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【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
2022.03.05 08:14 東京都 江東区 キバランド
「ねぇ。今は私たちの味方っていうことで良いんだよね?」
「もちのろん。任せてよっ!」
言葉の最後の方でゲンムは走り出した。ガシャコンバグヴァイザー チェーンソーモードを右手に装着し、ピアAに斬りかかる。だが彼女は攻撃を左側に避ける。今度は横に振ってピアAに攻撃を仕掛けるが、後ろに上体を逸らすことでまた回避されてしまう。
次の攻撃を仕掛けようとするが、ピアBが後ろから羽交い締めにして身動きを取れないようにする。
しかし
「ハァッ!」
ゲンムは前置き無しに上空へとジャンプ。その勢いについていけないのか、ピアBは地面に落下してしまう。そしてゲンムは上空から落ちていくのを利用して右足でキックをピアAに食らわし、さらに彼女を蹴り飛ばしてピアBへと飛び掛かり左手でパンチをお見舞いした。
「成程ね……。性能が格段に上がっている……!」
「見た目は全く変わらないのにね……」
「当然だよ。この天才の僕が何度も改良を重ねて作ったんだからね」
両手を腰の横に当てて自信満々な様子を見せるゲンム。圧倒的な自信が今の彼を高揚感に浸らせているようである。
「だったら、私たちも手加減出来ないわね」
するとフロワはカードケースから1枚のカードを取り出した。線路の上を骸骨があしらわれた古い列車と無数の独楽が走っている様子が浮世絵のように描かれており、下部には「No.066 SEPARATED YUUKI」と白く印字されている。
そのカードをネクスチェンジャーの上のスロットに挿し込んだ。
『"YUUKI" LOADING』
ダイヤルを一周させてまたオレンジ色の面にセットする。
『CHANGE』
同時に二人の上にゲートが出現。ピアAのゲートからは赤色の模様が入った黒い大きな独楽が、ピアBのゲートからはカードに描かれているのと同じ列車が飛び出してきた。汽笛を鳴らしながら列車が走る後ろを、独楽が親を追うように回っている。
もう一度汽笛が大きく鳴り響いたところでダイヤルを押し込んだ。
『Here we go!』
列車と独楽がバラバラに分解されて鎧となり、独楽がピアAに、列車がピアBに装着されていく。
二人に着けられた鎧は同じものだ。牙のような銀色の模様がついた黒色の鎧にマントが着けられており、複眼の上から黒い透明なパーツが装着されている。。だが二人とも少しだけ違っている。
ピアAに着けられているマフラーは赤色なのに対し、ピアBのものは銀色だ。さらにピアAの頭部の中心には赤色のラインが入ったパーツが着けられているが、ピアBの頭部には先程の列車に付けてあった頭蓋骨のオブジェが装着されている。
『Revive. Rally, Start the parade! I’ll get rid of you slowly. SEPARATED YUUKI! Why do you make her sad?』
『Connect completely.』
仮面ライダーピアーズ
独楽使いと海賊の力を使った形態に変身した。
『『DISPEL CRASHER』』
カードを下の方のスロットに通すとピアAにはガンモードの、ピアBにはソードモードのディスペルクラッシャーが装備される。
そしてピアBがゲンムの方へと走って行った。二人の武器に付けられた刃がぶつかり合う。彼らの力は互角であり、ぶつかったまま武器がその場を離れることは無い。
すると形勢が動く時が来た。突然背中に衝撃が走ったのだ。体勢が揺らいだ隙にピアBが押し込んで、横に一閃する。
「ヤァッ!」
「!」
後ろに退いたことで、先程の衝撃の原因が分かった。
ピアAの弾丸だ。小さな独楽の形をした弾丸が銃口から放たれると、真っ直ぐ飛ばずに曲がりくねってゲンムに弾丸が直撃する。
当たった場所から次々と煙が上がってくる。
さらに隙が生まれてしまう。
ピアBは剣で次々とゲンムを斬りつけた。
「ッアッ!」
チャンスだと思ったピアAはダイヤルを回して赤い面に回した。
