仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第80話です。
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【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question080 What force does it use?

2022.05.01 11:06 東京都 港区 日本体育館

「第一形態から進化した第二形態は『高速移動』を、第三形態では他者へ問いを出すことによって運命を委ねさせる『出題』の力を使うことが出来た。そしてこの第四形態では──」

 

 パラレインは足元に置いていた青色の銃──ネオディエンドライバーを右手に持ち、3枚のカードを左手に握る。

 

「あらゆる機械や電子機器を操ることの出来る、『操縦』の力を得た」

 

 カードを挿し込むと、銃身を伸ばして前方に銃口を向ける。そして引き金を引いた。

 

『カメンライド。ブレイブ! スペクター! メテオ!』

 

 そこから現れたのは、見たことの無い3人の青い戦士たちだった。

 コミカルな見た目をした剣士──仮面ライダーブレイブ。

 2本の角と棍棒を持った戦士──仮面ライダースペクター。

 左の手首に腕輪を着けた格闘家──仮面ライダーメテオ。

 

「本来これは起動しない筈の物だったんだが、彼のおかげで起動することが出来た。その力を(とく)と堪能したまえ」

 

 パラレインの中にいる海斗が、彼奴の身体を使って右手を挙げた瞬間、三人の戦士たちは走り出した。

 

「「「! 変身!」」」

 

 彼らが襲いかかって来たところで、春樹たちは変身し戦闘を始めた。

 

 メテオが物凄いスピードで拳や蹴りを入れてくる。まるで隙の無い動きにアクトは防御をするしか無く、只管(ひたすら)その時を待つ。

 そしてその時が来た。

 右手で一気に吹き飛ばそうと試みたメテオの攻撃を後退することで避け流し、アクトは逆に右足で蹴り飛ばした。

 

 リベードの剣とブレイブの剣がぶつかり合う。どちらも実力は互角で、早々に決着がつくことは無い。

 剣心をオレンジ色から水色に変化させたブレイブは、凍てついた斬撃をリベードに食らわせようとした。

 だがその前にリベードは逆手に持った剣で彼の腹部に斬りつけて隙を作らせると、剣先で胸部を突いて後退させた。

 

 少し距離を空けて弾丸を放つバース。それらを避けたりスタンガンで銃弾を破壊したりしながら、ネクスパイは彼へと着実に近付いて行く。

 すると突然銃弾が止んだ。どうやら弾丸が切れたらしい。

 補充をしようとバースがしたところで、ネクスパイはスタンガンの電極を思いっきり彼の胸部に押し込んで引き退らせた。

 

『『『Are you ready?』』』

 

 己の武器を銃の姿へと変形させたアクト、リベード、ネクスパイは銃口を標的へと向け、そして引き金を引いた。

 エネルギーの塊が三人の戦士にそれぞれぶつかり、彼らは爆発と共に消滅した。

 

「さて、後はお前だけだな」

 

 アクトの言葉で、三人はパラレインの方へと視線を向ける。

 

「……まさか、私に勝てるとでも思っているのですか?」

「まぁ、これがあるからな」

 

 ネクスパイがアップグレードルーターをちらつかせる。

 するとパラレインは何かがツボにハマったのか、微かに笑い声を上げ始めた。

 

「何が可笑しいの……?」

「それはあくまで私を分離させるための(すべ)に過ぎません。今の私は76枚のメモリアルカードを吸収しています。分離まで持ち込む前に、勝敗はつくと思いますよ」

 

 中々の挑発である。

 それに乗ることを、アクトはクラックボックスにトランスフォンをかざすことで、ネクスパイはアップグレードルーターのボタンを押すことで示した。

 

『CONNECTING US』

『AUTHORIZE』

 

 ドライバーのプレート部分にクラックボックスが現れたアクトとリベードは、端末の中にカードを挿し込む。

 一方のネクスパイはアップグレードルーターをネクスチェンジャーに付け、カードを取り出して再度装填した。

 

『『"REVE-ED'N'ACT" LOADING』』

『"NEX-SPY" LOADING』

 

 電源ボタンを押すアクトとリベードに、ダイヤルを回すネクスパイ。

 

『『Let's "UNITE"!』』

『SUPER CHANGE』

 

