残り3話となりました今回、遂に中間形態が登場します!
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、どうぞ宜しくお願いします。
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
Question058 What kind of strategy did he work out?
2022.03.08 18:02 東京都 台東区
夜も更けた鶯谷を何組かのカップルが歩いている。だが彼らの視線は自分のパートナーではなく、一軒のホテルの前に停まっているパトカーたちに向けられていた。「前に」というよりも完全に建物を包囲しており、何人かのスーツを着た者たちと、盾と銃を構えた隊員たちが顔を見せている。
「ここは完全に包囲されている! さっさと出て来なさい!」
警察官と思われるスーツを着た男がメガホンを使ってホテルに呼びかけている。その場の全員がホテルの一室に目線を合わせて険しい顔をしていた。
その様子を春樹たち三人は部屋の窓から眺めていた。外の様子を確認するためという名目もあるが、それ以上に暗くなった外の中でパトランプたちが鮮やかに赤く光っているのが、なんとも言えないくらいに沁みるのだ。
窓から離れた春樹と碧はあまねの持ってきてくれた服に着替えを始めた。
春樹は黒色のTシャツに黒い長ズボン、そしてその上から緑色のモッズコートを身に纏う。一方の碧は黒いワイシャツに紺色のジーパン、さらに上からピンク色のチェスターコートを羽織った。
これでなんとか外に出るための格好に着替えられたわけだ。
すると、
「そういえばさ、ここに来る前に変な男の人から
「え? 誰から?」
「なんか、お蕎麦屋さんみたいな格好だった」
あまねが春樹に手渡したのは、分厚い茶封筒だ。封を破って中を確認すると、何枚かの白い紙が重ねて折られた状態で入っていた。取り出して広げ書いてある内容を確認した春樹は、何故かニヤリと笑うと中身を碧に見せた。
一体何なんだと碧も見てみると、なんとなく全てを悟ったのか同じように笑みを浮かべた。
「成程ね」
「そう。そういうこと」
「じゃあ、すぐにここを出ないとね」
「でも、どうやってここを出るの?」
そう言ったあまねの方を見る春樹と碧。絶対に何かを頼み込むつもりだと分かったあまねは思わず身構えた。
「何?」
「あまね、めちゃめちゃ危険な手を使うけど良いか?」
「……パパ、ママ、私ね──」
あまねは自身の両親の手を掴んで、意を決した顔を見せて言い放った。
「『ダイ・ハード』とか大好きなの」
暫くしてホテルの自動ドアが開いた。一体誰が出て来たのかを確認すると、目的としていた三人であった。あまねを真ん中に、彼女の右側には春樹が、左側には碧が立っている。
「彼女を離して、投降しなさい!」
銃口が三人に向けられる。
「投降」って、別に戦いを挑んだわけじゃないんだけどな、と思いながら、春樹と碧は互いの目を見つめて一つ頷いた。
その時、碧の周りに青色のオーラが纏わりつき、彼女の身体が再び異形のものへと変わっていった。
突然リベードの怪人態に変身を遂げた碧に驚く一同を他所に、碧はなんとあまねの全身を覆うように針を宙空に出現させた。さらには警察官たちの上にも針を出し、まるで雨が空で止まっているように見える光景を作り出した。
「言っておくけど、もし私たちを一度でも攻撃したら、どうなるか分かるよね?」
完全なる脅迫である。本来であれば要求に従うか、狙撃手によって射殺するかの二択に絞られる。だが今回の場合に後者を選べば、間違い無く取り返しのつかない結果をもたらしてしまう。そう思った全員が銃を下ろし、じっと三人を見つめた。
そしてそれを確認したリベードと春樹はいきなりその場から瞬時に姿を消した。同時にあまねの周りと警官たちの上にあった針は消え、脅威は去った。
すぐにあまねが数人の警官たちの保護される。その間、あまねはずっとさっきまで人のいた場所を眺め、ホッと息を吐いた。
