仮面ライダーレクイエム   作:リョウギ

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第9話「12の正位置:エレクトリック・アイドル」

あるビルの駐輪場

その近くの変電設備のコンテナ

 

ーゴシャッ!!!

 

そこに突然「なにか」が落下してきてコンテナをひしゃげさせる

 

半壊したコンテナの電圧板にぶち当たったのか派手なスパークと電撃の漏れる音が響く

 

 

「あがぁあああがぁがぁぁぁがああああ!!!!」

 

 

落ちてきた「何か」が凄絶な悲鳴を上げながらバタバタとのたうち回り耳障りな音を立てる

 

肉が焦げる嫌なにおいが辺りに充満してくると共に「何か」は静かになり、痙攣も徐々に小さくなっていく

 

それを眺めていたのは灰色のゴシックドレスを揺らす異形

 

 

『ーいいねぇ、超クールな死に方じゃん♪』

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

どこかのアパートの小さな一室

 

暗くした部屋の中でソファに深く座り込み、ヘッドフォンをして音楽を聴く少女が1人

 

ヘッドフォンから漏れるほどの大音量で聴きながら小さく首を揺らす

 

ぱちくり、と目を開くとその目の前のソファに奇妙な大男が1人深く腰掛けていた

 

 

黒い骨格模様の入ったパーカー

フードから覗く顔はゴツい軍用のガスマスクで覆った得体の知れない奇妙な男だった

 

 

少女がヘッドフォンを外し、男に気だるそうな視線を向ける

 

「……スカル。女の一人暮らしの部屋にノック無しで出没するの、怖い」

 

スカルと呼ばれた男はシュー……と息を漏らしながら額を掻く

 

『あのさ、何度もインターホン押したんだけど。というか間違いなくそのヘッドフォンのせいだろ』

「人のせいにしない」

『えぇ……』

 

強面に似合わない線の細い声で反論したが反論し返され、シュコー……と落胆の息を漏らしながらスカルがガスマスクで覆われた顔を手で覆う

 

『……(いずみ)。妹にはちゃんと礼儀教えておけよ』

 

机の上のスマホスタンドにスマホと並べて置かれたカードデバイスのディスプレイに顔が表示され、口を動かし始める

 

『あ?なんだスカル、お前うちの可愛いキー子に文句あんのか?』

『この兄にしてこの妹だったわ』

 

スカルの前でヘッドフォンを放り投げた少女がスカルに改めて視線を向ける

 

「ここに来たってことは、できたの?」

 

少女の言葉にスカルはまたシュー…とため息をこぼす

 

『いや、すまんがまだだ』

『エラく時間かかるじゃねぇか』

『元々のシステムもブラックボックスが過ぎるんだよ。まぁ当然だろうなぁ。誘波(いざなみ) 六美(むつみ)はこの事を見越した最終セーフティで遺したんだろうからな』

 

スカルは床に下ろしていたリュックから取り出したノートパソコンを開いて見せる

 

『唯一の完成品は、このレクイエムとかいうヤツが持ってるから調べようがねぇしな』

 

そこに映し出されたのは仮面ライダーレクイエムが戦っている様子の映像だった。監視カメラの映像の切り抜きのようだ

 

それを見つめながら無表情のままキー子が呟く

 

「これが…『仮面ライダー』、か…」

『へぇ、中々イカすカッコしてんじゃん』

 

シュー……と息を吐きながらスカルがノートパソコンを畳む

 

『まぁそうは言っても後は最終調整段階ではある。もうすぐ完成するから、これでも聴いて待ってな』

 

懐から取り出した一枚のCDを置く

最近流行りのアイドルのものらしい。可愛らしいアイドルの写真とポップなイラストが溢れたジャケットをしている

 

「……スカル、ドルヲタ?」

『違わい。最近JKに流行ってるらしいから、音楽良く聴いてたお前にもウケるかと思ってだな』

『JKって…良くCDショップが売ってくれたなそのナリで』

『めちゃくちゃビビられたけどなんとか買ってきたの。それだけ苦労して手に入れたんだ。大事に聴いてくれよ』

 

立ち上がり、手を振りながら去っていくスカル

 

その背を見送ってからコンポにCDをセットし、曲をかける

 

 

『♪ビリッと‼︎ピカッと‼︎シビれて世界‼︎』

 

 

ポップながらギターのサウンドも混じるノリのいいイントロが響きはじめ、ハイトーンで明るい声の歌声が響き始める

 

「……なかなか」

『……だなぁ。捨てたモンじゃないなアイドル』

 

体を揺らしてリズムを取りながらタブレットの電源を入れてインターネットを開く

 

CDのジャケットを見てそこに書いてある名前を入力する

 

 

綺羅星(きらほし) ヒカリ』

 

 

『キー子、俺にも見せてくれよ』

「ん」

 

テーブル上のアニマアルカナを手にし、胸ポケットに入れる

胸ポケットから見えるように顔アイコンが移動して画面を見る

 

