仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第50話です。
宜しくお願いします。



【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question050 What is their new force?

2022.03.04 12:39 東京都 品川区

「これがP-2-Pシステムの最終形。私が仮面ライダーピアA、ピカロが仮面ライダーピアB。二人合わせて仮面ライダーピアーズ」

 

 突如として変身したフロワとピカロ。その衝撃は碧を掻き乱した。

 

「ねぇ、あれどういうこと?」

「一人がネクスチェンジャーを使用し、もう一方が専用のデバイスを使うことで、1つのネクスチェンジャーで2人が変身出来る。それがP-2-Pシステムの行き着く先だ」

 

 何も知らない碧に八雲が解説を始める。動揺する碧の横で淡々と。

 

「そう。そういうわけで、今から僕たちのデモンストレーションの相手になってよ」

 

 ピアBが楽しそうに言う。

 今から戦闘が始まりそうな雰囲気を察知した碧と八雲は、同じくネクスチェンジャーを取り出してカードを装填した。

 

『"REVE-ED NEX" LOADING』

『"NEX-SPY" LOADING』

「「変身!」」

 

 変身を遂げた二人。

 するとピアBはそれを見て二人の方へと走って行く。そして跳び上がって右足で回し蹴りを食らわせようとした。

 

「オリャァッ!」

 

 だが二人は上体を反らすことで軽々と避け、反撃を試みる。

 着地をしたピアBは左手で目の前のリベードの頬を殴った。右脚で再度回し蹴りをしようとしたがリベードが、右脚を左手で避け流し右手で同じように顔面に一発お見舞いしようとした。だがピアBはそれを左手で受け止め、ゆっくりと外側に移動をさせて、手を離した瞬間に右手の裏拳を彼女の胸部に食らわせた。

 

「ガァッ!」

 

 後退するリベード。

 

『Summon mine!』

 

 出現させたインディペンデントショッカー スタンガンモードを右手に逆手持ちし、ピアBの背面に電極を当てようと振り上げた。

 と、次の瞬間。

 

「ッ!?」

 

 自身の背中に2つの衝撃が走った。実際、彼の背中からは煙の筋が立っている。

 振り向くとピアAがインディペンデントショッカー マグナムモードの銃口を向けていた。その銃口からは同じように煙が立っている。

 

 容赦無く引き金を引いて銃弾を次々命中させていく。その度に白い煙が姿を見せて火花が共に散る。

 

「グハァッ!」

 

 同じく後ろに退いたネクスパイ。

 

 今が好機なのだろう。ピアBは二人の首を掴んで前の方へ投げた。

 投げ込まれた先は大きな倉庫の中だった。大量のコンテナが置かれており、車2台が通れる程のスペースしか通れる道は無い。

 

「結構強いわね」

「ああ。流石は俺が作ったシステムだ」

 

 立ち上がりながらピアーズの能力を誉める二人。同時にリベードはネクスパイの自画自賛に呆れた様子も見せる。

 

「そうね。じゃあ、これは知らないでしょ」

 

 するとピアBと共に倉庫の中に入って来たピアAは1枚のカードを取り出した。

 カードの上には赤い格闘ゲームの、下には青いパズルゲームのスタート画面が描かれており、下部には白く「No.144 SEPARATED PARA-DX」と印字されている。

 そのカードをネクスチェンジャーのスロットに挿し込んだ。

 

『"PARA-DX" LOADING』

 

 ダイヤルを1回転させて再びオレンジ色の面に合わせる。

 

『CHANGE』

 

 するとピアーズの鎧が無くなるのと同時に、二人の後ろにそれぞれゲートが出現。ピアAのゲートからは青色のスライムのような形の、ピアBのゲートからは赤色のボクサーの形をした鎧が前に飛び出してきた。

 

 そしてピアAはダイヤルを押し込んだ。

 

『Here we go!』

 

 目の前の鎧が分解され、二人に装着されていく。

 ピアAには胸部と両肩に青色の大きな鎧が装着され、頭部にはベレー帽のような形をした同じく青色のパーツが着けられる。その全てにパズルのピースを模したカラフルな絵が描かれている。

 一方のピアBの胸部にも赤色の同じような鎧が着けられ、両手には大きな赤色のナックルが装着されているが、内側には両手を動かせるための穴ができている。そして頭部には金色の鉢巻や赤い立った髪の毛のようなパーツが着けられ、それら全てに炎が描かれている。

 

『Infection, Breeding, Playing the game! Let’s enjoy with me. SEPARATED PARA-DX! My heart is moving.』

『Connect completely.』

 

 仮面ライダーピアーズ パラドクスシェープの誕生だ。

 

