百城千世子を生で見たい、なんなら喋りたいし触りたい   作:ジョー/ヤマナル

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この小説の評価見てアクタージュってまだまだ人気の漫画なんだなって思いました

ちょっと展開迷ったけど原作前よりも原作が始まってからを書きたかったからこうしました

あと主人公はちょっと理由あって原作のこと結構忘れてます
でも百城に関わることはけっこう覚えてます
愛です


俺こそが覆水盆

そこで俺は目を覚ました。あそこまで夢で見せるならもうちょっと先まで見せて欲しい物だ、あの後が今までの俺の人生における絶頂期だったのだから

 

「あら、もう起きてるのね、ルイとレイも起こしてくれないかしら」

 

そう俺に言ったのはこの家の主である夜凪景だ

 

「わかった、その前に洗面台を少し使わせてくれないか?」

 

「いいわよ」

 

許可を貰ったので意識を完全に覚醒させるために洗面台へ向かう。蛇口を捻って水を出して、それで顔を洗う。少しぼやけていた視界と意識が完全に覚醒するのが解った

 

そしてその覚醒した視界に映る映像を見る。決して豪華ではない洗面台に取り付けられた鏡に映る自分を、それには親が役者であることを証明するかのように顔の整った人物が居る。それは過去にスターズの顔と呼ばれていたことにも納得できるような顔立ちだ

 

右目を覆う大きな傷痕がなかったら、の話ではあるが

 

 

 

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「「「「いただきます」」」」

 

俺と夜凪、そしてその兄弟のルイとレイの四人でテーブルを囲むようにして朝ごはんを食べ始める。やはりうまい、それだけでも彼女と関わった価値があるという物だろう

 

「にしても、お前のようなうら若き乙女が簡単に男を家にあげていいのかよ?」

 

「あなたから来たんじゃない、それにあなたは私に対してそういう感情は抱いてないでしょう」

 

確かに俺は百城しか見ていない、それは百城と実際に会った今でも変わることはなく、むしろ百城という存在をさらに深く知ることができ、さらにハマったくらいだ。やはりこの世界は前世で見たアクタージュの世界ではあるのだがここは実際に存在している以上、アクタージュでは描かれていなかった百城についても知ることができるのは良い

 

「というか昨日はもう遅かったから聞かなかったけど、何があったのかしら?」

 

そんな俺の思考をかき消すように夜凪が話かけてきた

 

「迷惑なことに未だに俺につきまとうパパラッチがいたんだ」

 

「え?それって大丈夫なのかしら?うら若き乙女の家に泊まるっていうのは」

 

「大丈夫さ、今さら俺のスキャンダルなんて出したところで金にならんだろう。たぶん業界の裏話でも聞きにきたんだろう」

 

「うらばなしってなぁに?」

 

「知ったら二度とテレビをマトモな目で見れなくなるような話、かな」

 

「うちの子たちに変なこと吹き込まないで」

 

「冗談だよ」

 

はたしてそれは吹き込もうとしたことが冗談なのか、裏話そのものが冗談なのか、夜凪には判断がつかなかった

 

「そういえば私、役者に成ろうと思うの」

 

「……随分と急だな」

 

「言ってなかったかしら、私バイトクビになったのよ」

 

「そうか」

 

これでやっと、原作が始まる

 

 

 

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「オーディションどうだった?」

 

「馬鹿でも分かるように演じろって言われてね、そう演じてみたわ」

 

「オイ、待て、どういうことだ?」

 

高校の帰り、夜凪にオーディションについて聞くと爆弾発言が返ってきた、詳しく話を聞いたらその場にいた試験官からマジで言われたことらしい。スターズにそんな奴いたっけなぁ

 

「今から買い出しに行くのだけど着いてきてくれないかしら」

 

「いいぜ、荷物持ちでもすればいいか?」

 

「そうね、なんなら食べて行く?」

 

「バイトクビになったって言ってたろ、余裕あんのか?」

 

「そ………それもそうね…………遠慮しとくわ」

 

遠慮しとくは俺のセリフなんだがなぁ

 

 

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『不合格とさせていただきます。』

 

そう書かれた紙を二人で見下ろしていた。買い物も終わり、夜凪の家まで荷物も持ちながら帰って来た時だった。郵便入れに合否の紙があるのに気付き確認したところ、書かれていたのが上記の言葉だった

 

