outer side
翔はバキバキと指の骨を鳴らすと、これ以上なく丁寧に紅零を抱き上げ窓に近寄る。
そして紅零を背負ったまま窓を開ける、そしてそのまま…………。
翔
「自由落下ばんざーい」
なんのためらいなく紅零を窓から投げ捨てた。
パチュリー
「っつ⁉︎」
まさか本当に投げるなどと思いもせず、ぼーっと成り行きを見ていたパチュリーは、慌てて窓に近寄り、外を覗き込む。
そこには…………。
紅零
「いてて…………起こし方荒すぎるだろ」
腰をさすりながら翔に抗議する紅零の姿があった。
翔
「お前が油を売ってるからだ!
今翔子が美鈴を起こしてる、そっちに行ってもらうように頼むからレミリア嬢のとこに連れて行ってもらえ!
次寄り道したら48の殺人技の後に52のサブミッションを連続でかけるからな!」
翔がやれやれといった具合で言う。
紅零
「あぁしまった、魔法図書館と聞いてすっかり目的を忘れてた」
ぽんと手をうつ紅零の右から美鈴が走って来た。若干足元が覚束ないのは翔子の起こし方が原因だろう。
二人はそのまま近くの扉から館内に入って行った、それまで見届けたパチュリーは翔に疑問をぶつけた。
パチュリー
「ねぇ、彼、なんで無事なの?
彼が魔法使いなのは聞いていたけど…………寝ていて受け身が取れない状態だと決して高い訳ではないとはいえこの高さだとただでは…………」
翔
「アイツは睡眠をかなり大事にするしひどい時は20時間は寝る程の寝坊助でな
癖なんだろうが寝る前に魔法防壁を張るんだよ
…………まぁ人外の力に任せて殴り付ければ起こせるが加減が難しいんだよ」
頬を掻きながら言う翔の後ろから翔子が現れた
翔子
「やっぱり紅零を起こすにはある程度の高さからの落下だよね」
パチュリー
「なんか貴女ツヤツヤしてない?」
翔子
「美鈴の血を頂いたので…………。
とても健康的な味だった」
ペロリとしたを出す彼女を見て、パチュリーはここにいる二人が吸血鬼…………自分の親友と同じ種族だと改めて思う。
翔
「うむ、やはり何か注射器みたいなのを持ち歩いた方が良いだろうか…………?
異性に向かって血が欲しいから噛みつかせてくれ。
なんて言えないしなぁ」
パチュリー
「……………………皆悩み事があるのね。
まぁいいわ、紅零を待つならここにいてもいいし館内を歩き回っても構わないわよ、本と紅茶位しかないけれど」
静かな声を聞き、翔と翔子はそれぞれ笑みを浮かべる。
翔
「本と紅茶か…………最高じゃないか、贅沢な位だ。」
翔子
「遠慮なく本読ませてもらうね。」
こうして静かな静かな読書大会が始まった。
作者はパチュリーに対してはとにかく甘いと言うイメージが強いです(小並感)