今回でシーズン3が終わりなので、遂にやることをやらせていただきます……!
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。
というか、今回はガチで感想をください!
※今回で登場する関西弁は翻訳サイトを使って作成したものであります。ニュアンス等が違う場合があるかと思いますが、ご了承いただければ幸いです。
【イメージED】
フレン・E・ルスタリオ - フラクタル
【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2
?????
「これで、全てのメモリアルカードが完成しましたね」
アールが嬉しそうな満面の笑みを浮かべる。
彼の手には大事そうにメモリアルブックが握り締められていて、暗い部屋で僅かにしかない光がその表面に全て吸収されていく。
「そうね。ここまで長かった……」
感慨深く言うフロワ。主人に忠誠を誓っている彼女であれば納得であった。
いよいよ野望を達成する時が来る。
胸のときめきは止まらず、二人の胸を掻き立てる。
「後は春樹さんと碧さんの持っているカードの回収ですね。急ピッチで進めましょう」
「えぇ。それと──」
フロワは自身の右側にある椅子を見た。
そこに本来座っている少年はいない。暗く沈んでいくような感触を覚えたフロワは、静かに呟いた。
「──
延々と雨が降り頻る。パーカーの中や服の隙間に入り込んで、異様な冷たさを感じさせる。
行く先など今のピカロには見えていない。
ただとにかく逃げているだけなのだ。
自分の憎んでいる輩から、自分の愛する女性から。
ただ雨は夜の中で降っている。
水溜まりを踏む音が聞こえはするのだが、誰も振り向いてくれはしない。
何せ、彼の周りには誰もいないのだから。
SEASON3 is finished.
2022.05.17 05:50 東京都 中野区 トキワヒルズA 601号室
まだ空は曇っている。あまねがテレビで見ている天気予報によれば、今日の昼も昨日に引き続いて雨が降るらしい。
ならば早く食事をして学校に行きたいのであるが、いつも朝食を作ってくれている春樹と碧が中々起きない。仮に二人が夫婦の営みをしていたとしても、必ずこの時間には起きているのに。
なので今日は、彼女が簡単にご飯を炊き、インスタントの味噌汁と納豆だけを用意しておいた。
すると、
「「おはよ〜……」」
気怠そうな二人の表情を見て、あまねはさらに不安になってしまった。
もしもいつものように夜に盛り上がっていたのであれば、春樹だけがげっそりとしていて碧は普段よりも若々しく見える。
朝ごはん用意してくれて有り難う、と感謝をしながらゆっくりと椅子に腰を下ろす二人を見て、あまねはさらに心配になってしまった。
「どうしたの? 二人とも……」
「……それが、変な夢を見たんだよ……」
「しかも俺も碧も、全くおんなじ夢を見たし……。本当に何なんだ……」
「きっと私達は運命共同体なんだよ……!」
ずっと疑問に思っている春樹に、前向きな姿勢を見せる碧。
何だか底知れぬ不安を感じるあまねに対し、二人は夢の話を始めた──。
────────────
目が覚めると、春樹と碧は二人が寝ていたベッドの上ではなく、何故かコンクリートの地面の上で寝そべっていた。
身体の全面に襲いかかって来る地面の硬さで起きた二人が体を起こすと、そこは何処かの街中だった。高層ビルが立ち並ぶ中でノスタルジックな雰囲気を醸し出すこの街は、春樹と碧が今までの人生で見たことの無い場所であったために、二人はさらに困惑してしまう。
「何? ここ……」
「……」
辺りを見渡しても、ここが一体全体何処であるのか見当がつかない。
すると、二人の前に得体の知れない者たちが現れた。
ソルダートとは違う、別の黒色の集団である。銀色の槍を持ち、黒ずくめの身体には同じく黒いガスマスクが付いている。
列を形成し一定の速度で歩いて来る彼らの先頭には、これまで見たことの無い化け物が立っていた。
黒いインナースーツの戦士は、着ている
そして腹部に装着されている
左側には上を向いて斜めに空けられた大きな穴が、右側には黒色のレバーがある。さらに中央にある穴からは、この戦士の顔を簡略化したイラストが描かれていた。
「仮面、ライダー……?」