正直知ってた俺はそんなにショックを受けていないのだが隣の夜凪はショックだったのか「馬鹿でも分かるように演じたのに」と呟いている

 

それでも直ぐに立ち直り「ルイとレイと遊んでいかない?」と誘うあたりそんなにショックでもないらしい

 

その後、ルイとレイと怪人ごっこしてから帰った

 

 

 

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「どうして落とした」

 

広い部屋、その中には一つの椅子と机だけがあり、椅子に座る女性に足を組んで机に座っている男がそう問いかけた

 

「役者になることがあの娘の幸せになるの? あの娘の芝居は危険よ、いずれ身を滅ぼすわ」

 

不満そうな感情を隠そうともしない男に女性は冷静に答えた

 

「じゃあなんでアイツは良かった、アイツも夜凪と同類だろう」

 

「良くはなかったわ、今でも後悔してる」

 

「入れなきゃ良かったって?それこそ幸せの押し付けだ」

 

「私のスターズは誰も不幸にしない」

 

両者とも引かない押し問答、双方役者を使う立場として信念があるのだろう。その中で女は確かな覚悟を決めた顔でそう断言してみせた

 

「誰も不幸にしない?くだらねぇ、思い出させてやるよ、本物の役者って奴を、この世界でしか生きられない人間の幸福を」

 

「…………解ってるわそんなこと、ちょうど前までそんな奴がここに居たもの」

 

「解ってるなら夜凪を受からせてるはずだぜ」

 

その言葉に対して女性は何も言う気がないのか、答えることはなかった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は自分の家を出て夜凪の家に向かっていた。一緒に登校したりしてると付き合ってるとか噂がたつようになるが、単純に登校する相手が夜凪くらいしかいないというだけである。十中八九この顔の傷のせいなんだろうなと思いながら歩いていた

 

まぁこの傷のおかげで俺が何者なのか周りは気付けていない様だから一長一短だが

 

夜凪の家に着いた時、夜凪がダブルピースしながら笑顔を振り撒いていた

 

いやどういう状況だよ

 

「あ、どう?上手に笑えてるでしょ?」

 

向こうもこっちに気づいたのかその笑顔をこちらに向けてくる。なんでも昨日の試験で演じた悲しみの感情が残っていたらしくそれをリセットするために笑顔の感情をしたのだそう。わかりみが深い

 

「もっと早くこの感情学ぶべきだったわ! これなら 友達スタバに誘えそう、友達作ってからだけど!! 就職活動もどんとこいね!」

 

そんなことを言って小躍りしてる夜凪だったがレイから怖いと言われていた

 

なんでも普通涙が勝手に流れたり、一日で別人みたくなったりしない、でも役者になるからそれでいいと思ってたがならないのなら怖い、らしい

 

家族から泣きながら向けられた拒絶の念に夜凪は困惑しているようだった

 

「でも、オーディション落ちちゃったし、おねーちゃん役者になれなかった………」

 

泣き出すレイを慰めようと言葉をかける夜凪だったが泣き出したレイにつられてルイも泣き出してしまった

 

「ええっどうしてルイまで泣くの!? あなたも見てないでちょっと助けてくれない!?」

 

「すまん、これに関しちゃ俺がかけれる言葉は無いわ」

 

どっちの気持ちも解る。というか俺だってかけられた言葉だし

 

「ゴメンゴメンおねーちゃん今顔元に戻すよ。あぁこの子泣き出すと止まらないから」

 

俺の言葉を聞いてすぐに切り替えた夜凪はルイの顔に手を置きながら慰めていた

 

すると近くに車がとまり中から人が出てきてこちらに近づいてきた

 

「君が夜凪景君だね、すまないが一緒に付きてくれるかい?」

 

星アキラじゃねぇか、なにやってんだアイツ、要件言わないとやってること不審者だぞ

 

「あなたオーディションにいた」

 

「ウルトラ仮面だ!」

 

おぉ凄い、ルイが一瞬で泣き止んだ

 

「ウルトラ仮面何してるんですか!? 怪人!? 怪人出た!?」

 

「ウルトラ?」

 

「日曜朝のヒーロー、男の子皆夢中」

 

はしゃぐルイにウルトラ仮面が何なのか解らない夜凪、あまりにもはしゃぐルイを見て冷静になったレイがそれぞれ話す

 

「すまないが少年、今日はオフなんだ。私の正体については」

 

