーティングの頭上に、カードに描かれていた船を模した巨大なエネルギー現れた。

 それはゆっくりと落ちていき、やがてイーティングに直撃した。

 

 衝撃で怪物は砂を撒き散らしながら両脚が地面にめり込まれてしまう。

 

『成程な。そう言うことか』

 

 突如としてグアルダが発言をした。

 

「どうしたの?」

 

『圭吾がプログラミングした新たな機能のことだ。ネクスチェンジャーの下方のスロットにトランスフォンを装填することで、殺傷能力の高い技を使うことが出来る』

「へぇ。どんな?」

 

【簡単に言えば、相手の体を分子レベルで分解しバラバラにする、と言うことだ】

「……!」

 

 考えただけでも恐ろしい。

 絶対に助かることは無いだろう。

 まさに「必殺技」と言うわけだ。

 

「物は試し、ね」

 

 リベードは持っている剣を左手に持ちかえ、ダイヤルを赤い面に合わせた。

 

『Are you ready?』

 

 さらに、説明の通りにトランスフォンをネクスチェンジャーの下のスロットに装填した。

 

『SUPER CONNECTION!』

 

 軽快な音楽が腕輪から鳴っていく。

 その間、刃には着々とエネルギーが溜まっていき、みるみるうちに重くなっていった。

 

 そしてダイヤルを思いっきり押し込んだ。

 

『OKAY. "REVE-ED NEX" CONNECTION BREAK!』

 

 するとイーティングの周りが辺が青色の小さな立方体で埋め尽くされていく。

 いや違う。

 怪物の身体が立方体に変換されていっているのだ。

 コンピューターでは、一つの画像を表示する際に小さな正方形に分け、それを再構築することによって表示する。

 それと同じようなことだと思えば良い。

 

 リベードが剣を右手に持って刃を上に向けると、青色の大きなエネルギーが伸びていく。

 

 腕を伸ばして大きく振った。

 その瞬間、青色のエネルギーが斬撃となって怪物を斬り裂く。

 そして立方体はバラバラに崩れ落ちて、その場に爆発が起こった。

 

 やはりその巨体のために、爆発の勢いは凄まじく、強風で上空のネクスパイも地上のリベードも吹き飛ばされそうになる。

 

『THE END OF VOLKLOW』

 

 ネクスパイの手元に、1枚のカードがやってきた。

 

『Have a nice dream.』

 

 ギュスターヴ・モロー*3の描いた「キマイラ」が可愛らしいアニメーションのキャラクターのように描かれており、キマイラは「I LOVE MAYONNAISE」とピンク色で書かれた白いTシャツを着ている。

 そして「No.095 EATING BEAST」と書かれていた。

 

 二人は上空と地上で溜息を吐く。

 そして、ふと炎の上がる方を見て、その場を後にした。

 

 

 

────────────

 

 

 

2022.01.18 17:23 東京都 新宿区 焼肉専門店 ぎゅう

「それでは皆さん、お疲れ様でした!」

「「「「「「うぇーい」」」」」」

 

 いつもの個室の中で、メンバーたちは飲み物が入った容器をぶつけ合う。

 そしてそれを飲んで、細やかな祝杯をあげ始めた。

 まぁ、一番の目的は八雲の歓迎会ではあるのだが。

 

「どうなることかと思ったよ。あの時は」

「ホントすみません。これ、奢りです」

 

 圭吾は自分が焼いたカルビを箸で、八雲の取り皿の中へ入れていく。

 軽く会釈をして口の中に運ぶ八雲。

 

「ところで、どうやってあのシステム思い浮かんだんですか?」

 

 深月が烏龍茶の入ったコップを置いて訊く。

 だが

 

「「え、えぇっとその……」」

 

 何故か気まずそうに、圭吾は口を噤み始めた。それだけでは無い。何故か薫もだ。

 下を向いてゴニョゴニョと呟くその様子に、深月と碧と八雲は顔を見合って戸惑う。

 

 すると

 

 

 

「「「コイツら()()()()()したんだ!」」」

 

 突如として個室の扉が開いて、リョーマにヨーコ、シドが顔を見せた。

 何故か怒りに震えた顔を見せながら叫ぶ三人の声で、圭吾と薫は一瞬顔を上げたが、再び気まずそうに下に向けてしまう。

 

「これは……え?」

「大丈夫だ。うちには椎名夫妻と言う前例がいる」

 

 答えを見出せない深月と、優しくフォローをする森田。

 だがそれは帰って逆効果になってしまった。

 

「もういいや! 経験無い俺らはカウンター行くぞ!」

「はーい」

「了解」

 

 そのまま三人は席に座ることは無く、向こうのカウンター席に座って注文をし始めた。

 

 一気に構築されていった関係性に笑いながらも戸惑う碧。

 