見つけた記事の見出しを見たキー子が目を丸くする

 

 

「…?『死から蘇った奇跡のアイドル』って」

『ほう…そいつは面白いな』

 

 

アニマアルカナの顔アイコンがニヤリ、と口角を上げて笑った

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「奇跡の蘇りを果たしたアイドル?」

 

テーブルの上で木彫りの彫刻を削りながら十三(じゅうぞう)が訝しげに言う

 

「そう。最近学園では専らウワサだぞ?」

「そうなのか…?」

「保健室に寄る連中も良く話してるし、なんなら体調不良でベッドで寝ながらでもスマホやらで聴いてるヤツらもいる」

 

キャンドルがスマホの画面を十三(じゅうぞう)に見せる

 

 

『自殺からの奇跡の復活‼︎綺羅星(きらほし) ヒカリはどこまで輝くのか⁉︎』

 

 

「復活……か」

「まぁ、順当に考えれば…ノーワンだろうなぁ」

 

キャンドルは動画サイトを検索し、綺羅星(きらほし) ヒカリが歌っているMVを見つけて音楽を流しはじめる

 

 

『♪ネオンサイン煌めく 満点の夜空に響かせて』

 

 

十三(じゅうぞう)が彫っていた木彫りを置いて腕を組みながら、ポップな歌声に耳を傾ける

 

「おや?惚れたか?」

「…まさか。まぁいい歌声だなとは思うが」

 

十三(じゅうぞう)は自分のスマホでも綺羅星(きらほし) ヒカリを調べて幾つかのニュース記事を眺める

 

「自殺したと報道された次の日にステージに無傷で現れ、話題になっている……それ以外悪い噂は、ほとんど無いな。せいぜい所属事務所が待遇やら環境のいい事務所になってきている、ってことくらいか…」

 

キャンドルが歌声のリズムに合わせて体を揺らしながら十三(じゅうぞう)の方を向き悪戯っぽく笑う

 

「しかし、講師とはいえ花の高校生がいる学園にいながら噂に疎いヤツだなぁ?」

「あいにく、美術部兼文芸部の生徒たちはそういう話題とは無縁だからな…」

 

 

棺ノ宮(ひつぎのみや)中央駅周辺

駅近のビル内の大型CDショップを輪音(りんね)は訪れていた

 

「この人が、綺羅星(きらほし) ヒカリ」

 

店頭の大型ポップアップを見つけ、販売ブースに歩み寄る

 

美術部での活動中、(かなえ)が面白い噂があると教えてくれたのがこのアイドルだった

 

曰く「歌もめちゃくちゃいいから是非聴いてみてよ‼︎」とのことだったので輪音(りんね)も興味があったのだ

 

CDのジャケットを見比べてみていると、隣で試聴していた青年がヘッドフォンを外したのをチラと見て思わず二度見した

 

「え、正義(せいぎ)さん!?」

「!?(つなし) 輪音(りんね)…⁉︎」

 

青年、十一宮(といみや) 正義(せいぎ)が驚きに目を見開く

 

しばらく固まっていた輪音(りんね)たちだが、正義(せいぎ)が咳払いし口を開く

 

「……こんなところで会うとは、妙な縁があるな…」

「は、はい…正義(せいぎ)さん、こういう曲聴くんですね」

 

正義(せいぎ)はため息を吐きながら眼鏡を直し首を振る

 

「普段は聴かない。ジャズは聴くんだが」

 

輪音(りんね)の方をチラと見、バツが悪そうに視線を少し逸らし手にしたCDを見ながら正義(せいぎ)が口を開く

 

「…逸羽(いつは) 五月(さつき)の、気分転換になればと思ったんだ」

「……‼︎」

 

正義(せいぎ)の口から出た名前に輪音(りんね)の体が強張る

 

五月(さつき)…さん、今どうしてるんですか…?」

 

輪音(りんね)が震える声で問う

 

「…まだ、我々でも面会謝絶中だ。精神状態が不安定な状態が続いている。何故か、ノーワンの埋葬による記憶消失が不完全なままなんだ」

 

正義(せいぎ)はきちりと現状を説明し、輪音(りんね)は口元を押さえる

 

「そんな…⁉︎」

「………」

 

正義(せいぎ)は眼鏡を再び正し、輪音(りんね)を真っ直ぐ見下ろす

 

「こちらとしても特異な例だ。部隊の研究者たちが総出で解析をして治療にあたっている」

 

目を伏せる輪音(りんね)正義(せいぎ)は視線を泳がせる

 

「……俺は、ノーワンの埋葬による記憶の消滅こそが、残された人々への救済だと思っている。それは…まだ変わらない」

 

「だが俺は……まだ逸羽(いつは) 五月(さつき)を救えていない」

 

正義(せいぎ)の悲痛そうな声に輪音(りんね)は顔を上げる

 

正義(せいぎ)は辺りを見渡し輪音(りんね)に顔を寄せると小声で伝えてくる

 

