仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第59話です。
シーズン2は残り2話になりました。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いします。



【イメージ挿入歌】
Roselia - 閃光

【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question059 What is that couple’s new force?

2022.03.10 10:11 東京都 品川区

「「「「「「「何じゃこりゃぁぁぁぁっ!?」」」」」」」

 

 当の本人たちと一緒に驚く遊撃車の中のメンバーたち。二人が合体して一人になる。彼らがフォルクローだからこそ出来る芸当であろうが、それでも考えてもなかった光景に思わず声が出てしまう。

 

「え? これ、お二人大丈夫なんですよね!? 合体しちゃいましたけど、問題無いんですか!?」

「うん。モニターで確認出来る限りは大丈夫だけど……。一体どういうことですか!? 圭吾さん! 八雲さん!」

 

 心配になった薫は、自身の想い人とこの状況に一番詳しいであろう者に声をかける。

 だが、

 

「え、いや、え? 何これ……? え、あの、こうなるの? 言いたくないけど、キモっ!」

「想定外中の想定外ですね。まさかこうなるだなんて……。気持ち悪いとは口が裂けても言えないですけど……」

 

 この出来事は彼らの想像の範疇を優に超えていたようだ。モニターを見ながら完全に唖然としてしまっている。

 

「一先ず、ここは彼らを信じよう。なんとかしてくれる筈だ。多分……」

 

 場を仕切る森田が全員を落ち着かせようとする。だが発言者その人の心が乱れていては、そこまでの効果は無い。

 とりあえず全員は静かに様子を再度見始めたが、まだ心臓は速く動いたままであった。

 

 

 

 一方、くっついた張本人である二人はというと──

 

「いやいや何だよこれ!? めちゃめちゃ気持ち悪いんだけど!」

「ちょっと! どうしてそんなこと言うの? いつも夜は合体してるでしょっ!」

「それとこれとは話が違ぇんだよっ!」

 

 もっと混乱していた。

 新たな力を使った結果、訳の分からないことになった。碧は意外と順応しているが、春樹は気持ち悪くて仕方がない。

 

 春樹と碧、言葉を出す者が変更される度に変わる所作を見ながら、クウガはイライラしていた。理由はただ一つ。ほったらかしにされているからだ。

 

「何を言っているのか知らないけど、早くこっちの相手もしてよぉっ!」

 

 クウガが走って来る。

 だがリベードンアクトはそもそもこの状況に対応出来ていない者が片方混じっているため、慌てふためいてしまう。

 

「来た! 来たよ! ほら速く!」

「あぁもう! 分かったよ! 息揃えて行くぞ!」

「オッケー! 行くよ!」

 

「「せーのっ!」

 

 立ち止まって拳を振り上げた彼に、リベードンアクトは逆に胸部に右手でパンチを食らわせた。それで彼は後退してしまう。

 もう一度クウガは右手で拳をお見舞いしようとするが、それを右手で受け止めて左足で後ろに蹴り飛ばした。

 

「ッ!」

 

「お。ヘンテコだけど力は本物だな」

「うん。これなら行ける……!」

 

 勝利を確信した二人は、同時に使っている一つの身体の重心を下に落とす。そしてその複眼で金色の体表をした獲物を睨み、掛け声を発した。

 

 

 

「「READY……GO!」」

 

 

 

 走り出すリベードンアクト。

 

「舐めるなぁぁぁっ!」

 

 クウガは対象に向かってやけくそに両手を伸ばした。そこから放出されたのは、大量の赤い球だ。発火能力を応用したエネルギー弾である。

 

 するとリベードンアクトは突如として姿を消した。何が起こったのかも分からずに、クウガは全身に強い痛みを感じた。

 

「グアッ!」

 

 見ると目の前に消えた筈の戦士がいた。どうやら瞬間移動をし、一気にクウガの前に迫った後、高速で攻撃を仕掛けたらしい。

 たじろぐ彼にさらに攻撃を加えていくリベードンアクト。攻撃をする間も与えず、パンチやキックを食らわせた。

 

「だったら、これでどうだっ!」

 

 だがこれで終わるクウガではない。

 彼は右手に赤と紫と金の色をしたエネルギーを纏わせる。これが凄まじい拳を放つ合図だということは判っているが、何故か動き出そうとはしない。

 その様子に苛立ちがピークに達したクウガは、右手を思いっきり振り、パンチをお見舞いしようとした。

 

 すると次の瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()。そのため拳は何処にも当たらず、空振りに終わった。

 

 見るとクウガの左側にはアクトが、右側にはリベードが立っている。姿こそ通常形態であるのだが、ドライバーは合体した状態のものが着けているのと全く同じだ。

 

『『DISPEL CRASHER』』

 

 アクトは銃を、リベードは剣を取り出した。

 

「よしっ!」

 

 リベードが走り出し、横からクウガに斬りつけようと剣を上に振りかざす。それを右手で防ごうとした時、アクトが丁度自身の方を向いたクウガの背面に銃弾を何発も撃ち込んだ。怯んだ隙にリベードが胸に斬りかかり、何回も剣を当てる。

 そして二人で思いっきり蹴り飛ばした。

 

「「ハァァッ!」」

「グッ……!」

 

 後退してしまうクウガ。同時にアクトとリベードは再び一つの身体に舞い戻った。

 

「どうしてだ……。どうして僕は君たちに勝てないっ!? 君たちのその力の源は何なんだ!? 最強の僕をも寄せ付けない、その力はっ!」

 

 最早立つのもやっとの状態になってしまったクウガが叫ぶ。先日まで自身の足元にも及ばなかった彼らが、自らを簡単に超えられる程の力を手に入れている。それが何よりも許せないのだ。