「仮面ライダー? あんなんと一緒にするんやあれへん! わいの名前は……確か、『ゴリラユーザー』って言うねんで!」
春樹の呟きにゴリラユーザーと名乗る怪物は、コテコテの関西弁で不機嫌そうに返す。
右手の指で頭を掻きながら、春樹と碧の方を見ていると、
「何ぞ、今の発言でカチンときたな。とりあえずオノレは始末させてもらうぞ」
ゴリラユーザーは黒い戦闘員達を引き連れて向かって行く。
長年の経験からこれは戦わなければならないと察した春樹と碧であったが、そもそも先程まで普通に寝ていた彼らが戦闘に入るために必要な道具など用意しているわけなく、パジャマ姿でただ焦るだけであった。
「どうするの春樹? これかなり不味い状況だよね……?」
「ああ。こっちは手ぶらだしな……」
それでも怪人達は迫って来る。ゆっくりと、ゆっくりと。
致し方無い、と生身のままで戦いを始めようとした──
その時だった。
「変身!」
『変身シークエンスを開始します』
怪物達と二人の間に、
コンクリートを打ち砕き砂煙を上げ、さらには衝撃波で全員を後方へと吹き飛ばしてしまう。
煙が晴れたところを見ると、そこには別の怪人が立っていた。
ゴリラユーザーの付けているのと同じドライバーを装着した怪人は、黒いインナースーツの上から錆色の鎧を付けており、もう一体の怪人と比較すればかなりスリムな印象である。
外側に向けて2本の角が斜めに生えている頭部には、特徴的な赤い垂れ目の複眼があった。
彼の姿を見たゴリラユーザーは面倒くさそうに呟いた。
「ブートレグ……。いや……仮面ライダーやったっけなぁ?」
「……そうだ。僕の名前はブートレグ……。仮面ライダー、ブートレグだ……!」
「ブートレグ」と呼ばれた怪人は立ち竦みながら気弱そうに、だがその言葉に重みと熱意に似たものを混ぜて言った。
彼のことがどうやら気に入らないらしいゴリラユーザーは、合図を出して戦闘員達を走らせた。
多数の槍が前方から襲いかかって来る。
ブートレグは自身の両脚を使って前へと跳び出し、一気に彼らの眼前へと現れた。突然のことに対処が出来ない戦闘員達は、彼の繰り出すパンチやキックによって槍で反撃をする間も無く、血の代わりに黒い細かな粒子を撒き散らしながら倒される。
そして周りにいる全員が一瞬にして、黒い粒子となって消え失せたところで、今度はゴリラユーザーが大きな右腕を使って襲い掛かる。
「オラァァッ!」
バック転をして攻撃を避ける。行き場を失って地面に激突した拳は、大きな亀裂を生み出していた。
重たい拳を何度も何度も振り回すのだが、やはりブートレグの俊敏さはかなりのものらしく、一向に当たる気配は無い。
「いつまでも逃げて……。卑怯と思えへんのか!」
「まさか。これでも僕は戦っているんだ。これが僕の戦い方なんだっ!」
ゴリラユーザーの左の拳と、ブートレグが右足で繰り出した飛び蹴りがぶつかると、二人は何方も後方に吹き飛ばされた。
着地をしたブートレグは、ドライバーの上部に付いた透明なボタンを右手で押した。するとドライバーの前面が下へと捲れ、中身が顕になってしまった。
その真ん中にあるアイテムを取り出して元の状態に戻すと、彼の右手に何処からか何かが飛んで来た。
それは真紅の六角形で、側面には6本の脚や小さな頭部が付いていて、まるで蜘蛛のようだ。
さらにその表面の上部には小さく「02」、下部には「SPIDER」と黒く印字されている。
ガジェットの脚と頭部を仕舞い込んでただの六角形にしたブートレグは、中が空になったドライバーのスロットに装填した。
『
女性のハイテンションな声の次に、エレキギターを主旋律としたロックが流れ始める。
その間、ゴリラユーザーはブートレグに向かって行く。どうやら不味いことが起こるらしい。
そんなことを気にする間も無く、彼はドライバーのレバーに手を掛けて引き下げた。
ガジェットがドライバーの中央に移動して、内部にて展開。別の怪物を基にしたであろうイラストが姿を見せた。
『変身シークエンスを開始します』
大人しそうな女性の声がしたのと同時に、ゴリラユーザーの拳がブートレグに激突。
何と攻撃が命中したブートレグは、
「「えええええええええ!?」」
まさかの光景に春樹と碧は驚きを隠せない。
敵を倒したと思ったゴリラユーザーは、意気揚々としながら春樹達の方へと向かって行った。