「…キミのことは、上には伏せている。キミは口の軽い人間では無いと信じているからな」

 

「…‼︎ あ……」

 

正義(せいぎ)はCDを置き、立ち去ろうとする

 

「あ、あの……‼︎」

 

輪音(りんね)はその背を呼び止め、店頭から少し奥に行って一枚のCDを手に取り正義(せいぎ)に見せる

 

「こ、この方の歌…いつもショックなことがあった時に聴いてるんです…‼︎疲れた時とか、辛い時とかに、心に響くようで…とてもいい曲なので…‼︎」

 

輪音(りんね)が言おうとした意図を察したのか、正義(せいぎ)は一瞬驚いたような目をした後に少し表情を綻ばせ薄く笑う

 

「…ありがとう。これを差し入れてみることにする」

 

正義(せいぎ)はCDを受け取ると支払いを済ませ、輪音(りんね)に少し会釈して去っていった

それを見送った輪音(りんね)は試聴ブースで綺羅星(きらほし) ヒカリの歌を聴きはじめた

 

「……うん、いい曲」

 

頬を綻ばせて輪音(りんね)はしばらく曲に耳を傾けていた

 

 

埋葬部隊本部 局長室

 

「お時間いただき、ありがとうございます」

 

執務机前に立つ隠岐津(おきつ) 九留美(くるみ)が頭を下げる

 

腰掛けた八十八(やそや) 影斗(かげと)九留美(くるみ)の方を見て微笑む

 

「固くならなくていいよ。私は気にしないから」

「いえ、そういう訳には…」

 

コホン、と九留美(くるみ)が咳払いをすると影斗(かげと)を睨むように見据えながら口を開く

 

 

「……単刀直入にお聞きします。非死者0号を討伐対象とし続けるのは何故なのですか?」

 

 

九留美(くるみ)の問いに影斗(かげと)は目を細める

 

「……また随分と唐突な問いだね」

「前回の任務、暴走列車事件で単純に疑問に思っただけのことです」

 

影斗(かげと)は机に置かれていたヤクルトを一口飲んで唇を潤す

 

「非死者0号として確認しているあの存在は、我々と同様にノーワン及びジョンドゥと敵対する存在です。そして人間には危害を加えていません。それどころか、彼はノーワンたちにも寄り添っている」

 

「敵対、などではなくむしろ…我々は彼らと手を取り合うこともできるのではないですか?」

 

影斗(かげと)は空になったヤクルトの容器を眺めて机に置く

 

「ー敵の敵は味方…という風にはいかないのだよ」

 

影斗(かげと)九留美(くるみ)を冷たい瞳で見据える

 

「彼がノーワンたちと敵対し、人間への攻撃は行なっていない。それは確かに事実だが…万が一ノーワンが滅ぼされた場合は?」

 

「それは……」

 

「彼が人間側の敵にならない、とは保証できないのだよ」

 

九留美(くるみ)がごくり、と喉を鳴らす

 

「ノーワンどもを全て倒した時、彼が『新たな死』を振り撒かない保証は無い。恐ろしいことに、ね」

 

 

「人の死と同じさ。どこから、いつくるかわからない。だからこそ原因は全て切除しなければならない。秩序ある真っ白な正義の手によってね」

 

 

八十八(やそや) 影斗(かげと)はただ優しく、そう微笑んで答えた

 

目を伏せ言葉を飲み込む九留美(くるみ)の前に影斗(かげと)は書類の束を取り出す

 

「あー、そういえば…これを」

 

影斗(かげと)から書類を受け取り、その内容を見ようとページを捲る

履歴書のようなそれに添付された顔写真を見て九留美(くるみ)は目を見開いて固まった

 

「埋葬部隊の実動隊に新たに加入してもらうことになった。同時に、新たなヴァジュラドライバーの運用者にも選んである」

「な、ちょっと待ってください⁉︎そんなー」

 

影斗(かげと)が目を細め微笑む

 

「悪いが決定事項なんだ。正義(せいぎ)隊長にも事情の説明を頼むよ」

 

九留美(くるみ)はただ呆然とその言葉を聞くことしかできなかった

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

暗い夜道を歩くのは高校生から大学生くらいの背格好の女性

スマホをいじりながら歩いていると、ある音が聞こえてきた

 

 

【〜♪】

 

 

歌だ。ポップなアイドルソングの歌

 

「……⁉︎」

 

聞き覚えのある歌に思わず足を止める

 

聞こえてきた歌は綺羅星(きらほし) ヒカリのヒット曲『ネオンスターライジング‼︎』の鼻歌だった

 

女性の目の前の闇を引き裂き、赤、黄色、緑のカラフルな光が踊りながら現れる

 

そこに現れたのは全身に煌めく電光装飾を持つ怪人だった

顔と胸には電光板を持ち、指先はペンライトのような構造でこちらもカラフルに光り輝いている。頭からはツインテールのような電飾コードの束が伸びていた

煌びやかなスカートを持つアイドルのような装飾の下には灰色の蝋を固めたような歪な体が見えていた

 

