東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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突撃!紅魔館!part4



第十話

翔side

 

レミリア嬢の槍は紅い点として俺に突き出され、時として紅い線として薙ぎ払われる。

突き、突き、突き、払い、突き、払い。

それらを全て打ち払い、打ち退ける。

だんだんと速くなる相手の槍捌きに食らいつきながらこちらも頭が慣れてきた。

目で把握し、弾き方を判断し、身体を動かす。

 

レミリア

「慣れてきたわね?私のリハビリの筈が貴方の成長に手を貸しているみたいね。」

 

つまらなそうな声音のレミリア嬢だが絶対に楽しんでいる。

 

「じゃあ今度こそリハビリに付き合ってやるよ。

怪我して泣くなよ?」

 

突き出された槍を顔を逸らしてかわし、こちらから斬りかかる。

 

レミリア

「おっと、危ない。

でもまだまだね…………欠伸がdっ⁉︎」

 

レミリア嬢の言葉を遮ったのは俺の斬撃、振り切った刀をダンスでも踊る様にくるりと回転させ、無理矢理振るう。

ブンッ!と音を立て、レミリア嬢の頭のすぐ上を通り過ぎた。

 

「おっと惜しい

後2センチ下だったか」

 

目を見開いているレミリア嬢に更に一歩踏み込む。

 

「華麗に踊ってくれよ?レミリア嬢」

 

そこからはただただレミリア嬢に刀を振るうだけの作業だ。

 

レミリア

「っ!?

いいわよ翔、それ位ないと物足りないわ!」

 

二太刀目程から斬撃に対応してくるレミリア嬢に対し、手、いや、身体全体をフルに動かし斬撃を見舞っていく。

部屋には甲高い金属音と俺の靴の音が響く。

 

レミリア

「器用なことするじゃない、よくやるの?こういうこと」

 

少しだけ呼吸の速くなったレミリア嬢が聞いてくる

 

「とんでもない、刀を振るうのだって片手で数える程だしこんな風に武器を使った戦闘なんて始めてだよ」

 

こちらも無理に身体を動かして戦っているので息が切れてきた。

キッツイぜ。

 

レミリア

「信じ難いわね、それが本当だとしたら…………!」

 

「っつ!」

 

レミリア嬢の槍は俺の左胸の数ミリ手前で止まり、俺の刀はレミリア嬢の首筋から同じ様に数ミリの所で止まっている。

 

レミリア

「ふぅっ、楽しかったわよ、翔。

こんなの数年ぶりよ、幼い頃の咲夜が私を狩りに来た時以来だったわ」

 

「少しでも…………期待に添えたなら、何よりだ」

 

尻餅をつき、息を整えながらやっとで口に出すと、レミリア嬢の横に十六夜咲夜が現れ、俺の所には翔子が駆け寄って来た。

 

翔子

「大丈夫?怪我ない?」

 

おろおろしている翔子にヒラヒラと手を振る。

 

「大丈夫だって言ったろ?レミリア嬢だって手加減してくれたんだ、ただのチャンバラごっこだ」

 

レミリア嬢はすでに大きな椅子に腰掛けていた。

 

レミリア

「なかなか楽しかったわ、良かったら親友のパチェの所にも顔を見せてあげて頂戴。」

 

こうして、館の主との初接触は概ね良好であった。




紅魔館編
もうちょっと続きます。
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