もうすぐシーズン2も折り返しになる、かも。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、どうぞ宜しくお願いします。
【イメージOP】
Roselia - 閃光
【歌詞使用楽曲】
AKB48 - ヘビーローテーション
(作詞:秋元康)
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
Question052 Why doesn’t he come back to them?
?????
「『ポップコーンが弾けるに好きという文字が躍る。顔や声を思うだけで、居ても立ってもいられない』」
「すっごい良い歌詞だよねぇ。でもまさか、君がこの曲の題名を引用するだなんてねぇ」
フロワは両手に持った歌詞カードをピカロと一緒に見ながら書いてある歌詞を読み上げる。
表紙に印刷されているのは下着姿の3人の女性だ。そういえば、発表した当時はその艶っぽさから大きな話題になっていた。その艶っぽさを明かりの少ない部屋の暗さが引き立てている。
その曲の題名を引用したという事がなんとも言えないのだ。引用した人物が人物なだけに。
「良いでしょ。あの人はモー
花奈が自身のパソコンと睨み合いながら言う。どうやら今は忙しいらしい。目線を二人に配ることは無く、喋りもしない文字の群勢が注目の的のようである。
「ただこれで、我々もカードを精製することが可能になりましたね。碧さんはともかく、少なくとも、八雲さんは用済みでしょう」
右手にメモリアルブックを持ったアールがなんとも恐ろしいことを笑顔で言う。発言と表情が全く一致していないために、彼の顔を見ようと振り返った花奈は失笑した。
「それに、
花奈が目線を配った場所をアールたちも見る。奥の方に簡易ベッドが置かれており、その上で黒装束の男が気持ちよさそうに眠りについている。正体は、言わずもがな、であるが。
そんな彼のことを見ながら、四人は静かに笑みを浮かべた。微笑ましさからだ。だがその微笑ましさは人としてではない。ただの獣、言わばペットに似ている。
────────────
2022.03.04 16:33 東京都 新宿区 SOUP
部屋の中では碧たちが自身の席に座っていた。さらに森田の席の左側には岩田も立っている。いつも警察庁で待機している筈の岩田がここにいるということは、相当な非常事態というわけだ。
「結論から言えば、警察庁は彼を駆除対象とすることになりそうだ」
岩田の発言に全員が驚愕する。駆除対象になった、ということは、彼らは春樹を倒さなくてはならない。
「そんな……。じゃあ、私たちは春樹さんを……」
深月は唖然としてしまう。
「覚悟はしていたが、まさか現実になるとはな……」
森田の発言で深月、薫、圭吾の三人は思い出した。嘗て春樹と碧がフォルクローだと話した時、彼らは密かに話していた。もしも二人が自身らの敵に回ったとして、倒すことは出来るのか否か。それっぽくふんわりとした結論を出して、それ以降は何も考えないようにしていたのに。
こうなっては、あの時に結論を出しておけば良かったと思ってしまう。
「春樹さんを元に戻すことは出来ないんですか?」
「どうしてああなったかが一切分からないのでなんとも……」
薫が訊くが、圭吾は何も見当がつかないらしい。
全員が途方にくれる中、碧はふと八雲の方を見た。何かを言いたげにしていそうだが、口から出ようとするものを強制的に喉の奥へ戻そうとしているようである。
「お兄ちゃん、何隠してるの?」
「……いや」
「何か隠してるなら答えてよっ!」
言葉の最後に碧は自身のデスクを右手で思いっきり叩いた。苛立ちを隠せていない声と大きな音で、その場の全員は固まりながら碧の方を見る。
もう隠すことは出来ないようだ。
八雲が口を開こうとした。
「実は……」
『その点については私が説明しよう』
突然グアルダが森田のデスクの右側にあるモニターに、突如としてグアルダが姿を見せた。話すべき人間が自分ではなくなったのだが、表情が暗いことに変わりはない。
すると画面が可愛らしい猫のキャラクターから一変。何かの設計図らしき図面が出てきた。トランスフォンが挿さったドライバーの右側に、四角い何かが付いている。先程春樹が変身した姿の腹部に着いていたものと全く同じものだ。
それが一体何を示しているのか解らない一同に対し、姿を消した猫は説明を始めた。