現れた怪人は手にマイクを持ったような仕草をしつつ鼻歌と共に歌って踊りながら女性に近づき、指を指す

 

【キラキラ輝く星は、ずぅっと輝かなくっちゃ‼︎】

 

顔の電光表示が笑顔から怒り顔のような顔に変わり、黒い画面が真っ赤に染まる

 

 

【そのためにぃ……邪魔な蛾は払わなくちゃいけないの】

 

 

明るい声から無感情な低い声に変わると共に怪人は両手を女性に向け、袖から大量のコードを伸ばして女性に巻き付けるとぐいっと引き寄せる

 

【さ、人生最期の大サービスだよ?】

 

身動きの取れなくなった女性の目の前でパカッと胸の電光板が開く

その下の高圧盤がバチバチとスパークするのを見て女性が「ひっ⁉︎」と恐怖の声を漏らす

 

【はぁーい、ぎゅ〜‼︎】

 

暴れる女性をそのまま両腕で抱き締めるように抱え込み、顔から高圧盤に押さえつけ抱き締める

 

顔を高圧電流の中に突っ込まされた女性は壊れたおもちゃのようにもがくが、怪人の力の前では振り切ることも許されない

 

バチバチと感電する音と肉の焼ける嫌な音が充満し、びくびくと痙攣していた女性の体が脱力する

 

 

【……これでまた、一歩近づいた】

 

【でも、まだ足りない】

 

 

べりっと女性を引き剥がし、ゴミのように捨てて蹴り飛ばすと怪人はスキップしながら去っていこうとする

 

が、何かに気づき振り向きながら飛来した光弾を撃ち落とす

 

「ノーワンだな?」

 

振り返った先に現れていたのはCDショップから帰る途中だった正義(せいぎ)だった。ヴァジュラズハンマーの銃口をノーワンに向けながら油断なく構え直す

 

【ノーワン?違うよ。ヒカリは永遠の綺羅星‼︎輝けるアイドル‼︎】

「アイドル…だと?」

 

正義(せいぎ)が顔をしかめる

 

【ごめんね〜今日はもうライブ終わりだから、バイバイ‼︎】

 

ノーワンが手を振ると背中からペンライト型のミサイルがスパークしながらあたりに降り注いでいくが正義(せいぎ)は素早い身のこなしで回避し、ヴァジュラドライバーを装着してアニマアルカナを装填する

 

「変身‼︎」

 

ACTIVATION(アクティベーション)

ELECT(イレクト):JUSTICE(ジャスティス)

 

ヴァジュラのアンダースーツが装着されると共に自動操縦で走ってきたアドミニストレータ11が逃げようとするノーワンを跳ね飛ばしながら装甲をパージ。ヴァジュラに装着され正義(せいぎ)がヴァジュラ・ジャスティスへと変身する

 

ADMISTRATION(アドミニストレーション) START(スタート)

 

「はっ‼︎」

 

ノーワンの放つネオンミサイルを弾丸で弾きながら肉薄したヴァジュラ・ジャスティスの攻撃をノーワンは踊るように受け止めながら反撃してくる

 

【ちょっとちょっと‼︎乱暴はやめてよ‼︎】

 

くるくると回りながら回し蹴りでヴァジュラ・ジャスティスを蹴り飛ばし、ノーワンが腕を広げると巨大なスピーカーが4つ出現する

 

怒った顔の表示が電撃の走る音符に変化するとノーワンは息を吸い込むような動作を見せる

 

 

【L^AAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!】

 

 

手に現れたマイクに向けてノーワンが絶叫する

 

それに合わせてスピーカーからスパークする音符型のエネルギーが大量に飛び出し、あたりに稲光と爆発を巻き起こす

 

「ぐっ!?」

 

何発かヴァジュラ・ジャスティスにも命中し、よろめくがアーマメントをすかさず起動する

 

ARMAMENT(アーマメント) CONTROL(コントロール)

 

分離したアーマメントビットがノーワンに飛来していくがノーワンが再びの絶叫を放つとアーマメントビットから火花が散り、墜落する

 

「何…⁉︎」

 

【無駄だよ。綺羅星(きらほし) ヒカリの歌声は、宇宙一なんだから‼︎】

 

 

【L^AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!】

 

 

顔の電光表示が赤い音符に変化して更に圧力を増した歌声が響く

 

咄嗟にガードするがヴァジュラ・ジャスティスの装甲に盛大な火花が散り、大きく吹き飛ばされる

 

「ーがっ!?」

 

ダメージを負ったヴァジュラ・ジャスティスが呻く中、ノーワンは大きく手を振りながら鼻歌混じりにスキップして去っていった

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

キー子の住む一室

ソファで体を伸ばしてくつろいでいたキー子の元にスカルが姿を現す

 

「スカル、よっす」

 

キー子が体を起こし、片手を上げて無表情のまま挨拶をする

 