『Are you ready?』
『Get ready to do deathblow.』
ダイヤルを押し込むとピアAは白いエネルギーが溜まっていく銃口を宙空に向け、ピアBは同じく白く発行する剣を構えた。
『OKAY. "YUUKI" BORROWING BREAK!』
「オリャァァァッ!」
引き金が引かれ、剣が縦に振られた。撃たれた弾丸は分裂。大量の独楽となる。
白い斬撃がゲンムに当たってからすぐに、上空の独楽たちがゲンムに直撃して一気に爆発を起こした。
「グァァァァッ!」
強烈な攻撃を受けたゲンムは紫色の粒子となって消滅した。
だがこれで終わりで無いことは、その場の全員が解っていた。
ゲンムが消滅した場所に代わりに現れたのは紫色の小さな土管だ。ここが遊園地だからなのか、奇跡的に場に合っている。
そこから出て来たのは、やはりゲンムであった。
「残りライフ84。お姉ちゃんとの戦いで一気にライフ減らしちゃったからな〜」
面倒くさそうに言うゲンムは再びピアーズの方へ向かおうとする。
「無駄だよ。確かにスペックは上がったかもしれないけど、僕たちには勝てないよ」
ピアBがゲンムを煽る。だが煽っている意識がまるで無いことが余計に腹立たしい。
だが、
「それは、どうかな」
ゲンムは余裕そうだ。先程の戦いで実力差を知らされても尚、そのような態度をしている彼に、ピアーズの二人は若干の違和感を覚える。
「どうしてそんなに余裕そうなの?」
「だって、君たちは僕の能力がコンティニューみたいな『蘇生』
フォルクローに与えられる能力は基本的に1つだけだ。江戸川ミソラの「吸収」やサマウントの「液状化」のように、その一つ一つが個性的で何度も春樹や碧たちを苦しめてきた。
それが1つだけではないという事実に、その場の全員が首を傾げている。
「じゃあ、見せてもらおうかしら。それをねぇっ!」
ピアAも武器を剣の状態にして、ピアBと共にゲンムには走り出して行った。
そして二人は剣を上げ振り下ろし、ゲンムに斬りかかった。
「かかったね」
ゲンムが2本の剣を己の手で掴んだ瞬間に、それは起こった。
「え? 何これ?」
「どうなってるの!?」
ピアAからはピンク色の、ピアBからは水色の霧がじわじわと出ては上がって消えていく。そうすると徐々に二人の剣を持つ手や立つために必要な両脚から力が出ていっていくような気がするのだ。
「僕のもう一つの能力は『弱体化』。触れたやつの能力を弱くする力を持っているんだ。こないだまで上手く使えなかったんだけど、このガシャットを作ったおかげでようやく出来るようになったんだっ!」
力が弱くなった二人の剣をゲンムは押し返し、一人ずつに蹴りを入れた。
後退するピアーズの二人。だがこれで終わるというわけではない。
実力がようやく互角になった三人は、再度武器を構えて火花を散らした。
「頑張ってますねぇ、彼ら」
一方、離れたところにあるジェットコースターのプラットホームには二人の男がいた。
左側のアールは双眼鏡を使って遠くを見ている。見ているのは勿論、戦っている三者である。
右側にいるのは春樹だ。虚な目でじっと前を見据えていた。
「さて、そろそろ貴方の出番かもしれませんね。こっちの隠し球を出す前に貴方も頑張ってもらわないと」
返事は無い。言葉も無く、頷くことも無い。だが代わりにトランスフォンとクラックボックスを出した。右手に持った端末で左手で下から鷲掴みにしている箱の上面をかざす。
『CONNECTING US』
いつもよりも低い声で端末が鳴ると腹部にドライバーが現れ、左手の中にあるクラックボックスが本来プレートがある筈のドライバーの右側に自動的にセットされる。
そしてトランスフォンのスロットに、いつもアクトへの変身に使っているカードを挿入した。
『"ACT" LOADING』
電源ボタンを押した。
すると大音量でイーゴリ・ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」の一部である「ロシアの踊り」をサンプリングした音源が流れ始める。
その中で春樹は静かに、誰にも聞こえないような声で呟いた。
「……変身」
端末をドライバーに挿し込んだ。同時にクラックボックスの真ん中で「CRACKING」の文字が光り始める。
