余談ですが、番外編も作ってみました。
こちらからご覧になれます。↓
https://syosetu.org/novel/318975/
感想や読了報告等くださると筆者の励みになりますので、どうぞ宜しくお願いします。
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
2022.03.31 16:44 東京都 新宿区 SOUP
『いい加減、
春樹と花奈以外の全員は驚きを隠せない。
私の端末。
彼の放った言葉の真意が解らなかったが、すぐにそのものが一体何なのか察することが出来た。
「そんなこと出来るわけないだろ」
『勿論、タダとは言いません。御宅の岩田さんと交換です』
単純な取引であった。もしもその「端末」を渡せば、それだけで岩田は帰ってくる。美味しい話ではある。
だが通話をしている春樹は苦い顔をしている。
そして息を吐いて返答をした。
「……分かった。じゃあ、明後日の11時に」
『えぇ。では』
ここで通話が切れた。
同時に顔を両手で覆いながら大きく息を吐いた。
「本当はこうしたくなかったんだけどな……」
その発言で全員が春樹の方を向いた。
彼がそんなことを言うことは一度も無かった。
ということは──
「それだけ、とんでもない物なんですね」
「……ああ」
顔を押さえたまま深月の言葉に答える。
「
「言ってしまえば、
端にいた八雲と花奈も口を開く。
春樹同様に暗い顔をした二人の様子を、デネブが心配そうに見つめていた。
「もしそれを渡したら、どうなるんですか?」
「どうなるだろうな……。考えたくもない」
春樹が圭吾に素っ気無く答える。
考えたくもない。それはどれだけ恐ろしいものかを示すのに、最も効果的な言葉であった。
「じゃあ、岩田室長をこのまま──」
「いや。それは流石に──」
薫と森田が躊躇する。
すると、
「だったら、僕に考えがあります」
深月が突然声を上げた。
彼が何を話そうとするのか、彼らは藁にもすがるつもりで耳を傾けた。
────────────
?????
岩田が収監されている檻から少し離れたところで、日菜太は椅子の上に座っていた。
座りながら、彼は左手の親指と人差し指で摘んだ2枚のカードを見つめて笑みを浮かべている。
一枚目のカードは曼荼羅のように大量の模様が金色で描かれた黒色のカードだ。
二枚目のカードには、何か赤い人型の生物が描かれており、下部には白く「PARA-REIGN」と印字されている。
口角を上げながらカードを眺める彼に、アールが声をかけてきた。
「明日、いよいよ手に入りますね」
日菜太はアールの方を見ずに会話をする。
「そうだね。まぁ上手くいけば、の話だけどね」
すると日菜太は椅子から離れ、少し離れたところにある机の前に立った。
そこに置かれていたのは、蓋の開けられた黒いアタッシュケースであった。
中にある3枚のカードをじっと見つめながら、日菜太は再び微笑んだ。だがアールは少し不安そうな顔を見せる。
「そのカードは、今の彼の
振り向いてアールの方を向く日菜太。
彼の顔はアールの心配とは裏腹に笑顔を見せている。
そして彼に向けて、ふと問いをかけた。
「君は、
────────────
2022.03.31 17:19 東京都 新宿区 SOUP
「……持ってきたよ、
部屋に入ったあまねが、白いハンカチで包まれた何かを春樹に手渡した。中に入っている物を確認する。
それはトランスフォンに形状が酷似した黒い物体だった。だが違っているのはカージナルレッド*1の線が側面に入っている点である。
「本当に大丈夫なの? 春樹……」
あまねの横に立つ碧が不安そうに春樹を見つめる。
春樹は碧に向けて微笑みを向けた。
「大丈夫。これは絶対に渡さない。俺が必ず守る」
「うん。……けど、『俺が』じゃなくて、『俺たちが』、でしょ?」
「……そうだな」
「それじゃあ、あれ、やっておくか」
森田の合図で、全員が春樹の元に集まって自らの手を出す。
それらを重ね合わせて、下げながら声を発した。
「「「「「「「「「「うぇーい」」」」」」」」」」
────────────
2022.04.01 11:00 東京都 江東区
少しだけの灯りだけで灯される広い倉庫の中で、2つの群が向かい合っていた。
一方のSOUP側では春樹と森田が先頭に立ち、後ろでは碧に八雲、花奈、デネブと共に機動隊員たちが待機をしている。
一方のフォルクロー側ではアールが先頭に立ち、ソルダート2体が岩田を押さえつけていた。
「持って来てくださいましたね、例のものを」
先頭に立つ日菜太の言葉で、機動隊員たちの前にいる春樹は黒い端末を彼に見せた。確認をしたアールが笑みを浮かべる。
「それよりも先に、うちの室長を返してもらいたいんだが」