「後は、ジブンらだけやな」
だが次の瞬間、ゴリラユーザーの体が何かに引っ張られるように後ろへと吹き飛ばされた。
転がる彼のことを見る春樹達の目線の中に入って来たのは、全く違うブートレグの姿であった。
特徴的な垂れ目は変わらないのだが、体色は装填したアイテムと同じ真紅になっていて、背中には黒いマントが、頭部には赤色の大きな角がある。
『SPIDER』
立ち上がったゴリラユーザーが再び立ち向かって行く。
するとブートレグは背中のマントの形状を4本の腕のように変えると、長く伸ばして標的の首を締め上げた。
「お前ぇっ……!」
「……すみません。本当はこんなことしたくないんですが、これ以上貴方が誰かに迷惑をかけるのを見過ごすわけにはいかないんです」
空いている左手でレバーを下げると、作られた両腕で一気に敵を自らの方に引き寄せる。
それを好機と思ったゴリラユーザーは、その勢いを逆手に取って右手で殴り飛ばした。けれどもブートレグも両足で彼の拳を殴ったがために、双方が吹き飛ばされる形となる。
これが実はブートレグにとってのチャンスであることに、この時は誰も気が付かなかった。
ブートレグが両腕から白い糸を大量に出すと、二人の飛ばされる先に糸で出来た大きな白い網が完成する。
それに当たり沈んでいく二人は、その反動で急速に前方へ押し出されてしまう。
一体どうしてそんなことをしたのか、狙いに全員が気が付いた時には、ゴリラユーザーにブートレグの右足が胸部の寸前に来ていた。
『SPIDER FINISH』
「ライダーキック!」
標的の身体を貫き、黒色の粒子が辺りに撒き散らかった瞬間、彼のゴリラユーザーの身体は全て黒い粒子となって消える。
ブートレグは地面に放置されているガジェットを拾い上げた。
『Rest in peace. 次の人生に、ご期待ください』
「一体何がどうなってるんだ……」
「……分かんない……」
すると次の瞬間、ブートレグの身体も黒い粒子となって消えてしまう。
一体何が起こったのか分からないままその場に取り残された二人は、黒い粒子達が風と共に去って行く光景を最後に意識を失い、そしてベッドの上で目覚めたのであった──。
目が覚めた。かなり悪い夢を見ていたような気がする。
けれども全身に残る倦怠感と残っている僅かな感触が、これが夢ではないことを明確に表していた。
「お疲れ様、
「……お疲れ様です。
目覚めた青年は生まれながらに持ったその幼く見える顔で、笑顔で迎えてくれた女性を見つめた。
黒いブレザーに赤色のネクタイをした青年に対して、女性は白いキャミソールワンピースという露出度の高い格好である。完全に二人の衣装は統一性の無いものであった。
「今日ゲットしたのはゴリラね」
「はい。結構手強かったですね」
女性が見つめるのは、茶鼠の六角形であった。両腕に両脚、頭部の付いてゴリラのような形をしたそれは、表面の上部に「09」、下部に「GORILLA」と黒く書かれている。
それは先程、ブートレグが手に入れた物と同等であった。
ふと女性が青年の方を見ると、彼が何やら暗い表情を浮かべているのが判る。
溜息を吐いて話しかけた。
「まだ、躊躇とか後悔があるの?」
「……いえ。もう迷いは振り切れました。……でも……」
「分かってるでしょ? この街を守ることが出来るのは、今のところ貴方しかいないのよ」
「分かってます。だから迷わないようにしているんです。この街を守る、『仮面ライダー』として……」
──その呼ばれ方、気に入ってるんだ。
笑みを浮かべる女性に合わせて、青年も何とかして笑顔になれるよう努力をする。
暗い室内の中で静かに笑い声が響き、そして消えていった。
これが、この世界で戦う仮面ライダーの素顔なのである。
新型未確認生命体の残り総数
各々が所持しているメモリアルカードの枚数
因みに彼らは次回作のキャラです。
なので本編にはもう登場しません。
【参考】
東京の過去の天気 2022年5月 - goo天気
(https://weather.goo.ne.jp/past/662/20220500/)
色の名前と色見本・カラーコード|色彩図鑑(日本の色と世界の色一覧)
(https://www.i-iro.com/dic/)
大阪弁変換
(https://osaka.uda2.com)