仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第95話です。
最近、字数が減ってきてしまっていますね……。お許しください。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。



【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question095 How has it fight by using that card?

 世界を滅ぼしたパラレインはアール等三人に近付き、自身の僕とならないかと提案をした。

 通常であればそんな要求を飲むとしても、目の前にいる相手の力を恐れてのことであろう。

 

 けれども三人は本心から彼奴に付いて行った。

 フロワは自身に暴行を働いた父親がいるこの世界を滅ぼしてくれたことに誠心誠意感謝をし、ピカロはもう何もこの世に未練が無かったためにどうでも良かった。アールに関してはよく分からないが……。

 とにかく、彼らは自ずから彼奴に従うことを選んだのだ。

 

 そして強大な力を得、自身らの世界を去って深い眠りについたのだ。

 

 別にピカロはパラレインに対してどうも思っていない。ただ何か面白そうなことが起こるような気がしたから付いて来ただけなのだ。良くも悪くも思っていない。

 

 だがここに来てパラレインのことを憎まなければならない事が起こった。

 彼奴がフロワと身体を重ねたのだ。

 人間の生殖行為に興味を示した彼奴は、日菜太の身体を利用して彼女を襲った。だがフロワは、これ以上の喜びは無い、と幸せそうに純潔を捧げたのだ。

 

 その時に目の前にあった光景を忘れることは出来ない。

 彼女をあんなに幸せに出来るのが自分であれば、どれほど良いだろうと思ってしまった。

 

 だからこそ今のピカロはパラレインのことを許せない。

 本来持っている力を全て使って、彼奴を殺す。

 それが今の彼が出来ることなのだ──。

 

 

 

────────────

 

 

 

2022.05.19 08:04 東京都 世田谷区

 ──だが、現実は残酷であった。

 

「お前ぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

 怪人態となったピカロが両手に剣を持ってパラレインに向かって行く。

 フロワの命を奪い永遠に自分の者とした彼奴のことが許せない。だから両手の刀でズタズタに斬り裂きたいのだ。

 

 そんなピカロは、パラレインが彼の上に出現させた大きな黒いスペースに気が付かなかった。

 上に伸ばした左手をゆっくりと下ろしたその時、そのスペースから大量の星が降って来た。色とりどりの星々の破壊力は一つ一つが絶大で、ピカロを苦しめる。

 

「ガァァァッ……!」

 

 その場にうつ伏せで倒れ込んだピカロであったが、両掌と両足の爪先で地面を勢い良く蹴って立ち上がる。

 そしてフロワに食らわせたのと同じ、歪んだ斬撃を幾つも発射した。曲がりくねりながら標的へと向かって行くそれは、浴びればひとたまりも無いことを表すのに最適であった。

 

 だが次の瞬間、

 

「そんな陳腐な攻撃で私を倒そうとするとは……舐められたものですね」

 

 斬撃達はパラレインの眼前で突如として静止。なんと地面に急降下して自滅した。

 激しい爆発が起こり、砂煙がパラレインの姿を隠す。

 

 横に広がる爆炎が一箇所に集まり始めた。

 あり得ない行動をする炎達が向かう先は、パラレインが掌を上に向けている右手の中だ。徐々に徐々に集まって、最後は小さな赤色の球になる。

 

 メラメラと燃える球はどうせ自分に投げつけられると思ったピカロは、高速で移動をしてそれを避けようと試みたのだが、

 

「!?」

 

 足が動かない。

 両足を誰かに引っ張られている、と言うより全身が押さえつけられているような感覚なのだ。

 

「この形態ではどうやら、宇宙にまつわる能力を使えるようですね。今、君のところにだけ通常の何十倍もの重力をかけさせてもらったから、もう動くことは出来ないよ」

 

 これではあの球を回避することも防御することも出来ない。

 急に焦燥に駆られ始めた。

 

 パラレインはそっと炎の球を手元から放す。柔らかく丁寧に放したことを無視し、球は豪速球として動けないピカロの方に向かって行った──。

 

 

 

 同じタイミングで、春樹達は廃工場の近くに着いた。

 乗っているバイクを停めて現場へと駆け始める。

 

 その時、

 

「「「!?」」」

 

 けたたましい音が耳の中に侵入して来た。何かが破裂するような音と爆発する時に聞こえる轟音が鳴ったのだ。

 

 急いで廃工場の前に行く。信じられない量の爆煙で前が見えない。

 晴れたところで見えてきたのは、うつ伏せになって倒れているピカロと、奥の方で彼を見つめている新たな姿のパラレインであった。

 

「まだだ……。まだ僕は戦えるんだぁ……っ」

 

 震える両脚を使って何とか立ち上がる。服は黒く焦げてボロボロになり、身体の至る所に傷や火傷の跡があって血が出ている。

 満身創痍の状態の彼を嘲笑うかのように、パラレインはドライバーのプレートを押し込んだ。

 

『Are you ready?』

 

 次に端末を下に押し込むと、パラレインの前に黒い大きな円が現れる。

 内部がドス黒いそれは、言わばブラックホールであった。

 

『OKAY. "GINGA" ALLEGORICAL STRIKE!』

 

 何も音を発しないまま、ブラックホールは全てを吸い込み始めた。工場の中の機材を、地面の砂埃を、全てを吸い込んでいく。

 その中にはピカロも含まれているのだ。吸引に争おうと必死になって地に足を付ける。少しでも気を緩めれば全てが無駄になってしまう。だから何があってもここを離れるわけにはいかないのだ。

 

 だがやはり、現実というものは無情なものであるのだ。

 

 どんどん彼はブラックホールの方へと近付いて行ってしまう。地面に必死になって足を付ける彼の意志を無視し、強制的に引き摺って来るのだ。

 最後の力を振り絞る。例え無意味であったとしても、出すことに意味があるような気がしたのだ。

 

 そして遂に、ピカロは黒い渦の中に消えて行った。同時に黒い渦は消えて、吸い込まれるのを宙空で待っていた砂埃達がハタハタと落ちていく。

 

 こうしてまた一人、異形の者はこの世を去って行ったのだ。

 その事実を春樹達は受け止めることが出来ない。敵であったとは言え、その最期があまりにも想定外のものであったのだ。同情の余地がそこにはあった。

 

 パラレインが次の獲物に狙いを定めた。邪魔はいなくなったのだから、後は思う存分彼らと対峙することが出来る。

 

「さて、カードをいただきましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: How has it fight by using that card?

A: By to shed a lot of stars.




因みに裏設定として、フォルクローの三人の年齢は以下の通りなんです。
アール:44歳
フロワ:16歳
ピカロ:14歳
そう考えると、JKであの色気を出せるフロワってヤベェなwww

今作は1シーズンが計10話という法則があります。しかし、最終シーズンは下手をすれば10話より短くなってしまう可能性があるのですが、どうしましょう……?

  • 短くてもOK!
  • いつも通り10話に合わせろ!
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