outer side
翔達が地底の温泉に来ている頃、旧地獄の繁華街の様な出店が並ぶ地域を歩く青年がいた。
彼の名は【和泉 恭典(イズミ キョウスケ)】、どこにでもいる退屈を嫌いながらも退屈を持て余す若い鬼だ。
恭典
「喧嘩大会ねェ、あの人が出てみろってウルセーからエントリーはして来たものの、雑魚ばっかだとツマンネェよなァ」
そう、彼もまた地底の鬼主催の喧嘩大会に出るらしい。
ただ彼には杞憂に思うことがある、それは他の参加者の強さだった。
鬼の中でも特に喧嘩を楽しみ、喧嘩に誇りを持って生きてきた、もちろんまだ若い鬼ではあるがそんな中で育った恭典だからこその心配事だった
恭典
「弱い者イジメってェのはカッコ悪過ぎる、ツマンネェし空しくなるだけだしなァ」
恭典の向かう方から2人組の鬼が酒を飲みながらやって来た。
片方は細身の、もう片方は恰幅のいい鬼だ。
随分と飲んでいるらしく完全に出来上がっている2人組だった。
恭典
(チィ、面倒臭そうな奴らだなァ、道開けてやるかァ)
恭典は半身になり、2人とすれ違うことにした、十分に道幅を空けてはいたのだが。
細い鬼
「おっとぉ?」
明らかにわざとといわんばかりにフラつき、恭典にぶつかり、大きな盃の中の酒を恭典に浴びせかけて来た。
太い鬼
「おいおい兄ちゃんぶつかっておいてなんもなしか?
酒まで零れちまったぞおい!」
恭典
「…………道は空けてやったしぶつかって来たのはアンタらだろォ。
しかもこっちは酒まで浴びちまったンだぜェ、なんかなきゃァいけねェのはアンタらじゃねェのかァ?」
苛立ちを必死に隠しながら恭典は静かに答える。
細い鬼
「なんだとこのがきゃぁ!調子にのってんじゃ…………」
喚きながら拳を構えた細い鬼の顔面に恭典の拳が突き刺さった。
そしてそのまま細い鬼を地面に叩き伏せる。
細い鬼はそのまま気を失ってしまった。
恭典
「酒はオレも好きだぜェ。
だがなァ他人に突っかかって行く様なクズは大っ嫌いなんだよォ…………テメェみてェな奴らがなァ!」
太い鬼
「ガキが抜かしてんじゃねぇ!」
太い鬼の拳を恭典は、片手で受け止めて見せた。
恭典
「それからなァ、こんな人通りの多いとこで喧嘩なんか仕掛けてんじゃねェぞ!」
恭典のボディブローが太い鬼のみぞおちに叩き込まれ、太い鬼は、細い鬼に覆いかぶさる様に気絶した。
恭典
「チィ!
面倒くせェ馬鹿共が…………。
そこでずっと伸びてやがれ」
タバコに火をつけ、恭典はその場所を去って行く、彼が大会に望むのはたった一つ。
恭典
「楽しい喧嘩がしてェ…………。」
誇りのある喧嘩をしたいということだけだ。
outer side out
今回は早い段階でオリキャラ出せました、よかったです