仮面ライダーアクト   作:志村琴音

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第96話です。
感想や読了報告等くださると筆者の励みになります故、何卒宜しくお願いいたします。



【イメージED】
柴咲コウ - 野生の同盟

【イメージサウンドトラック集】
https://open.spotify.com/playlist/23xA5ZAHZfdUR77F4JZ9lB?si=07c60fc3a3934b45&pt=97747cf874e1c0b08fb8e40c52da1ec2


Question096 Why did it strike them?

2022.05.19 08:04 東京都 世田谷区

「お前……仮にも自分の仲間だろっ……!」

 

 声を出した八雲の中で驚きの次に浮かんで来たものは、怒りであった。これまで連れ添って来た仲間を無惨にも殺し、平然と次の獲物である自分達に牙を剥けている。

 その事実が怒りの感情を駆り立てていくのだ。

 

「仲間? 何を言ってるんですか。ピカロもフロワも、ただ私が完全に力を取り戻すための駒に過ぎません。それ以上でも、それ以下でもないんですよ。勿論、アールもね」

 

 平然と言い放つ。

 最早同情の余地など無かった。

 

「「「変身!」」」

 

 アルティメットシェープのアクトとリベード、ネクスパイ アップグレードシェープに変身をした三人は、無情な怪人へと足を進める。

 彼らの中にあるのは、敵とは言え一人の命を奪った者への怒りであった。その怒りは最高潮に達し、それだけが原動力となる。

 

「「「ハァァァッ!」」」

「無駄なのに……」

 

 呟いたパラレインは何もせず、ただ三人の頭上に先程と同じように黒い空間を出現させる。

 それまでの戦いを見ていなかった彼らであったのだが、何かがやって来るとすぐに察知出来た。

 星々が降って来たとしても、ネクスパイはアンブレラブレイカー ボウガンモードを傘のように差して防ぎ、アクトとリベードはディスペルデストロイヤー バズーカモードで撃ち落としてその身を守った。

 

 危機を回避した三人。

 アクトとリベードはサーバーを操作する。

 

『"AGITO" LOADING』

『"RYUGA" LOADING』

 

 バズーカを置いたアクトの左手に、青色の薙刀──ストームハルバードが出現。

 一方のリベードの右隣には、漆黒の竜騎士──仮面ライダーリュウガが現れた。

 

 リュウガはドライバーに装填されたカードケースから1枚カードを取り出し、左手のリーダーに挿入する。

 

『ADVENT』

 

 転がっているドラム缶の光沢の中から、漆黒の龍──ドラグブラッカーが飛び出して来た。そしてそれはリュウガの周りをグルグルと動く。

 

『『『Are you ready?』』』

 

 サーバーを押し込むと、アクトは両端の刃が展開したストームハルバードを強風を起こしながら回し、リベードは隣にいるリュウガと共に浮かび上がった。

 さらにネクスパイもエネルギーの溜まっていくボウガンの銃口を標的に向ける。

 

『OKAY. "AGITO" DISPEL STRIKE!』

『OKAY. "RYUGA" DISPEL STRIKE!』

『OKAY. UPGREDED DISPEL BALLET!』

 

 ドラグブラッカーが吐き出した黒い炎の勢いを利用し、リベードとリュウガが右足で強烈なキックを食らわせようとする。

 アクトは何重にもなった青色と金色の斬撃を、ネクスパイは赤色の弾丸を放った。

 

 それぞれが並外れた破壊力を持った攻撃だ。まともに当たれば相手は一溜まりもないだろう。

 だがパラレインは至って余裕そうであった。防御しようと身構えようとも、何かを発動させようともしない。

 

 それもその筈だ。

 何せ、()()()()()()()()()()()()()()

 

 まずドラグブラッカーが突如として赤色の炎に包まれ、断末魔を上げて消滅した。

 推進力の源を失ったリベードとリュウガのキックの勢いは徐々に落ちていき、地面に落下してしまう。

 

 次にアクトの放った斬撃とネクスパイの放った弾丸は、移動する方向をいきなり上方へと変える。

 思いっきり屋根を突き破って外に出ると、2つの攻撃は美しい花火となって爆発し消えた。

 

 これで攻撃が完全に無駄になってしまった。

 だがそれで終わることは無く、パラレインはサイド黒い空間を出現させた。しかも今度は上にだけではなく、四方八方に出現させる。完全に袋の鼠となってしまったのだ。

 