『春樹のドライバーに付けられていた物体の名は『クラックボックス』。元は
再度驚愕する一同。
「え!? じゃあ、あれで春樹さんや碧さんたちは改造されたってことですか?」
深月が驚くままにグアルダに訊く。
『そうだ。元々は生物の遺伝子配列を変えるための装置だったらしい。実際のところは分からないがな。だが、それを大野花奈は上級のフォルクローを怪人態に戻す、或いはその怪人態の強化のための装置に改良をした。春樹が目覚めたのはこの装置の影響だ』
「だから春樹さんはアーマーも何も着けてないあの状態に変身出来たんだ。本来であればありえないのに……」
薫の言う通り、先程の彼のようにアーマーを何も着けていない状態での変身は通常は不可能だ。
そもそも、薬剤が投与された瞬間に変身する素体というのは、言ってしまえば彼らの怪人態だ。だが怪人態だけではあまりにも軟弱であるために、必ず鎧が装着されるようになっている。故に今回のケースは前代未聞なのだ。
今度は圭吾が疑問を呟いた。
「そもそも、何で春樹さんはこっちに戻ってこなかったんでしょう? きっと何か理由がある筈ですけど……」
『考えられる理由が1つだけある。……私だ』
意味が解らず困惑してしまう。頭の中で色々と考えを巡らすが、答えがどうしても導き出せない。
『順を追って説明しよう。変身の際に体内に投与される薬剤の中に、もう1種類別のものを混入させることによって薬剤性
それがクラックボックスを変身に使う際の副作用だ』
答えは先に彼が教えてくれた。だがどうしても引っかかってしまうことが一つある。それを一番知りたいであろう碧が言語化してくれた。
「でも、それだったらグアルダが薬剤の投与を阻止出来るんじゃないの?」
「いや、むしろ逆だ。グアルダがいるからこそ投与されてしまう」
八雲の発言のせいで、一つまた一つと晴れていく事柄に再び雲がかかってしまう。だが晴れない雲など無い。ここは彼の意見を聞くことにしよう。
「簡単に言えば、彼の存在を感知した瞬間に薬剤が投与される仕組みになっている筈だ。これはグアルダがどうこう出来ることじゃない……」
流れる沈黙。全員が熟考しているのだ。最善の策を。
「なんとか彼の意識を元に戻す方法は無いのか?」
「それは──」
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2022.03.04 18:11 東京都 新宿区 SOUP
「無い……? 無いってどういうこと!?」
全てを聞いたあまねが八雲が訊く。一緒に食卓を囲む碧と八雲の中で、一番詳細を知っている男が口を開いた。
「グアルダは婿殿が使っているライダーシステムの中枢を担っている。取り除こうにも方法が見当たらないんだ。そもそも、クラックボックスの仕組みは俺には一切判らない。もしグアルダを取り除いた場合に、どんな影響が起こるのか分からないんだ」
「だからP-2-Pシステムを使うように、私のトランスフォンを使えないようにしたのね」
P-2-Pシステムはグアルダを介さずとも使用出来る仕組みになっている。なのでクラックボックスの影響を受けることは無い。こうなることを見越して八雲は彼女にネクスチェンジャーを勧める行動をしたのだ。
「じゃあ……パパはもう……」
あまねが頭を下げて震えた声を出している。啜るような声を後に出しながら、彼女は膝の上で両手をギュッと握りしめている。
彼女の右手に自身の左手を重ねる碧。だがあまねはそれでも顔を上げようとしない。
「大丈夫。私たちが連れて帰ってくる……。どんな方法を使ったとしても……」
「……ママの選ぶ方法って、必ずパパとママ一緒に帰ってくる方法だよね……?」
思わず碧はあまねの方を向く。あまねは赤い筋が入った目でじっと母親の方を見ていた。
何も言わなくても彼女の言いたいことは解る。父親が目が覚めるかどうか分からない状態になった上に、目覚めたら目覚めたで帰ってこないかもしれない。これ以上何かあったらと考えるだけで、胸が痛くなってしまうのだ。
「約束して。必ず二人で帰ってきて」
念には念を入れて口にする。
だが碧は笑みを浮かべるだけで、何も言うことは無かった。
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2022.03.05 08:10 東京都 江東区 キバランド
通報があったのは早朝のことだった。開演前の遊園地で2体の怪人が暴れている、と。幸いにも開演の準備をしていたスタッフはすでに退避をしており、怪我人や死傷者は出ていないようだ。