『うっす。ロックはもういいのか?』

「ロック違うし。ヘヴィメタ」

 

キー子が左手で人差し指と小指を立て、手の甲を見せたコルナポーズを見せながらべーと舌を出す

 

『俺には違いがわからんが、まぁいい』

 

スカルは乱雑に散らかったテーブルの上のものをまとめて下ろすとその上に大きなアタッシュケースを置く

 

蓋を開いたそこには黒光りするデバイスが鎮座していた

 

右と左に大きくレバーが張り出した舵輪かハンドルのような装飾の中央にはちょうどカード大の何かが入りそうなスペースがある

 

それを見たキー子が目を丸くし、食いつく

 

「できたんだ…‼︎」

『ほう、コイツが例のヤツか‼︎いいねぇ‼︎』

 

騒ぐ2人(?)を眺めてスカルはシュー…と息を吐く

 

『コイツもサービスに付けとく。お前のセンスに合わせといた』

 

スカルが取り出したのは少し大型のカラベラ人形のキーホルダー

それを受け取ったキー子は早速足元のギターケースを蹴り起こし、それをぶら下げる

 

『ノーワンやジョンドゥの放つアニマの波形を感知したらカラカラ鳴るようになってる。センサーってヤツだ』

「なるほど」

『そいつは便利だなぁ。俺は臭いはわかっても出現はわからんから取り逃しちまうことが多かったし』

 

スカルは2人(?)の顔を見比べ、マスクを直す

 

『まぁこれにてようやくスタート地点ってワケだ』

 

『俺と、お前ら八七(やしち)兄妹の『復讐』が…な』

 

スカルの言葉を聞いたキー子ー八七(やしち) (のぞみ)はテーブルの上に置かれたスマイルが描かれたマスクを手にし、顔に被る

 

 

「ー最高のショー、まもなくオンエア」

 

 

コルナポーズを決める(のぞみ)に合わせて愉快そうにセン兄ー八七(やしち) (いずみ)がカードの姿のまま笑う

 

 

『Don't miss it‼︎ってなぁ‼︎』

 

 

廃れた地下スタジオ

そのステージに立つのは煌びやかなアイドル衣装に身を包んだブロンドのツインテールを持つ少女

 

「るりら♪るりら♪」

 

少女ー綺羅星(きらほし) ヒカリはくるくるとステップを踏んで舞い、手にしていたペンライトを背後の壁に投げつける

 

ペンライトは壁に貼り出された一枚の女性の写真を貫き、スパークを上げながら燃え落ちた

 

それを満足そうに見たヒカリはかつかつ、とステージを歩み、大きく息を吸い込みながら声を上げる

 

 

「♪It's a show time!!!!!」

 

 

マイク無しでも響き渡る歌声を上げると共にヒールをカツンと鳴らす

ヒールから迸った稲光がダウンしていたスタジオの電気系統をオーバーロードさせ、煌びやかなステージを作り上げる

 

自身の曲『イナズマショータイム‼︎』を熱唱するヒカリを後方の席からオペラグラスで覗き見ながらシャンデリアが愉快そうに笑う

 

『最高にクールじゃな〜い♪いいわよエレクトリック。アナタ最高にキラキラしてクールだわ』

 

少し離れた席に座る刈り上げた髪の大男ージャック・トーチの人間体はつまらなそうにステージを見たまま声も上げない

 

『ちょっとトーチ。アンタもなんか盛り上げてみなさい?』

「何故オレがそんなことをせねばならん」

 

トーチがはぁ、とため息を吐く

シャンデリアに視線を移しながらトーチが口を開く

 

「……ランタンはどうした?ヤツも興味がありそうなノーワンだが」

 

今度はシャンデリアがうんざりしたようにため息を吐き出す

 

『クソランタンなんか知らないわよ。なんか確か、用事があるとかやることがあるだとか言ってたわね』

「やること、だと…?」

 

シャンデリアの告げたランタンの様子を聞いたトーチが訝しむように首を傾げた

 

(……オレ以上に刹那主義の享楽者のランタンが、何かを探しているのか…?一体何を……?)

 

 

夜の街を見下ろすビルの屋上

ぼろぼろの白衣をたなびかせながら灰色の髪を片房三つ編みにした眼鏡の男が歯を見せながら笑う

 

影斗(かげと)くん、とうとうアニマ・プロテクト持ちを3人捕まえたのカ…不完全とはいえ中々やるじゃないカ…クフフフフ…‼︎」

 

ジャック・ランタンは愉快そうに微笑みながらも目は笑っていなかった

 

 

「そんな愉快なおもちゃでどう『遊ぶ』つもりなのかネ?ワタシを仲間外れにしておきながら」

 

 

ランタンは不気味に笑いながらそのままビルから飛び降りる

その姿はいつの間にか消失していた

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

エレクトリック・ノーワン交戦の翌日

 

ーバンッ!!!