 ドライバーに端末を挿し込み、ダイヤルとボタンを押し込んだ。

 

『『Here we go!』』

『Let's go!』

 

 アクトとリベードが融合を果たして出来たリベードンアクトはディスペルデストロイヤー チェーンソーモードを、新たに茶色い姿となったネクスパイはアンブレラブレイカー ロッドモードを取り出し、パラレインの方へと走り出して行った。

 

 リベードンアクトは目にも留まらぬ速さでパラレインの背後に回り込み、チェーンが勢い良く回転する刃をぶつけようとした。

 だが振り向くこと無くパラレインはその刃を右手で受け止め、自身の前に持ってくるように投げ飛ばした。

 

「「ウァァッ!」」

 

 その代わりにネクスパイが棍棒を振り回して、電気の溜まった先端をぶつける。

 やはり対パラレイン用に改良されていることと、単純に性能そのものが格段に良くなっていることで、攻撃はかなり効いているらしい。

 何度も彼奴の身体に棍棒の先端をぶつけて電撃を食らわせる。

 すると先端を左手で掴まれ、後方へと押し返した。

 

「……ッ!」

 

 パラレインは背中から白いコードを何本か伸ばすと、それらをリベードンアクトとネクスパイの方へと進撃させる。

 リベードンアクトはチェーンソーで襲いかかるコードを斬り、ネクスパイは電撃で痺れさせて動きを止めた。

 だが1本が当たった瞬間に、あまりの冷たさから来る熱さと衝撃で怯んでしまう。その隙に何本ものコードが攻撃をして、彼らに相当なダメージを与えた。

 

「「「グァァァァッ!」」」

 

 さらに後ろの方へと退いてしまった三人。

 

「本当に強くなってるな、アイツ……」

「そうね。ねぇどうするの春樹?」

「そう言われてもな……」

 

 口ではそんなことを言っているが、彼らは再び前を向いて標的を睨む。

 

「どうしてだい……? どうして君たちは私の邪魔をするんだい……!? 君たちだって、失った者に会いたいでしょう……!」

 

 海斗の言葉で全員が誰かのことを想い始めた。

 無論、海斗に碧、八雲が同じ人のことを脳裏に浮かび上がらせたことは言うまでもない。

 

 元々怪しい雲行きがさらに怪しくなってきた。

 徐々に白色は消えていき、黒一色になりかけている。

 

「──そうね……。けど、私はそれ以上に、誰かに大切なものを失って欲しくない……! ただ、それだけだから……!」

 

 碧が絞り出すように言う。

 

「面倒だから端的に言うと、以下同文」

「同じく」

「え!? もうちょっと真面目に答えてよ!」

 

 真面目に答えたのにも関わらず、春樹とネクスパイによって何処か締まらない感じとなってしまう。

 だがそれで良いと思った。そうでなければ、自分たちではない。

 

「本気出すぞ」

「ああ」

「うん」

 

 目線はそのままパラレインの方を向いて腰を落とす。

 武器を床に叩きつけて、そして走り出して行った。

 

「「「READY……GO!」」」

 

 瞬く間に姿を消したリベードンアクトは、パラレインの正面に現れて何度もチェーンソーの刃で斬りつける。

 先程であれば軽々と防御出来た筈であったが、先程の倍、それ以上の速さで動いているがために防ぎようの無い。

 

「!」

 

 徐々に後ろへと退いて行くパラレインに、次はネクスパイが棍棒の先をぶつけた。

 さらに手ぶらの左手でひたすらに殴りつけると、最後には二つの武器の先で吹き飛ばした。

 

 その様子を確認すると、リベードンアクトとネクスパイはそれぞれ己の武器を射撃するための状態へと変える。

 

「これ使え」

 

 するとネクスパイが4枚のカードを取り出して、リベードンアクトに手渡した。

 それは、彼の大切な者たちの力を宿したカードたちであった。カードの中では果物が実を熟し、星々が優しく光を放っている。

 

 受け取ったカードたちをリベードンアクトはディスペルデストロイヤーのスロットに挿し込み、ネクスパイはアンブレラブレイカーの持ち手にアップグレードルーターを付け、ポンプのボタンを押した。

 