「それよりも先にそれを貰いたいですね」
アールの言葉曰く、春樹の隣に立つ森田の要求には、どうやら応えてくれないらしい。
仕方なく春樹は前の方へと端末を投げた。音を立てて転がる端末を拾い上げたアールは、まじまじと見つめて満足そうな顔を見せた。
同時に岩田が解放されたので、春樹は走って彼の元へと走って行った。
手にした端末をアールは日菜太に手渡す。
すると、
「ん?」
日菜太が怪訝そうな顔を見せ、瞬時にあることが持ち主であるが故に分かった。
偽物。
これは本物ではなく、精巧に形や質感を再現したプラスチック製のレプリカである。
騙した。
それを悟られたと思った春樹は、慌てて岩田の首筋に何故か右手を押し付けた。
同時に日菜太がその場にいる全員に対して言葉を発した。
「死ね」
あまりにも強いその言葉によって、全員がこの場で息絶えることになった──
だが、何も起こらない。春樹に連れられる岩田も無事に保護される。
「どういうことだ……?」
日菜太の呟きに、後ろにいる碧が答える。
「私たちのチームは結構優秀でね、貴方が人を操る時に放出する物質を遮断する物を作ってくれたのよ」
そう言って碧が取り出したのは、赤色の丸いシールであった。一見何の変哲も無いシールであったが、確かに辺りを確認してみると、春樹と碧の手の甲にも貼られ、さらには岩田の首元にもいつの間にか貼り付けられている。
先に一本取られて自身の技を封じ込まれた。
それがあまりにも癪に触ったのか、日菜太は頬を引き攣っている。
「室長は先に逃げてくれ。花奈、デネブ、お前らは警護」
「でも……」
「……お前に、これ以上チケットを使わせたくないんだよ……」
自身の方を見ずに言う八雲の言葉に、花奈は間を置いて頷き、デネブや隊員たちと共に岩田を連れて後ろの方に走った。
「本来であればフロワちゃんとピカロくんが相手をする筈でしたが、ちょっとフロワちゃんが体調を崩してしまいましてね。これでご勘弁を」
アールの言葉で、倉庫内に大量のソルダートが出現した。狙いは勿論、春樹たち三人である。
「じゃあ、とっとと片付けよう、春樹、お兄ちゃん」
「ああ」
「了解」
春樹はクラックボックスにトランスフォンをかざし、自身と碧の腹部にドライバーを出現させる。八雲も自身の左腕にネクスチェンジャーを出現させた。そして三人共カードを装填する。
『『"REVE-ED'N'ACT" LOADING』』
『"NEX-SPY" LOADING』
それぞれがデバイスを操作し、そして倉庫に響く声で叫んだ。
「「「変身!」」」
『『Here we go!』』
『Let's go!』
春樹と碧がリベードンアクトに合体をし、八雲はネクスパイに変身を遂げる。
二人の戦士がチェーンソーとスタンガンを取り出した瞬間、黒い兵士たちが襲いかかって来た。
リベードンアクトがチェーンソーを振り回してソルダートを斬り裂くことによって、兵士から黒い液体が溢れて床に溜まっていく。
それでも切れ味が落ちない刃を両手で構えるその姿は、相手たちにとっては悪魔のように見えるだろう。
悪魔は感情の無い彼らが無理矢理にでも感じた恐怖を全く汲み取らず、ひたすらに凶器を暴れさせた。
一方のネクスパイは一体一体に電極を当てて、確実に仕留める。衝撃の走った彼らは文字通り崩れ落ちて形を維持することが出来なくなった。
例え仕留められずとも、蹴りや拳を入れて吹き飛ばし、ただの液体として処理をする。
兵士だったものが足を滑らせようとするが全く気にしない。ネクスパイは相手を見据えて攻撃を続けた。
「そろそろ蹴散らすか?」
「「オッケー」」
ネクスパイがネクスチェンジャーに装填したカードを、インディペンデントショッカーに挿し込んだ。
『Are you ready?』
柄の下に付いているボタンを押した。
『OKAY. "NEX-SPY" DISPEL HIT!』
「ハァッ!」
スタンガンを上に掲げると、電極から電撃が放たれ、ソルダートたちは痺れて身動きが取れなくなる。
その隙にリベードンアクトはディスペルデストロイヤーのスロットに2枚のカードを挿し込んだ。
『"RYUKI" LOADING』
『"DOUBLE" LOADING』
刃に次々と赤色、緑色、紫色のエネルギーが溜まってくる。
そしてここぞというところで、引き金を引いた。
『TWIN SLASH!』
「「おりゃあっ!」」
両手ではなくトリガーを持つ右手だけでチェーンソーを支え、まるで子供のように一回転をした。
何か不味いと思ったネクスパイは高くジャンプをする。
その勘は完全に当たっており、今度は斬撃がソルダートを襲い、ネクスパイが着地をしたところで周りに小さな爆発が起こった。
止まったリベードンアクトは上手くブレーキを効かすことが出来ず、フラフラとしてしまう。