 

肩を怒らせた正義(せいぎ)が局長室の扉を開け放ち、執務机までつかつかと歩いていくと手にした書類束を影斗(かげと)の前に叩きつける

 

「な、なんだい正義(せいぎ)隊長…⁉︎心臓に悪いことはやめておくれよ…」

 

戸惑いながらも軽口を叩く影斗(かげと)

それを睨む正義(せいぎ)の顔には烈火の如き怒りが見られた

 

「これは、どういうつもりですか…‼︎」

 

手にした書類を握りしめながら影斗(かげと)に突きつける

それを見た影斗(かげと)はキョトンとした顔を一瞬見せたが淡々と答える

 

 

「そこに書いてある通りだよ。逸羽(いつは) 五月(さつき)を特例的に埋葬部隊の隊員及びヴァジュラシステム運用者に任命する。それだけ」

 

 

あっけらかんと答えた影斗(かげと)を強く睨みながら正義(せいぎ)は問い詰める

 

「俺はどういうつもりかと聞いているんです‼︎彼女はノーワンの被害者、加えて高校生の一般人だ‼︎治療を優先していた彼女を何故、我々の部隊どころかヴァジュラシステムの運用者に任命したんです⁉︎」

 

影斗(かげと)は眼鏡を磨きながら口を開く

 

「君が今言った通り、『治療のため』さ。ヴァジュラに運用されているカウンターアクティバイザーは使用者のアニマを活性化させる。彼女のアニマに残る干渉影響を落とすには、これ以上無い処置になると私もジュナくんも結論づけた」

 

「加えて彼女は、キミと同様に潜在的にノーワンに強い憎悪を抱いている。その発散と我々の戦力増強が図れるなら、この選択肢が最も有効だと私が判断したんだよ」

 

影斗(かげと)の言葉を聞いた正義(せいぎ)は唇を噛み締め、部屋を去ろうと背を向ける

 

 

「彼女のこと、頼んだよ。正義(せいぎ)隊長」

 

 

その背ににこやかな声が浴びせられた

 

 

埋葬部隊本部の廊下

局長室を後にした正義(せいぎ)が突き進む先から歩いてきた1人の女性隊員が敬礼する

 

その顔を見た正義は目を見開いて立ち止まる

 

 

「きょ、今日からよろしくお願いします‼︎隊長‼︎」

 

 

逸羽(いつは) 五月(さつき)

この前まで死んだような目をしてやつれていた少女が生気を取り戻した顔色でそこに立っていた

 

右こめかみには火傷を隠すバンテージが巻かれている

 

逸羽(いつは)……五月(さつき)……」

「はい‼︎あの…入院中はお世話になりました。それとー」

 

五月(さつき)は隊服のポケットからCDを一枚取り出す

 

輪音(りんね)が選び、その日のうちに五月(さつき)に差し入れたあのCDだった

 

「このCD、ありがとうございます」

 

 

「おかげで、気持ちを整理することができて一歩踏み出す決意が固まりましたから‼︎」

 

 

五月(さつき)の言葉に正義(せいぎ)はただ言葉が返せなかった

 

「隊員として、仮面ライダーヴァジュラとして、ご指導よろしくお願いします‼︎」

 

元気に一礼して五月(さつき)が去っていく

 

その姿が見えなくなると、正義(せいぎ)は力のままに拳を壁に叩きつけた

あまりの衝撃にリノリウム状の壁がひび割れへこむ

 

 

「俺は……俺は……ッ‼︎」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ひっ、ひぃぃぃっ!?」

 

電灯が照らす夜道

悲鳴を上げながら腰を抜かして後ずさる男にバチバチとスパークするコードがゆらゆらと迫る

 

【ヒカリは輝かなくちゃいけない。いつまでも、どこまでも‼︎】

 

【だからァ、アナタもヒカリとお星様になろ?】

 

エレクトリック・ノーワンが腕から漏電するコードを伸ばしながら電光表示で微笑む

 

男の顔が絶望に歪む中、それを壁を這うトカゲが見下ろしていた

 

その背に付いたカメラがぐるぐると忙しなく動いていた

 

 

夜道をグレイブースターが疾走する

インカム越しに十三(じゅうぞう)がキャンドルに問う

 

「反応はこの先で間違いないんだな⁉︎」

『ああ、そうだ』

 

答えるキャンドルの声が訝しむような声色に変わる

 

『だが……妙な反応もある。なんだこいつは?』

 

 

エレクトリック・ノーワンが男をコードで絡めようとしたその時

 

「とうっ」

 

その体に飛び蹴りが突き刺さり、大きく吹き飛ばされる

 

【いたた…何⁉︎】

 

エレクトリック・ノーワンを蹴り飛ばした小柄な影が立ち上がる

 

フードを被り、顔にはスマイリーマスクを付けた人物

 

 

「復讐に燃えるヒーロー、かな?」

 

 

現場に駆けつけた十三(じゅうぞう)は逃げ行く男とすれ違いながら奇妙な乱入者を見つめて首を傾げる

 

