ちょっと、ね。
結構辛い回になると思いますが、宜しくお願いいたします。
【イメージOP】
Roselia - 閃光
【イメージED】
AI - 最後は必ず正義が勝つ
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
2022.02.04 07:00 東京都 港区 高輪ゲートウェイ駅
八雲たちがいる場所の下にある、山手線のホーム。上で非常事態が起こっているからなのか、誰もいない。
彼ら以外は。
今まさに変身を遂げようとしているミソラの様子を、平井勝司とアールたち三人が眺めていた。
「本当に、あれで良かったんですか?」
アールが平井に話しかける。
「? どう言う意味だ?」
「貴方は片方の娘さんのためにもう片方を改造し、尚且つ自我を失った彼女に二十九番を憑依させることで生きながらえさせた」
「それを提案したのは君たちだろ」
「けどそれを受理したのは貴方よ。変身出来る彼女の能力は素晴らしいからね。けど、もう私たちには手がつけられなくなっちゃった」
フロワが釘を刺すように言った。
それ以降、平井は何かを言いたそうにしていたが蓋をされたように言葉が出せなくなってしまう。
「とにかく、私は君たちに自分でも信じられない程の金額を注ぎ込んできた。後は、分かっているね?」
「はいはい。分かった分かった。だからおじさん、ちょっと黙っててね。期待に沿う形にはなると思うから」
期待に沿う形。
人間をフォルクローに改造する技術を使って、死んだ娘を甦らせる。
そのために彼は多額の投資をし、自身の会社がスポンサーを務めるニュース番組に圧力をかけて、情報を操作してきたのだ。
だからこそ、このクライアントから失敗は許してもらえない。
だがアールたちは戦々恐々とすることは無く、ただニヤリと微笑んで上で繰り広げられる光景を見つめていた。
「エボルト、フェーズ1、完了」
上では、江戸川ミソラが「エボル」と呼ばれる形態へと変貌と遂げていた。
新たな姿になった彼女に驚きを隠せない五人。
だがすぐに深月を遊撃車の方へと帰した他の四人はドライバーとそれぞれのアイテムを取り出した。
『"NEX-SPY" LOADING』
『レモンエナジー!』
『ピーチエナジー!』
『チェリーエナジー!』
「「「「変身!」」」」
同じように姿を変えた八雲たち。
各々が武器を取り出してエボルへと立ち向かって行った。
まずはシグルドの左手に持たれた弓の刃がエボルの体に当たろうとする。
だがエボルはその刃を右手で受け止め、ゆっくりと前へ押し出す。
そして空いている左手でシグルドを押し返した。
「ノッ!」
飛ばされるシグルドをしっかりと掴んで立て直すネクスパイ。
代わりにデュークとマリカが同じ武器を持って敵に立ち向かって行った。
2つの刃がぶつかろうとしたその時、エボルの身体が突如として液状化。攻撃は空振りに終わってしまう。
お返しとして、いつの間にか背後に立っていたエボルに、掌から放たれた衝撃波で吹き飛ばされてしまった。
「「グァッ!」」
今度はネクスパイが自身のスタンガンでエボルに攻撃を仕掛ける。
その攻撃が胸部に当たり、若干たじろいだのだが、やはり明確なダメージは与えられていないようであった。
続くようにデューク、マリカ、シグルドが武器でエボルに攻撃をしようとした。
するとエボルは左の掌に赤黒い球を作り出した。
そしてそれをバウンドのように自身の足元に叩きつけると、辺りに衝撃波が走って向かって来た四人は吹き飛ばされてしまった。
「行っておくが、フェーズ1の今の俺は2パーセントしか力を出していない。それで言えば、お前たちは、俺にとっての1パーセントにも満たないと言うわけか?」
余裕そうな声を出すエボル。
その態度に苛ついたのは全員であったが、その中でも特にシグルドが苛ついていたようだ。
「舐めやがってっ!」
シグルドが再び剣を握り締めて向かって行こうとする。
そんな様子を見ていたエボルは、一つ溜息を吐いた。
「仕方ない。じゃあ、
丁度同じ頃、
海斗は黒い線の入った青色のマグカップで、花奈はいつもの白いマグカップでコーヒーを飲み干す。
「それにしても、よくあんなにパトロンから資金を取れましたね」
「あぁ。はっきり言って、簡単だったよ。彼から取るのは」
花奈のデスクにあるコーヒーメーカーからサーバーを取り出して、中のコーヒーを注いでいく。
もう少しでサーバーの中身は無くなりそうだ。あと一杯分があるかどうかも判らない。
「ところで、
貴方は、『もう手をつけられない』って言っていましたけど」
すると海斗はサーバーの中の僅かな中身を、自身のマグカップの中に入れ始めた。
どうやら中をいっぱいにするだけの量はなかったらしく、半分程しか貯まらない。
「それは、見れば分かるよ」
そして海斗はそれを一気に飲み干し、ニヤリと笑みを浮かべた。