碧と八雲が荒れた園内に入った時、メリーゴーランドの前にピアーズの二人、つまり変身したフロワとピカロが立っていた。周りのアトラクションからは炎や煙が出ており、そんな状況でも彼ら楽しんでいる様子であった。碧と八雲の姿を確認すると、嬉しそうにピアBが手を振る。
「やっと来たわねぇ」
「待ってたよー」
足を止める碧と八雲。横にある回らないメリーゴーランドが間に入ってくれているようだ。
「何で暴れてるの?」
「まるで俺たちを誘き寄せているみたいだな」
ピアAが二人の発言に向けていきなり拍手を向けた。同時にピアBが両腕を使って頭の上で丸を作る。
「大正解! 実はもう二人はいらなくなっちゃったからね。僕たちもう変身出来るようになったし」
「そう。だから邪魔になった貴方たちを一掃しようということ。だから来てもらったの」
もうフォルクローを倒しカードを作り出すことが出来るようになった彼らにとって、碧と八雲はもう邪魔な存在に過ぎない。理由はそれだけで十分だ。
臨戦態勢に入ることを予想した碧と八雲は、カードを取り出して腕輪にかざそうとした。
すると
「それは勘弁して欲しいな〜」
メリーゴーランドの方から若い男の声が聞こえてきた。見るとゲーマドライバーを腹部に着けたクロトが回っていない馬に乗ってこちらに手を振っている。そして馬から降りて中を
「特に、彼女をやられるのは
指差しを止めて今度はピアーズの方に目線を配る。
「しないわよ。だって殺すのはきっと最後だから」
「なら良かったぁ。でも折角だし戦ってもらおうかな」
胸を撫で下ろしホッとした様子を見せるが、すぐに表情がただの微笑に戻る。
「えぇ〜。勘弁してよ。僕たちも暇じゃないんだよ」
「そう言わずにさ、試させてよ。この──」
するとクロトは灰色のジャケットに付いている右ポケットから1本のガシャットを取り出した。それは以前まで使っていた「マイティアクションX」のガシャットらしいが、色がいつもと違う。いつもは紫色であるのだが、表面が黒くパッケージもモノクロになっている。
取り出し自身の顔の横に出すと、黒色のボタンを押し込んだ。
「
『マイティアクションX』
後ろに出現したモニターの中から次々とチョコブロックが現れては、アトラクションの中や宙空へと配置されていく。
その中で彼は、ガシャットを半周回転させて自身の前に出し、テストプレイを開始する合図を放った。
「グレード0。変身」
ガシャットを1番目のスロットに挿し込んだ。
『ガシャット!』
そして挿した勢いのままにピンク色のレバーを展開し、中のパネルを明らかにさせた。
『ガッチャーン! レベルアップ!』
目の前に紫色のゲートが出現。それがクロトの方へと近づいていき、クロトの体を通過。彼の体を全く違うものに変化させた。
その姿はゲンムのレベル2と瓜二つであるのだが、微妙に違う。違いと言っても、体表の紫色のラインが白色になっているというだけなのだが。
『マイティジャンプ! マイティキック! マイティ〜アクショ〜ンX!』
レベル2とは全くの別物。レベル0の登場である。
変身に成功したゲンムは仮面の下でニヤリと笑みを浮かべると、標的二人の下にゆっくりと踏み出して行った。
【参考】
AKB48 ヘビーローテーション 歌詞 - 歌ネット
(https://www.uta-net.com/song/100001/)
東京の過去の天気 2022年3月 - goo天気
(https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220300/)
https://www.pmda.go.jp/files/000245311.pdf
そう言えば、椎名夫妻とSOUPのメンバーの出会いを書いていなかったのですが、読んでみたいですか?
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本編で読みたい。
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スピンオフ形式で読みたい。
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どっちでも読んでみたい。
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そんなに読みたくない。