「あれ? 2枚でこんなに辛いっけ?」
「いつ使いこなせるようになるんだよ……」
1つの身体から2つの声で同じ内容の愚痴が飛び出る。
滑稽な光景にネクスパイは笑いそうになってしまうが、状況を思い出してすぐにリベードンアクトと共に倉庫の外に出た。
その少し前の話である。
岩田を連れて逃げる花奈とデネブ。その後ろを守るために機動隊員たちが追いかける。
前では遊撃車が停まっており、あまねや圭吾、薫が彼らを待っていた。
あまねが手を振る。後10メートル程の距離だ。それでなんとかなる。そう思って全員が足を進めた。
すると、
「グァッ!」
突然後ろの機動隊員たちが倒れ始めたのだ。
断末魔と倒れる時の音で振り向いたがために、隙を作ってしまったのだ。
「ガァッ!」
「うわっ!」
今度は花奈とデネブも吹き飛ばされてしまう。
剥き出しになった岩田。
彼の背後に突然、ケタロスが現れた。クナイを首元に当てて、下手に身動きを取れないようにする。
さらに倉庫の壁ではコーカサスがもたれかかって彼らを眺めた。
「岩田さん!」
「「ッ!?」」
あまねの背後にいた圭吾と薫も飛ばされてしまい、あまねも独りになってしまった。
その背後にはヘラクスが現れる。右手に斧を持っているのを確認したあまねは、恐怖のあまりに固まってしまった。
ヘラクスは空いた左手で彼女の身体に触る。こそばゆい感覚も嫌悪感も最早恐怖で薄れてしまう。
外部からの刺激が無くなったと思うと、彼の左手には黒い端末が握られていた。
これが狙いだったのか。
気が付いた時には、ヘラクスはその端末を投げ、投げられた物を遠くにいるアールが受け止めた。
それを左隣にいる日菜太に手渡す。
日菜太は受け取った瞬間から笑みが止まらなかった。
この上無い喜び。
どんな言葉で表現をすれば良いかも分からないその喜びを放つために、彼は震える声を出した。
「……ようやく……ようやく戻ってきた……!」
そして遂にこの時が来た。
日菜太は右手に端末を持ち、左手に持った大量の模様が入ったカードを裏面にかざした。
『PARA-REIGN DRIVER』
トランスフォンよりも低い声と共に、腹部に春樹と碧が使っているのと同じドライバーが出現する。右側に付いているプレートには赤い怪人を正面から見た絵が描かれていた。
同じ絵が描かれたカードを裏返し、端末に装填した。
『"PARA-REGIN" LOADING』
右側にある電源ボタンを押すと、ストラヴィンスキーの「春の祭典」の一節である「乙女達の踊り」をサンプリングした音声が流れ始めた。
同時に日菜太の上に「Ⅰ PARA-REIGN」と書かれたゲートが出現。真ん中から開くと、紅色の鎧が姿を見せた。
荘厳な音楽が流れる中、日菜太は派手なポーズを決めたりはしない。
ただ端末を持つ右手をゆっくりと高く挙げ始めたのだ。
そして静かに言葉を発した。
自身が覚醒をし、本来の姿に戻るための言葉を──
「変身!」
端末をドライバーの左側に挿し込んだ。
『Here we go!』
その瞬間、彼の身体が端末と同じカージナルレッドの線が入った黒い素体へと変貌を遂げる。
そこに宙空に浮かんでいた鎧が装着されることによって、変身は完了した。
黒い身体に血管のように入る赤い線。
同じ色の鎧が両腕、両脚、両肩、胸部に着けられている。
頭部には鎧やラインと同じカージナルレッドの罰点の形をした複眼が2つあり、体に垂直に2本の銀色の角が真っ直ぐと立っていた。
『I'm KAMEN RIDER PARA-REIGN! It's the 1st shape.』
仮面ライダーパラレイン。
異形の者が、この世界に降り立ってしまった──。
結構、辛い回がこの先多くなりますので、そこら辺宜しくお願いします。
【参考】
東京の過去の天気 2022年3月 - goo天気
(https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220300/)
東京の過去の天気 2022年4月 - goo天気
(https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220400/)
赤・レッド系の色一覧|色彩図鑑(日本の色と世界の色一覧)
(https://www.i-iro.com/dic/tag/aka-red)
春の祭典 - Wikipedia
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%98%a5%e3%81%ae%e7%a5%ad%e5%85%b8)
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