「なんだ…?おいキミ‼︎そいつは危険だ‼︎」

 

十三(じゅうぞう)の言葉にマスクー八七(やしち) (のぞみ)は微かにマスクを揺らす

 

「知ってるよ。大丈夫」

 

「何を言ってんだ…⁉︎」

 

十三(じゅうぞう)は腰にデスサイズドライバー・ギロチンを装着し、アニマアルカナを取り出して驚愕する

 

 

《デスサイズドライバー・ガロット》

 

 

(のぞみ)は肩にかけたギターケースを蹴り開け取り出したドライバーを腰に巻いた

 

舵輪のようなバックルは大きく形状が異なるが、その基部は間違いなくデスサイズドライバーだったのだ

 

「なー」

 

十三(じゅうぞう)の前で(のぞみ)はアニマアルカナを取り出し起動

ディスプレイの心電図が歪み、悪魔のような顔を映し出す

 

 

《セブン:チャリオット》

 

『さぁて、ワンマンライブと行こうかァ‼︎』

 

 

(いずみ)のシャウトと共に希はドライバーにアニマアルカナをセット

待機音楽に合わせてステップを踏み、左手で首を掻き切るポーズをしてコルナポーズを決める

 

 

「変身」

 

 

舵輪型のバックルのハンドルを掴み、回転させる

 

 

《エクスキューション・アップ》

 

《アッパー・チャリオット》

 

 

ガイド音声と共に(のぞみ)の首にリングが出現

両側から現れた杭がリングごと首を貫き、(のぞみ)が脱力するとその頭部が黒い炎に包まれ燃え上がる

 

ゴキンッ‼︎

 

更にその首輪が回転。首が180度回ると体も黒い炎に包まれ、黒いライダースーツ状のスーツを形成

首から噴き出すオレンジの混ざった黒い炎がポンチョの形となり纏われると同時に、両腕にバレットベルトが装着されそれぞれ6門の砲身が伸びる

 

最後に回転した首をヘルメットを被るように逆向きに立ち上げると、首輪に逆さの骸骨がはまった「ソンブレロ」が出来上がり、持ち上げた下からアニマアルカナに現れていたものによく似た表情のマスクが新たに現れる

 

 

『ヒィィィィィハァァァァァァァ!!!!』

 

 

テンションの高い雄叫びと高笑いを響かせながら怪人は両腕の銃口から派手に黒い弾丸をばら撒く

 

『こいつぁいい‼︎久々の体だ‼︎シャバの空気だ‼︎』

 

怪人から聞こえる声は(のぞみ)のものではなく、(いずみ)のものになっていた

 

怪人が決めポーズをキメる様をいつの間にか現れていたコウモリ型のドローンが4機撮影していた

 

 

ガードレールに腰掛け、その様子を見下ろしドローンたちを見たキャンドルはスマホを取り出し動画サイトを検索する

 

そこには目の前の光景がリアルタイムで編集されながらライブ配信されていた

 

映り込む怪人とノーワンの姿を見たコメント欄はフェイクを疑うものや本物だと色めきだつもので別れつつも溢れていた

 

「どこの誰かは知らないが、面白いことをするじゃないか」

 

キャンドルが獰猛に微笑む

 

 

薄暗い部屋の中、リアルタイムで送信される中継画像を編集しながらスカルがガスマスクの下で口角を上げる

 

『派手に行こうか。黄泉平坂、根の国に届くまで』

 

 

『俺たち流の弔い合戦、はじめようじゃないか』

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「変身…した…⁉︎」

 

驚愕する十三(じゅうぞう)の言葉を遮るようにエレクトリック・ノーワンが叫ぶ

 

【何?ヒカリの邪魔すんの…⁉︎】

 

『邪魔なんかしねぇよ。ロックじゃねぇ』

 

『俺たちの名は……あー………』

 

怪人はチラッと十三(じゅうぞう)の方を見る

 

 

『ームエルト、仮面ライダー(・・・・・・)ムエルトってヤツだ』

 

 

怪人ー仮面ライダームエルトはエレクトリック・ノーワンを指差し挑戦的に告げる

 

 

『俺らの目的は「復讐」だ。最高にロックなヤツさぁ‼︎』

 

 

怪人がエレクトリック・ノーワンに迫る

 

【どっちにしろ、邪魔!!!】

 

エレクトリック・ノーワンは袖からコードやペンライト型ミサイルをばら撒いてくる

 

怪人は腕を合わせて擦り、腕のバレルを回転させて黒の弾丸をばら撒く

 

ペンライト型ミサイルが撃墜され、ノーワンの体表が爆ぜる

 

『いいねぇ!!祝いの花火にゃ、ちょうどいいなぁ!!!』

 

ムエルトが肉薄する

そこに稲妻を迸らせた貫手が迫るが、ムエルトはその腕を掴み押さえると豪快なヘッドバットを決める

 

【ガッ…⁉︎】

 