────────────
2022.03.08 18:30 東京都 新宿区
地中深くにある狭い道の中は蛍光灯の白い光で照らされているため、地下とは思えないほどに明るい。
太い鉄製のパイプが何本かあるこの道の中で、深月たちは立っていた。まるで誰かを待っているように。
すると、
「驚いたわね〜。まさかSOUPにこんな抜け道があるだなんて」
彼らの前に現れたのは、追われる身である筈の春樹と碧だ。コートを腕にかけてゆっくりと歩き、彼らの前で立ち止まる。
「本当だな。深月、お前かなり成長したな。こんなのを用意するだなんて」
春樹が見せたのは、あまねから貰った茶封筒と中に入っていた紙の束だ。その紙は何枚かの地図であり、赤いサインペンで道がなぞられている。
自身の上司から貰った褒め言葉に、深月は右手で頭を掻いて笑顔を見せた。
「へへ。有り難うございます」
「あまりにも想定外だったからな。まさか、
恐らくは何のことだか分からないと思うので、ここで深月の考えた作戦の内容を説明しよう。
深月は自分たちが春樹と碧に再び接触出来る方法を模索していた。だが彼らの動きを誰かに監視されていることが考えられるため、無闇矢鱈に行動することは出来ない。さらに警察庁側から通話やメールを傍受されている可能性があるために、二人に電話をかけることも出来ない。
そこで深月が考えたのは、春樹の部下である平井を使うということだ。
まず蕎麦屋に変装させた平井に、地図の入った封筒を渡す。次に彼があまねに会い、春樹と碧にこの封筒を渡すように頼む。最後に二人が地図を頼りに、抜け道を通ってこのSOUPの内部で深月たちと合流する、という手だ。
かなり回りくどいやり方ではあるが、こうすることで深月たちが一歩も動かずとも、全員が合流出来るというわけだ。
「で、そっちの状況はどうなっているんですか?」
碧が訊くとその場に同席していた岩田が答えた。
「君たちが人質をとって逃走したと聞いた時はどうなるかと思ったがなんとかなって、事が済むまでは君たちに協力してもらうことになった」
話を聞いている最中は嫌な予感で頭がいっぱいになっていたのだが、結果を聞いて一先ず安堵した全員。中でも春樹と碧は、問題行動を起こした張本人であるがために気が気ではなかった。
「碧さんが使っていたカードは今僕たちが解析中で、後もう少しで安全に使えるようになります」
「上手くいけば、お前が怪人態になること無く、クラックボックスを制御することが出来る」
「そうすれば、暴走せずとも凄い力を発揮出来る筈です。『ユナイト』と同じくらい、いや、それ以上の……!」
圭吾、八雲、薫が何処となく興奮した調子で報告をする。
碧がカードを使った時、グアルダがカードのデータを彼らに送っていたのだ。それと花奈が送ってきたものを照らし合わせて、現在解析を進めているところだが、どうやらもうすぐで終わるそうだ。
「みんな……色々と申し訳ない」
春樹が深々と頭を下げる。
「頭を上げてください。……チームですから、僕たち」
深月が彼に言う。改めて見ると、彼の顔はこの班に来た半年前に比べてかなり成長したように感じた。頼りなかった青年が、ここまで頼もしくなった姿に春樹は感動し、何故か碧は涙が出そうになってしまっている。
「では、次に五十八号が来たときに、一気に仕留めましょう」
森田が自身の右手を前に差し出すと、全員が集まって円の形になって手を重ねていく。
そして八人全員の手が一つになった時、久々に勝鬨を上げる一言を、気怠そうな声で地下に響かせた。
「「「「「「「「うぇーい」」」」」」」
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2022.03.10 10:11 東京都 品川区
燃える。ビルが、車が、人が。発火した車は近くの建物に突っ込み、身体を燃やされていく人はあちこちを歩き回って鎮火しようとする。
