翔
「喧嘩大会ぃ?なんだよその下品な大会は」
ある晴れた日のこと、魔法以上のユカイが限りなく降り注ぐ何てことは全くなく、ただ変わった話が舞い込んで来ただけだ。
紅零
「美鈴から聞いた話なんけどな、どうやら武術の心得があったり喧嘩っ早い奴らに色んな手段で触れ回られているらしいぞ?」
翔
「で?そんなこと俺に話してどうすんだよ?
やらないぞ喧嘩なんて、どうせロクなことにはならんだろうしな」
確かに色んな奴と手合わせをすれば経験も得られるだろうが喧嘩って名前が付いている以上自分が痛い目をみることはもちろんのこと、本気で殴りかかって来る奴らに果たして手心を加えてやれるかどうか。
紅零
「開催は旧地獄で主催は鬼の…………なんて言ったかな?思い出せないけど偉い人っぽいな、三日間かけて行われる大会らしい。」
翔
「だから行かないって言ってるだろ?何を言っても…………」
紅零
「あと、参加期間中は温泉と宿が提供されるらしいな、参加者を含め三名まで適応されるらしい。
更に優勝すると地底で豪勢なもてなしがあるとか。」
翔
「おーい!翔子ー!温泉旅行行くぞー!準備しろー!
何やってんだ紅零、早く準備しろ!旧地獄の喧嘩大会、必ず優勝して見せるぜ!」
翔子と温泉!ついでに紅零も。
優勝すれば翔子と地底で豪勢なおもてなし!ついでに紅零も。
これは素晴らしい!邪魔する奴は全て叩き伏せて翔子に温泉とおもてなしをプレゼントする!ついでにいつもわがまま言ってなんやかんや迷惑をかけている紅零にちょっとした恩返しだ!
翔
「フハハハハ!スポーツマンシップ的な何かに則って全員叩き伏せてやる!
優勝するのはこの俺だー!」
【しばらく後…………】
紅零
「なぁ、翔?」
翔
「どうした?相棒?」
俺達は今、地底に来ている。
大会のエントリーをすませ、温泉に来たのだ。
混浴の浴場に入り、右隣には紅零、左隣には翔子が浸かっている、ここの温泉では混浴の際は水着を着る仕組みになっていてもちろん俺達は混浴専用の水着を着用している…………のだが。
紅零
「なんで俺ら以外皆全裸なんだよ?」
翔
「黙れ、目を閉じろ。
身体を温めることだけに専念しろ。
そして早く出るぞ。くそう、地底の奴らは皆こうなのか…………」
そう、この温泉には老若男女様々な客が来ているのだが皆真っ裸だ、高齢や小さな子供ならば気にはしないのだが若い客もそうなのだ、しかも男女共に、精神衛生上よろしくなさすぎる。
紅零は、さして気にしていない様子だが俺なんて目を開けられない。
翔子などは目を閉じて俯き、素数を数え出した。
身体を温めて風呂から上がる頃には俺と翔子はのぼせてしまっていた。
まずは翔達の茶番から物語は始まります。
安定の茶番ですね