ひしゃげひび割れた顔面ディスプレイが火花を散らす

のけぞったノーワンを逃さず、ムエルトは浴びせ蹴りを打ち込んでその体を吹き飛ばす

 

『ハッハー!!!どーよ⁉︎』

 

拳を打ち合わせながら親指と人差し指、中指を立て逆さにしたゴンフィンガーを両手でキメる

 

【ー負けない、よッ!!!】

 

エレクトリック・ノーワンが腕を振るう

袖から伸びた電飾ムチが多数に枝分かれし、有機的にのたうちながらムエルトに襲いかかる

 

『しゃらくせぇ!!!』

 

ムエルトは両腕の銃を乱射し、ムチを抑え込むが何本かはそこから抜け出し盛大に火花を散らす

 

足元に炸裂したムチをバックステップで回避したムエルトをエレクトリック・ノーワンが睨む

 

【ヒカリは、綺羅星(きらほし) ヒカリは輝かなくちゃ…一等星じゃなきゃダメなの!!アイドルとしても、アイドルじゃなくとも…‼︎】

 

振るわれるムチを撃ち落とす中、ムエルトの脳裏に声が響く

 

 

《セン兄ばかりズルい。交代》

 

『あン?わかったわかった。急かすなよキー子』

 

 

ドライバーからアニマアルカナを取り出し、ムエルトが新たなアニマアルカナを取り出して起動する

 

 

《エイト:ストレングス》

 

 

新たなアニマアルカナをセットして舵輪型のバックルを回転

 

 

《エクスキューション・アップ》

《アッパー・ストレングス》

 

 

再び現れたリングがムエルトの首を180度回す

迫るムチの攻撃を脱ぎ去ったポンチョをはためかせて弾き、脱いだそれを腰に巻きつけスカートにする

 

更に腕から引き剥がしたガンベルトを新たに脚に巻きつけ、束ねられた銃口が新たに一つの大型銃を形成する

 

エレクトリック・ノーワンの放つミサイルをバク転しながらの脚銃の乱射で弾き、着地するとヘルメットを被るように逆さになったドクロをバイザーとして下ろし、首輪となっていたリングが後頭部に移動し、その真ん中からポニーテールのようにケーブルが伸びる

 

 

「ー選手交代。ピッチャー、私」

 

 

片脚を上げながら挑発するムエルトから聞こえる声が(のぞみ)のものに戻る

 

ムエルト・アッパーストレングスは振り上げた脚を力強く下ろし、それを軸に瞬間加速するとエレクトリック・ノーワンに一気に接近してその体を蹴り上げる

 

ブレイクダンスを踊るように体勢を変え、片手立ちしながら両脚を振り上げて脚銃の銃口を向けて空中のエレクトリック・ノーワンを撃ち抜く

 

更に落下してきたエレクトリック・ノーワンを逆立ちしたまま背中を付けて回転し、脚銃からの銃撃でお手玉した後に蹴り飛ばす

 

【があっ!?】

 

エレクトリック・ノーワンが地面を転がり倒れ伏す前でムエルトは体を捻らせて勢いをつけて立ち上がる

 

 

《エクスキューション・アップ》

《アッパー・チャリオット》

 

 

再びアッパーチャリオットの姿に戻ったムエルトが腕の銃口をぼろぼろになったエレクトリック・ノーワンへ向ける

 

 

『ーっと、やめだ。アンタ、逃げていいぜ』

 

 

が、何を思ったかムエルトはその銃口を下げ、両手を上げて降参の意思を示す

 

「なっ⁉︎何を考えてるんだ…‼︎」

 

《エクスキューション・アップ》

《リバース・デス》

 

勢いに置いてかれかけていた十三(じゅうぞう)が泡を食いながらレクイエムに変身

ノーワンに向けて駆け出そうとする

 

ーガガガガァン!!!

 

その足元に銃弾が降り注ぎ、思わず足を止める

 

「お前…⁉︎」

 

レクイエムの足元に向けたムエルトの銃口から煙が上がっていた

 

『悪ィな、先輩(センパイ)。だが、俺たちは言ったはずだ』

 

ムエルトはレクイエムに銃口を突きつけ、ソンブレロの鍔をなぞる

 

 

『ー俺たちの目的は、「復讐」だってなぁ』




「私たちは『復讐者』ってヤツ」
『先輩っても、そこは譲れねぇわ』

新たに現れた謎の仮面ライダームエルト
八七兄妹の『復讐』とはなんなのか

『俺は俺にできる復讐をするだけだ』
「面白いことするじゃないか」

邂逅するスカルとキャンドル

【ヒカリは一等星‼︎永遠に輝くの‼︎】

蘇ったアイドル・綺羅星 ヒカリは夜空に歌う

「その歌声は、ロックじゃない」

その歌声に希が挑戦状をたたきつける

次回仮面ライダーレクイエム
「12の正位置:グレイトフル・ワンナイト」

『ロックじゃねぇなお前』
『はじめようか、真っ暗闇のパーティタイムだ‼︎』
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