 そこから大量の星々が色とりどりの輝きを放ちながらやって来た。

 美しいその攻撃達はアクト達三人を確実に傷付け、かなりのダメージを負わせた。

 

 さらにダメ押しとして、パラレインは右手から小さな赤色の球を放つ。

 まるで太陽のようにメラメラと燃える球が当たった瞬間、激しい爆発が起こった。

 

「「「グァァァァッ!」」」

 

 変身を強制的に解除された三人は、その場に倒れ込んでしまう。

 衣服がボロボロになって身体のあちこちに傷の出来た彼らは、戦闘不能という言葉がとても良く似合っていた。

 

「さて、では()()()()()いただきますか」

 

 するとパラレインはピカロを抹消したのと同じ渦を出現させた。先程よりも小さなものであるが、恐らくあの吸引力に変わりは無い。自分達も吸い込まれないように必死に地面にへばり付く。

 

 けれども彼奴の狙いは春樹達ではなかった。

 吸い込まれていくのは、掌に収まる程度の小さな物である。それが春樹達の所有しているメモリアルカードであることはすぐに判った。

 

「「「!」」」

 

 抵抗をしようとするのだが、如何せん体に力が入らない。

 目の前でカードが吸い込まれていくのをただ茫然と見ているだけだ。

 

 暫くして渦は消えた。

 あれだけのカードを手に入れたわけだが、パラレインはどうやら満足していないらしい。

 

「このカードの能力で別の所にある貴方方のカードを全て頂こうとしたのですが……流石に限界みたいですね。残り後10枚だけなのに。……まぁ良いでしょう。ではまた」

 

 いつの間にかパラレインがいなくなっている。

 何処に彼奴がいるかなど気にする暇も無く、三人は意識を失った。

 

 

 

────────────

 

 

 

?????

 帰って来たヒナタは失笑をしていた。

 これで殆ど全てのカードを手中に収めることが出来た。後はこれらを吸収してさらに強くなり、春樹達を倒して残りの10枚も頂けば良い。

 実に簡単な話だ。

 

 すると、

 

「パラレイン。貴方に一つ、ご報告しなければならないことがありまして……」

 

 後ろからアールが話しかけてきた。

 

「何だい?」

「別世界から連れて来た実験体の方々なんですけど……」

 

 アールの言葉でヒナタは思い出した。

 フォルクローの研究に没頭していた海斗が生前、アールを使って別の並行世界から実験のモルモットを収穫していた。

 もうそんなことなどすっかり忘れてしまっていた。

 それもその筈。彼らは改造を施した後、白い棺の中で目覚める時を待って放置しておいたのだ。今まで日の目を見ることの無いであろうと思っていた連中なのである。

 

「実は、内3人が脱走しましてですね」

「……そう。まいったね。私も暫く動けないだろうし」

「それでですね、一つ、考えがあるんですよぉ」

「?」

 

「その世界の仮面ライダーに対応をお願いするのはどうでしょう?」

 

 顔には出さなかったが、その提案に若干驚いた。

 まさか他の世界にも仮面ライダーがいるとは思っていもいなかった。無論、自分達が元々仮面ライダーのいた別の世界から来たのだから驚く必要性は皆無に等しいのだが、それでもやはりというわけだ。

 

 けれども良い判断だと思った。

 脱走したのはただのフォルクローではない。別の強大な力を秘めた者達なのだ。

 さすれば、餅は餅屋。慣れている者達にやらせた方が事が早く済む。

 

「じゃあ、それでお願い」

 

 一礼をしたアールが後ろを向いて歩き去って行く。

 その後ろ姿を見て事が何とかなりそうだと、ヒナタは笑みを浮かべる。

 そして、手にしたカードを見つめながら考えに耽り始めた。

 

 

 

 

 

 後に起こるのが言わずもがな、とある2組の夫婦の共闘である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時点で未確認物質解析班が把握している

新型未確認生命体の残り総数

通常0体

B群4体

合計4体

 

現時点で未確認物質解析班が把握している

各々が所持しているメモリアルカードの枚数

SOUP:10枚

零号:155枚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q: Why did it strike them?

A: Because it wanted cards that they had.




因みに、先日「アクト」の中で発表させていただいた新作のページを作らせていただきました。
お気に入り登録をしてくださると有り難いです。

https://syosetu.org/novel/324255/



【参考】
ストームハルバード|仮面ライダー図鑑|東映
https://www.kamen-rider-official.com/zukan/items/465
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