「なぁ碧」

「?」

「ちょっといいか?」

 

 突如として八雲に声をかけられた。

 何用かと思うと、八雲に手招きをされて、店の外へと連れ出されていった。

 

 コートを着忘れてしまったがために、夜の風に体が吹かれて寒い。

 そんな中で、八雲はスマートフォンして画面を見せた。

 

 そこに映っていたのは、見覚えのあるCDのジャケット。

 

「え、『LOVEマシーン』?」

 

 そう。モーニング娘。の名曲「LOVEマシーン」のジャケットの画像だった。

 スクロールをしていくと、今度は見たことの無いジャケットが2つも出てくる。

 

「『シャララ!やれるはずさ』、『女と男のララバイゲーム』……。何これ?」

 

「米国と開発したメモリアルカード、その3枚を基に作った」

 

 八雲の発言に驚愕する碧。

 まさか、ハロプロの曲をベースに作った……!?

 

「どんな能力があるの?」

「いや、()()()()()よ」

 

 今度は混乱をさせるようなことを言ってきた。

 

「意図的に空白を残して完全には完成させなかった。だからそのまま使うことは出来ないし、その空白も俺みたいな、超ナチュラルスーパー天才じゃないと埋めることは出来ない!」

 

 要はガラクタに過ぎないと言う話だ。

 意味を理解して納得と共に安心をする碧。

 

「ただ」

 

 だが八雲の放った接続詞に安心が薄れそうになる。

 

()()なら、解き明かすかもしれない。下手したら、もうすでに……」

 

 先程のような余裕そうな表情から一転、雲行きが怪しくなってきた。

 

「ねぇ、私からも一つ質問良い?」

「何だ?」

 

「『彼女』って、誰なの?」

 

 ずっと気になっていた。

 こんなにも自分を天才として崇める八雲が、これほどまでに恐る女は一体誰なのか。

 

 

 

「名前は……大野花奈(はな)

「大野……?」

 

 何処かで聞き覚えのある苗字であった。

 だが肝心なところで思い出せない。それが自分の欠点であることは重々理解しているのだが。

 

 なので、そんな彼女に八雲は正解を教えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのクロトとか言うやつの、姉だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時点で未確認物質解析班が把握している

新型未確認生命体の残り総数

通常71体

B群10体

不明1体

合計82体

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: What is new function of her system?

A: It is to connect two devices.

*1
チノクロスと呼ばれる綿やポリエステル、麻などでできたパンツのこと。

*2
Pieter Bruegel(1930頃 - 1569.09.09):オランダの画家であり、主な代表作に「バベルの塔(The Tower of Babel)」「雪中の狩人(The Hunters in the Snow)」等がある。

*3
Gustave Moreau(1826.04.06 - 1898.04.18):フランスの画家であり、主な代表作に「イアソン(Jason)」「オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘(Jeune fille thrace portrait la tête d'Orphée)」等がある。




【参考】
講談社シリーズ MOOK 仮面ライダー 平成 vol.4 仮面ライダー555(ファイズ)
(講談社, 2015年)
講談社シリーズ MOOK 仮面ライダー 平成 vol.14 仮面ライダーウィザード
(講談社, 2015年)
「パンツの種類ってどんな種類があるの?」今回はパンツまとめます! - LOCONDO MAGAZINE
https://www.locondo.jp/shop/contents/note/apparel_pants_type151216/
https://toy.bandai.co.jp/assets/products/rider/documents/4549660168089000.pdf
イーカロス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%82%B9
ピーテル・ブリューゲル - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB
ブリューゲル?「イカロスの堕落」を超解説!この絵の異様さにアナタは気づける? - アートをめぐるおもち
https://omochi-art.com/wp/landscape-with-the-fall-of-icarus/
【美術解説】ピーテル・ブリューゲル「オランダルネサンス絵画の代表的画家」 - Artpedia アートペディア / 近現代美術の百科事典・データベース
https://www.artpedia.asia/pieter-bruegel/
ピーテル・ブリューゲル-主要作品の解説と画像・壁紙-
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/brueghel.html
ギュスターヴ・モロー - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%83%BC
キマイラ ギュスターヴ・モロー 絵画解説
https://artmuseum.jpn.org/mu_kimaira.html
リリース詳細|ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト
http://www.helloproject.com/release/detail/EPCE-7339/
モーニング娘。 女と男のララバイゲーム 歌詞 - 歌ネット
https://www.uta-net.com/song/104895/
モーニング娘。 LOVEマシーン 歌詞 - 歌ネット
https://www.uta-net.com/song/12080/

そう言えば、椎名夫妻とSOUPのメンバーの出会いを書いていなかったのですが、読んでみたいですか?

  • 本編で読みたい。
  • スピンオフ形式で読みたい。
  • どっちでも読んでみたい。
  • そんなに読みたくない。
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