仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第78話です。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。



【イメージ挿入歌】
米津玄師 - KICK BACK

【イメージED】
フレン・E・ルスタリオ - フラクタル

【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question078 What weapons does he use when upgraded?

2022.04.22 14:06 Yakumo Tokita's FAV ZONE

 新たな姿に変身を遂げたネクスパイは、有り余る力を使ってパラレインの方へと走って行き右手でパンチを繰り出そうとする。それに対峙するパラレインも左の拳でそれに立ち向かおうとした。

 

 二人の拳がぶつかり合う。

 その威力は殆ど互角なのか、二人とも強制的に後退させられてしまった。

 だがそれでも再度攻撃を仕掛けに行く。

 

 ネクスパイがパラレインの身体目掛けて何度も何度もパンチやキックを食らわせる。

 その手数だけではなく、一撃一撃がこれまでよりも強くなっているがために、パラレインは怯んでしまう。

 怯んだ彼奴に向かって、ネクスパイは思いっきり右の拳を叩きつけた。

 

「おらぁぁっ!」

「ッ……!」

 

 引き下がるパラレイン。

 

 するとネクスパイは一つの武器を取り出した。

 それはまるで開いた生地の無い傘のような赤色のものだ。

 石突(いしづき)の先端には銃口となっていて、ゼロガッシャーに形状が酷似したハンドルは中棒に垂直になるよう設置されている。さらにハンドルの斜めになっている部分には何かをセットさせるためのスライドがあった。

 そして中棒には掌に収まる程度の大きさをしたボタンの付いたポンプがあり、今はハンドル近くに配置されている。

 

 その武器──アンブレラブレイカー ボウガンモードの銃口をパラレインに向けた瞬間、

 

「ではここで問題です」

 

 突然問題が出された。

 ネクスパイの前に台が、パラレインの上にパネルが出現する。

 

「『私に勝つ術はある』。(マル)×(バツ)か」

 

 カウントダウンがスタートする。

 だがそんなものは一切必要無かったのだろう。10から9に数字が変わる前に彼は答えを出した。

 

(マル)

「……残念ながら不正解です」

 

 ブッブーと音が鳴り、ネクスパイの台が光に包まれる。

 そして彼の姿は凄まじい爆発によって見えなくなってしまった。

 

「お兄ちゃんっ!」

 

 爆発に巻き込まれてしまった兄のことを心配する碧。

 もう勝負はついたと確信するパラレイン。

 それぞれの想いに対して応えるように、炎と煙が消えていく。

 

「……何!?」

 

 けれどもどうやら、パラレインの想いにだけは応えてくれなかったらしい。

 ネクスパイは何事も無かったかのようにそこに立っていた。よく見てみるとアンブレラブレイカーの露先から出たバリアのようなもので全身が覆われているため、それで防いだのだろうとすぐに判る。

 

 バリアを解いたネクスパイは引き金を引いた。

 すると銃口から何発もの矢が放たれ、パラレインの身体を傷つけていく。

 

 さらに彼奴が怯んだ隙に銃口を今度は上のパネルに向けて矢を放ち、なんと破壊してしまった。

 

「これで、こんな変なクイズは出来ねぇな」

 

 そう言うとネクスパイはポンプを先の方へと押し出す。

 それに連動して親骨は真っ直ぐになりながらどんどんと開かれ、遂には先程の状態と逆の方を向いて石突を覆い隠す束のような形状になる。

 そしてハンドル部分を中棒と一直線になるようにしたことで、アンブレラブレイカー ロッドモードは完成した。

 

 ネクスパイはアップグレードルーターを取り外すと、ハンドルに付いたスライドに挿し込む。

 

『Are you ready?』

 

 ポンプのボタンを押すと、親骨の先端たちに次々と茶色いオーラが纏われて電流が流れ始める。

 

『OKAY. UPGRADED DISPEL HIT!』

「ハァァァッ!」

 

