翔 side
夕食を終えた俺達は貰い物のお菓子を食べながらいつもの様に雑談に花を咲かせていた。
翔
「あの時は冷や汗が止まらなかったよなぁ」
煎餅をバリバリと食べながら雑談をしていると誰かが俺の手から煎餅を強奪した。
驚いて振り返ると…………。
紫
「ご機嫌よう〜」
隙間から上半身だけを出し、ヒラヒラと手を振る八雲紫がいた。
翔
「なんだアンタか。
何の用だ?まさか煎餅食べに来ただけじゃあるまいな。」
わざとらしく訝しげな顔で見てやる。
紫
「まぁね、今回はお願いがあって来たのだけれど、その言い方だとまるで用がないと来ちゃいけないみたいじゃない?」
思いっきりのしかめっ面にもなんのその、八雲紫があまりにも余裕たっぷりな顔で返して来るので、ついつい吹き出してしまった。
翔
「やれやれ、来るのは構わないがせめて表から来て貰いたいものだな」
紅零
「…………頼みたいことって何です?
翔だけに?それともこの三人に何ですか?」
胡散臭い雰囲気を放つ八雲紫に対し、事務的に尋ねる紅零は何やら機嫌が良くなさそうだ。
翔子はただ黙ってことのてん末を見守っている。
紫
「そうね、そこは貴方達が決めて頂戴。
断っても構わないわよ?」
扇子で口元を隠しながら八雲紫はなおも胡散臭い雰囲気で………………あれ?今この人扇子どっから出した?
紅零
「こちらに受けるメリットはあるんですか?」
翔
「っ⁉︎」
攻めて行くスタイルー。
黙って見守ろうとしていたのに声が出そうになった。
こういうことがあるから紅零は見ていて面白い奴だと思う。
紫
「…………翔と翔子には血液を支払おうと思っていたのだけど…………そうね、貴方も行ってくれるのなら確かいい物を持ってたような…………少し待って下さる?」
隙間の中に潜ったと思ったらゴソゴソと音がする。
しばらくすると紅零の方になんか飛んで行った。
紅零
「おっ、と、これは…………リボルバー式の拳銃?」
投げ渡されたのは銀色の2丁拳銃だった。
銃身は極めて短く、凝った装飾などはされていなかった。
紫
「魔力を込めると銃弾に変えて打ち出すマジックアイテムよ、威力の調整もきくから弾幕ごっこから護身まで幅広く使えるんじゃないかしら?
もし貴方も行ってくれるのなら報酬前払いであげちゃうわ。
私使わないし。」
紅零
「…………行きます。
何をすればいいんですか?」
と、言うわけで今回も三人仲良くお出かけすることになったようだ。
そうしてこの日は八雲紫からちょっとしたおつかいを頼まれた。