『Here we go!』
すぐに春樹の体は緑色の素体へと変化する。従来であればそこに鎧が装着される筈なのだが、そんなものが着けられることは無く、突如として彼の体が黒く塗り潰され、さらには全身に鋭利な棘が生えてくる。
『Snatch away, Manipulate, Influence! This KAMEN RIDER is cracked! You are mine.』
黒い獣──仮面ライダーアクト クラックシェープはこうして生まれるのだ。
「グルゥゥゥッ……! ガァッ!」
理性の欠片も失ってしまった彼は、プラットホームから飛び出して行った。出来た黒い軌跡が誰もいない遊園地の中で一際目立っている。
その軌跡を見守りながら、アールはふと笑みを浮かべた。だが口角が上がるだけで目は表情に連動をしていない。彼の腹の内は、彼のみが知るところである。
「「「ハァァァァッ!」」」
3つの刃がぶつかり合っている中、三人の真横に何かが降ってきた。
「「「!」」」
衝撃で三人は後ろに吹き飛ばされ、さらにメリーゴーランドの屋根は完全に崩壊をしてしまう。
なんとか地面に着地をした三人や碧と八雲が前を見ると、そこにいる獣が眼中に入っていった。
「春樹……!」
愛する人の名前を呟くが、彼は何も発することは無い。ただ次の獲物となり得るであろうゲンムの方をじっと飢えた目で見ていた。
「へぇ。僕とやり合う気?」
「……」
「……じゃあ、始めようか」
するとゲンムはドライバーにセットされているガシャットを外し、ホルダーのスロットに装填した。
『ガシャット! キメワザ!』
銀色のボタンを押すと、全身やバグヴァイザーの剣心に紫色や白色のアメコミ漫画のようなエネルギーが次々と溜まっていく。そして右足を後ろにした状態で身構える。
『マイティクリティカルストライク!』
するとゲンムは猛スピードで前へと移動を始めた。同時にアクトも彼に向けて走り始める。
黒の線と紫の線が光っているように見える中では、二人が熾烈な戦いを繰り広げていた。
ゲンムが刃をぶつけようとすると、アクトはバク宙でそれを避けて右手で武器を払った。だがゲンムも甘くはない。払い退けられた勢いを利用して、左脚で思いっきり回し蹴りを食らわせた。
さらにゲンムは右手でパンチを繰り出そうとするが、アクトはそれを受け止めて押し返した。
最後にアクトの左手とゲンムの右手がぶつかると二つの間で衝撃が起こり、二人とも吹き飛ばされた。
だがそのやりとりにも終止符が打たれようとしている。
アクトがクラックボックスを内側に押し込んだのだ。
『Are you ready?』
トランスフォンを下の方へと押し込んだ。
『OKAY. "CRACKED ACT" DISPEL EXPLOSION!』
「ガア゛ア゛ッ!」
凄まじいスピードで走り出したアクト。その速さは先程までの比にならない程で、ゲンムには対処の仕様が無い。途中で高く跳び上がったアクトは前に一回転をし、ゲンムの右肩に右脚で踵落としを食らわせた。右脚の裏に着いているカッターが深く抉り込み、ゲンムに声も出せないような痛みが襲う。
ダラリと腕や顔を落として、ゲンムは紫色の粒子となってその場から消えてしまう。今度は土管から現れることは無い。恐らくは帰って行ったのだろう。
独り残ったアクトは目線の方向を右側へと向けた。先にいるのは碧と八雲であり、ゆっくりと彼ら迫って来ている。
自分たちが次の標的だと気が付いた二人はネクスチェンジャーを取り出して、カードを挿し込もうとした。
すると、
「ちょっと待ってくださいなぁ」
癖の強い声が二人の後ろから聞こえてきた。心当たりのある声がする方を見ると、そこではアールが相変わらず大きな顔の上で笑みを浮かべていた。こんな緊迫した状況で笑顔とは、まさに場違いであろう。
「多分、お二人は瞬殺されてしまいそうですね」
舐めた口を聞いたものである。若干の苛つきを覚えた二人はじっと彼ことを睨んでいた。
「実は一人、
言葉が終わった時、その場にいる全員の背中に冷たい空気が走ったような気がした。勿論比喩的な表現ではあるのだが、通ったという実感があまりにも生々しく、気味が悪くなってしまう。
ふと碧と八雲は自身の左側を見た。同じようにピアーズの二人やアクトもそちらを向く。