その様子を見てクウガは笑っていた。逃げ場も無いのに逃げまとう人々の恐怖に怯える表情が、滑稽に感じてしまうために笑い出してしまう。
「良いねぇ。そうやって泣き叫んで、もっと僕を笑顔にしてよ!」
高らかな笑い声を上げて残虐な行為をする黄金の怪人。黒く塗り潰された目は無邪気な彼の中を表しているようでならない。
するとクウガの前に何台かの車が停まり、その中にある一台のトラックの荷台から次々と防護服に身を纏った機動隊員が現れては盾の壁を作り、隙間から銃口を覗かせている。
そんなものなど自分には一切効かないと分かっているクウガは、ニヤリと彼らを嗤った。
「飛んで火に入る夏の虫、っていうのは正にこのことだね。有り難う」
次の獲物に感謝を示し、笑みを浮かべたまま右手を彼らの方に伸ばした。
これで彼らは後々に燃えるごみと化すものになってしまう。だが隊員たちは一向に逃げ出そうとせずに真っ直ぐに標的を向いていた。
すると、
『CREATE MY FAV ZONE』
一瞬のうちに、駅前の道路からいきなり広大な場所に連れてこられた。大きな崖の下にある広い場所で、辺りを見渡そうとする度に足元でジャラジャラと砂が鳴る。
楽しい玩具たちは消え、青空が澄み渡るだけの殺風景に放り出されたクウガは戸惑った。
「ここは……?」
「よう。元気か?」
声と共に一歩ずつ前進をして来ているのは、春樹と碧であった。
黒いズボンに黒色のTシャツとその上からまた同じく黒色のジャケットを羽織る春樹と、黒いワイシャツに紺色のジーパンを着てピンク色のジャンパーを着、うしろ髪をヘアゴムで結った碧。久方ぶりに見る、いつもの格好である。
「どうしてこんな場所に連れてきたわけ?」
「決まってるでしょ。これ以上貴方に街で好き勝手されたら困るの」
碧の言う通り、さらなる被害を防ぐために八雲に頼んでこの空間に三人を転送してもらったのだ。ここであれば、どれだけ暴れても何の被害をもたらすことも無い。これで思う存分戦えるというわけだ。
「そういうことだ。……ここで仕留めさせてもらうぞ。グアルダ」
『了解した。ただいまより、椎名春樹、椎名碧、両名のライダーシステムの使用を許可する』
グアルダから許可が下りると、二人はトランスフォンにカードをかざして読み込ませた。
『『ACT DRIVER』』
腹部に黒いドライバーが出現する。その右側に付いたカードケースの後方のスロットから、それぞれ1枚ずつカードを取り出して端末に装填した。
『"ACT" LOADING』
『"REVE-ED" LOADING』
電源ボタンを押すと軽快な音楽が流れ始め、彼らの上空に現れた2つのゲートが開いて銀色の鎧が姿を見せる。
その中で春樹は端末を持った右手を左の方へと伸ばし、手を裏返して掌が見えるようにする。碧は右腕を上空にゆっくりと伸ばし、一気に下ろすと両腕を横に広げて左腕を右肩の方に持っていった。
そして二人は叫ぶ。本能に任せただけの「怪物」になるのではなく、理性も付け加えた「戦士」になるために。
「「変身!」」
『『Here we go!』』
トランスフォンをドライバーに挿し込んだ瞬間、身体が一気に異形のものへと変化。そこに浮いていた銀色の鎧が着けられることで、彼らは変身を遂げた。
『I'm KAMEN RIDER ACT!』
『I'm KAMEN RIDER REVE-ED!』
ようやく、二人の戦士が揃った。
だがクウガは変身を遂げた彼らを馬鹿にするように静かな笑い声を上げる。
「まさか、初期形態で僕に勝てるとでも思っているのかい? 馬鹿にされたもんだねぇ。そんなんじゃ一瞬で殺されるよ!」
「えぇ。そうでしょうね。でも──」
すると二人はトランスフォンを何故かドライバーから取り外す。そしてアクトが左手にクラックボックスを取り出す。
「多分これなら、なんとかなるでしょうね」
「……なぁ、とは言っても本当に大丈夫なんだよな?」
取り出した張本人であるアクトが小声で自身の右側にいるリベードに訊く。
「大丈夫。信じよう、みんなを」