そう言って口元に人差し指を立てながらウインクする星アキラ、彼自身大事にはしたくないのだろう

 

「はい!! ウルトラ仮面!!」

 

その気持ちが伝わるかどうかは解らないが

 

「え!? ウルトラ!?」

  

「本物のウルトラ仮面だ!!」

 

「アレ星アキラよ!! 奥さん皆呼んできて!」

 

彼の気とは裏腹にどんどんと騒ぎになっていく

 

「頼む………早く車に」

 

「あなたこの前私に「帰れ」って言った」

 

「おとこってかってね」

 

「ね」

 

「皆アアア! ウルトラ仮面今日オフだからそっとしてあげてェー!」

 

なんだこれ、アキラ君可哀想になってきたな

 

その後アキラ君はどうにかして周りを落ち着けて夜凪とルイとレイを車に押し込んでいた

 

それを傍目で見ながら高校行こうと俺は歩き始めた

 

「あぁ後、そこで見ている君も一緒に来い」

 

あれ?アキラ君怒ってない?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なんであなたはここに居るの?」

 

アキラ君が運転する車の後部座席に乗り込んだ夜凪達と助手席に押し込まれた俺は夜凪に話しかけられた

 

「それよりもお前はなんで自分が呼ばれたのかを聞いた方が良いんじゃないか」

 

そりゃ俺だってアキラ君に問い詰めたいけど夜凪が居るここで過去の話されても困るから黙ってるんだよ

 

「それもそうね、運転してる人、どうして?」

 

「一人辞退したんだ、最終まで残っていた一人が昨日突然ね。だからそのかわりに君に最終審査に出て欲しい」

 

告げられたのは知ってた言葉ではあったが、多少安堵した。もし俺がスターズに居た関係で何か原作が変わってたかもしれないから

 

「おねーちゃん! これで………!」

 

「うん、これで優勝して役者になれたらおねーちゃんのこともう怖くないよね」

 

「役者になれたらもう怖くない? 何の話だ?」

 

レイの夜凪の会話に疑問を持つアキラ君、さっき殺気を出していたとは思えない程普通の口調だった

 

「私の家の押入れの中には古い映画のビデオがいっぱいあって、まるで宝の山みたいで私は何度も何度も繰り返し見ていたの、子供の頃からね」

 

そして始まる夜凪の独白、それをアキラ君は何も言わずに聞いていた

 

「あなたも役者ならきっと同じでしょう? 悲しいことや辛いことがあるとつい違う自分になろうとして本当の自分を忘れてしまいそうになるでしょ」

 

これをついでやっていまうのが夜凪の恐ろしい所だ、それこそ俺の様な紛い物と違って純度100%の天然メソッド演技

読者としてではなくてこの世界の一俳優として見るとやはりとてつもない

 

「だから私たちみたいな人がなるんでしょう? 役者に」

 

「……………なぁ」

 

ずっと黙っていたアキラ君がこちらに顔を向けて喋りかけてくる

 

「言っておくが俺は何もしてないぞ、本当に偶然たまたま通ってた高校にメソッド演技が上手いクラスメイトが居ただけだ」

 

俺がスターズクビになったから同じ演技方覚えさせて試験受けさせて意趣返しとか思ってるんだろうか

 

「じゃあ君からみて夜凪さんはどう?」

 

「天才、だな。たぶん俺よりも」

 

今の実力で言うとまだ俺の方が上という自負はある。これでも演技歴は数年だ

だが才能という面で見たとき間違いなく俺よりは凄い

 

「そうか」

 

それ以降あまり夜凪一家以外で車内で会話が起きることもなく、スターズの試験会場に着いた

 

「あっ学校サボっちゃったね」

 

「あっ……電話しないと」

 

「やっべ俺も忘れてた」

 

そういやここにいるアキラ君を除いた全員学生だった

 

「それじゃあ学校の方に連絡してから7階に最終審査会場とかかれた紙が張ってる部屋があるからそこに行ってくれ。あとお前はここに残れ、ちょっと話がしたい」

 

アキラ君殺気隠せてませんよ、お願いの文と命令文が混ざってますよ

 




ガチ切れアキラ君概念良くない、良くない?
解る人には解ったと思うんだけど運転席に座るアキラ君から助手席の主人公君を見たときに傷痕が見えるのよね

なんで切れてるのかを明かしながらアキラ君視点入れてどっかで千世子ちゃん視点入れたい
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