「そんな馬鹿な……! P-2-Pシステムではメモリアルカードを使った形態の変化は出来ない筈なのに……」

「そう。だから()()が改良してくれたんだよ。良いでしょ〜」

「……『彼女』ってまさか!」

 

 二人の脳裏にある一人の名前が浮かび上がる。だがそれを口に出すのは野暮な気がして敢えて言わなかった。

 

「さて。もうそろそろ()が来るから、そろそろお開きにしましょうか」

「うん! お姉ちゃん!」

 

 ピアBがリベードとネクスパイの方へ走り、二人に両手のナックルで横へと一気に殴り飛ばした。

 

「「ゴハァッ!」」

 

 横にあるうち、上の方のコンテナにぶつかり地面に落ちる二人。あまりに一撃を重かったのか、立ち上がるのがやっとの状態になってしまう。

 

 それを見たピアAは1枚のカードを取り出し、下の方のスロットを通過させた。

 

『"ENERGY ITEM"』

 

 カードの効果が発動し、メダルが倉庫内に現れる。通常、メダルたちはランダムな場所に置かれたままになるのだが、何故かメダルたちが彼女の頭上に集結し始めた。

 そして止めを刺そうと、ピアAはダイヤルを回して赤色の面に合わせた。

 

『Are you ready?』

『Get ready to do deathblow.』

 

 ダイヤルを押し込むと、ピアーズにそれぞれ3枚のメダルが割り当てられる。

 

『OKAY. "PARA-DX" BORROWING BREAK!』

 

 メダルを受け取ったピアBの拳が銀色に発光。同時に目にも留まらぬ速さで移動を始めた。それを目で追おうとするが、その瞬間に腹部に強烈な痛みが走ると同時にリベードとネクスパイは天井近くまで高く打ち上げられてしまった。

 何が起こったのか分からないまま痛みに悶える二人に対して、ピアAは上空へ跳び上がると両足を前に突き出した。すると両脚が突如として伸び、色とりどりのエネルギーが溜まった足が二人を襲った。

 

「「グァァァァッ!」」

 

 蹴り飛ばされた二人は倉庫の外に飛ばされ、変身を解除された状態で床に叩いつけられてしまう。起き上がろうとするが、全身に痛みが走って身体が動かせない。

 

 そんな中、二人の左耳に着けられている黒いイヤホンに深月から無線が入った。

 

『後5秒でフォルクローたちが来ますっ!』

 

 深月が言葉を放った瞬間、赤いカーテンから報告通り10体の化け物が現れた。それぞれが違う武器を持ち、違う体表の色をしているのだが、唯一揃っていることは頭部から2本の鋭い角が生えていることだ。まるで鬼のように。

 

【警察庁より通達。以降対象たちを新型未確認生命体第五十七号郡『デモンズ』と呼称する】

 

 碧と八雲はピアーズとデモンズに挟まれる形になってしまう。上手く身体が動かない今の状態は、まさに危機一髪と言える。

 

「どうする? もう、動ける体力残ってないけど……」

「そうだな……。どうすれば……」

 

「えぇ。結構マズい状態でしょうね」

 

 ピアーズ側にいたアールがニコニコと笑顔を見せている。

 

 

 

 

 

「なので、奥の手を用意させていただきました」

「え?」

 

 刹那。その場にいる全員を強風が襲った。

 一体何が起こったのかと驚く一同。

 

 見ると、碧たちとデモンズの間に()()がいた。楕円形の緑色の複眼が付いた全身が黒い怪人で、その体には大量の棘が付いており、両腕前腕の外側の側面と両脚の裏側には(ひれ)のように棘が集中している。さらに全身にはまるで神経のように緑色の線が入っている。

 そして注目すべきはその腹部だ。装着されているのはアクトドライバーのようで、左側にはトランスフォンが着いている。

 だが右側にあるのは従来のようなプレートではなく、黒い正方形の箱だ。真っ黒な箱の真ん中で「CRACKING」の文字が発光している。

 

 肩幅に開いた両脚と落ちた腰。その姿を例えるための何かが、その時彼らには分からなかった。

 だが今ならば分かる気がする。

 

 比喩を使うのではなく、直球な言葉で()()を表現するのが良さそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれはまるで、()()()でしたよ」

 

 そう言う深月の表情は、この取り調べの中で一番暗いものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: What is their new force?

A: It is the black monster.

そう言えば、椎名夫妻とSOUPのメンバーの出会いを書いていなかったのですが、読んでみたいですか?

  • 本編で読みたい。
  • スピンオフ形式で読みたい。
  • どっちでも読んでみたい。
  • そんなに読みたくない。
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