その笑みに、花奈は何か底知れぬものを感じ取りながら、ゆっくりと他所を向いた。
さて、話の議題に上がった本人は向かって来るシグルドの方を見つめながら、ドライバーの青いレバーに手をかけて回し始めた。
変身の際と同じく、歓喜の歌をベースとした音楽が流れ始める。
『Ready go!』
右足を後ろにして腰を落とす姿勢をとるエボル。
すると後ろの右足の周りに、まるで宇宙のような色をした円形のものが浮かび上がり、それが彼の右足へと集約されていく。
『エボルテックフィニッシュ! チャオ!』
大きな赤い複眼が光った瞬間、全員に嫌な予感が走った。
「逃げてっ!」
だが走り出してしまったシグルドは急には脚を止められない。
そのため、声を出したマリカがシグルドのもとへ走り出し、シグルドを横にはね飛ばしてその立ち位置についた。
と、次の瞬間、力の籠った右足がマリカを襲った。
「ギィァァァァッ!」
吹き飛ばされることは無く、彼女は爆発に巻き込まれた。
止んだ後に見えたのは、変身を解除されたヨーコが膝から崩れ落ちていく姿だった。
「ヨーコっ!」
ネクスパイの悲痛な叫びが駅の中にこだまする。
その叫びに気がついたヨーコがゆっくりと、声がした後ろの方を向いた。
何かを言っているようであるが、口がパクパクと動いているようにしか見えず、何を言いたいのかが全く分からない。
「折角だし、お前たちに教えてやるよ」
エボルの声によって、見なければいけない対象は2つになった。
「俺たちフォルクローがアイテムを作り出す方法は3つある。
一つ目は自分の身体、と言うよりエネルギーを削って精製すること。
二つ目はシンプルに自分で開発をすること。
そして三つ目は……」
するとエボルは一つのアイテムを取り出した。
歪な形をした砂で汚れた石のような色味をしたものだ。
それを突然、ヨーコの方へと向けた。
その瞬間、突如としてヨーコの体は徐々に粒子状に崩れていく。粒子は徐々に右手に握られたアイテムの中へと吸い込まれていく。
徐々に粒子が生まれ出してきた時に、ネクスパイたちはヨーコの口からどんな言葉が出ようとしていたのかを悟った。
たすけて
だがそれに気がついた時にはもう遅く、助けを求めていた当の本人は消えてしまっていた。
あまりのことに誰も声を出すことが出来ない。
何かを放とうとするが、唇が震えて上手くいかない。
そんな彼らを他所に、エボルは言葉の続きを教えた。
「他のフォルクローを養分にすることだ」
するとエボルが突然アイテムを左手にかざした瞬間、彼の左の掌に1本のボトルが生み出された。
白くマークが描かれた青いボトルで、下部には青龍を模したオブジェが付けられている。
ドライバーの赤いボトルを取り出して、手元のボトルを挿し込む。
『ドラゴン! ライダーシステム! エボリューション!』
青いレバーを回すと、ボトルのパーツがそれぞれ上下運動を始めた。
前と後ろに、最初の変身と同じくプラモデルのようなパーツが前と後ろに現れ、2つのパーツを繋げるパイプが両端に見える。
『Are you ready?』
再び両腕を前の方に出した瞬間、パーツが一気に一体化し、エボルを新たなる姿へと変えた。
他のパーツや胸の天球儀に何ら変わりは無いが、新しいボトルのパーツと同じく、青龍のような複眼と顔を新たに手に入れたのだ。
『ドラゴン! ドラゴン! エボルドラゴン! フッハハハハハハハハハハ!』
仮面ライダーエボル ドラゴンフォーム。
まずは1人、自分の中に取り込めた。
「フェーズ2、完了」
新型未確認生命体の残り総数
【参考】
「仮面ライダービルド」第33話『最終兵器エボル』
(脚本:武藤将吾, 監督:諸田敏, 2018年4月29日放送)
変身ベルト DXエボルドライバー|仮面ライダーおもちゃウェブ|バンダイ公式サイト
(https://toy.bandai.co.jp/series/rider/item/detail/5617/)
https://toy.bandai.co.jp/assets/products/rider/documents/4549660236108000.pdf
そう言えば、椎名夫妻とSOUPのメンバーの出会いを書いていなかったのですが、読んでみたいですか?
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本編で読みたい。
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スピンオフ形式で読みたい。
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どっちでも読んでみたい。
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そんなに読みたくない。