東方歌唱録   作:苦労人ーくろうにん

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風を繰る男part4


第二十一話

時刻は多分正午にさしかかろうという頃。

俺と翔子、紅零の愉快な三人組は長い長い階段の下にいた。

 

翔子

「うわー長いね、階段。」

 

基本的に歩いて移動する際には特に文句を言わない翔子でさえも笑顔が軽く引きつる程長い階段。

この先にお使いの目的地である白玉楼がある。

紅零の特訓(仮)に付き合って傷だらけ&翔子に叩き起こされた時に傷が少し開いてる状態の俺には気が遠くなるレベルの難関である。

幸いにも出血は止まって来ているし、出かける前にこれでもかと包帯をキツく巻いて来たので痛みもだいぶ緩和されているが。

 

翔

「…………まぁ急ぐ必要はない、ゆっくり登ろうか」

 

もちろん傷のことは翔子には黙っている、心配するだろうというのが理由の2割、後の8割はそんな無茶をやらかした紅零と付き合って怪我した俺に翔子のお説教フルコースが待っているだろうというものだ。

そんなこんなで俺はおちゃらけながら傷を庇いつつ、紅零は周囲を警戒しつつ、翔子は楽しそうに階段を登り続けてどれほどだったか、ようやく登り切り、大きな門に着いた。

 

翔

「たのもー!」

 

翔子

「もしもーし!」

 

紅零

「西行寺 幽々子さんはご在宅でしょうかー!」

 

三人それぞれが開け放たれた門に向けて声を張るが、返事はない。

 

紅零

「…………出直すか?」

 

翔

「いや、留守なら門は閉めるだろうし入ってみよう」

 

思い切って白玉楼に踏み入った俺に翔子が続き、紅零を最後尾にしてだだっ広い庭園の様な敷地を進むと楽しそうに談笑する声が聞こえた。

 

「その時に…………で…………が…………だったんですよ⁉︎

頭にきましたよあのときは!」

 

「あらあらまぁまぁ。

それってとんでもないことよね」

 

近づいてみると茶髪で長身の青年とピンク色の髪に鮮やかな青色の着物を着た女性が、談笑していた。

間違いない、この女性が西行寺幽々子氏だ。

 

翔

「失礼、門前にて声を掛けたのだが返事がなかったもので不躾とは思いながらもお邪魔させて頂いた。

西行寺幽々子様とお見受けするが間違いないだろうか?」

 

たぶんいろいろ間違った使い方をしている気はするがまずは相手に敬意を払おうとする態度を見せなければと思い言葉を飾って話しかけてみる。

 

幽々子

「はい、確かに私が西行寺幽々子です。

何かご用事かしら?」

 

柔らかく微笑み、優しい声で返す幽々子氏。

…………なんだろうついつい母さんと呼びたくなる系お姉さんってイメージだな。

 

翔

「直接用がある訳ではないのだが。

八雲紫氏に頼まれて貴女の様子を見つつ彼に接触して欲しいとのことでこちらに出向かせて頂いた次第だ。

俺は田村翔、俺の後ろにいるのは田村翔子、一番後ろにいるのが紅零・アルフィオーネ。

記憶の容量に空きがあるなら片隅にでも置いてもらえればありがたく思う」

 

簡単に自己紹介を済ませ、俺は早速本題に入ることにした。




やっとタイトルのオリキャラを出せました。
一安心です(笑)
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