奥の方から一人の青年がゆっくりと向かって来ているのが分かった。黒いTシャツにジーパンを着た若い青年だ。子供のようにも見える童顔が高身長には似合わない。
「お前……誰だ……?」
「……リク」
八雲の呟きに短く答える青年。顔に見合っただけ、子供っぽいらしい。
「何、しに来たの?」
「……遊びに来た。まずは、君を倒しに」
リクと名乗った彼は、真っ直ぐとアクトの方を指差した。どうやら次の獲物はこの子供のような男らしいと悟った彼は、腰を落として戦闘態勢に入った。
どれだけの実力があるのかはまるで知らないが、この青年があの化け物に勝てる筈は無い。誰もがそう思っていた。
この時までは。
するとリクは下の方でゆっくりと手を広げた。何が始まるのかとこの場にいる全員や、遊撃車の中で待機をしている他のメンバーたちは固唾を飲んで見守っている。
その中で青年は静かに言った。
遊ぶための玩具を見て喜ぶ子供のように、屈託も無い笑顔で。
「変身!」
彼の周りに黒色と金色の霧が立ち込めてきた。それらは雲のように固まってぐるぐるとゆっくり回っていく。中では稲妻が走って雷鳴を轟かせていた。
稲妻が光っては消えていく中で、彼は姿を変えていった。両脚、胴、両腕、頭部。
雲が晴れて見えたその姿に全員が唖然とした。息を大きく吸っては吐き、今目の前で起こっている事象を無理矢理にも飲み込もうとする。
黄金で包まれた姿こそ見たことは無かったが、その黒い目や中心が黒くなった金色のドライバーを見て、一瞬で一体誰なのかは判ってしまった。
その姿はまるで──。
────────────
「まるで、何だったんですか……?」
深月が言葉を詰まらせたので、一条は聞き返した。
一体何故、彼がそこから先を紡ごうとしないのか、それは解らない。だが自分はこれ以上を聞いてはいけないような気がしてならないのだ。本能的に体が良しとしないのである。
「何だったんですか……?」
それでも自分は職務を全うしなければならない。
再度対象に訊いた。
ようやく深月は重い口を開いた。
そして、彼の口から放たれた言葉は、久しく聞いていなかった
「四号です……。五代雄介が変身した、未確認生命体第四号でした……」
【参考】
劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン - Wikipedia
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%8a%87%e5%a0%b4%e7%89%88_%e3%81%95%e3%82%89%e3%81%b0%e4%bb%ae%e9%9d%a2%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%80%e3%83%bc%e9%9b%bb%e7%8e%8b_%e3%83%95%e3%82%a1%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%ab%e3%83%bb%e3%82%ab%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%83%88%e3%83%80%e3%82%a6%e3%83%b3)
アクロバットの技一覧!難易度別に16種類をご紹介||Dews(デュース)
(https://dews365.com/archives/145036.html)
そう言えば、椎名夫妻とSOUPのメンバーの出会いを書いていなかったのですが、読んでみたいですか?
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本編で読みたい。
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スピンオフ形式で読みたい。
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どっちでも読んでみたい。
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そんなに読みたくない。