 パラレインの方へ走って行ったネクスパイは、彼奴の腹部に親骨の先をぶつけた。

 すると彼奴の身体にとてつもないエネルギーを秘めた電撃が食らわされ、後ろに吹き飛ばされてしまう。

 

「グァッ……!」

 

 壁に激突して減り込むパラレイン。

 その目は真っ直ぐとネクスパイの方を向いていて、少し焦りを見せながら首を傾げた。

 

「どうしてです……? どうして、こんなに強くなれるというんです? たかがシステムの強化だけで、私を超えられる筈がないのにっ……」

「ただ強化しただけじゃねぇよ。俺はな、ただ破壊のために強くなるお前と違って、背負ってるものが多いし重た過ぎるんだよっ!」

 

 ネクスパイの視界に一瞬、なんとか立ち上がった碧が映り込む。

 挙動にこそしなかったが、その時の彼女の姿に何故だか懐かしさを覚えてしまった。もう取り返すことは出来ない、あの面影だ。

 

 アンブレラクラッシャーを明後日の方向へと放り投げて、再びアップグレードルーターをネクスチェンジャーに装填すると、ネクスチェンジャーの方のダイヤルを回して赤色の面に合わせる。

 

『Are you ready?』

 

 ダイヤルとボタンを同時に押すと、ネクスパイの右足に赤色のオーラが纏われていき、背後には巨大な放水機が現れる。

 さらにパラレインの周りを白い膜が覆い、彼奴は完全に身動きが取れなくなってしまった。

 

『OKAY. UPGRADED DISPEL BREAK!』

 

 そしてネクスパイが右足を出した状態で徐々に浮かび上がっていった瞬間、放水機から茶色い液体が勢い良く噴射されて彼を押し出していった。

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 エネルギーの籠もった右足をパラレインにぶつけると、彼奴の減り込んでいた壁は完全に崩壊。

 それと同時にこの空間も崩れ去った。

 

 

 

 変身を解除されてしまい、仰向けに倒れ込んだパラレイン。

 だがすぐに立ち上がると余裕そうな表情を見せた。

 

「中々やりますねぇ。でも忘れていませんか? 私と春樹さんを分離させることは不可能だって。もし私を倒そうとすれば、彼諸共消えてしまうと」

 

「……俺言ったよな。『お前に勝つ術はある』って」

 

 その時、

 

「ッ!?」

 

 春樹が突如として胸元を押さえながら苦しみ始めた。

 先程までの余裕そうな顔付きから一変、ネクスパイの方を睨み始める。

 

「これは……!?」

「このシステムはかなり特殊なやつでな。お前みたいに精神ごと一体化するやつも人から分離することが出来る」

「なっ……!」

「多分まだ完全な状態じゃないだろ。このままだと、分離した瞬間にお前だけ死ぬかもな」

 

 仮面の下で笑顔を見せるネクスパイ。

 彼のことをギロリと睨んだ春樹は、何か観念したかのように胸を押さえた両手を下ろし、そして苦し紛れの笑顔をした。

 

「そうですか……。でもまだこれで終わりではないですから。ここは、彼を返して帰らせていただきますよ」

「! ちょっと待てっ!」

「では……」

 

 すると笑顔を見せていた筈の春樹の表情が曇りだし、仰向けになって再びその場に倒れ込んでしまった。

 

「春樹っ!」

 

 碧が春樹の元へと駆け寄る。

 何度か彼の肩を揺さぶったところで、春樹はゆっくりと目を開き始めた。

 

「春樹、だよね……?」

 

 一瞬疑いの目を向けた自身の妻に、彼は思わず笑ってしまう。

 

「……そうだよ。俺はお前の旦那だよ」

 

 その笑顔が自分の愛する男のものだと判った碧は、彼にそのまま抱きつく。

 驚いた春樹であったが、彼女の腰に手を回して抱き締めあった。

 

 変身を解除して二人の様子を見ていた八雲は、ふと1枚のカードを取り出した。

 夏の大三角形が浮世絵のようなタッチで描かれ、「No.062 FORGOTTEN ZERONOS」と印字されたそのカードは、紛れもない花奈のカードであった。

 

「……有り難う」

 

 ──もう、私がいなくても大丈夫でしょ?