『"DUKE" LOADING』

『"MARIKA" LOADING』

『"SIGURD" LOADING』

『"ZERONOS" LOADING』

『Are you ready?』

 

 2つの銃口にエネルギーが次々と溜まっていく。

 リベードンアクトのものには何種類かの果物が次々と銃口の中に吸い込まれていき、ネクスパイのものでは親骨から次々と電気のようなものが送られていっていた。

 

 一方のパラレインは彼らの攻撃を防ごうと、背中から大量のコードを伸ばして出来た繭を模した壁を作り出す。

 どれほどの防御力を誇るものなのか三人には検討がつかないが、それでもやるしかない。

 一気に引き金を引いた。

 

『QUADRUPLE SHOT!』

『OKAY. UPGRADED DISPEL BALLET!』

 

 アンブレラブレイカーから放たれた電気を纏う白く丸い弾丸を、ディスペルデストロイヤーから出た大きな鷲が咥えて猛スピードで対象に迫って行く。

 雄叫びを上げながら低空飛行を続ける鷲は一気にスピードを上げ、遂に繭へと激突。その瞬間に大きな爆発を起こした。

 

「やったか……?」

 

 春樹が呟く。

 次の瞬間、爆炎が晴れて結果が明らかになった。

 

 確かに繭を破壊し、パラレインにダメージを与えられたことは事実だ。

 だが変身解除、ましてや分離までは成功していない。

 

「どうしてだ……!?」

「言いましたよね? 『私はあらゆる機械や電子機器を操ることの出来る「操縦」の力を手に入れた』と。先程貴方の武器に触れた時、私を分離させる能力を一時的に制限させていただきました」

 

 つまり、先程の攻撃はただ彼奴にダメージを与えることしか出来なかったというわけだ。

 その事実に呆然としてしまう三人。

 彼らに今度は海斗が話を始めた。

 

「私が彼に憑依するように言ったのは、この銃を起動させるためだ。この銃には召喚だけではなく、こんなことも出来る」

 

 するとパラレインは5枚のカードを取り出した。

 銃身を元の長さに戻して一枚ずつカードを装填していくと、彼奴の周りに虚像たちが現れた。

 

『カイジンライド。アークオルフェノク!』

 

 白い異形の王──アークオルフェノク。

 

『カイジンライド。バットファンガイア!』

 

 蝙蝠を模した真紅の皇帝──バットファンガイア。

 

『カイジンライド。ユートピア・ドーパント!』

 

 楽園の記憶を有する黄金の紳士──ユートピア・ドーパント。

 

『カイジンライド。シグマサーキュラー!』

 

 銀色をした最強の兵器──シグマサーキュラー。

 

 この四体がパラレインの周りを取り囲む。

 一体何が始まるのか分からず当惑する三人は、ただ見つめることしか出来ない。本当であれば阻止したいのであるが、本能的に恐ろしさに似たものを無意識のうちに感じているのだろう。一切足が動かないのだ。

 

 彼らを他所に、パラレインは最後の一枚を挿れて銃身を伸ばした。

 

『カメンライド。ディエンド!』

 

 その瞬間、4体の怪物がパラレインに吸収されていく。

 黒い靄がかかって現状が把握出来なくなってしまうが、晴れたところでパラレイン、というより海斗が一体どうなったのか明らかになった。

 

 彼は化け物になっていたのだ。

 従来のディエンドを禍々しく変形させたような見た目をしていて、腹部にあったパラレインのドライバーは消えている。

 ある筈の無い口元が大きく開き、まるで何かを呑み込む準備をしているようである。

 さらに全身には白や赤、金に銀の色で模様が入っているが、それが何を表しているのかは一切解らない。

 

「これが、私が願いを叶えるために必要だった姿、ディエンド・ノヴァだ……!」

 

 黒く変色した雲の群から、大粒の雨が降り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: What force does it use?

A: It is force that operates machines.




【参考】
東京の過去の天気 2022年5月 - goo天気
https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220500/
洋傘のパーツ名称|傘専門店 小宮商店
https://www.komiyakasa.jp/encyclopedia/parts/

もうすぐシーズン3が終わるんですが、その最後に戦う相手って誰だと思いますか?

  • パラレイン
  • 海斗
  • アール
  • ピアーズ
  • クロト
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