「……そうだな」
一抹の不安を感じたが、リベードの言葉で思い出したのは、今遊撃車の中で自分たちの状況を見守ってくれている班員たちだ。追われていた身である自分たちをなんとかしてくれた彼らの顔が浮かんだアクトは、意を決してクラックボックスの上部に端末をかざした。
『CONNECTING US』
するとアクトのドライバーに着けられたプレートが消え、手の中にあった箱がその場所に移動する。同時にリベードのドライバーでも全く同じことが起こった。
さらに二人は同じ1枚のカードを取り出した。
それは碧が花奈から貰った透明なカードだ。その上部にトランスフォンと同じくらいの大きさをした透明なパネルのある銀色のパーツが付けられていて、カードとパーツの結合部の右側には小さな突起が付けられている。
パーツの部分を左手で掴み、右手に持っているトランスフォンのスロットにカードの部分を装填した。
『『"REVE-ED'N'ACT" LOADING』』
端末の電源ボタンを押した。
『『Let's "UNITE"!』』
その時、まずリベードを覆うように縦長の水色の直方体が現れる。さらにアクトの周りに、壁面の内側に大量のパイプが付いた横に長い緑色の円柱形が現れて彼を覆い隠した。その二つは上部に付けられたパイプで繋げられているのだ。
そしてアクトの上空には「REVE-ED AND ACT」と書かれたゲートが出現。それが開くと銀色の鎧が姿を現した。
いつもよりも派手な音楽が流れる中で、二人は端末をドライバーに再び挿し込んだ。
刹那、突起がクラックボックスに引っかかることで変化が起こった。カードに付けられたパーツが落ち、端末の画面を覆い隠すようになる。さらにクラックボックスの真ん中から上が上がり、「REVE-ED'N'ACT」の文字が虹色に光り始める。
だが変化が起きたのはドライバーだけではない。
アクトの体がクラックシェープに瞬時に代わり、全身に壁面のパイプが装着された次の瞬間、突如として
彼の体は前腕と下腿は棘の付いた黒い状態、全身の形状もクラックシェープのままであるが、それ以外の体色は緑と青がランダムに入った色をしており、至る所に黒色のラインが入っている。
さらにそこに上空にあった銀色の鎧が胸部、両腕、両脚、両肩、背中に着けられ、口元にもマスクのようなパーツが装着されている他、複眼は二人のものが合体したような形をしており、その下側がアクト、上側がリベードのものになっている。
「ん?」
「何これ?」
一人の身体から、二人分の声が交互に発せられる。
『Release all and unite us! We’re KAMEN RIDER REVE-ED’N’A-CT!! It’s just the two of us.』
彼らは
アクトとリベードの合わさった姿、仮面ライダーリベードンアクトとして。
本来であれば新しい力を手に入れた時の反応というのは、少し浮かれるか何も反応しないかの二択である。それも
だが今回ばかりは、現場にいる全員の反応が一致した。
「「な……な……」」
「「「「「「「何じゃこりゃぁぁぁぁっ!?」」」」」」」
【参考】
東京の過去の天気 2022年3月 - goo天気
(https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220300/)
【コートの種類】メンズのコート&アウターおすすめ10選|The Style Dictionaly
(https://www.uktsc.com/thestyledictionary/mens_coat_style)
コートの種類を徹底解説!シーン別レディースコートの選び方 - &mall
(https://mitsui-shopping-park.com/ec/feature/ladiescoat)
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