 

 何処からか声が聞こえたような気がする。

 きっと気のせいだ。本当ならそんな声が聞こえる筈がない。

 

 もう二度と聞かないようにするため、八雲はカードにそっと口付けをした。

 

 

 

────────────

 

 

 

2022.04.22 16:53 東京都 新宿区 SOUP

「とりあえず、八雲さんが戻って来てくれて良かったーっ」

「一時はどうなるかと思いましたよ」

「えぇ。何か弄らないといけないかと」

 

 深月に圭吾、薫の言葉に八雲は全員に向かって軽い会釈を何度かする。

 

「すみませんね。お騒がせして」

 

 こんな軽い謝罪ではあったが、それがなんだか彼らしくて全員は安堵する。

 

「で、もう一人の帰って来た奴はというと──」

 

 森田と共にその他全員が碧の方を見る。

 膝立ちになった春樹が自身の席に座る碧の腰に両腕を回し、彼女の腹に顔を埋めている。

 止めることが出来ずに苦笑する碧。

 

「ねぇ春樹。もういい加減離れても良いんじゃない……?」

「……もう一生離さねぇ……。何があっても……!」

 

 記憶はパラレインと共有していた。

 なので彼奴が碧に手をかけようとしたことも覚えているのだ。

 だからこそ絶対に碧の腰に巻いた両腕を離そうとはしない。

 

 すると春樹は顔だけを碧から離し、自身の唇を彼女のものに重ねた。

 

「「「!?」」」

 

 周りのメンバーもそうだが、一番やられた碧が驚いている。

 まさかの行動に呆然としながらも、無理矢理彼のことを引き剥がした。

 

「ちょっ、人前なんだけど……」

「……そういうのどうでも良いから」

「良くないからっ!」

 

 ──これ以上は不味い……。

 そう思った全員が碧から春樹を引き剥がそうとする。

 それでも尚碧にくっつこうとする姿に全員が唖然とするが、それ以上に止めなければならない。森田、深月、圭吾が春樹を押さえ込んで、今度は薫が碧を守るように抱きつく。

 

 ようやくいつもの光景が戻ってきた。

 彼らの姿を見ながら八雲は微笑み、森田たちに加担しようとゆっくりと歩み寄った。

 

 

 

────────────

 

 

 

?????

 誰もいなくなった部屋の中で、海斗は静かに青色の銃を見つめていた。まるで我が子を眺めるかのように、丁寧に。

 そして銃を隣の席に置くと、徐にポケットから1枚の写真を取り出した。

 何処かの研究所の中で、若い頃の海斗と碧と瓜二つの女性が仲睦まじく並んでいる様子が収められたその写真を眺めて、海斗はニヤリと笑い、そしてつぶやいた。

 

 

 

 

 

「あと少しだ。あと少しで君に会えるね、夏美」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時点で未確認物質解析班が把握している

新型未確認生命体の残り総数

通常8体

B群8体

合計16体

 

現時点で未確認物質解析班が把握している

各々が所持しているメモリアルカードの枚数

SOUP:38枚

零号:117枚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: What weapons does he use when upgraded?

A: A rod and a bowgun.




【参考】
講談社シリーズ MOOK 仮面ライダー 平成 vol.08 仮面ライダー電王
(講談社, 2014年)
傘のパーツ名称について|前原光榮商店
https://maeharachigasaki.jp/?page_id=607
洋傘のパーツ名称|傘専門店 小宮商店
https://www.komiyakasa.jp/encyclopedia/parts/

もうすぐシーズン3が終わるんですが、その最後に戦う相手って誰だと思いますか?

  • パラレイン
  • 海斗
  • アール
  • ピアーズ
  • クロト
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