 

「え? 何言ってるの?」

「そんなの決まってるだろ」

 

 

 

 

 

「愛情だよ」

 

 一切照れること無く言い放った。

 たったそれだけだ。たったそれだけのことで彼らは強くなった。いや、たったそれだけだったからこそ、強くなれたのだ。

 

 リベードンアクトが装填されているクラックボックスをトランスフォンの方に押し込む。

 

『Are you ready?』

 

 左足を前に出した状態で腰を落とすと、今度は端末を押し込んだ。

 

『OKAY. "REVE-ED'N'ACT" UNITE EXPLOSION!』

 

 するとクウガの後ろの地面と、彼とリベードンアクトの間に小さな赤色の円が出現した。

 それを確認した戦士はクウガの目の前に瞬時に移動をし、攻撃をラッシュし始めた。拳や蹴りが次々とクリーンヒットし、その勢いに押されて後退していってしまう。

 これが彼らの最大の技なのか。クウガはただ攻撃を真に受けて後ろに押されることしか出来ない。

 

 だがこれはまだ序の口に過ぎないことを、彼は知ることとなる。

 

 後ろに下がっていくクウガは誘導されていたのだ。自身の後ろにある円に。

 そこにクウガが着いた瞬間、リベードンアクトは攻撃を中断して後ろに瞬間移動。もう一つの円を思いっきり両足で踏んだ。

 

「「ッ!」」

「!?」

 

 その時、満身創痍になったクウガが上空に突然上げられた。同時にリベードンアクトも、円を踏んだ勢いを利用して同じく上空へと跳んでいく。

 

 宙空に打ち上げられたクウガの周りには、彼を囲うようにアクトとリベードの虚像が大量に出現した。アクトは右足を、リベードは左足を向けている。彼らが足を向けている標的に対して一気に攻撃を食らわせた。

 

「ゴッ……! アッ……!」

 

 そして最後だ。

 リベードンアクトは何も無い宙空で一回転し、緑色と青色のエネルギーが充満した両足をクウガの胸部に押しつけた。

 

「「おりゃぁぁぁぁぁぁっ!」」

 

 胸部に両足が当たると、そのまま膝を曲げて再び伸ばし、対象を後ろの方へと吹き飛ばした。

 

 この空間はどんなものでも再現することが出来るが、広さは無限大ではない。あまりに精巧に作られているがために誰も気付くことが出来ないが、例えそれが外を模したものであったとしても必ず壁が存在するのだ。

 

「グァァァァァァッ!」

 

 その壁にクウガは叩きつけられた。激突した瞬間に大きな爆発が起きて、彼の姿は全く見えなくなってしまう。

 それは彼ら二人の勝利を表していた。轟音を鳴り響かせて上がる、花火のように。

 

『THE END OF VOLKLOW』

 

 端末をドライバーから外すと、銀色のパーツが付いた面を爆発の方へと向ける。すると爆発が徐々に薄れていき、一枚のカードがリベードンアクトの前に現れた。

 

『Have a nice dream.』

 

 左手でカードを手にして絵柄を確認する。大量の古代文字が書かれた「ゴウラム」という、嘗て四号と共に戦った馬の甲冑が描かれており、下部には「No.001 BIGINNING KUUGA」と印字されている。

 

 爆発が落ち着いたところで、二人がいた崖の下の風景は消え、代わりに見慣れた街が現れた。何軒ものビルにアスファルトで出来た道路。元の場所に帰ってきたのだ。

 

 変身が解除される。立ち尽くす春樹の前から、碧が彼の腰に腕を回して抱きついている。顔を彼の左肩に乗せて目を閉じ、ゆっくりと呼吸を繰り返していた。

 

「あの……何で抱きついてるんだ?」

「……『愛情』って言ってくれたの、すごい嬉しかった」

「ああ、そう。……それだけで?」

「それだけ」

 

 彼女の後頭部を右手で優しく撫でる。その感触が心地良く、碧は笑みを浮かべる。繋がることが出来るのは体だけじゃない、というわけだろうか。

 

 すると碧はゆっくりと春樹から離れ、自身の前の方を見た。彼女と同じ方を向いた春樹が見たのは、自分たちに銃口を向ける機動隊員たちの姿であった。一体どうしたものかと思ったが、すぐに理由を察することが出来た。

 

「そういえば、私たちの処分っていうのは──」

「五十八号を倒した後で決めるって話だったな」

 

 一歩ずつ近づいて来る隊員たち。一向に引き金を引く様子こそ無いが、彼らの全身からは緊張感が迸っていた。

 いつも以上の緊迫した空気を察知した二人は、彼らが歩くのと同じくらいの速度で両腕を宙空に挙げる。

 

「ねぇ春樹」

「? 何?」

「……有り難う」

 

 その際、春樹と碧は互いの顔を見合って微笑み合う。幾度となく見続けてきた、愛する人の顔を見つめながら、前から来た隊員たちに体を静かに抑え込まれた。

 

 晴れていた空にいつの間にか雲が増えていき、徐々に光が入らなくなっていく。そして二人の表情は影で隠れ、誰にも判らなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: What is that couple’s new force?

A: It is to be two into one.




後1話でシーズン2は終わりです。
色々と謎は残っていますが、それはシーズン3にでも明らかにします。最後までお付き合いください。



【参考】
東京の過去の天気 2022年3月 - goo天気
https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220300/

シーズン2までに登場した女性たちで、皆さんは誰が一番好きですか?

  • 椎名碧
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  • ヨーコ
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